リムーバリスト―引っ越し屋― 公演情報 リムーバリスト―引っ越し屋―」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-20件 / 20件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    めっちゃ良かったです。お話も演者もいい!良い時間をありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★

    狭い舞台を廻り舞台にし場面転換を上手くやってました。ただストーリーとしては引越屋というより老警官のセクハラ・パワハラ物語にしか感じられませんでした。もっと夜逃げ屋本舗みたいになるのかな~と思ってたので・・・

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ラストが衝撃的でインパクトがあった。
    明治座でお芝居を観た時、回転する舞台に感激したが、ここ萬劇場で排小さんで観れたのが嬉しかった。
    期待どおり、おもしろかった。
    警官のひとりには、困ったものだ、と思いながら観ていた。こういう人実際いるんですよね。
    二人の警官役の役者さん、熱演でしたね。
    くたくたになったのでは?良いお芝居、ありがとうございました。
    排小さんの公演いつも素晴らしいです。また次回楽しみにしてます。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    今まで見た俳小作品のベストかも。
    俳小の公演のほとんどはD倉庫で見ました。
    あの劇場好きだったので閉鎖は残念。

    ネタバレBOX

    でも萬だからこそ、あの回り舞台できたのかな?
    これからも萬での公演が多いと嬉しいです。

    事務所や稽古場にも近くて良いと思うのだけと。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    あら筋と伏字からブラックコメディみたいなものを予想して行きましたが、笑えませんでした。のっけからシモンズ巡査部長はパワハラ全開、新米巡査ロスが気の毒になりました。そしてケイトとフィオナがやってくると今度はセクハラ満載。DVの被害も気になりますが、若者を潰してしまう体質はどこにでもあるのかと思わせました。
    姉妹が全然姉妹に見えないのは残念な気がします。裏設定(両親が子連れ再婚だとか)があるのかもしれませんが。また、私が見た回はセリフを噛むことが多くて、日頃あまり気にしないのですが俳小さんと思って見ているせいか気になりました。
    僭越ながら、当日パンフの校正(校閲か?)はしっかりやったほうがよろしいかと。

  • 実演鑑賞

    鑑賞日2022/03/17 (木) 18:35

     『リムーバリスト 引っ越し屋』という劇のタイトルと、あらすじから、もちろん、DVやパワハラ、セクハラなどを扱っていることは知ってはいたが、それらの社会的な問題を扱いつつも、主人公が個性的だったり、アクが強かったりする登場人物のペースや勘違いに巻き込まれていくシチュエーションコメディかと思って観に行ったら、良い意味で私の予想を裏切ってくれて、実際は、笑いなんて一切ないどころか、不条理でバイオレンスなスピード感がありつつ、重厚なサスペンスで息もつかせぬほどに切迫して、観ている側の観客をその世界の渦の中に巻き込ませ、没入させていく新たな体験に、私がまるで起き上がれないぐらいの強烈なカウンターパンチを受けた時のように全身にとてつもない衝撃が走り、眼の前で起こっていることに戦慄し、終わってもしばらくは呆然としていて、今日に至るまでそのショックは、観た直後ほどではないが、持続しており、何かとてつもないものを観たという感じがしている。
     現代にまで続くパワハラやセクハラ、DVの問題、格差や貧富、権力の側にいる人間の、それを利用しての横暴の限りを尽くすことの問題を実際よりも相当誇張して表現してはいたが、DV夫による言葉や暴力によって妻を威圧し、怖がらせるリアルさや、いざ妻が自分のところを離れていきそうになるときの不安や惨めさ、巡査の上司であるダン·シモンズ巡査部長は警察という公の立場を利用してのセクハラ、DV夫が自分や訴えてきた女性の姉や女性に歯向かおうとしたことや、罵詈雑言を浴びせてきたのを、実際よりも大いに拡大解釈してこじつけ、殴る蹴るの暴行を加え続けたり、今までおとなしかったネヴィル·ロス巡査がDV夫の挑発にブチ切れ、(これは観客には観せないが)猛烈に殴る蹴る音が聞こえ続け、それが終わったと思ったら、暫くしてネヴィル·ロス巡査が顔にも手にもやけにリアルに見える血を滴らせて出てきて、オロオロして、狂気と正気の間を彷徨っている場面、最後の方で意識が朦朧として、アザや、顔面が血だらけになり、眼球がやや浮き出て、顎が外れている感じで、全身の感覚がないように見えるDV夫が、若干動き喋ったのを見て、束の間巡査部長と巡査は安心するが、数分話した後、DV夫が今度こそ息絶えたのを観て、ロス巡査はやけくそになって狂気に陥り、自分だけでなく巡査部長も巻き込もうとし、巡査部長は共犯者になりたくない保身から、何とか責任逃れをしようとし、最終的に殴り合いになり、最後に巡査部長がケリをつけるため拳銃を抜き巡査に狙いを定め、ゆっくりと引き金をひいてゆくところで暗転という、なんとも救いようがない話の上に、人間のエゴや醜い部分などが洗いざらい眼の前に暴き出され、まるで本気で殴り合い、相手を蹴飛ばしているように観ている側に感じさせるほど、白熱し、緊迫して、とてつもない臨場感と、役者が本気で言い合ったりするかのようなリアルさに満ちていて、まるでその中にいるかのように錯覚させられ、引き込まれた。

