星降る闇にピノキオは、青い天幕(サーカス)の夢を見る 公演情報 星降る闇にピノキオは、青い天幕(サーカス)の夢を見る」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★★★

    最少で最適で最大の4人。
    始まるまでは4人でどうなるのかな?と思っていましたが、
    始まってすぐに配役だけでなく転換や効果も含めて、
    4人という人数がこの作品に最少で最適で最大の人数だと感じました。
    色んな工夫を、信頼し合えているであろう相手との作業で進めていく姿は
    観ていて心地のいいものでした。

    お話も、冒頭で示された哀しいラストへと紡がれていって、
    ああ、その時がきてしまった、という胸に残る終わり方でした。

    「ダークファンタジー」とは感じませんでしたが、素敵な本歌取りだったと思います。
    面白かったです。

  • 満足度★★★★★

    よかった
    ちょっと切ないけれど、穏やかで素敵な時間だった。衣裳、道具、そして身のこなしのさりげなさがとても好き。

  • 満足度★★★★

    お見事!
    なんとも切なく、美しい世界。密度の濃い時間を堪能しました。

  • 満足度★★★★★

    「あの、お願いがあるんだけど」
    ピノキオの台詞。

    その最期の場面、その台詞がすごくよかったです。もう、わし、その台詞だけでうるっとしてしまいまして。
    なんて説明すればいいのかわからないんですけど。そのときになってピノキオはようやく本当のコミュニケーションが取れたのかなあ、なんてね、あとから思ったりも。相手は、まあ、コオロギなんですが、、、。

    途中、退屈なところも無きにしもあらずで。もしこのまま終わっちゃうと残念だなあと思いながら観てたんですけどね。
    最期の場面で、全部オッケーみたいな。

    少人数の舞台だと、人間関係が、もっと、こう、濃密になるというか、そういうことが多いし、そういうのを期待もするんだけど、そういう方向には行かなかったようですね。それもちょっと残念といえば残念。
    いや、それはそれで、いいと思うんですが。

    ネタバレBOX

    ピノキオはあの人じゃなくて、あの人でした。ピノキオ、すごくよかったです。

    最初の場面で、すでに動かなくなっている現在のピノキオの姿が。
    スピルバーグの『A.I.』を連想しました。
    動かなくなって、じっと何かを待っているっていうところが似てるかと。
    時間的なスケールは大分違うんですけどね。

    『A.I.』に出てくる少年ロボットは、お母さんを求めて時間を超えるわけですが、ピノキオのほうは?何を求めていたのか。

    「あの、お願いがあるんだけど」の台詞はすごくよかったけど、そのお願いの内容については、なんというか、腑に落ちないような気も。
    もっとずっと生き続けて、何かを考え続けてほしかったな。そして時間を超えて欲しかったな。


  • 満足度★★★★★

    切ない物語
    天幕旅団さんの舞台は初めてだったが、すぐに世界観に引き込まれた。
    悲しい物語であったが、ピノキオが可愛らしく、演者の表情が印象的。
    ディティールが作りこまれており、小道具の使い方がすごく上手かった!
    次回作もまた観ます!!

  • 満足度★★★

    修飾過多
     ご存じ、ピノキオの天幕旅団版だが、コオロギが狂言廻しを務める。

    ネタバレBOX

     然し、シナリオに書かれた説明文は、矢鱈に修飾語が多く、それで詩的イメージを喚起しようとの意図は分かるのだが、逆効果である。何故なら、修飾語ほど腐り易い言葉は無いからである。詩は、最も高度な言語表現である以上、この程度の事に気付かないのは拙かろう。形容詞の使い方を本当に豊かにしたいのであれば、Baudelaire”Les Fleurs du Mal”がお薦めだが、無論、原文で読まなければ意味は無い。
     また、矛盾語法も多用されているが、矛盾語法を用いなければならないような必然性が弱い為、説得力に欠ける。


  • 満足度★★★

    結構楽しめたが今ひとつ詰めが甘いような気もした
    なかなかにユニークなピノキオの解釈で納得できたが、
    もちっと見せ方に工夫が欲しかったかなぁと思った約70分でありました。

