なしかの観てきた!クチコミ一覧

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PRESS~プレス~

PRESS~プレス~

キューブ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

笑う事の素晴らしさ
どこまで台本でどこからアドリブなのか全く判らないくらい、といって乱痴気騒ぎのようになる訳でなく、徹底された笑いに溢れた舞台。
過去4作品の時々入るシリアスさも良かったけど、今回のようなシュチェーションとスラップスティックさが上手い具合に混じり合った舞台は流石に演者の本領発揮と入った観があり、とても面白く見入る事が出来た。ちょっと吉本新喜劇風のクドさもあるけどw
万人を一斉に笑わせる力のある人達は、いずれにせよ素晴らしい事だと思う。

相武さんの昭和のヒロイン役がよく似合っていた。
少しさんまさんの声がカスレがちで台詞が聞き取り辛かったかな。
それにしても60〜70年代って、新聞はもうカラー化してたんだろうか(笑)

ネタバレBOX

身体を駆使し、笑いのスピード感があリ過ぎるくらいのチームプレイといった感じ。
才谷劇団の劇中劇シーンは、つい、そとばこまち?と思い出してしまった。かつてのメンバーが関西弁で喋り倒してるんだもんw。

なでしこの弟がキーワードになっているが、最後に弟は彼かと思っていたら、その考えは安直でした。家族や人間関係が希薄に見えるようで、実は言葉では言えない分の思いを想像力で包んだ人間愛が溢れる舞台だった。最後の才谷の哀愁ある後ろ姿が印象的。
編集長、昭和の頑固親父風の実直さと清濁併せ持ったバランスのよい大人といった感じで良い。
森田=アラーキー(風貌が)に笑わせてもらいました!
持ち主、登場

持ち主、登場

ナイロン100℃

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

何も考えずゆったり楽しめ。
歌にダンスにバンド演奏、ふざけ具合の絶妙さ、常に失笑で満たされたユルくて下らなくってバランスのよい舞台。
ナンセンスの要素が、ブルースカイさんよりナイロン役者3人揃っているからか、ケラさんが放つ毒っぽかった。
リエさんと村岡さんのアクティブなダンス見事!

ネタバレBOX

冒頭のビストロトゥモローの出来事は本筋とは関係ないのね‥(笑)
熱の華

熱の華

セカイアジ

OFF OFFシアター(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★

初日ソワレ観劇
チラシの写真に使われた洋館の中で70年代風の昭和テイストの小道具(黒電話とかテーブルとか)や衣装が上手い具合に混じり合ってた。
昼ドラをあまり見ないので男女関係の要素がどこまで忠実なのか知らんけど江戸川乱歩作品を彷彿させるような味があり、ドラマ作品のカット割りに大げさな効果音が聞こえてくるのが上手い事マッチするような妖しい作品。

ネタバレBOX

「熱の華」ってタイトルだから、口唇ヘルペス絡めてくるのか、と思ったら登場人物の一人がその症状だった。口唇ヘルペスは特に意味なし。
屋敷を覆う樹木の葉が、訪れる人を麻薬のような感覚に陥らせる効果、幻覚や行動を起こさせるんだけど、一歩外出て変化する具合のメリハリをもうちょっとしっかり見せて欲しかったかも。
なんか「ハイ外出た、別人格になりました」っていう台詞運びに見えた。
描かれている背景で「放射能」「オルグ」という言葉が使われてたりして、反社会行為を思わせるけど破壊活動運動のリーダーの表情が優男過ぎて見え、あまりカリスマ性は感じなかった。
人生の終わりを一緒に彷徨いたかったかのように見えた、葛葉と堀川と阿部の三角関係が印象的。

ミステリーぽさもありつつのシュールだ、バランスのよい不条理劇っていうのかなぁ・・?
初めて観る劇団のカラーは漠然と掴めた気がするので次も見てみたい。
カラミティ・ジェーン

カラミティ・ジェーン

梅田芸術劇場

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2012/02/04 (土) ~ 2012/02/11 (土)公演終了

満足度★★★

ウエスタンミュージカル風ストリートプレイ
一幕と二幕が全く違う印象の物語。話の筋にあまり面白さは感じられなかったが、女性が元気な舞台だった。
西部劇版女の一生、と言った感じ。
歌う場面が多いんだろうなと勝手に思っていたが、話に重点を置いて見せていた。
度々挿入される小ネタギャグは、さほど面白くなく却って不要のような気がした。

