マガランの観てきた!クチコミ一覧

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回帰熱

回帰熱

観覧舎

OFF OFFシアター(東京都)

2015/01/14 (水) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★

情熱に回帰
先日、公演を打った仲間が数名出演されており、観に行った。

ネタバレBOX

始まり方が好きで、映像を舞台に起こしたような感じにも思えた。
劇中劇、回想など、各シーンごと描き方が色々変わったりして興味深かった。

女優というか俳優業をやる悲哀と厳しさが
色んなシーンの端々から読み取れた。

助監督のキャラが良かった。
パッションを連呼する女性監督に
もう少し突き抜けたうざったさが欲しかった。
プロデューサーにもう少し嫌らしさとエロさも。

途中に流れる曲が世代的&個人的にも、どストライクだった。
B'zのあの曲で相撲を取るとか。

今作をもって作演出の方は演劇を辞められると、
アフタートークで言っておられていて、
個別の事情については全く存じ上げないが、
またやりたくなったら、やるのも一興ではないかなと思った。
劇作家女子会!

劇作家女子会!

劇作家女子会×時間堂presents

王子小劇場(東京都)

2013/06/13 (木) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

少し特徴の異なる物語たち
どの作品も全く毛色の違うもの。
コンセプト上、女性目線で語られる作品たちが
集まったということだが、
それはもちろん劇作家女子の皆さんだから、
当たり前。

観た後に思ったのは、男性の劇作家が作った物語と
差異が物凄くあるとは感じなかった。

ただ取り上げるポイントとか
細かい特徴が面白いなっていうのが
それぞれの作品の色んなところにあった。

ネタバレBOX

「彼女たち」は、
女性の視点を持って
二股をかけられた女性同士が
思いがけず出会ったら、という話。
普通ならその後は修羅場を予想するが、
ただ争うにしても、
自分がどれだけ相応しいかを相手に示す、
そこで変に見栄を張ってでも
自分が優位であることを示すというのが、
今の女性の実態のように思わせる。
本当にそういう傾向なのかもしれないが、
そのやり取りの可笑しさが面白い。

「Compassion」では、
男を翻弄する女について、
何を目的としているのか、
打算はあるのか、純粋な本心だけなのか、
そういうことを考えることが野暮なのか、
色々思わせるところがあり、
ストーリー自体が観る者の想像によって
変化できるなってところに見入った。
阿波屋鮎美さんのイメージが
良い意味で変わったなと。

「バースデイ」では
作者のモスクワカヌさんの創作のスタンスが
かなりネガティブなところから始まっているようで、
それ故か、ぱっと観た感じの印象にない、
不気味さ、恐ろしさもあった。
それだけに終わらないと感じさせるところもあって
もう少々長く観たかったな。

「親指姫」では、
メールを代筆するというのと、
学校のクラスでのポジションのギャップ、
そういったちょっとした社会テーマを
ポップに扱っているのが面白い。
小学生だけれども、そこですでに
恋愛において何が大事なのかを突きつけられるとは、
なかなか早熟だな~なんて思ったり。

長瀬みなみ、阿波屋鮎美の時間堂新メンバー陣が
良かったな。
客演の佐々木なふみ、木内コギトも良かった。

イベントとしても初日は、
オープニングパーティーがあったけど、
行き当たりばったり感が逆に良かった。
狂乱フリーク

狂乱フリーク

ソラニエ

d-倉庫(東京都)

2015/01/22 (木) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★

狂乱フリーク
初めて観るユニットでした。
知り合いの方、他の公演で拝見した方が何人がご出演されていた。

ネタバレBOX

テーマとして感じたのは、
「何かから逃げる、追う、追われる」「沈む」「本当の自分」etc.

まだ他にも色々言葉にして表すのが難しいテーマがあるだろう。
そのため難しい作品かなと思ったが、
役者がそれぞれ登場人物の個性がきっちり描き分けていて、
一言では言い表せない世界を作り上げていた。
シンプルだけど推理的要素もあって楽しめた。

主人公の辻(岡慎一郎)と中学時代のクラスメイトが中心になっているが、
彼ら以外も話を広げられそうな魅力を持った登場人物がいた。
例えば事件の陰湿さ、凄惨さを望むいずみ(キジマチカ)とか。
もしかしたらそこを同じ尺の中でさらに深みとして出せたら、
良い意味で「気味の悪い、得体の知れない」感じになっていたのかも。

辻の先輩ミヤマ(佐藤匡)と
中学時代のクラスメイト黒澤(フジタタイセイ)が見応えあった。
黒澤の気味悪さとミヤマの飄々としながら押さえる所は
しっかりしているのが良かった。

