
ホームレッスン
パルコ・プロデュース
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/09/24 (土) ~ 2022/10/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
芝居は生物だから、うまくいかないことはある。
それにしても、という出来である。やはり、一番の原因は戯曲だろう。素材そのものは、今の時代に合いそうな家庭崩壊と回復の話なのだが、設定があまりにもご都合主義である。だれか、制作側でも指摘しなかったのかと思うが、場当たりの行き当たりばったりで話がどんどん進む。親と離れて施設で育った男(田中駿介)が出来ちゃった結婚しようと妻(武田玲奈)の家庭を訪れるとそこは百の家訓がある家庭で、母親(宮地雅子)の強権のもと気のいい父(堀部圭亮)は右往左往。弟(堀夏喜)は家訓を破って永の座敷牢暮らし。
この設定で、妻の出産まで。気がめいるような2時間で、三十代の女性客が多い客席もシーンと静まり返って見ている。喜劇でもなければシリアスドラマでもない。陰鬱な時間が流れる。
救いは、舞台の現場が投げていなかったことで、役者は神妙に勤めているし、演出もとにかくつじつまを合わせようとする。宮地雅子など、ガラに合わない役でだいぶ苦労しただろう。
パルコが、有望な人材を次々と起用して時代に合わせた都会の中間演劇を作ろうと熱心なのはいいが、無手勝流にならないように。蓬莱竜太、横山拓也、小劇場でもまれて出てきた人たちは大丈夫だろうが、若い人にはケアしなければ。なにしろナマものなのだから。

きっとこれもリハーサル
エイベックス・エンタテインメント
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/09/29 (木) ~ 2022/10/13 (木)公演終了

あんなに優しかったゴーレム
ヨーロッパ企画
あうるすぽっと(東京都)
2022/09/28 (水) ~ 2022/10/10 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
こんなに面白かったヨーロッパ企画。今年の上京公演はあうるすぽっと。
ここのところ素材が少し難しいなと思っていたが、今回は、原点に戻って、のびのびとファンタジーを楽しめる。
テレビの取材チームが名投手20年記念のヒューマンドキュメンタリーを撮りに投手とともに草深い故郷の村にやってくる、投手の思い出は、広場でゴーレムと呼ばれている大きな土偶(このデザインと、大きさがうまい)とキャッチボールをすることでピッチングの基礎が養われたのだという。エッツ、あの土偶は、生きている??!。このあたり、こういう話は沢山あって、ペガサスも生きていると村人は言う。土偶の意識調査をする地元の学者も現れる。テレビの取材班のスタッフの中でも話の真偽で意見が割れる。現在のマスコミ倫理の難しさもネタになっていて、ファンタジーとも混ぜ合わせ方もうまい。内輪もめが起きてくるあたり、それぞれの人物のキャラも嫌味がなくていいが、京都の劇団らしい関西風の会話で面白く弾む。再演というが、劇団員の息も合っている。
劇場の規模が丁度この舞台にあって、上下二段に組んだゴーレムのある広場とその下に住む少女の家の二重セットが生きている。かぶりもののペガサスの出し方などタイミング絶妙。客の心理をうまく捕まえている。
良いテンポで笑っているうちに2時間はアッと言う間に経って、こういう劇団は東京にはないナ、年一度の良い出会いの時間を持てたと、温かい気持ちで劇場を後にした。

みんな友だち
こわっぱちゃん家
上野ストアハウス(東京都)
2022/09/29 (木) ~ 2022/10/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/30 (金)
バーというか、カフェというか、スナックみたいな所を舞台にした、一人の女性が生涯を生き切る話で、このお店に来る人はみんな
柚葉のことを最高の友達と呼んでくれる。
それが、柚葉が医者から余命宣告を受けたことから、物語が劇的に展開していく劇で、先が読めない展開に引き込まれた。
CoRichで劇のストーリーを読んだだけだと、永遠に生き続ける女性と、周りとの絡み的な少し不思議な話かと勝手に思い描いていたら、実際の劇は全然違って、良い意味で第一印象を裏切ってきてくれた。
バーというか、カフェというかスナックみたいなところに通う常連客であり、友達みたいな存在とさえ柚葉が思っていた個性溢れる面々に勇気を持って自分が白血病で、治る確率が低い病気だと打ち明けると、今までと態度が急変して次々に店を去っていったシリアスな展開や、その時々に挟まれる笑える場面、感動的な最後のほうの場面とよくバランスが取れていて、面白かった。
生前葬の場面での、柚葉が白血病で余命宣告を受けていることを勇気を持って打ち明けたことに対して、普段仲良くしていたつもりだった常連客たちがそのことを受け止められなかったことを深く反省していることを柚葉に伝えるところが非常に感動的で、真の友だちとは何かを本気で考えさせられた。
劇が終わったあとのトークショーでの、Ateamのゲストと、一応司会進行の柚葉役の晴森みきさんと、時々晴森さんを一生懸命フォローするこわっぱちゃん家の劇団員と作·演出·出演のトクダタクマさんたちの時に困惑したりしながらの、ゆるいトークが面白かった。

