アクアリウム 公演情報 アクアリウム」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-20件 / 49件中
  • 満足度★★★★★

    圧倒
    初めて見ましたが、ファンになりました。
    設定が少し、吉田修一のパレードに似ている気がしましたが、内容は全然違う。シェアハウスの発起人役の女性の役者さんのキレ具合が最高。
    次公演も絶対観ます。

  • 満足度★★★★★

    おすすめです
    このお話。お勧めです。
    圧倒され、笑っちゃう臭さと
    頭の中をひっかきまわされるような、後を引く内容のバランスが絶妙。
    そして、一色洋平がいい。

  • 満足度★★★★★

    完璧
    冒頭の刑事2人の掛け合いから終幕まで釘付けだった。非常に緩急が付いていて観やすくストーリーに刺さる部分が多く思う所が多かった。完璧なお芝居。

  • 満足度★★★★★

    うわあああそうだったのか!
    感想が随分遅くなってしまい申し訳ありません。同じ日に2回観させていただきましたが、観れば観るほど見つかるものがあって面白くなる舞台だったと思います。そして役者さんがみんな素敵で。最初嫌だった人もみんな好きになってしまいました。(逆もあったかな?)
    私の回のゲストは山崎彬さん。色気と不気味さと迫力。素敵でした。他のゲストも観たかったなぁ。

    ネタバレBOX

    1回目の観劇時、私はセリフの聞き逃しが多いので、今回はとにかく集中してセリフを聴いていました。面白かったけれどなんだかモヤモヤした終わり方に物足りなさを感じてました。2回目は最前列で。暗闇の中で何が行われていたか。テーブルの上のワニとトリのぬいぐるみ。大変な見落としをしていたことに気づき、うわああああと声を出しそうになりました。すみはワニを連れて行ってその後どうしたのか?そしてアクアリウムの住人達はどうなったのか?
    終わった後の展開をお客さんに投げるパターンはあまり好きではないのですが、これは考えるのが本当に楽しくて!半年以上たった今も、ふと考えてしまうことがあります。ぐちゃぐちゃになった水槽も時間がたてば形をかえつつ平衡をたもつもの。自分の身の回りに置き換えて考えてみるのがまた楽しい。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい演出と演技(追記あり)
    さりげなく、ポップな作風なれど、その奥に強い現代への問いかけがある脚本。
    緩急の絶妙な演出。
    共に、素晴らしかった。

    個性的で、力のある役者たちも、とても魅力的だった。

    冒頭から中盤までは文句なく素晴らしかった。
    後半<あと一歩、、、>と思う部分があったが、それは、プレヴュー公演だからだと思いたい。

    ※ネタバレの最後に、生活保護を受給して生活している田所優美の描き方についての違和感、その違和感から生じた作品全体についての印象の変化を追記しました。(12/18)

    ネタバレBOX

    冒頭から中盤までは、文句なく素晴らしかった。

    何と言っても、演出の緩急が絶妙だった。
    動的演技と静的な演技の切り替えの妙。
    谷賢一氏は、音楽的な感性のある演出家なのだと思う。

    ここで、警察を演じた大原研二さんと一色洋平さんのエネルギー溢れる動の演技も素晴らしかった。
    その一方で、シェアハウスの人たちの淡々とした静の演技も素晴らしかった。
    両者のバランスが絶妙だった。

    内容面でも、現代の若者を巡る問いかけが良かった。
    警察がある事件の捜査のために、クリスマスパーティをやっているシェアハウスに乗り込む。
    正義を振りかざす警察を、熱烈な演技をさせることで、極めてコミカルに描いているが、その裏には痛烈な批評性が隠されている。
    ひとつは、権力への批評性。警察の横暴な振る舞いを痛烈に批評している。痛烈と言っても、笑いの中に毒を含ませているので、堅苦しくなくとても痛快。
    奇しくも私が観た12月6日は、「特定秘密保護法」が成立した日。
    このような社会情勢の中にある空気感を、この作品はうまく捉えている。