女優では、ミヤマの助手(ニシハラフミコ)、マリ(日野柚莉)、
リリカ(森かなみ)が気になった。

あと舞台美術がシンプルで好きだった。
ラストに出てきた小道具で
様々なものがくっついた被り物に何か意味があるのか、知りたかった。
荒川、神キラーチューン

荒川、神キラーチューン

ロ字ック

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2016/06/29 (水) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

神はいるか?
シーン毎に印象深いところがありました。

ネタバレBOX

ラストの赤い羽根が落ちるシーンはカタルシスを感じられて、
あのまま終わるのもありかな。

学校内での女性同士の世界は、
男性の場合と同じようでいて、
精神的に強いストレスを感じてるものなんだろうなと。

小野寺ずるさんが良かったです。
振り回されそうで踏みとどまるような、
雁字搦めでいて抑圧を跳ね飛ばすような、
鬱屈としたエネルギーを持っている様を感じた。

男性のキャストがもっと絡んでくると、
層が厚くなって空気が濃厚になるかなとか思った。
地下室

地下室

サンプル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★

関係の歪み
舞台美術が凝った作りになっていて、
それを見た複雑な印象以上に、
人々の歪みが気味の悪い感じになっていた。

ネタバレBOX

店を舞台として、血のつながりは無くても
集まったものたちで家族のような共同体を作っていて
一見すると、誰もが穏やかな印象。

ただ視点を変えると、
この共同体の関係の歪みが徐々に分かってきて、
良い意味で気持ち悪さや怖さを感じた。
隔たりが大きいからこそ、笑いも度々起きたように思える。

共同体の要である森男(奥田洋平)と彼の作る水が
外部から入ってきた酒井エリ(富田真喜)という女性によって
徐々に変化し、みんなの関係が壊れ、
これまで穏やかに見えた人々の別の一面が表れてくる。

店長の相川(古舘寛治)がいう、
「毒を出す」という意味の懺悔のような仕組み、
立派な家族の一員となるための店長と繋がる儀式。
最初から少しずつ感じてはいたが
まさにカルトなどの新興宗教に繋がる。
個人的にビリビリと警戒感が走った(笑)
執筆当初は、オウムなどのカルトが意識されていたという。

ただここで普段から、
どれだけ曖昧な言葉を多用しているかは身に染みた。

あと巷で聞こえの良い、
「リサイクル」「毒を出すこと(≒デトックス)」
「自然食品」などを扱って別の解釈で表すこと自体が
痛烈な皮肉であるように感じた。
罰符

罰符

NAKED SOUL PROJECT

space turbo gallery shibuya(東京都)

2014/03/15 (土) ~ 2014/03/18 (火)公演終了

満足度★★★★

見方によって
2人の対照的なデリヘル嬢の対話劇。

ネタバレBOX

夫に内緒で借金を抱えた人妻、つばき(落合咲野香)。

風俗の経験豊富で旧知のパートナーが立ち上げた店で
業界に戻った、せりな(片岡ちひろ)。

互いの立場が、状況の変化と相まって変わっていく。
それを何気ない台詞のやり取りで見せてて良かった。

つばきがタブーである本番について
「みんなやってて私だけなぜダメなのか」と言う台詞があったが、
物事の当事者になると生じる疑問が、
第三者から見ると違和感を覚えることもある。

風俗という世界にもルールがあり、そこに不条理もある。
あまり良く知らないので詳しく言及できないけれど、
それをどう理解しながら対応するか。
自分はその世界で何をしたいのか。
どう自分を変えていくのか。

デリヘルという世界から考えさせられた。

会場の立地が雰囲気抜群で、
特に夜の回は作品の世界観を現実でも堪能できる(笑)
『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

「千両みかん」/「屋上庭園」
それぞれ、アイディアが面白い。

ネタバレBOX

「千両みかん」

古典落語の演目を二人の役者が演じる。

<あらすじ>
上方の呉服屋の若旦那が急な患いにつき、
「明日をも知れぬ」状態となった。
医者に見てもらった結果、
「気の病」で何か心の悩みが解消すれば治るのではと言われる。
旦那は息子の若旦那を救うため、
番頭に若旦那の悩みを聞き出すよう命じる。
番頭は渋る若旦那を言いくるめ、白状させると、
若旦那は一言、「みかんが食べたい」と告げる…

ちょっと後に調べたら、
落語の話自体に東京と上方で違いがあるという。
(今回は上方版の話)

