じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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ボス村松のラジオ

ボス村松のラジオ

劇団鋼鉄村松・日本のラジオ合同公演

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/03/15 (木) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/16 (金) 14:00

価格2,200円

ボスの詩的な指向モロ出しのロード系バディもの。序盤で不条理気味?と思うもすぐに詩的だと気付く。そうして思い返せばかつて観たボス作品はいずれも詩的な部分があったなと(やっと)思い当たる。
また、中心となる二人に漠然とジーン・ハックマンと若き日のトム・クルーズを思い浮かべたのは「スケアクロウ」と「レインマン」だな。あの頃のアメリカ映画がもしも日本人だったらどうなるか?みたいな。そう言えば車の移動でずっとDJ番組が流れているのもアメリカ映画っぽい。
そして、もしもボス自身が演出していたらどうなっていたろう?などと想像するのもまた楽しからずや。
あと、会場の基調である黒と木材の自然な色を対比させたセンスある舞台美術も好み。これも詩的な印象に一役かっていたのかも。

ネタバレBOX

「明日の女王」へ「昨日の女王」からの「今日」という荷物を届ける深夜便の運転手というのが何ともイイやね。
慟哭は戯言

慟哭は戯言

劇団Bケイカク

APOCシアター(東京都)

2018/02/20 (火) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/23 (金) 14:00

価格6,000円

【ドウコク編】2月23日 14:00 6000円/2=3000円(通し券)
妻に先立たれた男が娘、従業員と3人で切り盛りしている工務店の普段通りの和やかな朝に入った1本の電話……から始まる物語。

刑事事件被告人の家族に対する周囲からの人権侵害を描いており、現実にありそうな、どころか起こっていそうだと思いながら観ていたが、実際にあった事件を取材してとのことで、コスタ・ガブラス監督の作風を連想。
そしてそんな内容だけに特に後半は台詞の間合いや沈黙が雄弁。スマホのバイブ音どころではなく座り直す際に起こる椅子の軋み音さえはばかられそう。緊張したぁ。
しかしあのベタなほどの……ってか実際ベタな(爆)導入部の父娘ネタからの落差はあざとい!(笑)

【ザレゴト編】2月23日 19:30 6000円/2=3000円(通し券)
ドウコク編の5年後の話で、工務店の3人のその後の姿も描かれるが、中心となるのは記者がドウコク編で描かれた事件を取材した内容なので前日譚。そして明かされる真相とそれぞれの想いが切ない。
なお、2編の関係性に劇団皇帝ケチャップ「夏。つかの間の虹」/「春。いつかの雨の匂い」 を想起。
そう言えばそれそれタイプは違えど、鵺的「天はすべて許し給う」、Ammo「ノスタルギヤ」、そして本作と、「覆水盆に帰らず」な印象のものが続いた感じ。これも小劇場シンクロニシティか?

なお、実は両編とも桃と団地妻による初演(2015年・Gallery LE DECO)も観ていたことに後から気付く。(爆)

何しても不謹慎

何しても不謹慎

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2018/03/08 (木) ~ 2018/03/13 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/11 (日) 19:00

古くは12人三作(怒れる男・優しい日本人・おかしな大阪人)、そして近年増えてきた会議ものとは一線を画し、1回の会議の内容ではなく1年近くに及ぶ定例会議を描くことにより会議自体(と議題の関連した問題)ではなく「(日本の)会議というもの」や制度を見せる感じ? そしていかにもありそー!(笑)
なので極めて日本的と言うか身に覚えがあると言うか、戯画化してはあるもののリアルで身近な感覚。新型の会議ものと言えるのではないか?
また、場転の時に不穏なS.E.、不穏な明かりの中で劇中では詳しく描かずトバした会議の様子を動作(資料を配る・挙手をする・言い争う?など)だけで見せるのも妙案。

尊厳の仕草は弔いの朝に

尊厳の仕草は弔いの朝に

劇想からまわりえっちゃん

王子小劇場(東京都)