     この劇を観て、パワハラやセクハラ、DVの問題、格差社会や貧富の問題、権力の側の横暴さの問題など未だに完全には解決されていない問題について、改めて深く考えさせられ、失くしていかなければいけないと感じた。ただし、まずは私達一人ひとりがそういう問題について考えていくところからスタートしていくのではないかと思った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    1971年オーストラリアのメルボルンが舞台。開幕早々、主演の巡査部長役斉藤淳(あつし)氏が大暴れ。奥田瑛二と諏訪太朗を足したような魅力。初日の新人(北郷〈ほんごう〉良氏)にここでのルールを叩き込む。デンゼル・ワシントン主演の『トレーニング・デイ』宜しく、警察学校では教えてくれない本当の授業の開幕。『ここには正義も糞もない。自分が生き延びる事だけが全て。』と云う論理。そこに訪れる姉妹、裕福な歯科医のエロエロな妻(荒井晃恵さん)とその妹(小池のぞみさん)。妹が旦那(八柳豪〈やつやなぎたけし〉氏)からDVを受けているとの相談。下心ムンムンの巡査部長は引っ越し屋(大久保卓洋氏)を手配して妹の逃亡の手助けをするのだが・・・。

    引っ越し屋のキャラクターが良い。三木のり平みたいに飄々として卓越した仕事人。クズ旦那のクズっ振りも清々しい。妙なナンセンス・コントのような空気感。

    ネタバレBOX

    起承転結の“承”までは楽しめた。“転”から怪しくなる。キャラ設定の崩壊?何か変な展開だなあ。引っ越し屋が意味ありげで謎めいたムードだが何もない。
    自分が楽しめる作品ではなかった。このホンにこの演出じゃ役者が可哀想。巡査部長が間抜け過ぎる。こんな手際で30年も上手くやれる訳がない。多分上演当時は警察の腐敗をパロった切れ味鋭いホンだったのだろうが、2022年に通用するものではない。もっとホンを弄ってリアルな感覚に直した方が良い。部長は姉にブチ切れて殺し、止める妹も殺す。DV旦那は狂った警察に独り立ち向かう・・・。まあ、それもそれでつまらないが。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/03/17 (木) 18:30

    3/17の夜の部観て来ました。
    とにかく内容が凄いですね。
    パワハラ。セクハラ。ドメスティックバイオレンス。暴力と全てが話しの中に含まれているので、観ていて大変でした。
    チラシを読むと、1970年代のオーストラリアの社会問題だったとか。
    連日いいお芝居が観られて大満足です。有難うございました。

    #斉藤淳
    #八柳豪

    ネタバレBOX

    最後のシーンがとっても印象的でしたね。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    期待外れの一言。
    バイオレンスもパワハラもセクハラも薄くて味がない。
    女性二人は何か別の劇をやっているかのように混じり合わない。
    昔のオーストラリアも関係ない。
    引越屋の存在も調味料でしかない。

    数年後に「当時は観る目がなかったなあ」と振り返ることになるのだろうか。

    ネタバレBOX

    全公演が終わったので再検討してみた。

    ・バイオレンスもパワハラもセクハラも薄くて味がない。
    →バイオレンスについては『殺し屋ジョー』と比べると全く怖くない。もっとも、あちらは舞台が遠いし照明も暗かった。逆に言うとなぜ明るい舞台にしたのかということになるがバイオレンスをほどほどにしたかったのだろう。
    最初の部長と新入りの会話だって単にしつこいだけでパワハラの不快さがマイルドである。
    セクハラも笑いを取りに来ているし。