通常の落語では、一人で複数人を演じるが、
今回は二人。

しかも役柄を固定せずに、
同じ役を入れ替わり演じ分けたりもする。

ただの会話劇というより、
落語そのものを二人で演じ分けたという印象。

面白かったのは、役者の位置取り。
会話劇のように相手と向き合って話すことはほとんどない。
互いに正面を切ったり、その場に応じた、
その場を表すような位置取りが、面白い演出だと思った。

中村早香さんが良かった。
落語自体が昔の言葉、口調で作られたもので、
彼女から発せられる台詞が軽快で楽しい。

全体的に動きも忙しく、身体を使ったものもあるが、
そこもやはり軽快で飽きない。

「屋上庭園」

岸田國士原作の短編。
貧しい並木(糸山和則)とその妻(榊奈津美)、
並木の友人で裕福な三輪(沼田星麻)とその妻(毛利悟巳)の
二組の夫婦の会話劇。

面白いのは、衣装。
この二組の夫婦の違いを衣装で見ると、

単純に裕福な三輪は白いシャツ→ホワイトカラー。
貧しい並木は青いシャツ→ブルーカラー。

で階級の違いを表しているように見えた。
それぞれ妻も夫と同じようにシャツが同じ色、
スカートが逆の色で青と白のコントラストが綺麗だった。

もしかしたら、他にも意味が込められているのかもしれない。

スタジオ空洞が基本まっさらなスタジオなので、
ブロックを置き、板を渡して色々な場所に見立てるのが
シンプルな半面、役者の動きが大変そうだった。

三輪の親切を出来るだけ遠ざけようとし、
卑屈な感じを妻の前だけにさらけ出す
糸山和則の醸し出す陰の雰囲気が残った。
東京福袋

東京福袋

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2012/09/02 (日) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

まさに「福袋」
東京芸術劇場って実は前に一度来たことがあった。
知り合いが出演していたピープルシアターの作品だった。

何となく場所の雰囲気は覚えているが、
リニューアルしてまったく別の新しい場所になっていた。

本公演は、東京芸術劇場リニューアル記念で
毎日4団体ほどがそれぞれに短編を上演。

ネタバレBOX

まさに「福袋」。
中身が全くわからないわけではないが、
ジャンルを問わない雑多な舞台作品が集まった感じ。

1本目…カナダの劇団コープス(CORPUS)『飛行隊』。

<あらすじ>
カナダ軍第217飛行中隊は、
きびしい予算削減により飛行機をすべて失ってしまう。
でも5人の戦闘パイロットは志を失わず、
可能なあらゆる場所で地上訓練を続けていく。

最初は、語学的な違い(英語やフランス語など)から
ぽかん、としてしまったが、
途中で観客の男性をステージに上げて、「キャプテン・フィフィ」として
即興でパフォーマンスの輪に無理矢理加えてしまうところは可笑しかった。


2本目…珍しいキノコ舞踊団『珍しいキノコダンス』

これがコンテンポラリーダンスというのか。
女性による不思議な動きの混ぜた舞いという感じでした。
だけれども出演者の動きが力強い。


3本目…柿喰う客『いまさらキスシーン』

<あらすじ>
勉強、部活、恋愛と、
どれにも全力投球したい女子高生・三御堂島ひより
(ミミドウシマひより・玉置玲央)は、
背筋をピンと伸ばして国道4号線を突っ走る。

これ目当てでした。柿喰う客の作品でも度々再演され、
好評を得ている玉置玲央主演の一人芝居で、
つい先日には、劇団員の永島敬三さんバージョンがやっていた。

キャストの玉置さん、永島さん、どちらも身体能力が高いのは、
裏を返せばそれだけかなり激しくエネルギーを消費するってことだろう。

とにかく高校時代は時が過ぎるのが早い。
勉強か、部活か、恋愛か。
そう思っているうちに時は過ぎてゆく。
早口で止めどなく流れる言葉で、時があっという間に流れ、
うまく考えていても思った通りにならない高校生活。

終盤の冬の情景は、まるでそこにあるかのように感じられた。

身体表現の豊かさは言うまでもないが、
これが玉置玲央という役者の力なのか。

色んな感情を揺さぶられる、短い青春のような作品だった。


4本目…東京デスロック『Counseling』
主宰の多田淳之介さんとSPAC芸術監督をされている宮城聰さんの対談。

多田さんが劇団の東京公演を休止した経緯から、
東京を離れて演劇をすることについての思いを語り、
後半に宮城さんがだんだんと話していく。
東京と地方で演劇の捉えられ方が違うこと、など興味深い話題が。

本日まとめのアフタートークのようでもあるが、
内容は講演と言っても十分すぎるほど。
ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー

ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー

Ammo

d-倉庫(東京都)

