志の輔らくご in PARCO 2007
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2007/01/03 (水) ~ 2007/01/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
新作もいいけど古典もスゴイ
「其の壱」最終日、運良く当日券で観ることができました。新作2席、中入り後に古典を1席の計3席。たっぷり楽しませてもらいました。
糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』
ITOプロジェクト
ザ・スズナリ(東京都)
2007/02/03 (土) ~ 2007/02/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
糸あやつりイリュージョン!!
当日券で通路に座布団だったので足は相当辛かったですが、その程度の苦痛を忘れてしまうくらいビジュアル的なインパクトに溢れた素晴らしい舞台でした。
日替わりで様々な趣向の化物たちが主人公の平太郎を驚かすという構成ですが、「人形でこんなことまでできるのか!」という驚きが釣る瓶打ちの80分間でした。そして天野天街演出ならではのノスタルジーとペーソスも。文句なしに多くの方にオススメです。
私はだれでしょう
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2007/01/22 (月) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★★
前田亜季じゅーよー
キャストに前田亜季ちゃんがいることに気づき、急遽観ることを決定しましたw
終戦直後、NHKラジオ「尋ね人の時間」のスタッフルームを舞台にしたお芝居。ピアノ生演奏による歌と踊りに彩られた楽しい音楽劇ではありますが、そこは井上ひさし、見終わった後に強烈なメッセージがズシリと胸に残ります。
久々の舞台となる亜季ちゃんでしたが、端正な歌とお芝居でイキイキと江戸っ子の女性を好演していました。
TRASHMASTERSOUL
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2007/01/13 (土) ~ 2007/01/22 (月)公演終了
満足度★★★★
リアルな近未来シミュレーション
少子化・格差社会・民族といった現代日本の社会問題点を突きつめていった近未来シミュレーションドラマ。実際にこんな社会が訪れても不思議ではないリアリティに唸らされます。3幕2時間半の長丁場だったが、全くだれることのない緊張感のある舞台でした。
エロドラマ
X-QUEST
サンモールスタジオ(東京都)
2007/01/13 (土) ~ 2007/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
萌えて燃える
ダイナミックなダンスと派手なアクションで、とても爽快感のある作品。男優陣だけでなく、女優陣もアクションで頑張っていました。また女優陣のコスチュームも見もの。特に浦えりかがカワイイ!
セクシーなネタを扱ってますが、巧みにアレンジしてあるので、万人にオススメです。
CLUB SEVEN-SP
ザ・カンパニー
ステラボール(Stellar Ball)(東京都)
2007/01/17 (水) ~ 2007/01/21 (日)公演終了
満足度★★★★
ザッツ・エンターテイメント
タップあり、ダンスあり、ミュージカルあり、そして歌ありと盛りだくさんの内容で大満足です。個々の出演者の技量が安定していたのはもちろんですが、玉野和紀のツボを心得えた構成・演出が各人の良さを引き出して、非常に心地よい舞台を作り上げていました。
ショー終盤のメドレーで、歌詞の出だしが「あ」から「ん」までの曲を50音順にノンストップで40分以上歌い綴った場面は圧巻でした。
ドカチン ~下北沢死闘編!~
昭和芸能舎
シアターブラッツ(東京都)
2007/02/09 (金) ~ 2007/02/18 (日)公演終了
満足度★★★★
オススメ!ウェルメイドな社会派コメディ
脚本の羽原大介氏は、個人的にはアニメ『ふたりはプリキュア』の人だったりするのですが、彼の作・演出ということで当日券で観てみたら大当たりでした。
マンション建築3次受けの弱小建築会社の労働者たちの目線からみた、耐震強度偽造問題。とはいえ内容は全く堅苦しくなく、非常に良く出来た人情コメディとなっています。建築シーンをダイナミックな集団ダンスパフォーマンスで表現するなど、演出も冴え渡っていました。
また個々のキャラクターが背景までしっかり描かれた脚本が素晴らしく、どの人物の行動も納得がいくものでした。
平日のチケットはまだ余裕があるようなので、時間がある方は当日券ででも是非観ていただきたい作品です。
花と蛇
月蝕歌劇団
本多劇場(東京都)
2007/02/01 (木) ~ 2007/02/04 (日)公演終了
満足度★★★★
これほど月蝕が本多劇場に似合うとは!!