    ・女性二人は何か別の劇をやっているかのように混じり合わない。
    →一人はラブコメ、一人は時代がかった悲劇でも演じているかのよう。狙った演出のはずなので何か奇妙な雰囲気を作り出そうとしたのだろう。

    ・昔のオーストラリアも関係ない。
    →オーストラリアの人にはあれは何これは何と分かることがあるのかもしれないが、私にとってはどこにでもある暴力警官の話にすぎない。

    ・引っ越し屋の存在も調味料でしかない。
    →それで正解。表題にはなっているがアクセントにすぎない。

    結末の「殺したと思った相手が生きていた…→警官同士の殺し合い」は完全にエンタメ・アクション映画だ。色々総合して考えるとこの劇は社会派劇ではなくコメディかエンタメということになる。会場で配布される立派なパンフの格調高い文章を読んで勘違いしたけれど、そういうことなのだ。しかし考えれば考えるほどこの劇、すべてが噛み合わないように作られている。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    説明で気になっていた伏字はだいたい分かった。ところが、今度は何故「リムーバリスト ー引っ越し屋ー」というタイトルなのか。確かに引っ越し屋は登場するが、多くは語らない。表層的には、暴力と隠蔽、貧富格差、愛憎と崩壊といった嫌悪内容を、圧倒的な迫力(演技)をもって描いている。嫌悪の中心的人物・シモンズ巡査部長は、その地や環境にいることによって得た権力であり、それを背景に やりたい放題の悪行が透けて見えてくる。人は一度権力という甘い蜜を味わうと感覚がマヒするのだろうか。1970年代 オーストラリアが舞台であるが、現代日本にも通じるところがあるような…。
    (上演時間2時間 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    回転舞台。冒頭は荷物がほとんど運び出された後の部屋(カーター家)。次に警察派出所で舞台美術の表裏凹凸を生かした出入り口や窓の作りは上手い。そして回転する都度、情景が変化し物語へ集中させる(舞台回転中も興味を持って見入ってしまう)。再びカーター家へ戻った時には、TVを始めいくつもの家具がある。冒頭の舞台は、愛の終わり その果てである。その崩壊の経過こそが引っ越しにおける荷物の搬出行為であろう。物語は信頼(もしくは愛情)関係とその不信・崩壊が根底にある。終焉のきっかけが暴力であり背信行為である。

    カーター家・夫ケニーは妻フィオナに家庭内暴力を加え、フィオナの姉ケイト・メイソンと一緒に被害を派出所へ訴え出る。派出所には、ベテランのシモンズ巡査部長ーパワハラ、セクハラ気質の男と警察学校を出たばかりの新米巡査ロスがいる。
    フィオナは夫と別れたいと言い、シモンズは姉妹への下心からケニーがパブで飲んでいる間に引っ越し屋を呼んで家具を持ち出すと提案する。しかし、ケニーはその晩に限ってパブに寄らずに帰ってくる。そして引っ越し屋が現れ、寝耳に水のケニーが逆上したところにシモンズとロスが入ってきて…。

    いくつもの観点がある。もちろんシモンズ巡査部長の暴力や理不尽な行為。それは派出所、管轄地域内での職業的地位を利用した行き過ぎた権力の行使。そしてケニー夫婦、その結婚生活の崩壊を引っ越し作業を手伝うが下心ありあり。シモンズ部長刑事は、この地に長く勤務しており、街の恥部を知り尽くし悪用している。一方、貧富格差や自分の自尊心を傷つけられることに異常に反応する。公演では、シモンズ部長刑事の人間性を掘り下げることで、社会の理不尽さと照合させる。異動がない、2人しかいない逃げ場のない派出所という場所は、小さいながらも権力を保持しやすい。社会(組織)の欠陥によって人が作り上げられた典型的な物語。

    キャストは6人で、それぞれの性格と役割はしっかり観える。
    シモンズ部長刑事(斉藤淳サン)は、威圧・威喝する圧倒的な存在感を出し、厭らし感たっぷり。新人巡査・ロス(北郷良サン)は、正義感あるが融通が利かない小心者。ケニー(八柳豪サン)は、ゲスぶり、強かさが十分伝わる。フィオナ(小池のぞみサン)は、おっとりしているようで芯の強い女性。ケイト・メイソン(荒井晃恵サン)は、色気 エロっぽさムンムンの姿態。引っ越し屋・ロブ(大久保卓洋サン)は、朴訥とした口調、稼業に誇りを持つが、何となく不気味な存在。控えめな存在こそ、我関せずの傍観者である。ロスに作業を行わせ、困った事(運出し順が不明)があれば指示を求め、決して表立たない狡猾さ。が、他の人物に比べれば普通の人に見えるところが怖くもある。