2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了

満足度★★★★

陽気と残酷の王国
二律背反、陽気と残酷が入り混じるサッカー王国、
ブラジルのファヴェーラ(スラム)があった。

ネタバレBOX

実在の事件(カンデラリア教会虐殺事件)を元に、
架空のファヴェーラ(スラム)、
エンジェルフォール・ヒルにあったアマチュアサッカークラブ
「ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー」と
それを巡る物語。

とにかく重い。
ズシっときた。
重いけど、こういった重さは良い。

私事になるが、
一昨年に行われたサッカーW杯ブラジル大会に
友人が現地観戦に行っており、その時の話を聞くと
あまりの治安の悪さに宿泊地とスタジアムの往復以外で
外出は禁止されていたという。

「シティ・オブ・ゴッド」という映画もあったように
ブラジルの貧困格差は深刻で
ファヴェーラ(スラム)にはストリートチルドレンが溢れ、
犯罪の温床となっていたため、
当時は地域や社会がストリートチルドレンを
法外に処罰する警察官(通称、死の部隊と呼ばれた)を
多くが指示していたという。

ファヴェーラ(スラム)にいる人々は、
そこを支配するギャングに従うしかなく、
また外へ出ていくのも難しい。
唯一この飼い慣らされた地獄を脱出する術が、
サッカーで出世すること。

劇中でも現実世界でも同じような感覚で
ブラジルの感じたことのない空気が流れていた。

ファヴェーラ(スラム)で相次ぐ警官殺しを追っている
記者マリア(前園あかり)はそのファヴェーラ(スラム)で
10数年前に「ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー」という
アマチュアサッカークラブが存在し、
名門バルセロナへ移籍が決まったスーパースター、
アレックス・フェチース(津田修平)が在籍していたことを知る…。

サッカーになればギャングもスラムも関係ない、
そんなブラジルの熱狂が垣間見れたし、
同時に貧富の差に翻弄されていく闇を覗いた。

スラムの少女、カミラ(石塚みづき)とズレージ(木原実優)は
爽やかで素敵だったし、
スラムの女ギャング「マリア」と
新聞記者の「マリア」を演じた前園あかりは
力強さと繊細さを併せ持った魅力が良かった。

死の部隊の警官、
エスケルディーニャを演じた西川康太郎は
陽気さと残酷さの両面を巧みに見せて
見応えがあった。

願わくばもう少しサッカーを絡めて欲しかったが
サッカーに限らないいろんな要素で構成されているので、
これがいい形なのかもしれない。

本当に役者が作り上げた
ブラジルのファヴェーラ(スラム)が素晴らしく、
良い観劇になった。
完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★

リチャードの歪さとは何なのか。
女体シェイクスピアも7作目。『リチャード三世』を芝居で見るのも初めて。

ネタバレBOX

15世紀、ヨーク家とランカスター家の内紛である
薔薇戦争の最中のイングランド。
病床に伏していた国王エドワード四世(八坂沙織)の弟
リチャード(安藤聖)は、王位を狙うために暗躍する。

今回はまた素舞台。開演前は幕で隠されており、
幕が開かれる(実際は下りる)とそこには女優七人の後姿。
この劇中でも見栄をきるような、瞬間瞬間の見せ場の作り方は
さすが中屋敷さんの演出だなぁと。

チェスの盤上のような舞台で
騙し騙され、憎み妬みが渦巻き、
血で血を洗う殺し合いが。

リチャード(安藤聖)以外はフライヤーのような露出が多めのドレス、
リチャードだけはパンツルック。

リチャード三世がせむしである設定のため、
歩き方や仕草をそのように見せていた。
その回のアフタートークで中屋敷さんの解説によると、
他で上演される『リチャード三世』の場合、
「いかにリチャードが歪であるか」を表現するかがポイントとなっているが、
『完熟リチャード三世』では、
周りの人物をファッションショーのモデルのように美しく振舞わせることで、
逆にリチャードの歪さを表現したというのがあり、
とても腑に落ちた。

安藤聖さんの好演もあるだろうけど、
他の女優が見た目も仕草も艶っぽく女性らしさを出すことで、
リチャードだけが異質だなと自然に思わされた。

リチャードは稀代の大悪党とされるが、
彼に翻弄されたり利用する周囲の歪さが
リチャードとなって現れているようにも思えた。

今回の女体シェイクスピアは、
普段男性の俳優がやるのを女優がやるという以上に、
女優だから出来ることを見せてくれたように思えた。

柿喰う客の女優陣も皆艶っぽくこれまで以上に
女優としての魅力が溢れてた。
安藤聖さんは自分が演じるリチャードを上手く体現し、
八坂沙織さんは正統派な美しさ、
内田亜希子さんは凛として大人の女性の色気があり、
岡田あがささんはキレキレな美しさとコメディセンスも良い。

