じべ。の観てきた!クチコミ一覧

3401-3420件 / 4521件中
『クロノス・ジョウンターの伝説』~『ミス・ダンデライオン』『南十字星(サザンクロス)駅で』~

『クロノス・ジョウンターの伝説』~『ミス・ダンデライオン』『南十字星(サザンクロス)駅で』~

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★

ミス・ダンデライオン
原作を読んでおり06年4月の初演も観ていたが、今回はギャグが増えてより甘みが強くなった感じ?
そこのところに木に竹を接いだような若干の違和感あり。客席にはウケていたのであくまで個人的な好みの問題だが。

さて、何が世界を終わらせるのか

さて、何が世界を終わらせるのか

リブレセン 劇団離風霊船

ザ・スズナリ(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/28 (水)公演終了

満足度★★★★

抜群の安定感
手堅いと言おうか盤石と言おうか、抜群の安定感。
一部読めてしまうところもありつつ「そう来ましたか」的な。

ネタバレBOX

深読み・曲解もあろうが「家族の終わりは世界の終わり」なメッセージが心にしみる。
空から降るほんの小さな愛

空から降るほんの小さな愛

ジ~パンズ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2010/04/23 (金) ~ 2010/04/29 (木)公演終了

満足度★★★★

前作よりPMCっぽい
恋愛沙汰から遠ざかって久しい身(爆)として擬似体験と言おうか昔を思い出すと言おうか。
あれやこれやが落ち着くべきところに落ち着きめでたしめでたしか…と思わせてのオチも上手い。
なお、前作よりPMCっぽいと思ったのはσ(^-^)だけではないそうで。(笑)

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

風琴工房

ルーサイト・ギャラリー(東京都)

2010/04/26 (月) ~ 2010/04/29 (木)公演終了

満足度★★★

【藤】編
先攻後攻を入れ替えて和ものが先で洋ものがあと。
時代性がよく出た太宰の「親友交歓」、ある拷問具を想起させるカフカの「流刑地にて」とも桜の二編と異なり、それぞれに面白い。

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

おるがん選集 春編(上演台本付き/カフェ営業あり) 

風琴工房

ルーサイト・ギャラリー(東京都)

2010/04/26 (月) ~ 2010/04/29 (木)公演終了

満足度★★★★

【桜】編
モーパッサン原作の「寡婦」(約30分)は翻案による和洋折衷ぶりが面白い。
永井荷風の「墨東綺譚」(約50分)は江戸情緒の残る昭和の下町風情満載でモノクロの大映映画的な味わい(個人的なイメージです)がステキ。
それにしても「寡婦」と「荷風」…いや、何でもないです。(笑)

※ 4月21日からスタイルを変え、ツイッている一口レビューをまずアップして後日加筆することにしました

双碧星物語

双碧星物語

流星揚羽

萬劇場(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/26 (月)公演終了

満足度★★★

女性作家らしからぬ(笑)力強さ
水軍の心意気や終盤の殺陣など女性作家らしからぬ(笑)力強さアリ。
また、斬り合いの中で肘打ちやパンチを出す武士ではないがゆえの「ケンカ剣法」の表現も○。
ただ、両バージョンにそれほど大きな差がないのは残念。

背伸び王(キング)

背伸び王(キング)

コマツ企画

小劇場 楽園(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

コマツ式『ワンダフル・ライフ』?(笑)
いわばコマツ式『ワンダフル・ライフ』だが、まさかこの題材をこのように展開させようとは…(笑)
また、75分の上演時間も程良く8連続マチソワ半ばの身には一服の清涼剤的な(爆)。
ただ、今後「Butterfly」を聴く時にヘンなバイアスがかかりそうで心配(笑)

カラスの歩く速さ

カラスの歩く速さ

らくだ工務店

駅前劇場(東京都)

2010/04/20 (火) ~ 2010/04/27 (火)公演終了

満足度★★★★

真に迫るリアリティ
実話ベースということと凝った装置の相乗効果により真に迫るリアリティ。
ユーモラスな前半から次第に緊張が高まりクライマックスを迎える構成もイイが、エピローグ(?)がやや長いか?