    もうひとつは、年配の世代が押し付ける価値観への批評性。
    「最近の若者は、根性が足りない」「熱さが足りない」に代表される年配の言うガンバリズムへの批評性も見事に描かれている。
    ここで面白いのは、この批評性は両義的で、観ている間も、観終わった後も、この年配刑事の上から目線が嫌な反面、どこかで彼の言うことも一理あるんじゃないかと思えてしまうことだ。これは、さまに、物語内の話だけでは済まされず、今の社会が抱えている問題を的確に捉えているからこそ生じたものだろう。
    勿論、ブラック企業なども多く存在し、雇用・労働環境の変化によって、「若者の根性が足りない」という意見はナンセンスだという場合も多々ある。
    だが、本当に「根性がないだけ」という場合も存在する。おそらく、どちらか一方が問題なのではなく、その両者が問題なのだろう。
    この作品でも、その両者の間を揺れながら、物語が進んでいく。

    ただ、後半は少し乗り切れなかった部分もあった。
    それは、警察に「シャアハウスの住人の中に、先日起きた猟奇殺人の犯人がいるかもしれない」と言われ、シェアハウスの面々は動揺し、しんや(渡邊亮)が「出頭します」と言い始める部分から。しんやは事件を起こした訳ではないのだが、「今のままの生活をしていると、そのうち殺人をしてしまうかもしれない」という想いから、事前に出頭したいと言い出す。
    そこで神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)や秋葉原事件のことが語られる。両事件とも、犯人は1982年生まれ。しんやを含め、このシェアハウスに住む6人中4人が1982年生まれの31歳。理由なき犯罪などとも言われる事件を起こしてしまうこの世代の闇が、しんやの述懐を中心に語られる。それに呼応する形で、てつ(東谷英人)、ゆう(堀奈津美)の想いも加わる。(同じ年なのに、ゆかり(中林舞)はその感覚が理解できないというのも良い。)更に、少年A:酒鬼薔薇聖人(清水那保)も登場し、彼の犯行時の言葉も語られる。
    だが、私はここで、しん、てつ、ゆうの言っていることが、理屈上では「その感覚わかる、、、」と思う部分もあったが、それ以上には身につまされることはなかった。
    ここが、いまいち入り込めなかったので、ラストにかけての展開が物足りなく感じてしまった。

    また、ラストに、「アクアリウム」の生態系の話が、人間社会(シェアハウス)の人間関係の話と重ねて語られるのも、よくできていると思う反面、ちょっとキレイに終わりすぎかなという気がしないでもなかった。

    と不満も書いてしまったが、全般的に素晴らしかった。

    わに(中村梨那)やとり(若林えり)など、動物を擬人的に役として登場させると陳腐になる場合も多いが、この作品では、ファンタジーではないのに、うまくその世界が成り立っていた。

    私は、台詞をしゃべっていない時の役者の演技(聞き役など)を観るのが好きなのだが、そういう観点から見ても、役者さんたちはとても魅力的な演技だった。

    【追記】(12/18)

    観劇後、どうしても引っかかっていたことが、とても重要なことのように思えたので、追記する。
    生活保護を受けて生活している田所優美という人の描き方について、違和感を覚えた。
    確かに、生活保護を受けて楽をして生活している人も中にはいる。人気お笑い芸人の親が、生活に困っている訳ではないのに受給していた例も確かにある。
    だが、それは一部であり、多くの人は本当に苦しくて生活保護を受けている。それどころか、本当に生活が苦しいにもかかわらず、生活保護を受け付けてもらえない例もたくさんある。
    更に、私がこの芝居を見た12月6日に、改正生活保護法も成立し、改正の名の元に更に受給者の首を絞める施策が行われる。
    そのような社会情勢の中で、少ない登場人物の一人として、生活保護を受けてぬくぬく生活しているという人を描くというのは、とても危うい描き方だと思った。勿論、フィクションであるから、解釈は観客に委ねるということで構わない。
    実際、観劇直後は、私もこの点に引っかかってはいたものの、敢えて批判的なことは書かなかった。そうやってぬくぬく生活している人も確かにいるのだろうし、フィクションというのはそういう部分があっても仕方がないと思っていたからだ。だが、よく考えると、フィクションだからこそ、このような問題を扱う時は慎重になるべきだし、片方の見方に寄らない描き方はできたはずだと思い直した。