精鋭女優七人でがっちり吉祥寺シアターの空気を掴んでいた。
森の別の場所

森の別の場所

時間堂

シアター風姿花伝(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★★

価値の置き方
3時間もの長編舞台は初めてではないが、
海外の古典だし、どんなものかと思っていた。

全三幕、一幕後に中入り。

特に中入り後の二幕、三幕は緊迫感があり、
時間があっという間で見応えがあった。

ネタバレBOX

南部のアラバマ州バーデンで
南北戦争後に財を成したハバード家。

一代で今の地位を築くも、強引なやり口で
街中から敬遠されている父、マーカス(鈴木浩司)。

戦争後から心を病みつつ、
黒人への教育を夢見る信心深い母、ラヴィニア(ヒザイミズキ)。

父の右腕として会社を支えつつも、
野望を秘めた野心家の長男、ベンジャミン(菅野貴夫)。

黒人を襲って逮捕されかけたり、
売春婦に熱を上げたりと思慮の浅い次男、オスカー(松井美宣)。

父から溺愛されていることを利用しつつ、
没落一家の将校との結婚を夢見る長女、レジーナ(直江里美)。

彼らと関わる人々との駆け引きを描く。


各々が自分の野望を叶えたいがために
相手を巧みに利用しながら、出し抜こうとする。

そんな様子だから決して誰もが相容れることはなく、
好意を寄せる相手にも思いは伝わらず、
すれ違っている様が何とも無常。

「人は自分が信じたいと思うものを信じる」

この台詞が表している世界観は
今の世にも通じることだろう。

だけど時代も違えば、国も状況も違うので、
現代とのリンクはあまりないと感じだ。

戯曲としては平田オリザ先生のように言うなら、
母のラヴィニアという内部の存在が
冒頭からの大半を「厄介者」で誰もが関わりたがらない、
外部の存在のような扱いを受けているのに、
終盤でマーカスの過去の罪を暴く証人であり、
証拠も握っていると発覚すると、
とたんに誰もが重要視して、
すり寄る内部の存在に変わるのが面白い。

母のラヴィニアの価値の置き方。

妻として母としてぞんざいに扱った者ほど、
変わった後の価値の反転が大きい。

人や物事を一方からしか見ないために、
他に持っていたり、普段隠れて見えない価値、魅力に
気付かない虚しさを感じさせられた。

役者としては、
捉えようのない母、ラヴィニアを演じたヒザイミズキ、
情けない次男オスカーを演じた松井美宣、
オスカーが恋する売春婦ローレットを演じた長瀬みなみが印象的。
春、さようならは言わない。【当日券若干数販売しております】

春、さようならは言わない。【当日券若干数販売しております】

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

その歌はあの日を思い起こさせるのか。
高校のシャンソン部を舞台にした青春歌劇。

ネタバレBOX

開演前のナレーションで
エセミュージカルと言っていたが、
ミュージカルほど確立した世界観でなくても、
個人的には良い意味でアクが強くなく、ドラマを盛り立てるのに
大事なシャンソンの歌は良かったと思う。

高校卒業から1年、
元シャンソン部の部長だった橘(赤間直哉)は
伊豆にある母校を訪ねていた。
顧問だった牛坂先生(辻沢綾香)と会い、
シャンソン部結成からを振り返る。

劇中でシャンソンが一人芝居と言われるように、
ある意味シャンソンを歌うこと=モノローグに近いのでは
という印象も受けた。

片思いが繋がらない、再会の約束など
切なさを盛り上げる要素はたくさん。
ただ中盤とか少し笑いを狙い過ぎたかなと思えたところも。

桐嶋薫(井端珠里)が歌うフランス語の「愛の讃歌」は
とても見応え、聴き応えがあって素晴らしかった!

お目当てで観た陣内ユウコさんも歌にドラマに素敵だった!
どりょく

どりょく

かわいいコンビニ店員 飯田さん

北池袋 新生館シアター(東京都)

2016/06/02 (木) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

新作短編集を観ました。
昨年、本公演で初めて観た団体。新作短編集を観ました。

ネタバレBOX

『果実』
携帯ショップのバックヤードの休憩室が舞台。従業員の女性たちの本音が徐々にあぶり出され、それぞれが前に働いていたキャバクラの立地や時給で格付けを決めていくちょっとしたクズっぷりが面白い。一番年上で厄介者の大澤さんが本当に嫌なキャラクターだが、だんだんと彼女にも感情移入できるようになっていくのはいいなと思った。