リングワンダリング

リングワンダリング

Monochrome Plus

シアター風姿花伝(東京都)

2010/04/22 (木) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★

幻想迷宮を彷徨う感覚
一口で言えば「幻想迷宮を彷徨う感覚」。夢や記憶など意識下でのストーリーという雰囲気が巧く表現されていたと思う。
また、序盤では「不思議の国のアリス」、後半で「ビューティフルドリーマー」、全体的に楽園王+の作風を連想。
あと、照明によって様々に表情を変える舞台美術も見モノ。

宇宙エレベーターガール

宇宙エレベーターガール

宇宙食堂

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/04/21 (水) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★

最終的な落とし所は良いのに…
斬新な題材や最終的な落とし所は良いのに細部が杜撰過ぎて醒めてしまうのが残念…を通り越して致命的。

※ 4月21日からスタイルを変え、ツイッている一口レビューをまずアップして後日加筆することにしました

僕たちの失敗~もう誰も信じない…~

僕たちの失敗~もう誰も信じない…~

ラブリーヨーヨー

駅前劇場(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

あと一つ欠ける感が払拭できない
局員3名の小さな郵便局に2人組のマヌケな強盗が押し入り、しかし通報されて退散しようとしたところに銃を持った新たな強盗が押し入って5人を人質に立てこもる…という状況のコメディ。
既視感はありつつ面白い題材であり、いろいろ趣向を凝らしてよく出来てはいるのに、何かあと一つ(か二つ?)欠ける感が払拭できないのが惜しい。
野球に喩えれば長打を含む毎回安打で満塁にもなるのに決定打が出ず残塁の山、結局両チーム無得点のまま時間切れ引き分け(←「完封負け」ではない)みたいな?
個々の場面は面白いのに全体を通しての流れで見ると平板なまま終わってしまう感じなんだな。前夜に「緩急自在に進行し終盤で盛り上がった上にさらにそこから大噴火する」というお手本のような作品を観ているだけにその感ひとしお…。
が、終演後にメンバーであった多田岳雄(本作には出演せず)の引退セレモニーがあり、そのユルさ、ヌルさが初めて観る身にとっても愉快(しかしあの SPEED は見苦しいか(爆))だったので、それも含めてそれなりに満足。
ただ、開演が定刻よりも10分程度押すことはよくあることでそれ自体は問題ではないものの、開演前・終演後を通じて全くそのことに触れないのは頂けない。
器の小さい身ゆえ「10分以上遅れたのに詫びどころか申し開きの一言すらナシかい」という気分を引きずりつつ観たのも前述の「不発感」の一因かも。

シェア

シェア

劇団やったるDAY!

ウッディシアター中目黒(東京都)

2010/03/10 (水) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

もう神ワザ?(というのは褒めすぎ…(笑))
友人・あずきと2人でシェアハウスのオーナーとなった主人公・ちえがあずきの死により生きる意味を見失い、ハウスからも去ろうとしているのを知ったハウスの7人の住人はちえに生きる意味を見つけてもらおうとし…な物語。
その意味では十八番のファンタジー寄りハートウォーミングストーリーだし、お得意の複数の人物によるユニゾンのリアクション(台詞・動作とも)なんて演出やノリツッコミも健在で、終盤の盛り上がりはいかにもここらしくて「真骨頂だね」と満足していたら、そのあとにさらなるサプライズがあって感服。
シェアリングハウスの住人が7人であることから、プロローグに出てくるあずきが子供の頃に描いてその後出版されるに至った絵物語「女の子と7人の妖精」(だったっけ?)に準じた展開になるのは予想通りだったものの、まさか7人の住人が妖精そのものだったとは…。
それも、序盤で見せたそれぞれの登場のしかたが絵物語の内容まんま(その部分はプロローグでは示されない)で、終盤でそこを音読しつつ登場シーンを回想として見せるのが巧くて、もう神ワザ?(というのは褒めすぎ…(笑))
いやぁ、ホントにヤられたわァ。