普段の公演よりずっと大きなハコでアングラ風味が損なわれるかと心配していましたが、紛うことなき月蝕の世界が本多劇場でも繰り広げられていました。さすがに蝋燭踊りこそ出来なかったようですが、それ以外は今までの作劇作法をほぼ全て踏襲していました。何より音響設備がいいので、J.A.シーザーの楽曲が低音まで含めてよく響き、かっこ良さが引き立っていました。舞台が広くなってもセットの配置までが従来と同じだったのはご愛嬌。
ただ原作からしてハードな内容だけに、女優さんの露出も多く、特に女性でそういうのが苦手な方にはオススメし難いかもしれません。(ちなみに一部の女優さんは、毛皮族みたいなニプレスすらありません。)
それでも見て損はない、迫真の舞台でした。
vocalise (ヴォカリーズ)
リュカ. (Lucas [lyka])
王子小劇場(東京都)
2006/11/02 (木) ~ 2006/11/06 (月)公演終了
満足度★★★★
こいけけいこに一目惚れ
佐藤佐吉演劇祭鑑賞マラソンに参加してなければ見落としていたかもしれない作品。演劇祭参加作の全てが自分の好みにあっていたわけではないけど、このような佳作と出会えたことを王子小劇場に感謝です。
友達夫婦の終焉の場面を淡々と描いていますが、それぞれが相手を思いやる気持ちが十分に伝わってきて、ぐっと胸に沁みました。
若妻を演じていたこいけけいこの、凛としたたたずまいにやられてしまいました。
プライベート・ジョーク
パラドックス定数
サンモールスタジオ(東京都)
2007/03/01 (木) ~ 2007/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
スリリングな会話劇
若き日の天才達の破天荒な会話がいちいち楽しい。そこに輪を掛けて尊大なピカソと、何もかもを見通したようにクールなアインシュタインが加わることで、会話のスリルは更に加速していく。
歴史のifを描いた話なんだろうけど、きっとこんな物言いをしてたんだろうなと思わせてくれる、役者の演技も熱い。
知的な刺激に溢れる舞台でした。
恋の渦
ポツドール
新宿シアタートップス(東京都)
2006/11/29 (水) ~ 2006/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
若者のホンネとタテマエ
現代に生きる若者たちの風俗を描かせたら、やっぱり三浦大輔はバツグンに上手い。仲間同士や恋人同士でのホンネとタテマエを、舞台を4分割したセットを巧みに使って見事に描き出していた。エロティックな描写が注目されがちだけど、それも若者たちの生き様を描くために必須であったと納得させられる。
真冬の同窓会
弘前劇場
ザ・スズナリ(東京都)
2007/02/23 (金) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★
これは一種の不条理劇?
弘前劇場を観るようになってまだ1,2年なのですが、地域に根ざした「社会派」なお芝居を見せてくれるカンパニーという先入観が強かったので、ほとんど事前情報抜きで観た今回の作品については正直戸惑いを隠せませんでした。安定した演技力できちんとした舞台という印象は変わらないのですが、それがコメディタッチな題材とミスマッチという意見には同感です。真面目にとぼけたお芝居は、一種の不条理劇にすら感じられました。
カメコが笑った日
WHATCOLOR
アイピット目白(東京都)
2007/01/31 (水) ~ 2007/02/05 (月)公演終了
満足度★★★
ホロ苦い青春模様
今どきこんなアナクロな共同アパートがあるのかと思わないでもないですが、そこに集う若者達の心情が細かいエピソードを積み重ねて丁寧に描かれているので、見終わったあと優しい気持ちになりました。
この日は終演後、この作品のオリジナル主題歌を歌ったマユさんのミニライブ付き。透明感のある歌声が素敵でした。
浮世混浴鼠小僧次郎吉
流山児★事務所
Space早稲田(東京都)
2007/01/24 (水) ~ 2007/02/05 (月)公演終了
満足度★★★
古くて新しい
30年前の佐藤信の脚本だけど、全く古さを感じさせないシュールな展開。佐藤脚本が凄いのでしょうか、それとも演出の天野天街が凄いのでしょうか。
あと登場してきただけで場をさらってしまう、夕沈のダンスはやっぱり反則だよなぁ。。
見よ、飛行機の高く飛べるを
ぱれっと
俳優座劇場(東京都)
2007/02/08 (木) ~ 2007/02/12 (月)公演終了
満足度★★★
女子の生き様