    ネタバレBOX

    寒い小雪の散らつく晩に空き家と思って入った家で、
    コオロギは壊れた操り人形から話を聞きます・・・・・。

    モノローグで自分の話しをする人形の生涯を見せていく手法なのですが、
    普通にドラマ仕立てにしてあって、できればピノキオの自我が芽生えたところとか1人称で語られた方が巧くダークさとか出易かったのでは?と感じたのです。

    何となく感じたのがピノキオの大きさでして、
    原作でも言及は無かったと思うが。
    でかくない?操人形としても?なんか理由の一言欲しかったかな?とか
    単に木彫りの人形として、あやつり人形と言わんでもと思ったデス。

    不思議な木を見つけたゼペットが人形として彫り上げたとかした方が納得

    木の人形が行ける学校にも何か言及欲しかった・・・
    (小うるさいな~我ながら(^^)

    でいろいろ冒険したピノキオがゼペットの元に戻るのだが、
    先に寿命の尽きたゼペットの家で壊れるまで生活していたピノキオ。
    動けなくなり話を終えた人形は、
    久しぶりに邂逅した一夜限りの友人に自らの終焉を託して幕となります。

    舞台セットも天幕=サーカス風で面白く
    小道具の使い方や見せ方にプラスして笑える要素も入れてるのだが
    もっと練り込み要素を加えて深読みできる情報などを台詞に盛り込んで欲しかったかなぁと感じました。
  • 隠蔽社会を歩くピノッキオが溌剌としている


    嘘をつくと鼻がニョキニョキ伸びるピノッキオは愛されやすい。何か隠蔽すれば即、相手に知られてしまう「安心感」がある。他方で、政府の鼻は隠蔽しても伸びないだろう。戦後、西側社会は情報公開を進め国民から ある程度の支持を得たが、一度「安心感」を失った政府は愛されない。


    その身体性は童話の世界観であり、ファンタジーである。ピノッキオが正方形の舞台を360度 歩く場面こそ、全てを体現していた。それは、ビュア少年の溌剌とした、怯むことのない姿である。
    現代舞踏の踊りによって 造り上げるのもひとつの手だったが、あえて童話的、アニメーション的だったことが、劇団の「ブラック・ファンタジー」色を薄めた。

    ※バレてないネタバレへ



    ピノッキオの ラストは「ダーク・ファンタジー」だ。この部分は残存している。ただ、むしろ あのような結果だから、ピノッキオのピュアさも際立つ。一本の木で造られた鼻は私たちに向かって伸び続ける。それは隠蔽ではない。真実という名のファンタジーだ。

    ネタバレBOX


    「ピノッキオ」に挑む今作は4人の役者しか出演しない。当然、一人一役ではなく、ピノッキオと木彫り職人の お爺さん以外は「客人」「詐欺グループ」「サーカス団長」「教師」「友達」ら、様々な登場人物を演じる。酷にいえば、このピノッキオを舞台化する上において、4人という人数は少な過ぎた気もする。「一人が幾つもの役を演じることが舞台の真骨頂である」声も 確かだ。しかし、例えば「サーカス団長」に関しては一人の役者が演じる方が観客の心に染みたのではないか。前回の『宝島』のように、この「サーカス団長」とピノッキオの交流を描く構成もアリだったと思う。上演時間1時20分なら語り切れない。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしかったです…!
    誰もが知ってる原作を「そう来たか…!」という表現&見せ方で、大変楽しく鑑賞。70分があっという間。観劇後は、星空の中で舞台を観たような感覚に…。
    初見でしたが、大大大好きな劇団さんになりました!演出以外のスタッフワークも光ってます☆(特に劇場外の置きチラシは開演前に持ってゆく人続出w)

    過去公演のDVD、切に希望…。これからも、素敵な作品を紡いでほしいです。

  • 満足度★★★★

    バイタルサイン
    本歌取りファンタジー今回は「ピノキオ」と聞いて
    “少年っぽさ”と“硬質”な台詞のイメージから
    何となく加藤晃子さんのピノキオを想像していたが、見事に違ってた。
    渡辺実希さんのピノキオは、繊細で壊れやすく孤独。
    原作のピノキオなら加藤さんだが、これはやはり渡辺さんが相応しいと思った。
    今回も4人の身体表現が美しいが、少し動きが多くて落ち着かなかった印象も残る。