2018/03/14 (水) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/15 (木) 18:30

まずは上演時間が3時間弱と知って二の足を踏んでいる方々へ。
こわくないこわくない……いや、長くない長くない、ですよ。前半(90分)は完全に娯楽重視で、10分間の休憩を挟んだ後のシリアス気味の完結編が70分強という構成と時間配分が体感的に短く感じさせるのかも。

さて本論。前半のマンガチックな西部劇が後半のシリアス系の現代劇とどう繋がるの?と思いながら観ていたが「もしや前半は後半の物語のスピンオフ……いや壮大な序章?」な関係が示され、しかしそれだけにとどまらず物語が進むにつれて次第に繋がりが密接になり最終的に融合してゆく構造が鮮やか。
前半の終わり際=休憩の前に後半のイントロになる部分を見せるのも、休憩によって流れが途切れることを回避する妙案。

表現方法に惑星ピスタチオ(系)やひげ太夫に通ずるものがあるので、そっち系がお好きな方にもオススメ。偶然だろうが、ひげ太夫ではお約束的にほぼ毎回出てくるセリフのやりとりと同パターンのやりとりがあり、ひげ太夫ファンとして頬が緩んだりも。
通ずると言えば後半部分ではこの少し前に観たガレキの太鼓「地上10センチ」も想起。

前半は「1864年の話なのに主な銃の銃身がパイソンっぽいじゃねーか」「リボルバーで何発撃ってるんだよ」などとツッ込むのが野暮なほどマンガチックで時々劇画調な印象を受けたが、スゴい(謎)のはそう思わせた創る側かそう思ったσ(^-^)か?(笑)

つらつら思い返すと粗い部分もいくつかあるが、10年前にこれを書いたことと、何より異質な2つの物語を融合させたアイデアを評価したい。(何かエラソーだがちょっとした逃げだ(爆))

なお、アマヤドリ・中野智恵梨さんの女子っぽさ(二通り)とピヨピヨレボリューション・macoさんのアクション(ダンスは言わずもがな)も見どころ。

ネタバレBOX

前半の西部劇が、後半で亡くなった人物が少年時代に書いていたマンガであると明かされた時は小松左京「日本沈没」の成立過程を思い出した。
あれは元々は島国であるがゆえに永きにわたって安泰だった日本民族が、日本列島という国土を失って世界各国に難民として散らばった姿を書きたかったが、列島をなくすための理論を構築してその過程を書いたらそれだけで1つの長編小説になってしまったそうで、本作もそのマンガ部分を描いたら1本の芝居になってしまったのかと思ったのだった。
しかしそれがまさかあんな風になるとは……(ネタバレboxとはいえ自粛)
地上10センチ

地上10センチ

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/03/08 (木) ~ 2018/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/10 (土) 14:00

価格3,000円

まんまとハマる。主人公がしようとしていることに対して「そういうのもアリかもなぁ」と思いつつ同時に疑問も持っている観客の気持ちを見透かしたかのような終盤と幕切れにウギャッとなる。(笑)  そのどちらもベースにあるものは同じだろうし本作の裏主題(送られる者、送る者、それぞれの想い……それは極めて日本的?な考え方かも)かな、とも。
内容的に当然の如く伊丹十三監督の「お葬式」を連想……ってかアレの現代版あるいはニューエイジ版、的な?