ネタバレBOX

じゃじゃ馬男勝りのジェーンがビルと出会い、シンプルかつ唐突に恋が始まるまで小難しさはない。やがて二人は賞金稼ぎの旅、結婚、子供が出来るがそんな生活に満足しないビルはジェーンの元を去り、残されたジェーンは我が子に愛情はあるが自力では育てられない為、経済的に裕福な夫婦の元へ養子に出す。我が子の仕送りのため懸命に働くジェーン。マラリアが流行すればそれを蔓延させないように必死になって病人の為に尽くす。その行為は町の人にとっては心強く思えたりする。
年月が流れたある時、ビルが地元西部にもどって来た。馴染みの店で再会するが、そこで撃たれて死亡する悲劇が起き、一幕終了。
・・ここで終っても物語成立するんじゃなかろうか。

二幕どう展開するんだ、と思ったらサーカス団のショーのスターとなったジェーン。そのショーの見せ方がthat's show time!みたいな見せ方なんだけど、出演のパパイヤ氏の振り(振り付け師は別にいるらしい)と、役としての興行主の吹っ切れ具合がどうも個人的に受け付けられず、ノリきれなかった。
コネタギャグもだけどやるならちゃんとやって欲しい。中途半端に見え却って見苦しい。
その後、成長した娘に名付けの叔母として逢ったりするが、気合いが裏目に出過ぎて最終的に嫌われたまま疎遠になる事に。
でまた時は流れ、老婆になったジェーン、発展にした西部の町で穏やかに古い付き合いの友達とそれぞれ罵りしり合いながらも、穏やかに暮らしていた。そんな時かつて嫌われたままの娘が新聞記者として、若かりし頃のジェーンの伝記を書きたいとやってくる。結婚して、娘も出来たはずだがマラリアで亡くなったと言う。いろいろあったのねの心の瞬間の二人が良かった。
そろそろ人生の幕引きが近づいた時、若かりし頃のビルが現れジェーンを迎えにくる。出逢った頃と同じ姿でゆっくり溶けていくようなビルとジェーンの姿は輝いて見えた。

千秋楽の観劇という事もあり、カーテンコールの盛り上がる事!素直に宝塚のブランド力の凄さを思い知らされました。
龍を撫でた男

龍を撫でた男

オリガト・プラスティコ

本多劇場(東京都)

2012/02/03 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★

お正月の出来事
戦後から7年めに書かれた作品だそうですが、昭和の古典作品かと思いきや、全く古さを感じさせない舞台でした。
映像使いが綺麗で好き。赤堀さんの気違いっぷりと気持ち悪さがよい方向で炸裂してた。

ネタバレBOX

各自事情を抱えた者達が山崎さん演じる精神科医のお宅に一同に介し、繰り広げられる会話のシュールさと、どよーんとした不気味さが全体に「訳ありです」感をまざまざと見せつけられる。
それらを最後一手に山崎さんがカオス状態のまま、破滅込みで消化させたような幕切れ。
重くはないけど、なんか深ーい作品だった。

大鷹さんの役柄の年代はもう少し考えてもよかったのでは。あ、その当時の人は戦後の混乱期を生き抜いている人達ばかりだから、多少ふけ顔でも良いのかってことで納得する。
火葬

火葬

らくだ工務店

OFF OFFシアター(東京都)

2012/01/25 (水) ~ 2012/02/15 (水)公演終了

満足度★★★★

ちょっと話は重い、が、深い舞台
通常版観賞。
年末の体育館倉庫に閉じ込められた6人の教師。
時間軸が交互に行き交い、終盤は一時期流行った日本のホラー映画のような怖さも感じた。
冒頭から結末まで見逃してはいけない場面が多く、後味は苦い。だけど、心がふるえる良い舞台でした。

ネタバレBOX

切羽詰まった状況なんだけど、落語家のような話し方でケータイで喋っちゃう理系の柴田先生や、強行手段で乗り越えようとする山川先生の終わり際の行動の実直さとかに惹かれる。
菅先生の陰の部分が増大していく様は自己嫌悪と背中合わせのように見えた。
跳び箱の中の本音、彼の第一声はどんなだろう‥。
ある女

ある女

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/18 (水) ~ 2012/02/01 (水)公演終了