    ネタバレBOX

    コオロギ(加藤晃子)が暖を取ろうと入り込んだ家には壊れたピノキオ(渡辺実希)がいた。
    「僕の話を聞いてくれるかい?」と人間の子どもになれなかったピノキオは
    自分のこれまでを語り始める。
    お父さんのゼペット(渡辺望)に作ってもらったこと、学校へ行ったこと、
    ペテン師(佐々木豊)に騙されてサーカスに売られたこと、
    大鯨に遭って海に沈んだこと、やっとこの家に戻ってお父さんと暮らしたこと、
    そのお父さんが死んでしまって、長い間ひとりでこうしていること。
    そしてピノキオはコオロギにひとつの頼みごとをする…。

    原作ではピノキオに説教して殺されてしまうコオロギだが、ここでは
    ピノキオの話を聞いて、それを観客に伝えるという狂言回しの役割を果たす。

    原作の“言うことをきかないピノキオ”なら加藤晃子さんが適役かもしれない。
    しかしコオロギが出会った、もう首も動かせないピノキオは、
    嘘と気付きながら運命に抗った”絶望のピノキオ“だ。
    死の直前、ゼペットお父さんがその手で包み込んだのはピノキオの硬い木の頬だった。
    でも彼は「温かいね」と言った、そんなはずないのに。
    「ピノキオが人間の子どもになる」というのは孤独なゼペットの願いだったのだ。
    それがそのままピノキオ自身の願いになった。

    壊れて少しずつ傾いていくピノキオの身体の動きが美しく哀しい。
    冒頭いきなり“ピノキオのなれの果て”を見せ、
    コオロギに語り、コオロギに終わらせてもらうという構成が上手い。
    静謐でなめらかな動きのうちに行われる場面転換や
    ピノキオが絶望して胸を叩く時の、コーンという音も澄んで美しい。

    若干物足りない感じがするのは、ダークな部分がさらりと描かれたせいだろうか。
    「白雪姫」のあっと驚く多重人格のコビトや、
    「クリスマスキャロル」の衣服を使った演出と、スクルージの二面性
    「ピーターパン」でシルバーが見せる表裏のある人物像など
    “人の多面性”特に黒い部分にスポットライトを当てる視点が冴えた舞台を思うと
    えぐり方が優しい印象を受けた。

    流れるような動きは美しいが、誰かが視界を横切る事が多くて
    もうちょっと中央のピノキオに集中したいと思う時があった。
    動きのメリハリがあったらもっと良いと思う。

    衣装が素敵で、ファンタジーらしい楽しさがある。
    シンプルなピノキオの衣装が本当にかわいい。
    ピノキオの鼓動はゼペットが作ったたくさんの時計と共にようやく止まった。
    渡辺ピノキオ、人生も天幕(サーカス)のように跡形もなく消えるんだね。
  • 満足度★★★★

    人形
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    雪の降る夜。コオロギのジミニー・クリケット(加藤晃子)が入ったとある家。壊れかけの操り人形・ピノキオ(渡辺実希)と出会いその一生を聞く。
    男やもめのゼペット(渡辺望)が木を彫って創った、純真なピノキオは、無邪気な表情と裏腹に、自分が人間でないことに傷つき、人間になりたいと願う。ペテン師(佐々木豊)に騙され、サーカス団に売られるが、船が難破し、なんとか家に戻る。そしてゼペットの死後もなお生き続けていた。そして、ピノキオはクリケットに終わられてくれるよう頼み、クリケットは火を放つ。

    随分とシンプルな話と展開。だけど、グッときた。
    自己肯定できないピノキオの絶望と願い。父たるゼペットの温みと、死を間近に控えたゼペットが感じたピノキオの温み。そしてピノキオは、自分は人間だと(嘘を)いう。
    ピノキオの解決できない悩みに心打たれたのか、ゼペットとの親子愛に感動したのかわからないけど、決して明るくない舞台でありながら、魔法はこの世に無いんだってことを受け入れ生きること(誰かと生きていくこと)を、肯定するような暖かさをちょっとだけ感じられた気がする。

    話はシンプルでも、見せ方は飽きないようになっててよかった。70分位。

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