くーぱーの観てきた!クチコミ一覧

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恋の渦

恋の渦

ポツドール

新宿シアタートップス(東京都)

2006/11/29 (水) ~ 2006/12/10 (日)公演終了

満足度★★★★

若者のホンネとタテマエ
現代に生きる若者たちの風俗を描かせたら、やっぱり三浦大輔はバツグンに上手い。仲間同士や恋人同士でのホンネとタテマエを、舞台を4分割したセットを巧みに使って見事に描き出していた。エロティックな描写が注目されがちだけど、それも若者たちの生き様を描くために必須であったと納得させられる。

なまけもの百科事典

なまけもの百科事典

経済とH

王子小劇場(東京都)

2007/03/01 (木) ~ 2007/03/05 (月)公演終了

満足度

モーレツに後悔
コントとダンスの90分。笑いのツボは人それぞれだろうし、客席の多数を占めていた若い女性客はかなり喜んでいたようだけど、僕にはこの舞台がちっとも面白く感じられなかった。最初の前説ですでにイヤ~な予感がして、本編が始まってからは10分くらいでもう退屈でたまらなかった。あとはひたすら苦痛と戦う時間だった。
日替わりゲストで*Pnish*の土屋裕一が呼ばれていたけど、なんだか気の毒に感じた。

ネタバレBOX

個人攻撃は本意ではないけど、このカンパニーの主宰はあの体形で舞台に上がるなんて、客を舐めてるのかと。
プライベート・ジョーク

プライベート・ジョーク

パラドックス定数

サンモールスタジオ(東京都)

2007/03/01 (木) ~ 2007/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

スリリングな会話劇
若き日の天才達の破天荒な会話がいちいち楽しい。そこに輪を掛けて尊大なピカソと、何もかもを見通したようにクールなアインシュタインが加わることで、会話のスリルは更に加速していく。
歴史のifを描いた話なんだろうけど、きっとこんな物言いをしてたんだろうなと思わせてくれる、役者の演技も熱い。
知的な刺激に溢れる舞台でした。

パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス

パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2007/02/17 (土) ~ 2007/04/01 (日)公演終了

満足度★★★

瀬奈のコメディセンスが光る
植田前理事長センセイの演出は、よく言えば様式美、ぶっちゃけてしまえば”ベタ”なのだけど、ともあれ肩の力を抜いて楽しめるライトコメディでありました。中でも詐欺師を演じたあさこさんの口八丁手八丁ぶりが見事。弟分役のゆうひクンとのやり取りも楽しかった。
ショーはタイトル通りダンスをフィーチャーしたものでしたが、構成がルーチンワークに堕していて今ひとつトキメクものを感じませんでした。
ミュージカルもショーも世間が考える最大公約数的なタカラヅカ像を踏襲しているという意味では、初めての方にもオススメしやすいかもしれません。

vocalise (ヴォカリーズ)

vocalise (ヴォカリーズ)

リュカ. (Lucas [lyka])

王子小劇場(東京都)

2006/11/02 (木) ~ 2006/11/06 (月)公演終了

満足度★★★★

こいけけいこに一目惚れ
佐藤佐吉演劇祭鑑賞マラソンに参加してなければ見落としていたかもしれない作品。演劇祭参加作の全てが自分の好みにあっていたわけではないけど、このような佳作と出会えたことを王子小劇場に感謝です。
友達夫婦の終焉の場面を淡々と描いていますが、それぞれが相手を思いやる気持ちが十分に伝わってきて、ぐっと胸に沁みました。
若妻を演じていたこいけけいこの、凛としたたたずまいにやられてしまいました。

アベベのベ

アベベのベ

劇団チャリT企画

王子小劇場(東京都)

2006/10/13 (金) ~ 2006/10/17 (火)公演終了

満足度

これで風刺かなぁ…
安倍政権発足直後でまだ支持率がそこそこあった時期に、安倍首相を皮肉ってみせた先見性は買ってもいいと思います。
ただ世襲と「美しい日本」のキャッチフレーズと「あべべのべ」という言葉遊びの三題話で、批判が表層的なものだけで終わっている浅薄な印象を受けました。