満足度★★★

最終日菅原回を見ました
不倫に似合う体質の女性の一面がよくわかったような、そうでないような。全ての行動に於いて、苦笑いするしか無いような状態にはまり込んでいく27歳独身OLさんをフリーダカーロのような美人顔の菅原さんが好演してました。

ネタバレBOX

結構シビアな状況になっても、最終的に空気を読みすぎるのか、端から見ればそれは負の循環に見えるけど肝心の本人がへこたれているようでそうでなく。もう身体の芯から恋愛中毒が醗酵しているとしか思えない動作。それまでのタカコにしてはかなり劇的にも見える終盤の行動からの幕切れ。静かに終ったのはインパクトありました。

それにしても性を取り扱う仕事って多様なんですねぇ‥。
ネガヒーロー

ネガヒーロー

プロペラ犬

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★

これからの活躍に期待
前3作とはまた違った面白ユルさを感じた舞台。出演者5人しかいないはずなのに多種多様の役の掛け持ちと振り分けの上手い事!
オクイさん達からの無茶ブリにも、ちゃんと対応スキルが上達している度に水野さんの男前度が上がっている気がする。
水野さんと前田さんの迫力ある戦いぷりを間近で見られるだけでも、一見の価値あり。
何気に挿入歌もいい感じだった。

ネタバレBOX

演出の入江さんもお得意?の渡部A郎氏の声で出演。
上演時間がちょっと長いと思った事と、映像に頼らない進行を見たかった。
ヌード・マウス

ヌード・マウス

Théâtre des Annales

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/01/24 (火) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

役者さん全員良い
内容だけ読んだら理系ぽい感じで進むのかと予想してたら、それらは基礎部分。
家族、人間、親子、夫婦。大切な人とのもつれた記憶の感情の糸を紡ぎ出していくような静かに心に残っていく作品だった。
無機質に見えそうな舞台セットの中に、照明の使い方が映えて綺麗だった。
DVDパンフ売り切れていたので、指定サイトで購入。
売り切れはしょうがないけど、DVDパンフって販売方法は良いかも。

乱歩の恋文

乱歩の恋文

てがみ座

シアタートラム(東京都)

2012/01/26 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★

夢と現実の境目を見るような舞台
傀儡師と人形、劇中劇とか多少話のペースに入り込めない所はあったものの、トラムのロビーと通路に人面やら摩訶不思議な靴とか小道具展示し、乱歩作品の妖しさも加味しつつ独特の世界に魅せられました。

ネタバレBOX

奥様の平井隆子さん目線で語られる乱歩こと平井太郎。
ラストの恋文を読み上げる若き日の隆子さんが、純朴さの中に清楚さがあり、当時の日本女性の美しさにも想え綺麗な幕切れ。
十一ぴきのネコ

十一ぴきのネコ

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/01/10 (火) ~ 2012/01/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

日本版キャッツ!
最近の長塚演出にしては非常にわかり易いので驚いた。
仕掛け小道具の使い方が楽しい、賑々しく皮肉の利いた締め方。
一緒に歌いたくって久しぶりにCD買おうと思ったら無し!
元々私の一押し猫さんはにゃん次さんだが、他の舞台では見られない穏健派だったので面白かった。にゃん太郎の賢さにほろり。
会場全体使ったりするので、前方席の人は猫さんが動き回る度、追いかけて見るのが大変そう。
芸達者な俳優陣とバリエーション豊富な聴いてて楽しい音楽も良い。

青春漂流記

青春漂流記

劇団鹿殺し

紀伊國屋ホール(東京都)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

脳内回想しつつ観劇
賑やかで楽しかった時代の回想と決別、前進する気力溢れた小気味好い作品。村木さんと廣川さんのあの役柄は似過ぎて反則w。
刹那笑顔の聖子さんが全部ひっくるめて良い女!チョビさんと聖子さんの歌声は心地よい。
流石関西の劇団、サービス精神が毎回徹底してます。

イエスタデイ

イエスタデイ

ブラジル

座・高円寺1(東京都)

2012/01/18 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★

毒あるホームドラマ
全体的な流れが漠然と予想出来、つまらない訳ではないけど、あまり話の内容に意外性は感じられなかった。
スカっとする訳ではないけど、家族愛や身近な繋がりを大事にする気持ちを再認識させてくれたような気分。
注目されてる作家さんと劇団の所以か、終演後ロビーでの挨拶活動が活発だった。