空間ゼリーEse「僕たちだけで大丈夫!」

空間ゼリーEse「僕たちだけで大丈夫!」

劇団たいしゅう小説家

MAKOTOシアター銀座(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★

演技のジャムセッション
今回は脚本がなく、各自にキャラクターを創造させ状況設定だけ与えるという「戯曲もない、インプロでもない」(←チラシより)即興芝居で、エチュードの積み重ね的な感じ?(…とか言って、「インプロ」「即興芝居」「エチュード」の区別・定義がよくワカっていないんだが…(爆))
んなワケで一言で表現すれば「アヤしいキャラ見本市」で見せる「演技のジャムセッション」。ほら、各自の楽器(キャラ)とコード進行(設定)だけ決まっているところが共通でしょ?
が、ジャムはジャムでもテーマの提示などなくいきなりインプロヴィゼーションが展開される感覚は70年代後半に来日した頃のマイルス的とか?
また、劇中の照明やS.E.は毎回変わる(この回のS.E.は銃声・雨音・サイレンなどだったが前日は幽霊が出るような音もあったとか)そうで(アフタートークで明かされる前、観ていて察した)、それも演出家の指示ではなく、照明さん・音響さんの判断によるとのこと(こちらはアフタートークより)。
キャラの可笑しさと何が起こるかわからない(あるいは何が起きても不思議はない)緊張から生み出される「グルーヴ感」(笑)が独特で、あんまり長く演っていてもまとまりがなくなりそうなところ、75分という上演時間も程良かったのではあるまいか。

W氏の帰れない夜

W氏の帰れない夜

円盤ライダー

@quos(東京都)

2010/02/26 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

トンデモ系コメディ
残業で遅くなり、それを持ち帰って自宅でも仕事、の前に立ち寄ったバーでW氏は店員に見えたトロント星人から「地球侵略演習隊の隊長」と誤認され、想像を絶する体験をする…なトンデモ系コメディ。
もうこれが「なんておバカな!(笑)」なブッ跳んだ設定満載で、にもかかわらずモロモロについてことごとく理由をキチンと(?)説明しており、そのこじつけっぷりに脱帽。まさに「無理を通せば道理が引っ込む」状態で、もうそのオカしさ(=funny,strange のダブルミーニング)といったら「想像を絶する」。(笑)
で、そんなことから西田シャトナー(今回の作・演出)ってこんな引き出しも持っていたんだ、と思ったものの、惑星ピスタチオ時代にチョコチョコ挟まれていたムチャな笑いの部分を発展させたと言えるし、『Believe』での大阪城ロボや超ミクロ忍者など荒唐無稽な設定もあったので、そう考えればこれもモロにシャトナー風。終盤の宇宙空間の表現なんてまんまだったし。
が、円盤ライダー的には異色作だったかも。2時間をちょっと超えるという上演時間も含めて。

ラ・ムーの一族

ラ・ムーの一族

劇団阿佐ヶ谷南南京小僧

明石スタジオ(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

この心温まるファンタジーぶりは何?(笑)
桜の園に住む両親と一男二女の5人家族の父親が出奔してしまうが自称「桜の妖精」が末娘を優しく見守り…って、何なの、この心温まるファンタジーぶりは?(笑)
通常は基本的にブラックでシニカル(ただしユーモラスではある)なのに、今回は180°方向転換みたいな?
いわば「笑ゥせぇるすまん」に対する「喪黒福次郎の仕事」(喪黒の弟・福次郎が主人公でハッピーエンドのシリーズ=wikipedia情報:未読)的ポジションか?(笑)
いや、でもこれも好きですよ、と言うよりむしろイイ意味で期待を裏切られた快感アリ。
また、チラシにあった「色とりどりの「さくら」SONGを散りばめ」通りの選曲には大ウケ。まさか「檄!帝国華撃団」や「六本木心中」まで使うとは…。
しかし、そんな曲もイントロですぐにワカったばかりでなく、どこが「さくら」SONGなのかまで瞬時に察したσ(^-^) って…(笑)

シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

そう取り込みましたかぁ
シューマンの特集を組むことになった雑誌の新人女性記者・夏樹、シューマンをテーマにした小説のアイデアが出ずに筆が進まない女流作家(=記者と偶然知り合う)、かつてコンクールで優勝し「シューマンの第一人者」と呼ばれたピアニスト・芦屋(=記者の取材相手)の三者を中心に描きながら、そこからシューマンの人生(後半だけなので「半生」か?)が浮き上がってくるシカケ。
で、芦屋は事故で指が動かなくなりピアノを断念し精神を患っているとか、自分をシューマンの生まれ変わりと思い込むとか、そのあたりで予習が利いてくるワケさ、「そう取り込みましたかぁ」みたいに。
また、芦屋の様子が劇中事実なのか、それとも夏樹から聞いた話にヒントを得た作家(当日パンフの役名も「作家」のまま)が著している小説の中のフィクションなのか、と疑問を抱かせておいて終盤で「あることないこと書き連ねて…」と響子(芦屋の妻)に言わせて少なくとも全てが事実ではないことを明かすのが上手いし、「(芦屋の)クララになりたくてなれなかった」響子が芦屋から「クララ…」と呼びかけられるラストも切なく美しい。
暗めの照明の中で流れる台詞がエラく文学っぽくて(笑)「作風が変わった?」と思ったらシューマンからクララへの手紙だったというプロローグもその後の展開を示唆して巧みで、後から振り返ってモロモロ納得。
そんな中、編集部のシーンはコミカルでメイン部分のどちらかと言えば悲劇気味なトーンをうまく緩和していたな、と。
対象となる人物を直接描くのではなく、メインとなる別のストーリーを進行させる中にその生涯を練りこむ手法は今年1月のユニークポイントの『シンクロナイズド・ガロア』と通ずるものアリ。

将門

将門

劇団BOOGIE★WOOGIE

イマジンスタジオ(東京都)

2010/03/08 (月) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

BOOGIE★WOOGIE 史の新たな1ページ
平安京へ上り藤原忠平に仕えた十代後半から朝廷への謀反のかどで討伐されるまでの平将門の生涯を描いた力作にして秀作かつ快作。BOOGIE★WOOGIE 史の新たな1ページを拓いたと言っても過言ではあるまい。
会場に入ってまず度肝を抜かれるのがステージの形状。本来の位置とその反対側にそれぞれ舞台があり、両者をつなぐ形で細長い舞台が会場中央を縦に貫いているという…。
言い方を変えれば対面式客席の間に狭い舞台があり、客席両側にそれとつながった一般的なサイズの舞台がある、的な?
合戦の場面で両陣営が睨みあいの後についにぶつかるなんてシーンを筆頭に、この形状を非常に有効に使っているワケさ。(と言うよりそのためにこの形状にしたのか?)
そのステージに30人近い出演者全員(映像のみの2(3?)人を除く)が登場し、男女2人のナレーターに先導されてのシュプレヒコール風というか多人数によってエコーのような効果を表現するというか、先日の『The Heavy User』とは似て非なる言葉のパフォーマンスに続いてお得意(?)のダンスでオープニングクレジットという幕開けにもうゾクゾク。
以降、前半(65分)は青年将門の青春記的でサワヤカ、後半(105分)は運命あるいは時勢に弄ばれる武人将門を描いて重厚、という構成も巧みで、休憩(10分)込み3時間の大作ながらその長さは感じず、体感的には2時間程度。
また、その内容(諸説ある動機・背景はともかく、起こったことは史実通り←観終えてから wikipedia で確認)からさすがにいつものように劇中の飲み物がホンモノの酒や青汁だったり(笑)はしないものの、『REVOLVER』(04年3月)のように全く笑いがないこともなく、緊張をほぐすのに程よいタイミングで笑える部分があったり常連客への目くばせがあったりするのも巧い。
また、全編を通じてナレーターの2人が、芝居の登場人物を見守ったり舞台上の出来事にリアクションをとったりするのも面白い。
さらに、秦修のギターを中心に和太鼓とvln.を擁した生バンドの演奏も◎。