ネタバレBOX

コンビニのバックヤードが舞台ですが、アルバイト店員たちの無責任さに翻弄される店長に、思わず同情してしまいます。こんないい加減な若者を増やさないためにも、安倍政権の教育政策は正しいのではないかと思ってしまうのは、僕だけでしょうか。
笑顔の砦

笑顔の砦

庭劇団ペニノ

駅前劇場(東京都)

2007/02/22 (木) ~ 2007/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

マメ山田の存在感
庭劇団ペニノは今回が初見。
アパートに独り暮らす中年男の日々を、しみじみと丁寧に描いています。
小さな名バイプレイヤー・マメ山田の存在感を、この舞台でも大きく感じました。っていうか、あの役柄に山田ってのはズルいなぁww

ネタバレBOX

主役のタケさんは漁師で料理が得意という設定。久保井研は見事な包丁裁きで魚を三枚に下ろしてみせてくれます。この舞台をみたら、お魚が食べたくなりました。
僕がブルーハーツとダウンタウンを好きになった理由。。

僕がブルーハーツとダウンタウンを好きになった理由。。

Oi-SCALE

駅前劇場(東京都)

2007/02/09 (金) ~ 2007/02/18 (日)公演終了

満足度★★

近過去の難しさ
自殺した仲間が残した謎を巡る、不良っていうかボンクラ高校生たちの学園ドラマ。舞台上に登場しなくてもそれぞれの想いから、いなくなった彼の姿が次第に浮かび上がってくる構成はなかなか凝っています。この劇団の代表作といわれるだけのことはあると思わされます。
ただこの作品で描かれる高校生の風俗が微妙に古いのが気になりました。作品舞台はおそらく90年代と思われ、これは初演の5年前の時点ならちょっと前の時代ということでまだその時代の空気のようなものが反映できていたのではないかとも思われるのですが、再々演となった今回となると当時との隔たりが違和感となって浮き上がってしまっているように感じられました。むろん仲間同士の友情というテーマには普遍性があるので再演される理由は分からないのでもないのですが、今の時代に上演するならそれなりの微調整があって良かったのではないでしょうか。

B計画

B計画

劇団SKグループ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/02/20 (火) ~ 2007/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

音楽との瑞々しいコラボ
前作「彼の住む星」とリンクした物語とのことですが、そちらは未見。それでもこの作品単独で十分に楽しむことが出来ました。
男性フォークデュオ"se-no"のオリジナル楽曲が、芝居全編に瑞々しいイメージを与えていたように思います。演劇と音楽のコラボによる地方からの発信として、その試みは今後も注目していきたいと思わされました。
お芝居自体は"メタ演劇"の要素を多分に持ち、最初はちょっととっつき難いですが、世界観が見えてくる後半になるとぐいぐいと惹かれていくのを感じます。役者のレベルには若干のバラつきを感じますが、高橋逸人のキャラクターと看板女優小山めぐみの存在感ががっちりと作品を支えていました。

真冬の同窓会

真冬の同窓会

弘前劇場

ザ・スズナリ(東京都)

2007/02/23 (金) ~ 2007/02/25 (日)公演終了

満足度★★★

これは一種の不条理劇?
弘前劇場を観るようになってまだ1,2年なのですが、地域に根ざした「社会派」なお芝居を見せてくれるカンパニーという先入観が強かったので、ほとんど事前情報抜きで観た今回の作品については正直戸惑いを隠せませんでした。安定した演技力できちんとした舞台という印象は変わらないのですが、それがコメディタッチな題材とミスマッチという意見には同感です。真面目にとぼけたお芝居は、一種の不条理劇にすら感じられました。

ドカチン  ~下北沢死闘編!~

ドカチン ~下北沢死闘編!~

昭和芸能舎

シアターブラッツ(東京都)