    表層的には破壊力ある場面、そこに色香というかエロさを漂わせ、舞台的な絵図としては男女の物語といった印象。しかし、根底には人が持つ本能というか本性が描かれ、その先に社会システムの歪さ、弱点を垣間見せる秀作。
    卑小だが、カーター家の問題を契機に派出所(刑事)と繋がるが、それ以降の繋がりに緊密さが見えないところが残念。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     先ず驚かされたのは常打ち小屋での公演では無かったことである。下落合では無かった訳だ。理由は、舞台美術だろう。それがどんな舞台美術であったのかについての詳細は観て頂くとしてコンセプトはネタバレに記すのでそちらを見て頂きたい。この演劇集団のキチンとした姿勢については自分如きが今更申し上げる必要もない。何れにせよ、ラストシーンには背筋が震えた。(華5つ☆追記後送)

    ネタバレBOX


     先ず、約束の舞台美術から行こう。小劇場演劇では極めて珍しい回り舞台なのである。片側にカーター家の部屋、裏側に派出所。この回り舞台が実に効果的に使われている。
     原作のタイトルである「リムーバリスト」は一種の捻りが効いたタイトルである。実際の上演時間約120分の内、タイトルに直接関わる引っ越し屋が登場する時間は案外短い。登場人物各々のキャラが濃いのが今作の特徴の1つだろうが、引っ越し屋のロブは唯一最も冷静で己の仕事の観点から他の総てを客観視している狂言回し的な存在である。原作はオーストラリアの劇作家・ウイリアムソンであるが、予め決めていた戦略・戦術に則って書かれた気がする程メルボルンで最も犯罪が多発するエリアの派出署警官2人(シモンズ巡査部長&勤務初日のロス巡査)のキャラは際立っており、その表現される所は普遍的である。シモンズ巡査部長の主張は、規則等は基本的にどのようにもアレンジ可能であり要はオトシドコロを間違えず、限度を弁えて決定的ミスを犯さない限りに於いて何事も自由だという観点に立ち相当現実的な説得力を持つ。一方、警察学校出たてで実際に勤務するのはこの日が初めてのロス巡査は至って真面目で杓子定規に行動しようとするものの頑固な一面を持ち、切れると手が付けられない。物語は、この派出署にDV被害を訴えてきたフィオナと姉ケイトが訪れたことから佳境に入るが、ケイトの夫は歯医者で裕福、警官の給料とは比較にならない階層に属し、有閑マダムのケイトには浮名が絶えない。シモンズはそれをいいことにケイトにシグナルを送り彼女も満更でもなさそうな応じ方をしていたが。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    「狂」と「笑」は紙一重なのか…背筋が一瞬ブルッとくる作品。
    舞台となる70年代当時のオーストラリアは社会問題になるくらい警察の質が悪かったらしく、全編にわたってシモンズ巡査部長の狡猾節が炸裂。
    大きくガッチリした体躯で物凄い威圧感(名演技でした)
    長年培ってきた独自の警官論もなかなか堂に入っておられ、こんなパワハラな指導を受けなければならない新米警官がマジで不憫。
    とにかく全てが彼の胸先三寸で、DV夫から奥さんを逃す引越し作戦にもちゃっかり下心が。
    ただし早々から引っ越しは妙な雲行きになっていき・・・
    この引越し風景がボリューム的にも内容的にもメインとなるのですがジリジリするというか、ヒリヒリするというかバイオレンス&何とも異様な光景なのでした。
    そして破滅の美学とも言える驚愕のラストシーン

