星降る闇にピノキオは、青い天幕(サーカス)の夢を見る 公演情報 天幕旅団「星降る闇にピノキオは、青い天幕(サーカス)の夢を見る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 隠蔽社会を歩くピノッキオが溌剌としている


    嘘をつくと鼻がニョキニョキ伸びるピノッキオは愛されやすい。何か隠蔽すれば即、相手に知られてしまう「安心感」がある。他方で、政府の鼻は隠蔽しても伸びないだろう。戦後、西側社会は情報公開を進め国民から ある程度の支持を得たが、一度「安心感」を失った政府は愛されない。


    その身体性は童話の世界観であり、ファンタジーである。ピノッキオが正方形の舞台を360度 歩く場面こそ、全てを体現していた。それは、ビュア少年の溌剌とした、怯むことのない姿である。
    現代舞踏の踊りによって 造り上げるのもひとつの手だったが、あえて童話的、アニメーション的だったことが、劇団の「ブラック・ファンタジー」色を薄めた。

    ※バレてないネタバレへ



    ピノッキオの ラストは「ダーク・ファンタジー」だ。この部分は残存している。ただ、むしろ あのような結果だから、ピノッキオのピュアさも際立つ。一本の木で造られた鼻は私たちに向かって伸び続ける。それは隠蔽ではない。真実という名のファンタジーだ。

    ネタバレBOX


    「ピノッキオ」に挑む今作は4人の役者しか出演しない。当然、一人一役ではなく、ピノッキオと木彫り職人の お爺さん以外は「客人」「詐欺グループ」「サーカス団長」「教師」「友達」ら、様々な登場人物を演じる。酷にいえば、このピノッキオを舞台化する上において、4人という人数は少な過ぎた気もする。「一人が幾つもの役を演じることが舞台の真骨頂である」声も 確かだ。しかし、例えば「サーカス団長」に関しては一人の役者が演じる方が観客の心に染みたのではないか。前回の『宝島』のように、この「サーカス団長」とピノッキオの交流を描く構成もアリだったと思う。上演時間1時20分なら語り切れない。

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    2013/12/07 22:54

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