アフタートークは何と父娘対談で、秘話などもありつつ、親子ネタに弱い身として時々ホロリ。

そう言えばこの前夜に観た1週遅れの「アンナチュラル」と通ずるものがあり、また、後日観た劇想からまわりえっちゃん「尊厳の仕草は弔いの朝に ~1・2・3ショットマンレイ~」にも通ずるものがあった。

物の所有を学ぶ庭

物の所有を学ぶ庭

The end of company ジエン社

北千住BUoY(東京都)

2018/02/28 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/03/08 (木) 14:00

価格3,000円

観ながら頭に浮かんだのは「アリマス、アリマセン、ソレワナンデスカ」という沙翁「ハムレット」の名台詞の初期の翻訳。
所有に限らず「存在する」とは何か?ということまで問うて考えさせる……と言うか観ながらこちらも考えている、な内容はいかにもジエン社。(笑)
なので劇中人物にとってはタイトル通りだが、観客にとっては「物の所有をきっかけに存在などについて「考えてみよう」な芝居」ではないか? 知的好奇心を刺激されまくり。
序盤で出てきたペンの所有に関する疑問が終わり近くで再び出てくるので落ち着いた終わり方に感じられるのもイイ。「思索の散歩」でひと巡りして元の場所に戻った、的な?
以前話題になった哲学書(という表現は適切?)「ソフィーの世界」(未読)もこんな感じなのではないかと、あるいはEテレでたまに放映する「難しそうなことを判りやすく見せる番組」風?などとも思った。

しかしこの会場、3度目になるが、アムリタ、sons wo:、ジエン社といずれも単にストーリーを語るのではなく、観客の心にナニカを生じさせる、あるいは観客を取り込んで共犯者にするような作品の団体。さて、次にこのじゃじゃ馬会場を使いこなす団体はどこだ?(笑)

JK OF THE UNDEAD

JK OF THE UNDEAD

哀女

ザムザ阿佐谷(東京都)

2018/03/07 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/07 (水) 19:30

価格2,500円

所謂ゾンビものに「もうひとつの要素」を附加したことによりメッセージ性を持たせることに成功、後半にキラリと光る台詞も2つ3つ。これが表情ワールド?いや一つの表情にすぎないのか?なんたって「表情豊」ってくらいで。

ネタバレBOX

起こっている事態は典型的なゾンビものだが、罹患者に噛まれると急速に歳をとり女子高生が忌避するBBAになってゆく、というのがミソ。
さらにそこにすでにBBAである女性用務員も絡ませて、「BBAになるのはそんない酷なこと?」「BBAになるのを避けるために友達まで殺すの?」などと問うテいるように感じた。
これ、女性からするとまた違うのかな?
papillon/春待つ町

papillon/春待つ町

ゆめいろちょうちょ×Ordinarist'sBox.

ギャラリーがらん西荻(東京都)

2018/03/06 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/07 (水) 14:00

価格2,000円

【papillon】
1丁目1番地から7丁目XX番地までそれぞれに穴を掘ってはまた最初に戻って穴を掘ることを返す男のもとにその穴を埋めて回っている女が現れ、男は女に自分の体験談を語り始め……という導入部はまるで不条理劇あるいはオトナの賽の河原?(笑)
そうして語られる本編、迷い込んだ(?)蛾と暮らしていた男の部屋に美しい蝶が新たに迷い込むが蛾にはその蝶が見えず……と、オトナのメルヘンに変容。
と言うか「蝶ありきの蛾」と考えればあからさまなほどの恋愛寓話であり、「蛾には蝶が見えない」なんて都合がイイってか羨ましい。(爆)
さらに終盤に「男は恋愛経験を記憶の中で美化する」なんて台詞があって、「言われてみればその通り!」と「眼からウロコ」状態。(笑)(ちなみに女性客は蛾や蝶に感情移入しがちだったと終演後に聞いてそれも納得)
あと、蛾の衣装が「なるほど蛾だね」な模様だったり、蝶の表現が台詞なしで表情と動作だけだったのも「いかにも演劇」で感心。

義経ギャラクシー ─銀河鉄道と五条大橋の999─

義経ギャラクシー ─銀河鉄道と五条大橋の999─

X-QUEST

北とぴあ つつじホール(東京都)

2018/03/08 (木) ~ 2018/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/08 (木)

座席K列10番

初演の四方囲み客席でのロープなきリングのようなステージ版が彫塑とすればこちらは同じモチーフを油彩絵画で表現したような。
プロセニアムステージゆえ星空や地図を投影する(紗幕を使っての画像と役者の「合成」まで!)など各種照明効果を駆使したりで視覚的にも美しい。
もちろん初演からの義経+賢治+999(+α)のミキシングバランスも絶妙で、元ネタがワカればワカるほどニヤリだし、ソレとソレをそう繋ぎますか、なアイデアに感嘆。先の喩えのように初演版大いなる改作……ってか二卵性双生児的関係、みたいな?

ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/03/05 (月) 19:30

【Ex ver. あぁ県大会】
2013年、演劇フェス用に書き下ろされ初演、2015年、たすいち「宴」の最終日スペシャルで再演という「お祭り系」作品だけに楽しく賑やかで遊び甲斐もあるなと。
また、学校毎に共通点はありつつ各々個性が多彩なキャラに当てはめた配役とそれに応えて各人物を体現した出演者も見事。
さらに本編のネタを使ったりもしてまさしく「後夜祭」のノリ。
演る側は大変だったろうが、何なら今後の恒例にして欲しいほど。

日本語姦

日本語姦

天ぷら銀河

王子小劇場(東京都)

2018/03/01 (木) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/03/04 (日) 14:00

価格2,500円

アイデアに行き詰まった官能小説家がふとしたことで知り合った女性のアドバイスを受けて書いた新作がたまたま人気作家の目にとまったことから出版され好評で、それ以降、官能の度合いは減るも逆に人気が高まり……という展開は寓話的でテンポも良いが後半で急失速する感があるのが残念。

何度か出てくる官能小説の内容を演じて見せる場で、肝心のところになるとヒゲ面の男優に代わるのにもちゃんと理由(作家が経験に乏しく想像できない)があるということなども上手いのにな。

なお、主な舞台となる主人公の書斎はだまし絵的な部分もある書き割りで、そこを中幕で遮って他の場を表現したり、主人公の著作の表紙絵を天井からつるしたり、客席の左右に金屏風っぽい絵(?)を配したりする美術も好み。

ちはる塾〜単純明快なラブストーリー

ちはる塾〜単純明快なラブストーリー

制作「山口ちはる」プロデュース

下北沢 スターダスト(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/27 (火) 14:00

価格3,000円

倉本流ラブコメ……と思いながら観ていたが途中から変容、青春グラフィティ的パートを経て行き着くのは1つの愛の物語。下北沢の実景を借景することや終わり方(MOGMOSさんの歌も含む)がいかにも倉本作品。映画やドラマだったらラストに「a true love story...」なんてクレジットされるヤツではないか?(笑)
などと思って観終えてから初演の会場に関して尋ねたところ、2014年4月27日に浮間ベースでの「ラブストーリー」を観ていたことが判明。(爆)(1階で本作、2階に移ってカレー屋が舞台の「東京の空」という2本立て上演)
初演の印象は青山Pの役者デビューが強すぎたんだろう、たぶん。(爆)
(ちなみに青山Pの役どころはかなこのカレで、オープンな浮間ベース前に四駆で乗り付けかなこを連れて去るという……ほら、インパクト強いでしょ?(笑))
あるいは物語を構成するエピソード/パートが定番中の定番、基本に忠実・オーソドックスで良くも悪くも安定しているので物語的に記憶に残りにくいとか?
逆に言えばそんな物語を演出と演技で見せている(魅せている)ということなんだろうな。
さて、何年か後にまたこれを観たら、覚えているかな?