~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~

~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~

イエロー・ドロップス

らくごカフェ(東京都)

2010/03/07 (日) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

ヴァージョンアップな感じ
前年6月の『知新笑新』、11月の『い・江戸・ロ・サリヴァン・ショウII』に続いてここの「立体落語」を観るのは3回目。
今回は『い・江戸・ロ…』の発展型で、一般的なステージ形態だった前回と異なり、本来の高座(カフェなのに高座が常設)だけでなく、その反対側にもサブステージがあり、その間も演技スペースになるというスタイル。
「死神」も死神役がおぼんろの末原主宰に変わってまた別の味が出たのみならず、歌は歌うわ本物のローソクは使うわでヴァージョンアップな感じ。
ところで本作はOi-SCALEの林灰ニの脚色とのことだけれど、前回はどうだったっけ?

昆虫大戦争

昆虫大戦争

こゆび侍

RAFT(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

いつもとはかなり違った味わい
「世にも珍しい物語をこっそりお披露目」という「標本シリーズ」の第1弾、フンコロガシの世界を擬人化した物語。(約70分)
冒頭を除いて人間から隠れ住むための「シェルター」の中でストーリーが進行し、照明も暗めだし、あまりタッパのないこのスペースに床より高い舞台を作っているし、ということで圧迫感あり。
で、着ぐるみやそれっぽい衣裳ではなく普通の姿で演じられるフンコロガシたちはちゃんとそれらしく感じられるし、ストーリーにも起伏があってドラマチック。
さらに、ちゃんと食べられるものを仕込んである(!)フン玉(ベースはバランスボール?)やラストで光るウエディングボールなんて小道具も面白く、それまで別個に登場していたフンコロガシと人間(成島主宰だ)が同時に登場するラストで、照明を使って人間の手の大きさを表現したのもナイスアイデア。なるほどいつもとはかなり違った味わい。
あと、人間に捕らえられた妻が遺した乾いたフン玉から仏像を彫りだす夫、なんてアイデアには脱帽!

TSUCHI-GUMO―黄昏の血族、暁の王―

TSUCHI-GUMO―黄昏の血族、暁の王―

演劇ユニット 金の蜥蜴

ブディストホール(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

時代劇版トレンディドラマ(笑)
能楽をベースに現代演劇に仕立てるスタイルが特色のここ、今回の題材はタイトル通り「土蜘蛛」。
病に伏す頼光のもとに土蜘蛛・胡蛾が現れ、糸で絡めとろうというアクションシーン(笑)からいきなり入る。ここでは仕舞も入り、能が色濃く漂うものの、そのすぐ後の傷を言霊で治すシーンではミュージカルタッチの歌が入り、オリジナルエピソードである頼光の息子・頼国と土蜘蛛の妹・胡蝶が互いに相手の素性を知らずに出逢う場面は時代劇版トレンディドラマ(笑)のようでもあり、このイイトコ取りのクロスオーバーぶりが楽しい。
以降、土蜘蛛とは国家に従わなかった一族の暗喩であるということを踏まえつつ、頼国と胡蝶のロミジュリ的なものも交えての「土蜘蛛秘話」、頼光と胡蛾がともに「復讐の連鎖」を断ち切ろうとする(このテーマも好き)ばかりでなく一連の流れをすべて自分の死によって清算しようとするカッコ良さを経て、ややコミカルな後日譚で締めくくる100分(この長さもイイ)を堪能。
あと、クライマックスで傷を治す言霊の歌がリプライズされ、しかもそこでは胡蛾と胡蝶の重唱になるところにもツボを突かれる。

このページのQRコードです。

拡大