2007/02/09 (金) ~ 2007/02/18 (日)公演終了

満足度★★★★

オススメ!ウェルメイドな社会派コメディ
脚本の羽原大介氏は、個人的にはアニメ『ふたりはプリキュア』の人だったりするのですが、彼の作・演出ということで当日券で観てみたら大当たりでした。
マンション建築3次受けの弱小建築会社の労働者たちの目線からみた、耐震強度偽造問題。とはいえ内容は全く堅苦しくなく、非常に良く出来た人情コメディとなっています。建築シーンをダイナミックな集団ダンスパフォーマンスで表現するなど、演出も冴え渡っていました。
また個々のキャラクターが背景までしっかり描かれた脚本が素晴らしく、どの人物の行動も納得がいくものでした。
平日のチケットはまだ余裕があるようなので、時間がある方は当日券ででも是非観ていただきたい作品です。

ネタバレBOX

どの役者も熱演でしたが、特に構造強度偽造マンションの施主である不動産会社の女社長を演じた中川絵美が良かったです。ヒューザーの小嶋社長を思わせる冷徹な人物かと思わせて、その裏側にある人間くさい面を見事に演じていました。終盤では彼女が主役を食うほどの存在感を示していたように思います。
見よ、飛行機の高く飛べるを

見よ、飛行機の高く飛べるを

ぱれっと

俳優座劇場(東京都)

2007/02/08 (木) ~ 2007/02/12 (月)公演終了

満足度★★★

女子の生き様
永井愛の名作戯曲が、若手女優陣の誠実な演技もあって良質な舞台に仕上がっていました。中でもいち早く女子の自立に目覚め、ストライキの首謀者となる杉坂初江を演じた宮本真希が出色。情熱に溢れながらも生き方に不器用な女生徒の、揺れる心情を見事に演じ切っていたのが心に残りました。

繭文

繭文

黒色綺譚カナリア派

ザムザ阿佐谷(東京都)

2007/02/08 (木) ~ 2007/02/13 (火)公演終了

満足度★★★

ポップに軽やかに
この劇団独特の懐古調の雰囲気は残しつつも、アングラ風味は影を潜めポップで軽やかな舞台に仕上がっていました。
主人公の引篭もりな小説家である、次男の飄々としたキャラクターが魅力的です。この次男に振り回される兄弟姉妹もそれぞれ個性的で、バラエティ豊かな演技が楽しめました。

ネタバレBOX

ラストの一足早い雛祭りに、観ていて思わず微笑みがこぼれます。このビジュアルの美しさは特筆ものです。
耽餌(たぬび)

耽餌(たぬび)

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2007/02/09 (金) ~ 2007/02/12 (月)公演終了

満足度★★★

ふじみはそんなに遠くない
この劇場のキラリ☆ふじみホールですが、池袋から東武線準急で約30分、鶴瀬駅から市内循環バスで約10分と、思っていたよりずっと近かったです。場内は新しくとても綺麗な劇場でした。
元犯罪者とその犯罪被害者の遺族の物語は、テーマの重さとじわじわと狂気が滲み出す演技と演出が相まって、非常にダークで重苦しい舞台でした。衝撃的なラストも含め決して爽快感のある作品ではありませんが、人の心の闇を見事に描き出しているという点で、わざわざ足を運んで観ても損のない作品と言えるかと思います。

浮世混浴鼠小僧次郎吉

浮世混浴鼠小僧次郎吉

流山児★事務所

Space早稲田(東京都)

2007/01/24 (水) ~ 2007/02/05 (月)公演終了

満足度★★★

古くて新しい
30年前の佐藤信の脚本だけど、全く古さを感じさせないシュールな展開。佐藤脚本が凄いのでしょうか、それとも演出の天野天街が凄いのでしょうか。
あと登場してきただけで場をさらってしまう、夕沈のダンスはやっぱり反則だよなぁ。。

私はだれでしょう

私はだれでしょう

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2007/01/22 (月) ~ 2007/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

前田亜季じゅーよー
キャストに前田亜季ちゃんがいることに気づき、急遽観ることを決定しましたw
終戦直後、NHKラジオ「尋ね人の時間」のスタッフルームを舞台にしたお芝居。ピアノ生演奏による歌と踊りに彩られた楽しい音楽劇ではありますが、そこは井上ひさし、見終わった後に強烈なメッセージがズシリと胸に残ります。
久々の舞台となる亜季ちゃんでしたが、端正な歌とお芝居でイキイキと江戸っ子の女性を好演していました。