『軋むほど君を抱きしめて』 
彼女を抱きしめるタイミングを掴めない彼氏の浮気が発覚するが、自分は複数人を同時に愛するポリアモリーだと告白。もう一人の彼女、茜もポリアモリーで、複数人を同時に愛すること、浮気がなぜいけないことなのかをもっともらしく説いていくが…。話が進むにつれてイニシアチブを取る人物が変化していく様が面白い。茜がキワモノのキャラクターで面白いが、もの凄く冷静でどちら側にも理解を示して波風を立てない性格なので、彼女がもっと掻き乱してしまうのも面白そうかなとは思った。


『美の生産者たち』
とある中小企業に清掃員として派遣された若者たち。学歴もなく収入も低いため、将来に漠然と不安を感じながら、喫煙室でサボっているのを派遣先の社員になじられるが…。清掃員たちの心の叫びというか漏れ出てくる気持ちに身につまされながらも面白かった。喫煙室にやってくる女性社員の百合を天使のように感じて恋するも、度々なじりにやってきた社員の婚約者だとわかり、衝動的に気持ちを奮い立たせ、彼女を取り戻そうと行動を起こす。やっちゃいけないんだけど、彼らが冒頭で諦念を蔓延させた様子からバイタリティ溢れる姿に変わっていったのにはある意味希望を感じた。野地さんがいい。あと清楚な女性社員の百合を演じたQ本かよさんが、『果実』ではギャルっぽい店員を演じていて、ギャップが凄いなと感じた。
誰もいない場所

誰もいない場所

OMEGA CRUE ARTISTS

上野ストアハウス(東京都)

2016/06/22 (水) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

タイトルから
とてもシンプルだけど良い話でした。

ネタバレBOX

OL二人が心霊スポット巡りで見つけた
会社の近くのつぶれた映画館。
主人公の美映は壁にある映画のポスターに既視感を抱く。
そして誰もいないはずのところにいた
映画館の支配人、城島に乗せられ映画を観ることに・・・。

映画がベタなB級映画である以上に、
メイキングになっていていつしかメイキングがメインに。
ここに仕掛けがあってそこから
主人公に関わってくる事実が浮かび上がる。

分かりにくさがなくて良いなと。
映画館の支配人、城島が良い感じだった。
もう少し伏線を張るのを抑えても良かったかと思うが
彼のキャラクター的には不自然に感じなかった。

美映の友人、由佳役の池田萌子さんがとても良かった。
ハキハキして突っ込み役でコメディリリーフだけど、
葛藤も抱えていたことが分かり、
その変化がとてもよく伝わってきた。

最後に美映が救われることで由佳も救われる構図だったのが、
もう少しはっきりさせるともっと良かったかも。

ラストのあの曲は反則(良い意味で)良かったな選曲。

当日パンフレットも凝っていて
旗揚げ公演として素晴らしいと思った。
観た回の空席が残念だなと思うくらい。
別れても好きな人 2014

別れても好きな人 2014

劇団競泳水着

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/11/06 (木) ~ 2014/11/17 (月)公演終了

満足度★★★★

別れてもなお、
この時期に観ると、ふいに・・・。

ネタバレBOX

思い返すような。
寒い冬に観るとなんとも言えないこの感じ。

個人的には劇団競泳水着で過去に観て好きな
「すべての夜は朝へと向かう」に
舞台セットの作りが似ており、
時系列ごとに10年おきの過去、現在、未来を描く。

再々演ということで
私は初見ですが10年前の初演から、
公衆電話が真新しいものとなり、
携帯電話が見慣れたものになったのが
大きな違いだろう。

公衆電話も10円玉も上手く活かされているなと思った。

自分が好きになった方だと
どうしても相手の立場の方が優位になって
悪く言えば相手に翻弄されてしまいがちなのかもしれない。
必ずしもそうとは限らないけど。
そういった報われきれない思いが絡まってる感じはあった。

キャラクターとしては、
福永朱梨さん演じる女子高生の無垢だけど、妖しい感じが良い。
一途に婚約者を思う松下仁さんに迫るところが印象的(笑)
亀田梨紗さんの凛としている表と裏のギャップが良かった。
篠原彩さんはキュートでしたが、もう少し深く描いてほしかったな。
武子太郎さんは良い立ち位置でコメディパートを担っており面白かった。
村上誠基さんの抑えた演技と相楽樹さんの夫婦が新鮮。
CAの須田彩花さんと教授の松木大輔さんは良い存在感だが、
違うかき乱し方をしてほしかった。
すがやかずみさんのはかなげなところ、
対照的に奔放な女性を演じた谷田部美咲さんも素敵だった。
最悪な大人