ネタバレBOX

前もって「ホームドラマ」と名乗ってはいるが‥。長女は会社潰して借金出戻り、次女は訳あり離婚出戻り、三女は傷害で出所出戻り、とまあ一度に実家に集合したら見知らぬ女がその兄と居付いて、しかも父親と仲良くやってるし、ゆくゆくは嫁にしたい思惑も窺える。
ここまでが前半戦だとすると、とある事件をキッカケにした後半戦から一気に加速。
女優陣の包丁振り回しながら動き回る格闘が壮絶過ぎ!面白かったけど見てて少し引いた。その中の近藤さんの狂いっぷりが上手過ぎて引き込まれた。幸いにも自分は遭遇していないが、ああいう娘、現実世界に居そうだから怖くて笑うに笑えない。
三姉妹もあそこまで刺激的な生き方しなくてもいいじゃん!
親戚の叔母さんもいい味出してた。
劇団の俳優陣やゲスト男優陣は、役のパターンが今まで見た演目に被るような配役に見えてしまったので、次回はもっと変化した役が見られれば、と思った。
毒っ気もあるけど、気楽に見て楽しめる作品だと思う。
下谷万年町物語

下谷万年町物語

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★

3時間半、根気が要りました。
綺麗な劇場内に小汚い戦後の下町の一角で繰り広げる舞台だったが、途中から時間軸を行ったり来たりして、詩的な作品に起承転結を求めてはいけないと思いつつ、頭の中がこんがらがり。
役者も前方席の観客も水攻め、蜷川さんの舞台は全体のセットが見られる方が良いと再認識。
ただ、2階から見たらメイン役者の三人、華はあるが卑猥と猥雑さの熱はあまり感じなかった。

ネタバレBOX

話のキーワードにもなる警視総監の帽子=権力って事?
自由な活動=演劇や男娼の世界に権力が食い込み、自由を奪う行為にも似ている。
サフラン座、軽喜座と二つの劇団が出てくるが、劇作家の演出家の目を通して、演劇の演じる側と見る側の虚構の構造を見せつけてるみたいな。‥すいません、やっぱよく理解出来ていない。

キティの台詞回しはあまり気にならなかったが、歌声にもう少しドスの利いた力があればもっと良かったかな。
六平さんや大石さんのお姐さま方は迫力がありましたw
それにしても(成人してる)洋一の弟はなぜ洋一を殺したのだろう。
最後の場面、キティと文ちゃん、洋一の幕切れの仕方は思わず「美しい」と感じた。
寿歌(ほぎうた)

寿歌(ほぎうた)

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/01/05 (木) ~ 2012/02/02 (木)公演終了

満足度★★★

見ました。
詩のような会話が飛び交い、明確な一文が発言される訳でなく、いろんなピースが舞台上で進んでいく。見た直後は膨大な「?」があったけど、数日経ってから、漠然と靄が取れかかってきたような思いがする。
ええかげんで無力感に覆われた世界と、不安と希望を天秤にかけ、見ているこちらはまんまとその世界に放り込まれて現在進行劇にも思えるようになってしまった事情にやや苦悩、終幕時の降り注ぐ景色に綺麗だけど諸々気が重くなった。
が、そこまで深刻にならなくていいんだけどねw!

堤さんは昭和の男役が続きますねー。

ネタバレBOX

普通の男のはずなのに、何もない所から物を生み出したり、十字架に執着したり、エルサレムへ行くと言って去るヤスオ。聖地巡礼に向かうイエス=キリスト、元大工って事を漠然と想像。
ゲサクとキョウコは魂のみが活発に息づいている世界と思った。
雪が降り積もる中で終るが、それが薄汚れた幕切れのように見えてサッドエンドな印象を持ってしまった。

初演時はあのCMギャグもそこそこ受けたのかな?と邪推。
今は何が当てはまるんだろう‥。
ハムレット

ハムレット

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2012/01/04 (水) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

乾電池とシェイクスピア
終始、早口で捲し立てるような台詞回し。途中から変わるかなと思っていたらほぼそのパターンで、後半聞き疲れた。その為か話の内容はわかってる分、もう少し気楽に見てみたかったという思いもした。

歌舞伎+狂言風の劇中劇は面白かったです。

十二夜

十二夜

劇団AUN

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/01/11 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