ネタバレBOX

GHQの意向に沿うよう無意識に放送内容の自粛をしてきた番組スタッフが、使命感に燃えて反旗を翻す展開には、井上ひさしの現在のマスメディアの体質に対する強烈な異議申し立てが感じられます。またスタッフルームに出入りする労働運動家が重要な役回りとなっているあたりにも、反骨の人・井上ひさしの本領が発揮されています。
カメコが笑った日

カメコが笑った日

WHATCOLOR

アイピット目白(東京都)

2007/01/31 (水) ~ 2007/02/05 (月)公演終了

満足度★★★

ホロ苦い青春模様
今どきこんなアナクロな共同アパートがあるのかと思わないでもないですが、そこに集う若者達の心情が細かいエピソードを積み重ねて丁寧に描かれているので、見終わったあと優しい気持ちになりました。
この日は終演後、この作品のオリジナル主題歌を歌ったマユさんのミニライブ付き。透明感のある歌声が素敵でした。

ネタバレBOX

タイトルの「カメコ」とは、岡田桂子さん演じる謎の女性「華芽子」("はなこ”と読む)の子供の頃の渾名とのことで、カメラ小僧のお話ではありませんのでご注意を。
オーロラ宮異聞

オーロラ宮異聞

プレイガールオフィス

シアターサンモール(東京都)

2007/01/30 (火) ~ 2007/02/04 (日)公演終了

満足度★★

女馬賊
チラシの「女馬賊」という言葉から、伝記ロマン的な舞台を想像して観にいったのですが、実際には地に足の着いた昭和の女の一代記でありました。主人公満州お菊を演じた三咲順子さんは凛々しくてカッコ良かったです。

糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』

糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』

ITOプロジェクト

ザ・スズナリ(東京都)

2007/02/03 (土) ~ 2007/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

糸あやつりイリュージョン!!
当日券で通路に座布団だったので足は相当辛かったですが、その程度の苦痛を忘れてしまうくらいビジュアル的なインパクトに溢れた素晴らしい舞台でした。
日替わりで様々な趣向の化物たちが主人公の平太郎を驚かすという構成ですが、「人形でこんなことまでできるのか!」という驚きが釣る瓶打ちの80分間でした。そして天野天街演出ならではのノスタルジーとペーソスも。文句なしに多くの方にオススメです。

ネタバレBOX

この日はアフタートークで女優の緒川たまきさんがゲスト出演。緒川さんが少年王者舘の舞台をよくご覧になっていたのは意外でした。
花と蛇

花と蛇

月蝕歌劇団

本多劇場(東京都)

2007/02/01 (木) ~ 2007/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

これほど月蝕が本多劇場に似合うとは!!
普段の公演よりずっと大きなハコでアングラ風味が損なわれるかと心配していましたが、紛うことなき月蝕の世界が本多劇場でも繰り広げられていました。さすがに蝋燭踊りこそ出来なかったようですが、それ以外は今までの作劇作法をほぼ全て踏襲していました。何より音響設備がいいので、J.A.シーザーの楽曲が低音まで含めてよく響き、かっこ良さが引き立っていました。舞台が広くなってもセットの配置までが従来と同じだったのはご愛嬌。
ただ原作からしてハードな内容だけに、女優さんの露出も多く、特に女性でそういうのが苦手な方にはオススメし難いかもしれません。(ちなみに一部の女優さんは、毛皮族みたいなニプレスすらありません。)
それでも見て損はない、迫真の舞台でした。

ネタバレBOX

主演の静子婦人を演じる三坂知絵子は文字通りの体当たり演技で、最後は縄師に宙吊りにまでされて頑張っていました。それもただ脱ぐだけでなく、上流婦人が堕ちていく様を丁寧に演じ上げていたのは見事の一言です。緋桜団団長の木塚咲の悪女っぷりにも、惚れ惚れとさせられました。
あとこの日は原作者の団鬼六先生も客席からご覧になっていました。

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