巛

ゆうめい

OFF OFFシアター(東京都)

2018/03/02 (金) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/03 (土) 15:00

価格3,000円

ある男性の二十代半ばからの十数年に起こるあれやこれや。波瀾万丈とは程遠いどころか人生の転機などもなく日常にさざ波が立つ程度なので全体のメリハリに欠けるし冗長な部分もいくつか……ではあるのに、妙に魅かれるのが不思議。身近にありそうで共感するのか創る側の熱意に共鳴するのか?
そんな100分余を耐えた(失礼!)後だけに終盤の主人公の「アレ」と「疾走」の爽快感たるや!
また時制の異なる次の場をクロスさせて見せる演出もイイ。

ネタバレBOX

そう言えば主人公が耐えに耐えた末に自らの感情を解放するって往年の仁侠映画の系譜だな。あまりに題材に隔たりがあるので今の今まで気付かなかった。
そして自転車のスタンド?を使っての疾走場面、主人公の心中が伝わってくるようで良かったなぁ。
『人魚 ―死せる花嫁―』

『人魚 ―死せる花嫁―』

鬼の居ぬ間に

王子小劇場(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/26 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/22 (木) 14:00

価格3,200円

物語の中心となる部分に映画化もされた外国の小説を、また、ある人物(の行動)に名作日本映画の登場人物を連想したりもした哀しい愛の物語。
ある人物が主人公を擁護すべく放った生と死に関する台詞に考えさせられ、ああいう因習はいつ頃まで残っていたのか、とも思った。
そう言えばMU「このBARを教会だと思ってる」と本作(の登場人物の1人)に共通点が……。

ネタバレBOX

喪った愛する人を取り戻そうとする主人公に「ペット・セマタリー」を、自分の娘だけは生贄にしたくないという村の長の身勝手さに「七人の侍」の藤原釜足を、さらに「冥婚」という風習も連想。
また、MUとの共通点は愛する人を喪った人物がとんでもない行動を起こすところ。
ピクチャー・オブ・レジスタンス 

ピクチャー・オブ・レジスタンス 

INUTOKUSHI

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/25 (日) 14:00

座席E列10番

設定こそ近未来だが、意図的に作られた流行を盲信し画一的になる社会というのは現代まんま。それに対して主人公たちが反旗を掲げるラストは爽快感もあるがそれとともに既視感も禁じ得ない。それにしてもエラくど真ん中の直球を投げてきたもんだ。
なお、序盤の主人公(たち)の記憶に関する部分にポール・バーホーベン監督の「トータル・リコール」を想起。

ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/02 (金) 20:00

【B ver. feblabo/フジタタイセイ×アリソン・グレイス】
feblabo「お父さんをください」
オリジナルの他にアガリスクでの別キャスト版も観ていたので「P3/4」ほどではないがやはり一部にオリジナルキャストの面影が。(笑)
で、何度か観ていても笑ってしまう。序盤から跳んだ設定なのに中盤から二段ロケットの如く思いもよらない方向にさらにブッ跳ぶんだもの。

フジタタイセイ×アリソン・グレイス「モルフェウスの使役法」
終わった後にタモさんが出てきて「果たして、彼の行った世界は……」とか言いそうなくらいに某シリーズっぽく、また、観ていて漠然と「インセプション」が浮かんだ。あとで伺ったところによるとそれも意識して書かれた脚本だったそうで、伝わるものなんですねぇ。
しかし前説の後半のトミカのタクシーの話、やはりマクラだったのね。

ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/02 (金) 15:00

【A ver. たすいち/feblabo】
たすいち「しのびよるせかい」
忍者もののお約束をあれこれして「あれをそうするか」「忍者なのに○○かよ」など楽しい。
なお、絵空箱での初演を観ていたこともあり一部オリジナルのキャストが背後に見えるよう。(笑)

feblabo「笛が鳴ったらたすけて」
ある特殊な状況後の三姉妹の会話。こういうのはヨナさんお手のもの、姉妹の会話の機微などさすが。
しかし本作に限らず劇中のスマホのバイブ音ってギクリとする。(神経過敏?)
feblabo「P3/4」
アガリスク版を観ていたため、というより役割分担がハッキリしているので男性2人のオリジナルキャストが本作のキャストに憑いているよう。(笑)