最悪な大人

劇団献身

OFF OFFシアター(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

最悪な大人
面白くて笑った。勢いを感じた。

ネタバレBOX

猫を捨てに行ったときに赤ちゃんを拾った加瀬は
そのままその子を育てる。
フードファイターとして人気が上がり有名になりかけるも
結局変なトラウマ(ご飯を二合以上食べれない)を抱えただけで、
その後、運送業者の雇われ所長におさまる。
ある時、その営業所に近所に越してきたチンピラが怒鳴り込んできて…。

とにかくギャグが多く、チンピラ役の高木さん、
配送員役の古賀さん、木村さん、奥村さんらが絡んでくるとまず面白くなる。

親子のところは不器用で互いに思いを伝えられない
親父と息子のところに共感を覚える部分もあった。
息子役の東さんは引きこもり役が上手く、
真に迫っているように感じられた。

結局あらゆる問題というのは向き合わないことから
起こってしまっているんだな、ということに
改めて気付かされた気がする。

向き合いたくない現実を敢えてスルーすることは
大人がよくやることなのかもしれないし、
その姿が時として最悪と映ることもある。

ただそれでも伝えられるものなら伝えたいという思いを持ちながら
不器用にでも生きて、生き様を晒してることは
時として最悪ではないのかもしれないなと思った。
the Code

the Code

FUTURE EMOTION

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/12/03 (木) ~ 2015/12/06 (日)公演終了

満足度★★★

違う世界をもっと。
量子コンピュータを巡る研究者の話で量子コンピュータについて興味が沸いてきた。

ネタバレBOX

OPのタイトルロールが凝っていたので、
そんな表現を用いたりして、
舞台上にないコンピュータ世界でのやり取りを
もっと描くことが出来たら良かったかなと。

研究室で人の出入りが激しいのに、
もう少しテンポ良く展開できたらなと思いました。
暗号とかの謎解き要素があるので、
さらにぐっと観る側を引き込めるのではないかと。

先日の劇団鋼鉄村松『仮面マタドール(レプリカ)』に出てた辻明佳さんが
妙に艶っぽくて、嫌われ役なのに
ちょっと憎めないってところが素敵だった。
もっとツンツンして嫌味を出しても良いかも。

アシスタント役の田中希奈さんの声がとても印象的だった。
正義の味方

正義の味方

劇団三日月湊

王子小劇場(東京都)

2014/11/13 (木) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★

古きヒーロー
こういった作品はあまり観たことがなかったので、ある意味新鮮だった。

ネタバレBOX

かつて正義の味方(だった?)に憧れていた男の
自分自身の存在への問いが、
虚実入り混じる感じで描かれたものなのかなと。

自分探しのようにも思われ、そこはむしろ現在にも当てはまるようで、
ただ全体の雰囲気は昭和のレトロさといった様子だった。

新劇のような、それに王子小劇場が地下にあることで
アングラっぽい雰囲気もあり、
さながら芝居小屋のようだった。

圧倒的な強度が必要とされる芝居だと思うので、
ものすごく濃い芝居がかった芝居が要求されるものだと感じた。

人や舞台装置の動きが忙しなくて見所はあるが、
主人公の男にもう少し芝居がかった強度と抑揚があると良いなと思った。

それでいうと女を演じた鳴海由莉さんは世界観に沿っていて
入り込んでいる立場として観れたので、
あのくらいキャラが立っているといいのではと思った。

物語自体を楽しむ類の作品でないにしても、
もう少し引きつける何かが欲しかった。
パイドパイパー と、千年のセピラ

パイドパイパー と、千年のセピラ

劇団ショウダウン

あうるすぽっと(東京都)

2015/09/04 (金) ~ 2015/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

『千年のセピラ』→『パイドパイパー』
『パイドパイパー』と『千年のセピラ』、両方観劇しました。

観た順番としては『千年のセピラ』→『パイドパイパー』で
物語の時系列に沿った形で良かったかも。

ネタバレBOX

『千年のセピラ』

『パイドパイパー』の前日譚で
物語の鍵を握るパイドパイパー(林遊眠)誕生の物語。

実際に伝承で残る古代ローマ帝国建国時の話を基に
そこで起きた事件とそれにまつわる悲恋のエピソードを交えて描く。

ローマの少女に姿を変えていた夜の女王を語り手として
小国サビニ王国出身の女性タルペイアが
幼い頃にローマの兵士にさらわれるも美しく成長した10年後に
力を戻しつつあったサビニの新たな王ティトゥスと恋に落ち、
カピトリウムの砦の戦いでサビニ側に加担するも
ティトゥスに裏切られ殺されてしまう。
夜の女王の力によって自らの望みを
不死の力を持つ笛吹き芸人パイドパイパーとして転生し、
長い時間の旅を始めていく。