男装の麗人が復活
Aチーム・Bチームのダブルキャスト構成。Bチーム観劇。
出演者の安寿ミラさんがメイクとダンス指導(!?)に関わっている所以か、所作やメイクが多少宝塚風味もあり。出演者全員それが嵌ってて却って好印象に。
シェイクスピアの戯曲なので内容については皆さんご存知でしょうが、初見の人でも楽しめると思います。
それにしても、どこの公演でも座長兼演出家は大抵踊りますなぁw。
踊りにキレがありましたw。
駄洒落や言葉の掛け合い、音楽と笑いが上手く絡み合いとても楽しめ、多少の面白脱線もあるけど戯曲を丁寧に演じて、休憩込みの三時間近くの長丁場でしたが時間が経つのがあっという間でした。

たまたまチケット取った日がトークショー付きの日でしたが、そちらのお話も面白かったです。

ネタバレBOX

今作に限り、狂言回し的な男になるのかと思わせて、やっぱり他人を陥れようと画策する横田さんのサー・トービーが腹黒で渋+悪くて良い。
ハンサム?で男前なんだけど残念な馬鹿のサー・アンドルー谷田さん、ほんとにそれっぽい顔つきでそれだけ見ていても笑える。
次第に壊れていく悲壮なのにユーモア一杯の吉田さんのマルヴォーリオ。
真っ直ぐで美しい男装の麗人のヴァイオラ安寿さん、振る舞いが流石宝塚!へっぴり腰の決闘シーンもお見事なまでに笑わせる。女性に戻る場面はキュートで可愛らしさあり。
大塚さんのアントーニオのジーンズで立ってる姿の良さにホレボレ、もちろんお声も素敵でしたが!
でもって、シェイクスピア舞台経験者の役者さん達の台詞使いの滑らかな事!異世界話でやや強引な幕引きにも、それがシェイクスピアだからで許されてしまうお伽話ですからねw。十二分に楽しめました。

トークショー出演者は、大塚さん・吉田さん・安寿さん・横田さん
すっごい砕けたトークで聞いてて楽しかったです。以下雑な覚え書き。

出演者のメイクは宝塚風だったらしい。安寿さん曰く「(楽屋が)化物小屋」アイシャドーが濃かったりツケマしたりで。大塚さんはつけまつげ初体験、しかも老眼がきているから苦労しているらしい。目の前に虫が飛んでるみたいとも。そんな大塚さんは安寿さんに「姫、おはよう」と言ったりする。その声聞いてうっとりするそうな。言われてみてぇぇ!
吉田さんがツケマしなのは「マルヴォーリオはしないでしょ」の一言、それに対し大塚さんも「船長だってしないでしょ」で一蹴。今後どうするんでしょうか‥w。
劇中、小姓達やサー組が踊ったりするシーンは安寿さんの振付け。横田さんが安寿さんに「あれはなんていうダンス?」と聞いたら「お遊戯!」と言われたそう。「(指導は)ノーギャラですw」稽古の成り行きで振付けとかやる羽目になったらしい。
座長が一人踊る箇所は、誰もわからないだろうがマイケルを意識している(しっかりわかりますw)
稽古中、安寿さん演じるヴァイオラが男の仕草で舞台捌ける所なんか、まんま宝塚でその場にいた人達から「やっぱほんまもんは違う!(って感じの発言、ちゃんとは聞き逃した)」と驚愕したらしい。そんなやり取りを繰り広げた出演者のおじさま達が可愛かったw。
吉田さんはまんまと宝塚に嵌ったらしいです。出来れば、あの羽つけて登場したい、(安寿さんに)持ってきてくれない?と無茶ブリとかしたり。
話の流れで宝塚版十二夜の件になり。既に上演済みだそうです。