    そう考えると、この作品全体が、単に根性がない若者を上から批判的に観ているだけの作品のようにも見えだしてしまうのだ。
    雇用環境やブラック企業などによる過剰労働などの問題が背景にあって、若者が簡単に会社を辞めてしまう。それは根性の有る無しと関係ない部分も大きい。勿論、単に根性がないだけという場合もある。この点は、キワキワで両論が描かれていると観ている最中は好意的に観ていたが(わざわざ批判的に見ようと思って芝居を観ることはないので)、よくよく考えると、どちらかと言えば「根性がない」という方にウェイトが置かれていたのではないだろうか。
    いずれにせよ、現代の過酷な労働環境に関する言及はほんの少ししかなされていない。

    厳しく見ると、全体的に上から目線で描かれている作品のようにも見えてしまったのだ。
    ただ、これは批判的に見ようとした場合なので、その判断はきわどい。
    また、観劇時に好意的に見ていた時は、そのキワキワさこそが面白いと思っていたので、私が重箱の隅を楊枝でほじくっているだけなのかもしれない。

    好意的に見れば、作者も若い作・演出家なので、自己批評を含めて同世代を描いたというのなら、批判すべきもないとは思う。

    それに、上記のことを批判的に見たとしても、演出や演技の妙に関しては、その素晴らしさを損ねるものではないとういのは強調したい。
  • 満足度★★★★★

    最上の空気
    最上の作品は空気を作る。この芝居の空気の作り方は心臓に来る。えも言われぬ恐怖に苦しくなる。でも笑える。1か月のロングラン。日々進化することが運命づけられている芝居。何度も観てこちらも進化したいと思える芝居であった。

    ネタバレBOX

    現代口語演劇の継承とその向こう側に行こうとする挑戦を笑いのめしながらやっているところもぐっときた(笑)。ちゃんと観客を喜ばせながら、その向こうも狙っている。そこに勇気をもらう。

    チェーホフの喜劇、悲劇のことを考えていたので、ダルカラの「アクアリウム」を観た時、「これだ!」と答えを得た。でもあれをやるのは相当大変だろうと思う。
  • 満足度★★★★★

    抑制出来ない感情を
    通底する閉塞感、息苦しさ。この空気感だけで身悶えするくらいグッとくる。よくぞこの作品を作ってくれた。ありがとうございます。今どきの若者の内向きな空気感、一つ一つの細かい所作にまで重みがあって、なんだか1シーン1シーンにゾクゾクする。自分の事を書いているんじゃないかと錯覚する位の物語への親近感。共感を通り越して、生々しい感じがする。公演前に、あの熱量の高過ぎる稽古場日記を読んで、どんな作品か楽しみにしていたけれど、想像以上!そして稽古場日記は観劇後に読み直すとまた違った発見がある。そりゃあ熱量も高くなる。他の人の感想や、そして購入した台本を読んで、何回も何回も味わいたいなと思います。日替わりゲストも多彩だし、イベントも楽しみだ。

    ネタバレBOX

    え?ここで終わりって終わり方だった。でも、観劇後振り返ると、この物語がストンとは落ちない余韻が良いんだなと思った。終わらない日常は続く、いつまでも。何て残酷なんだろう。答えなんかない。でもこの物語には絶望も希望もない。あるのは、「生きづらさ」と向き合う事への息苦しさだ。こんな切実なテーマを、あくまでエンタメとして仕上げられるなんてスゴイ。まさに、わかりやすく深くだ。