どうしよう 孤独だ 困ったな

どうしよう 孤独だ 困ったな

第27班

アトリエヘリコプター(東京都)

2018/02/24 (土) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/25 (日) 19:00

価格3,500円

お得意の群像劇、終わってから誰に一番感情移入したか、一番悪いと思ったのは誰かなど語り合うと面白そう。下衆な奴にも情状酌量の余地があったり同情していた人物のクズなところが発覚したり人物が多面的に描かれているんだもの。
登場人物の相関図を脳内に描きながら観るのも一興。そんなこんなで予め2時間超えと聞いていたこともありさほど長くは感じなかった。(個人差はあります)

【勝手にキャッチコピー】
シニカルでビターなヒューマンコメディ、部分的に「マイルドな鵺的」

ネタバレBOX

終盤での「通報しました」発言、ハッタリという可能性もあるか?と思って観ていたら、その後にS.E.が入ったので「あ、やはり本当に通報したのか」と。
あれ、もしもS.E.がなければ客によって解釈が分かれたのではないかしら?
ま、あのS.E.も他の現場に行くパトカーのものだったかもしれないけれど。
「みんなの捨てる家。」

「みんなの捨てる家。」

アナログスイッチ

シアター711(東京都)

2018/02/15 (木) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/15 (木) 19:30

座席B列3番

価格3,000円

父の病状悪化によりかつて暮らしていた実家に集まった兄弟姉妹(+α)が織り成す物語、笑いあり優しさ/あたたかさありホロ苦さありな上にちょくちょく泣かせに来るという好きなヤツ。
落としどころもちょっとオトナの味わいだったし、人物それぞれに感情移入/共感させてしまう脚本・演技も良かった。(各キャストそれぞれに見せ場があったんじゃないか?)
途中で先が読める部分もありつつ、最終的にはどう落とすのか読めず(読ませず?)「あー、そう来るのかぁ」な結末もまた巧いんだよなぁ。

また、付喪神たちとある人物の関係に三浦哲郎の(そして劇団四季によってミュージカル化もされた)「ユタとふしぎな仲間たち」を思い出したりもした。

ネタバレBOX

泣けた/巧いと思ったポイント
父の手作りの弁当袋にケチをつけて母のがいいと言う末娘
父の死ぬ前から片付けをすることを嫌がる末娘(気持ちはよく分かる)
付喪神3人と一緒なら自分も行けると嘘をつく霊
父を安心させようと偽の婚約者を連れてくる長女
ウエディングドレス姿を見せに行こうとしたタイミングで入る訃報
ミラクル祭’18

ミラクル祭’18

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/02/23 (金) ~ 2018/03/05 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/28 (水) 15:00

【C ver. たすいち/劇団ミックスドッグス】
たすいち「透明人間、消える」
序盤のアレにしても中盤のソレにしてもアイデアがイイ。また、観客が抱いているであろうあの疑問を劇中人物に言わせて透明人間がそれに答えるというのも巧い。かつて放映された初演版を録ってあるので久しぶりにそっちも見るか。

劇団ミックスドッグス「銀河旋律」
やはり成井作品、巧い……けれど主人公に「あんなこと」を言わせてしまうのは若いな(笑)(←何度か観ているが今回初めて気付いた) あと、サルマル役の奥田さんが(普段と違って)狡猾そうな顔つきをしていたのが印象的。

ネタバレBOX

たすいち「透明人間、消える」
序盤で透明人間を霊と思ってしまうところと、透明人間がもう一人登場するのがイイ。また「透明人間ってハダカじゃないの?」と質問させ「着るものも透明になってしまうのでハダカではない」と答えるのが巧い。

劇団ミックスドッグス「銀河旋律」
万葉集の歌がキーとして複数使われるのが知的でロマンティック。しかし主人公に「他人の幸せなどどうでもいいんです!」などと言わせてしまうのは若い!(笑)

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