質問形式に移ると「大塚さんのツイッター見ました」さん達が殆どでした。流石4日でフォロワー10万人の男。横田さんから「選挙出たら当選しますよね」と言われ「ん〜、猿岩石のなんとかさんは80万人位いるんだよね〜」と返してました。
・メインセットに「厠」表示の小部屋があり、中は和式便器設置、バックは大海原。バックと便器そのままでそこが飲み部屋になったり、拷問部屋になったりとシーン事に見事に芝居だけ進めていく演出法だったがそれについて。
→公衆トイレのある公園で人々が集まり芝居が始まる〜。わからないなら仕方がないけど、虚構の世界、現実ではない世界を楽しんで欲しい。と言うようなニュアンスの発言でした。
・劇中セバスチャンが道化やサー達と一斗缶使って応酬しあうドリフみたいなコミカルシーン有り。見ていて痛そうだったがそのうち本気になったりしない?
→Bキャストは、もともとお煎餅の缶の蓋を使ってやっていたが、この日に限って一斗缶本体にしてみたが、やっぱり見ていてると(観客が)引いてくるのがわかったので次回からは変更すると発言。
ちなみにAキャストはスリッパ使用。
・使用した音楽について
→シェクスピアの詩をそのまま使用、楽曲は笠松さん。歌唱指導は横田さん(・・?だったと思う、この部分自信なし)
一部、加藤和彦さんの「ぼくのそばにおいでよ」が使われているが吉田さんが好きな曲なのだそう。
・双子を一人二役にしなかったのは元々が(シェイクスピアの戯曲が)そうだったから。双子役を一人でやりきる上演作品もあるが(注:ここ某演出家さん達の批判ではありませんよ!)最後の場面で(顔を合わせる事になるので)代役立ててやる方法もあるけど、あえて原作通りにした。劇中あまりの違いに爆笑した観客がいて、その方に「そんなに似てませでしたか?」と安寿さん逆質問したりして。ちなみに稽古段階ではかなり顔の造作は似ていた模様、らしいです。
私は心の目で見ていたので似ていましたよw!

以上、長いけど、ざっとした覚え書きです。お粗末さまでした。
観劇後、数時間経過しての記述なので文が朧げになってます。
1/14 一部修正。
うるう

うるう

トゥインクル・コーポレーション

東京グローブ座(東京都)

2011/12/21 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

「大人のための児童文学」
幻想的なセットに映し出される絵本を見ているようなファンタジーな風景、効果的なチェロの音。昔見たティム・バートンの映画やグリム童話をふと思い出した。
笑いどころは少なく蓋を開けて見れば、よく聞く内容、と思えばその通りなんだが。以前の作品、ダメな子が主人公の内容(TRIUMPHだったかな?)の大人バージョンぽい感じ。
ラップと童謡の見事な美声もあり!

ネタバレBOX

「うるう」という、幾重にも解釈出来る言葉。
一日増した日、4年に一度巡る年月、削ったり加えたりする秒時、ややこじつけっぽいけど心に余裕が生まれる言葉にも取れる。
そんな「うるう」の静寂で畏怖な森で出逢ったヨイチとマジルの友情に、美しさと切なさと一抹の淋しさを想い。
マジルの歳がヨイチに追いついて本当の友達になり、ヨイチの葛藤からの行動と最後の一声、あの童謡に涙腺切れた。
多少、クリスマスイブの魔法にかかっていたので、別の日にまた見たいなーと思う。
どくだみにクスッとさせられ、馬と鹿のマカをグッズ化して欲しいw。
この手の話も良いけど、また初期のKKPみたいな話も見直したくなった。
オールド・バンチ~男たちの挽歌・完結篇~

オールド・バンチ~男たちの挽歌・完結篇~

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2011/12/16 (金) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

特別な公演
‘06年に結成されたパラダイス一座、今回が4作目。
人生が凝縮された貫禄ある舞台を飄々とやってのける妙な色気と勢いに、見ていてパワーを貰える。毎度おなじみ各人の演芸コーナー?あり。

台詞が途切れそうになると、毎回、別の意味でハラハラしそうになるけど。

ネタバレBOX

「あった事はあったんだ。あった事をなかった事には出来ねぇんだ。」は良い台詞だと思う。今年の台詞は特に胸に迫った。
バータイム/パラダイム【全公演終了しました!ご感想お待ちしております!!】

バータイム/パラダイム【全公演終了しました!ご感想お待ちしております!!】

Minami Produce

エビス駅前バー(東京都)

2011/12/14 (水) ~ 2011/12/23 (金)公演終了

満足度★★★★

バーで繰り広げられるお芝居
一人観劇。お酒飲んでマッタリしながら、いい気分で見させてもらいました。
繰り返し行動の無限ループがバンバン出てくるが少しずつ流れが変わり始め、最後の展開に良い意味で予想を裏切られました。
良質の短編ミステリー小説読んだような気分。
70分程度の時間配分も良かった。

ネタバレBOX

佳織ちゃんのキレかかり気味で気合いの入った「いらっしゃいませ!」に思わず吹き出してしまいました。かわいかったw。

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