    冒頭の熱海殺人事件を彷彿とさせるシーン、痺れる。たまらん。野卑に聞こえながらも洗練された台詞の咆哮を浴びながら興奮は早くも高まる!!現代口語との比較で見る世代間の溝の深さはなるほどなぁと思う。喋るトリとワニがとにかくカワイイ。でもこの2匹の言葉が、動きが、この静かな若者達の共同生活をどうにか支えているように見える。日替わりゲスト、少年Aの言葉で泣いてしまった。清水さんの透明感ありながらも確実な存在感にグッときた。尖った言葉の一つ一つが胸に刺さる。当時、この文章をニュースで聞いた時は訳わからない奴に感じた。でも今改めて聞くと、隣にいる人のような身近さだ。人を好きになるのに理由がないように、人を殺してしまうかもしれない気持にも理由はない。僕自身、今年で31歳になる。登場人物たちと同じ年だ。秋葉原のトラックで突っ込んでいった無差別殺人事件は僕自身も他人事には思えなくて、どうして自分じゃ無いんだろうと思って生きている。

    「アクアリウム」のタイトルの意味はなんだろう?魚たちはどこへ行くのか?というパンフレットの言葉と関係あるんだろうけど、うまく想像仕切れない。ワニはどうして最後喋れなくなるのか?トリを食べたからだろうか?

    アクアリウム、完全に管理して調整出来た水槽の中身は、自然に循環する仕掛けになっていて、エサさえあげれば良いような完全な空間だ。これを社会に置き換えるとどうなるんだろう。今の日本は自然循環なんてしていない。魚はみんなそれぞれ役割を果たしてると聞けば、みんな違ってみんないい、金子みすずみたいな話かとも思う。でも置かれている世界はあまりに残酷だ。おそらく魚ハウスのみんなの置かれている状況は一生変わらないし、変われない。それどころか、もっと悪くなるだろう。秘密保護法や消費税増税ばっかり騒がれているけど、生活保護法の改悪や派遣労働無期限にだってどんどん厳しくされている。それでも生きていくんだな、と思った。そんな当たり前の事がとても重たくて大事だと改めて実感出来る作品でした。
  • 満足度★★★★★

    今年の観劇締めにリピート
    登場人物のあの宙吊りな感覚、一回目ではあんまピンと来なかったんだけど、今回は自分でも驚いちゃうくらい近くに感じちゃって胸の中が無性にざっわざわと毛羽立った。
    なんだろうあの、理解とも共感とも違った、「共鳴」みたいな。

    アマヤドリ広田淳一による少年A、出てきた瞬間の存在感、アクアリウムを見つめる妙につるっとした目、そしてなによりあの「右手」、なんかもう怖かったわあ・・・。
    役者やってる広田さんは横浜でのアマヤドリ『幸せは~』しか知らなかったけど、あんな末恐ろしい人だったとは・・・。

  • 満足度★★★★★

    山崎彬さんゲストの回を拝見。
    とあるお二人が熱演する冒頭のシーンから、ダルカラという劇団に出演できるということは至極の幸せなんだろうなと感じました。最近W受賞を果たした新進気鋭の作演出家である谷賢一さんの力が随所から伝わる「芸術」としての演劇。現在31歳である少年Aは評判を聞きつけて観に来るのかな、観てどんな感想を抱くのかなと山崎彬さんの研ぎ澄まされた鋭利なナイフのような演技とその演出を見て思いました。

    ネタバレBOX

    全然盛り上がらないパーティーからシュークリームが飛び交う大惨事まで、息つく暇もないほど笑いましたが、その笑いの部分とゲストが演じる酒鬼薔薇のシーンとのギャップが凄まじい限り。セリフは当時世間を騒がせた声明文。スッパ抜かれた少年の顔写真を雑誌で見て、不覚にもカッコいいと思ってしまった後ろめたさを思い出しました。アクアリウムは世界の縮図、というのは分かりやすい命題ではありますが、そこに紐付ける過程の描き方が実に繊細で緻密。今まで演出家としての手腕に引かれていた谷さんの、脚本家としての力に魅せられた今作でした。
  • 満足度★★★★★

    観ればみるほど・・・
    初日、23日のソワレ、そして大楽と3回観てしまいました。

    で、作品の印象が毎回違っていた。
    もちろん、ゲストパフォーマーの色の異なりもあるのですが、
    それだけに留まらない、舞台というか空間を
    幾度も見つめさせる力がこの作品にはありました。