永井愛の名作戯曲が、若手女優陣の誠実な演技もあって良質な舞台に仕上がっていました。中でもいち早く女子の自立に目覚め、ストライキの首謀者となる杉坂初江を演じた宮本真希が出色。情熱に溢れながらも生き方に不器用な女生徒の、揺れる心情を見事に演じ切っていたのが心に残りました。
パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2007/02/17 (土) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★
瀬奈のコメディセンスが光る
植田前理事長センセイの演出は、よく言えば様式美、ぶっちゃけてしまえば”ベタ”なのだけど、ともあれ肩の力を抜いて楽しめるライトコメディでありました。中でも詐欺師を演じたあさこさんの口八丁手八丁ぶりが見事。弟分役のゆうひクンとのやり取りも楽しかった。
ショーはタイトル通りダンスをフィーチャーしたものでしたが、構成がルーチンワークに堕していて今ひとつトキメクものを感じませんでした。
ミュージカルもショーも世間が考える最大公約数的なタカラヅカ像を踏襲しているという意味では、初めての方にもオススメしやすいかもしれません。
B計画
劇団SKグループ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/02/20 (火) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★
音楽との瑞々しいコラボ
前作「彼の住む星」とリンクした物語とのことですが、そちらは未見。それでもこの作品単独で十分に楽しむことが出来ました。
男性フォークデュオ"se-no"のオリジナル楽曲が、芝居全編に瑞々しいイメージを与えていたように思います。演劇と音楽のコラボによる地方からの発信として、その試みは今後も注目していきたいと思わされました。
お芝居自体は"メタ演劇"の要素を多分に持ち、最初はちょっととっつき難いですが、世界観が見えてくる後半になるとぐいぐいと惹かれていくのを感じます。役者のレベルには若干のバラつきを感じますが、高橋逸人のキャラクターと看板女優小山めぐみの存在感ががっちりと作品を支えていました。
耽餌(たぬび)
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2007/02/09 (金) ~ 2007/02/12 (月)公演終了
満足度★★★
ふじみはそんなに遠くない
この劇場のキラリ☆ふじみホールですが、池袋から東武線準急で約30分、鶴瀬駅から市内循環バスで約10分と、思っていたよりずっと近かったです。場内は新しくとても綺麗な劇場でした。
元犯罪者とその犯罪被害者の遺族の物語は、テーマの重さとじわじわと狂気が滲み出す演技と演出が相まって、非常にダークで重苦しい舞台でした。衝撃的なラストも含め決して爽快感のある作品ではありませんが、人の心の闇を見事に描き出しているという点で、わざわざ足を運んで観ても損のない作品と言えるかと思います。
たまたま、素敵。
“STRAYDOG”
サンモールスタジオ(東京都)
2007/01/23 (火) ~ 2007/01/28 (日)公演終了
満足度★★★
テンポよい台詞の応酬が楽しい
ドアの故障でマンションの一室に閉じ込められたしまった人々のやり取りを、コメディタッチで描いた小品でした。関西弁ベースの会話のテンポが実に小気味よく、あっという間の75分。劇中唯一の男性キャスト・イキウメの浜田信也が演じる、やたらとオシャベリな修理人がいい味を出しています。面白うてやがてちょっぴり寂しいエンディングも余韻があってよかったです。
森の中
flea maison
北とぴあ ドームホール(東京都)
2007/01/18 (木) ~ 2007/01/20 (土)公演終了
満足度★★★
大化けの予感
会場が北とぴあのプラネタリウムというのが興味深かったので、初めて観る劇団ですが行ってきました。舞台はプラネタリウムの階段状の客席通路に設定され、観客は最下段のフロアに置かれたイス席から見上げる形でした。ボクが観た回には、開始前と後に脚本と演出によるビフォアトークとアフタートークがついていました。
階段席に置かれたランタンによる間接照明が中心であったため、役者の表情がほとんど分からなかったことや、4人の役者で6人の登場人物を演じていたため、二役の役者の演技がオーバーアクト気味でバランスを欠いていたように感じられたことなど、気になった点も多々ありましたが、全体としてはいろいろと試行錯誤しながら作品を作り上げていこうという姿勢に好感が持てました。特に狭い客席通路を森の中を見立てて彷徨う演出は効果的だったと思います。お話自体はもうちょっと練り込みが欲しいところですが、その辺も含めて今後の大化けに期待します。