然し、シナリオに書かれた説明文は、矢鱈に修飾語が多く、それで詩的イメージを喚起しようとの意図は分かるのだが、逆効果である。何故なら、修飾語ほど腐り易い言葉は無いからである。詩は、最も高度な言語表現である以上、この程度の事に気付かないのは拙かろう。形容詞の使い方を本当に豊かにしたいのであれば、Baudelaire”Les Fleurs du Mal”がお薦めだが、無論、原文で読まなければ意味は無い。 また、矛盾語法も多用されているが、矛盾語法を用いなければならないような必然性が弱い為、説得力に欠ける。