    ネタバレBOX

    前説で主宰をして「芝居が古い」と言わしめたシーンから、
    すっと舞台上の時間に導かれ
    ゆっくりとその雰囲気に染められて見入る。

    わにがしゃべったり、ひよこがケンタッキーフライドチキンに抗議したりと
    いろいろあったりもするのですが、
    そこは心にとどめつつも、
    少しずつ解かれていく場の空気を見つめます。

    最初は目についていた舞台の中央前方に置かれている熱帯魚の水槽も
    やがて気にならなくなり、代わりに人物其々のことが
    少しずつ心に留まって、やがて、それぞれの今と、今の重なりと、
    その先に垣間見える、
    歩み出せないことと、
    歩み出してしまいそうななにかが、
    次第に舞台を満たしていく。

    やがて舞台は、正面の水槽の魚たちの世界と重ねあわされて、
    与えられるほんの少しの餌に保たれる、
    世界の巡りのバランスのリアリティと
    その中の魚たちのごとくに時を過ごす
    シェアハウスの住人たちの、あるいは今を生きるとある世代のありようとなり
    その感覚にすっかりと取り込まれている。
    そして、その世代が背負うものの奥に潜む、ゲストが演じるひとりの少年のありようも強く残りつつ、その世界に組み入れられて。

    初日の終演直後には少々ばらけた印象が残りました。
    しかし、一晩たつと、それらの印象が束ねられ、もう一度観たいと強く思った。
    そして、2度目に足を運ンだ時には、
    耳かきひとさじの餌を与える女性の
    「いつまでも見飽きない」という台詞の如く、
    その水槽の在り様が、よしんば古風な演劇の部分であっても、
    シュークリームを投げ合う姿であっても、
    嚥下できないものを無理やり口に運び吐き出す姿であっても、
    キャラクターたちそれぞれから描き出されるものも、
    あるいは様々な感覚の具象や、
    比喩に込められたものも、
    さらにはその奥に揺蕩うあの事件のことも
    すべてが水槽の世界にとりこまれ、
    水槽の同じ世界に初日とは異なる印象を醸し
    更にもう一度観たいと思ってしまう。

    3週間以上のロングランであったにも関わらず、
    前半、中盤、東京大楽とそれぞれに
    役者たちが常に新たな踏み出しで刹那を作り、
    醸されるニュアンスを定番に感じさせることなく
    舞台の空気を編み上げていて。
    ゲストが描き出す少年のニュアンスにも、
    其々の研ぎ方と表現の秀逸があって。
    単に物語を追うということではなく、
    物語から浮かび上がる魚たちの姿を眺めるような感覚にも
    深く捉われてしまったことでした。

    この作品、地方公演の、少々異なる水槽の中で
    どのように歩んでいくのだろうか・・・。
    かなわぬこととはいえ、東京楽日を観て、
    その先の公演がどのような質感を醸し出すのか・・・。
    気になる。


  • 満足度★★★★★

    ”今”を鋭く捉えた作品。
    千秋楽を観劇。共感する部分も多く、いろいろと考えさせられた内容でした。

    重いテーマながら、斬新な演出と役者陣の魅力で最後まで舞台に釘付けになってしまった。

    本年度最後にこういう上質な舞台を観ることが出来て良かった。

  • 満足度★★★★★

    プレ観劇してきました
    金曜日、風姿花伝にて、プレ観劇してきました。
    この作品は、ちょっとした感想がネタばれになりかねぬ稀有な作品だと思うため、ネタばれ防止機能に書かせて頂きます。