劇場が『パイドパイパー』本編と同じで
広く作りこまれた舞台美術だったため、
縦横に動き回っていて、見せ方もあるだろうけど、
ちょっと広さに負けてしまっている気がしないでもなかった。
だんだんと劇世界に入って、特に2幕以降は急激に盛り上がって、
ラストに至るカタルシスは良かったという印象。

林遊眠さんの凄さを再度体感しました。

『パイドパイパー』
これまで観たのが林遊眠さんの一人芝居だけだったので、
複数人登場する作品は初めて。
ただそのこれまで観た一人芝居は
ショウダウンの型だったんだなと。

彼女以外に二つの時代(1284年と1945年)に
語り手のポジションを担うものがそれぞれおり、
この時空を越えた壮大な物語が語られる。

中世(1284年)。
不死の存在であるミリアム(真壁愛)を巡って、
ギョーム(三好健太)率いるテンプル騎士団から彼女を奪還するため、
エーフェルシュタイン家最後のトリックスター・パイドパイパー(林遊眠)、
ミリアムを守る騎士となったヒース(飯嶋松之助)と従者のマルヴォ(為房大輔)は
テンプル騎士団と敵対するイスラムのスルタン・アシュラフ(伊藤駿九郎)たちと共闘し
ミリアムの行方を追っていた・・・

現代(1945年)。
歴史の教師イグリッド先生(山口敦司)は生徒たちに
教科書にない物語を話す。そのうちメリア(真壁愛)が来なくなってしまう。
一方で某大国の諜報員アーシェ(根本沙織)たちは
世界を終わらせる力を持つ少女を探して暗躍。
そこにパイドパイパーとヒースが現れて・・・。

主にこの二つの時間軸を行き来しながら
最後は現代で収斂していく。

ヒースが不死になったのがやや掴みにくかったかも。
何となくで理解はできたけれど誰かに説明するとなると難しいかな。

林遊眠さん演じる名無しのパイドパイパーは
冒頭の陽気で飄々とした様子が楽しかったが、
その後、性格が様々に変わり、
キャラが一貫していないように思えたのが少し残念かな。

あと彼女以外にも複数のパイドパイパーたちが登場するが
笛による魔術を使える点は同じ、
名無しの彼女だけは不死というのが「違い」だろうが、
見方によっては混乱しかねないかなとも思った。

ただやっぱりこれも終盤への盛り上がりは流石だし、
壮大なテーマへと至ってもやり切れるパワーは凄かった。

林遊眠さんはじめキャストの皆さんの健闘に拍手を送りたい。
夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

夏目漱石とはどんな人だったのか。
とても芝居に集中する環境でした。

ネタバレBOX

個人的に「こゝろ」以外に
夏目漱石の著作を読んだことがなかった。

当日パンフレットに載っていた
作/演出の谷さんの言葉通り、
夏目漱石の人となりをwikipediaで参照。

幼少期も特にそうだが、生涯を通して
なかなか波乱の人生だったようで、
著作にもその経験がいくらか反映されている。

本作では、
幼少期、青年期、晩年病の床に伏している場面を
中心に描いている。

夏目漱石が寂しい人だった、というより
寂しくならざるを得なかったようにも感じられた。
精神に支障をきたし、妻に暴力を振るう。
それも過去、幼少期に養子に出された先での
養父からの躾もあるような。

"則天去私"にしても、
彼が望もうとした精神であって
どうしても手にできなかったもののように思えた。
本当に誠実で真面目な人であったのだろう。

終盤の場面、
門下生A(これはおそらく芥川龍之介)と亡くなった漱石の霊の
会話のシーンが好きだった。
皮肉にも死んだ後の漱石が生きている時よりも
一番心に残る台詞を言っているなという印象だった。

あと本作で特徴的に思えたのは、
ねこ達が登場するが、なんか空気が変わらず、
寂しいままだなというところ。

観劇前のイメージで、
ねこが出てくるとしたら、ねこ達の魅力によって
違った味が出たりするのかな等と想像しており、
そこが覆された。

決して悪い意味ではなく、
人間として"ねこ"という存在に対するイメージと
やや異なる実像を見せてもらえた気がした。
(冒頭、鳴き声だけでやり取りを続ける場面や
人間の葬式に対する感想などから)

舞台美術の使い方、
襖や障子を動かして場面を変えていくのが面白かった。
こういった上手、下手の横の動きが色々あったので、
立端も十分にある劇場だから、
縦にもっと見栄えのする表現とかがあるとさらに面白いかな。

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