    結局、引越し屋が一番の強者だったのか
    何をもって強者とするのか分からんけれど、感慨深し。
    これだけハードな海外作品をガッツリやってのける俳小さん、「殺し屋ジョー」での超興奮は未だに冷めやらず、今後の作品も期待しています。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ハラスメントに、バイオレンスに、最後はマーダーだ。いやはや無茶苦茶な話ですが、実にリアルで、大いに楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ストーリーの面白さに、役者さん達の演技力も加わり、どんどん惹き込まれました。
    そして、パワハラ、セクハラ、DVなど、今も変わらぬ問題について考えさせられました。
    役者さんの迫力、表情、すごく良かったです。面白かったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い!!
    前作もそうだったが、人間の持つ暴力への衝動。理性的であろうとしても、どうしても抑えることができない、どうしようもなさ。。。
    それを役者陣の熱演で観客席まで伝わってきました。
    暴力の理不尽さ、カオス、今ウクライナで行われている殺戮を思い起こしていろいろと考えさせられる舞台でした。
    万全のコロナ対策にも劇団の姿勢を感じました。
    これからも頑張ってください。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    家庭内暴力、官憲の横暴、家族夫婦間の倫理の欠如など、日常社会の中に潜む非人道性を描いたドラマだ。オーストラリアの長老劇作家であるウイリアムソンが五十年前に書いたデビュー作という。
    劇団俳小は三年前に「殺し屋ジョー」と言うアメリカのプアホワイのトレーラーハウスを舞台に殺し屋を描いた優れたハードボイルド作品を創りだしヒットした。今回は同じ路線で、悪徳警官ものだが、国がオーストラリアとなって味わいも違う。舞台はメルボルンのいかがわしい街の警察の分署。なれ合いの警察に染まり切った分署長〈斎藤淳〉のもとに新人警官(北郷良)が赴任してくる。分署長が、若い警官に警察学校では習わない現実生活の教育をする一日の物語である。持ち込まれる事件は、ドイツに出稼ぎに行っているうちにひどい男(八柳豪)にひかかって帰国、子供までできたが、何とか別れたいと苦慮する女(小池のぞみ)と、その相談相手の姉(荒井晃惠)が持ち込んでくる家庭内暴力からの逃走である。暴力的な夫が夜勤の金曜日の夜に家財とともに逃げようと引っ越し屋(大久保卓洋)を手配し、助平心から警官二人も手つだおうとしたところで夫が帰ってくる。
    権力をかさに着て、自分では、在職三十年で一度も拳銃を抜いたことがなく、逮捕したこともないと警察生活の極意を説く分署長も人間的にも社会的にもいい加減だが、相談する方の姉妹も夫婦のモラルなど毛筋ほどにも考えていない。その社会の壊れ具合を象徴するように我関せずの引っ越し屋が次々と家具を運び出していく。その中で警官たちと夫、夫と妻の争いがあり、遂には殺人にまで発展する。
    五十年前の本で、オーストラリアと言う国情もあってか、「殺し屋ジョー」のようなピストルを撃ち合う殺伐さよりも、現在の社会には遍在してしまった日常モラルの頽廃が、笑ってしまうような勝手放題なストーリーで展開する。古めかしくもあるが、今や、こういう事態は我が国でも珍しくない。俳優は俳優座から借りてきた斎藤淳と八柳豪が、さすがに動きもセリフの切れもよく、舞台を支える。俳小では若い警官役の北郷亮が、格段の進歩。大久保卓洋もとぼけた味を出している。女優陣はかなり苦しい。役に柱を通すところが出来ていないので、どこまで行っても不見転女の勝手でドラマに深く咬んでこない。
    前作の演出が腕力型のシライケイタだったのに比べると今回の小笠原響はおとなしくまとめる方だ。まとまってはいるのだが上手の手から水も漏れる。プロローグの男女二人のシーンは、思わせぶりだが何のことかわからなかった。休憩なしの2時間。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    前々作がやはり暴力描写のある芝居で、同じくオーストラリア産の、入植白人とアボリジニの確執の話だった。今作は現代(携帯電話が出てこないので20世紀の戯曲と推測)のメルボルンの荒廃地区に勤務する二人の警官が、とある日の数時間に体現する暴力とその心理構造を炙り出すような作品。
    役者の負荷が大きい戯曲で、violenceが暴発する狂気の瞬間だけでなくそこに至る精神状況の過程を辿る。戯曲の台詞がそれを誘導している。破滅的な結末は、告発的作品な色を帯びなくもないが、カタストロフに浸るだけでは済まさない要素がある。
    観たばかりの青年劇場「裸の町」は真船豊による昭和前期の、小さな人間たちを描いた作品だったが、「鼬」と同じく金銭、引いては当時浸透の過程にあった資本制の持つ暴力性を描き、システムの中の人間の闇に触れる。両者全く違う作風だが似た風景を見る感覚を覚えた。

    ネタバレBOX

    この回は噛みが多く注意を削がれ台詞を逃した。故に星一つ減。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    回転式舞台にビックリし、演者さんの迫力のある演技にドキドキさせられ濃厚な2時間でした。

  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とにかく役者さんのお芝居が圧巻です。とても上質な会話劇だと思います。セットも凝っていました。萬劇場で回転式ははじめてでした。確かな演技でまたいい作品をお願いします。楽しみにしてますね

このページのQRコードです。

拡大