    ネタバレBOX



    前説から、『素直に身を任せて観ればいいのかな』と感じ、身を任せたら多重構造が実に楽しくて。

    役、個人の中のバランス感覚、シェアハウスの中の人間同士のバランス感覚、現代口語と、動物と、70年代演劇のバランス感覚

    その均衡の揺れがスリリングで、言葉での笑いとそのスリリングさから生まれる笑いと極上のエンタメでした

    終幕のアクアリウムについての百花さんの台詞で全てがストンと落ちて。

    パンフレットでは部長となってましたが、木村には爆笑でした

    でも、つかさんの亜流でなく、台詞も、お二人の芝居も谷さんのフィジカルな面の色を強く感じて、好きですね

    谷さんの動と静の芝居のミックスという感じが色濃く受けたのは、言葉の選び方なのかなとも思いますが

    ワニとトリが、シュールに見えずに納得できちゃうのも特徴というか

    あくまで個人的な感覚ですけど、子どもでも面白くみられそうな感じすらしました
    エンデのはてしない物語読んだ感覚にも似た後味のせいかもしれません

    極上の演劇エンタメ、できれば凱旋公演を。
  • 満足度★★★★★

    プレビュー観劇
    120分、惹きこまれっぱなし。

    「え!?つか!?」な驚きから始まる「つか!」れない人たちの話、食物連鎖から外れ餌を与えられて安定させられ続ける苦しみについての話、に見えた。
    『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』をさらに進化させた、みたいな語り口のうまさはさすがだなあ、ホント。

    もう一回観に行きたいけど「少年A」ゲストが誰の時に観に行こう?
    大原さんの喉と魚たちの健康を祈ってます。

    ネタバレBOX

    谷さんの書く「頭のいい」設定のキャラクターって、ホントに頭がよく見えるのがすごいなあと、今更ながら。

    しかしまあ、わにとりカップルの微笑ましさにホワホワな気持ちになっただけに、あのラストには解りやすく「この世界の残酷さそのもの」的なモンを感じちゃったなあ・・・
  • 満足度★★★★★

    たくさんの人に見て欲しい。
    小劇場でロングラン公演はめずらしい。いい作品はやはりたくさんの人に見てもらいたもの。
    今後小劇場にロングランシステムが根付くためにも是非とも大成功させたい作品。演劇の持つ面白さが凝縮されている。

  • 満足度★★★★★

    水槽の中の魚
    二種類の「演劇」が混在する舞台。その表現方法に面白さを感じたが、それよりも、この舞台が内包しているテーマに恐ろしさを感じた。
    我々はいつ何時でも、己の本性を隠し、押さえ付け、さも正常であるかのように振る舞っている。が、その箍を外す引き金には、誰もが既に指をかけた状態であるということに気づいていない。
    舞台の上に鎮座する水槽の中の魚たちは、ここが舞台で、これが演劇だということは一切分からずに、優雅に泳ぎ回っている。いや、もしくはこれが演劇だと知っていながら、純真無垢な魚を装っているのかもしれない。餌を食べ、呼吸をし、正常かどうかも分からないその他の同類達と共に、水槽という牢獄の中で生きている。そのことに気づいてから、暫く水槽から目が離せなかった。

  • 満足度★★★★★

    (やっぱり)でっかい芝居だった
    ここ数年、演劇の魅力に取り憑かれたもうすぐ50歳間近の者です。
    なんで演劇は身近なことをねちねち大声で語っているんだろうという疑念が高校時代にトラウマのようにあったからだったんですが、でかい演劇ってのがあるというのを知りました(見ているものはごく一部なのですが)
    野田地図と谷賢一の芝居は比べちゃどちらにも失礼なんでしょうけど。
    オリジナルの脚本でもここまで持って行けるってのは流石(ちょっと褒めすぎですけど、必見の演劇でしょう)
    プレビュー公演と、本公演では変わりそうなシーンがちょっとありそうな予感がするので、また見に行きたい。
    (同じ芝居は2期はみない主義なんですが、これは見る価値ある)

    ネタバレBOX

    1982年生まれ
    この特異な現象をこのような描写はすごい。
    今回は、つかこうへいのパロディ?というところとか、役者さんも笑ってしまうようなシーンもあったりと魅力山積でしたが、タイトルの意味はエンディングにわかりました。
    あの水槽(っていっちゃいけないのかな)、終わったら観客にプレゼントということだけはやめて欲しい(^_^)
    今年は50本ほど芝居を見たけど、印象に残った5本の一つであることは間違いないです。
    前回のDULL-COLORED POPの「黒ネコちゃんとベージュネコちゃん」のお母さん役があんなに憑依できることと、ワニとトリの道化役が核心に迫るあたりが流石(しかもあのシーンで)。
  • 満足度★★★★★

    きれいなアクアリウム
    安定感のある俳優さんたちときれいな水槽の置いてある空間。ここは風姿花伝なのかしらと思うような広さを感じました。…そんな広さを感じつつも大原さん一色さんコンビは時折舞台からはみ出てる気がしてならない。いやはみ出ていた。(笑)
    クリスマスシーズンにもやもやとした気持ちをアクアリウムに沈めてみればもっともやもやするかもしれないし、ひょっとしたらすっきりするかもしれない。

    ネタバレBOX

    鳥さんとかワニさんとか、なんだかファンタジーのようなキャラクターにふふふと笑っていたのですが、ゲストさん演じる「彼」が出てきた途端に、こわいような辛いような悲しいような、そんなような気持ちになりました。
    ゲストの山崎彬さん、圧巻の数分間でした。怪演と言えばよいのでしょうか。本当にすごかったです。

    あと飛び交うシュークリーム演出はすごい好きでした。
  • 満足度★★★★

    世代
    ◯◯世代、名前がついたとたんに、ずっとついてまわる呼び名! 当事者でないと忘れがちですが、自分の世代に対しては常に意識の片隅にあり、作者さんとは少し世代が違っていますが、客観的に見て描かれた世代を充分感じられました

    ネタバレBOX

    アクアリウムとシェアハウスの住人をダブらせてのラスト、印象的でした。ワニとトリの擬人化で本能と倫理を見せたり、随所に面白さを感じました。ただ、刑事役の大きな熱い口調での台詞は、劇団のカラーのひとつなのかもしれませんが、いまひとつ心に入ってきませんでした。あと、シェアハウスのオーナーのキャラ設定が少し違和感を感じましたが、いろんな意味で面白かったです!!
  • 満足度★★★★

    1982
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    1982年生まれなハウス住人6名。慣れないパーティの夜、北池袋で起こった猟奇通り魔事件の調査で刑事がやってきて、一同困惑するが…。
    ゆかり(中林舞)…シェアハウスの発起人。商社勤務。金に細かいらしいが、ハウスではまともに振舞う。
    すみ(百花亜希)…余命短い病人。アクアリウム好き。
    ゆう(堀奈津美)…ひきこもり経験のある生活保護受給者。てつとは微妙な関係。
    しんや(渡邉亮)…根暗なフリーター。殺害意識の高さを自覚し、警察に捕まりたいと願う。
    てつ(東谷英人)…週末DJ。事件発覚でハウスから出て行こうとする。
    ゆうき(中間統彦)…十代。クリスマスパーティの発起人。ゆうにキレる。
    わに(中村梨那)…未届。
    とり(若林えり)…KFCに涙する。
    部長(大原研二)…熱海的な部長。70年代。
    菊地(一色洋平)…部長の部下。冷静であったり熱かったり。
    A(清水那保)…少年A

    ゆうが言ったように、ダメな人間の掃き溜めってハウス。なんか閉塞感漂い、それでいて希望も絶望もない、ふわーとした人生を送る。対する部長の傍若無人さが心地よく爽やかに感じるような、湿気た空気感が充満する。
    内向的だって言い切っちゃえばそうなんだけど、なにかを拗らせてて、自分だけじゃどうにもならないけど、その先どうしていいかわからんで、ひたすら薄暗い道歩いている面々が、そんなに嫌いじゃないというかわからんでもないという錯覚に陥る。感覚として。
    メインの殺害意識のとこは、Aの扱い含めて、もうちょい印象的でも良かったかな。

    「安定したアクアリウム」のようにそこに居る人が無駄なく生きていける世界と、真逆に向かっているかのような世間(人生)を泳ぎ続けないといけない若者の静かな狂騒って作品。120分。
  • 満足度★★★★

    流石
    脚本がよく出来ており、見世物としての破綻がない安定感は流石です。堀さんの芝居も瑞々しく、楽しい時間を過ごしました。

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