手話裁判劇『テロ』
神戸アートビレッジセンター
神戸アートビレッジセンター(兵庫県)
2022/10/05 (水) ~ 2022/10/10 (月)公演終了
満足度★★★★
観客参加型で、観客がエンディングを決める方式。被健常者にも楽しんでもらえるように、被健常者を舞台に出したり、手話を取り入れたり等々気配りは素晴らしい。観客にも被健常者が沢山いて楽しんでいた。ユニバーサル(USJではない)感を感じたし、内容も究極の選択を判断させることで、会場の一体感を醸し出していた。
残念だったのは、有罪か無罪の選択だけで、本来の裁判は刑を具体的に定めていないこと。各々の国にもよるが、日本の法律ベースでは今回の場合は有罪=死刑と捉えラレルが、想定はドイツ。ドイツの法律ではどうなのかも取り込みしていたら、満点💯だった。

NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-
青春事情
駅前劇場(東京都)
2022/09/30 (金) ~ 2022/10/04 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想、遅くなりましたが、とても面白かったです。私もサッカーをしていてスクリーンに映し出される名言もいいですね。お芝居の内容もとてもよくまとまっていて。映画をみているようなそんなおしばいでした。演者の皆さんの熱のこもった演技、クライマックスは熱くて感動しました。
こんな大会があることも知れて、得した気分でした。楽しい時間を過ごせました。

蓼喰ふ虫
TOKYO PLAYERS COLLECTION
OFF OFFシアター(東京都)
2022/09/21 (水) ~ 2022/09/26 (月)公演終了

「ストロング」「山の声」
坂井水産
RAFT(東京都)
2022/10/05 (水) ~ 2022/10/10 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/05 (水)
価格2,000円
「ストロング」の5日14 時開演のAチームを拝見。
昨年の年の暮れに上演された舞台の再演。
演じ手は一人減ったものの
アンギラス…赤澤涼太さん
ヘドラ…加藤なぎささん
アンギラスの友人…家田三成さん
と前回と同じ配役。
にも関わらず、まるで口の中で「ストロングゼロ」の強炭酸が広がるように、今回の方がより一層、共感や感動の気持ちがじわじわと押し寄せて来た。
あいにくの雨の中、無理して来た甲斐があった83分間の熱演舞台。

人狼TLPT 10th Anniversary -ROSERIUM-
株式会社オラクルナイツ
シアターサンモール(東京都)
2022/09/28 (水) ~ 2022/10/10 (月)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★★
ノーマルEXGを配信で観劇しました。今回は、自宅からという事で、紙とペンで真剣に予想。まぁ、結果は、人狼一人が分からず。
でも、推しが頑張ってくれたので、とても、満足。推しを応援したり、推しがいない人は、楽しみながら、探してみるのも、この舞台の楽しみ方のひとつ。
色々な楽しみ方が出来るので、気になった方は、ぜひ、見てほしいです。

ホームレッスン
パルコ・プロデュース
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/09/24 (土) ~ 2022/10/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
100の家訓のある三上家、破ると減点されて、減点がたまると懲罰がある。懲罰は10点で物置に1カ月監禁、20点で離れの納屋で2か月謹慎というもの。長女(武田玲奈)の婚約者の大夢(田中俊介)は最初戸惑う。しかし、母に捨てられ施設育ちの大夢は、幸せになるには「自由よりルール」と家訓を必死に身に着け、すっかりなじんでいく。実は家訓をつくった三上家の母・奈津子(宮地雅子)は、かつて大夢の中学で担任だった。一緒にある事件に遭遇したことで、「自由よりルールだ」という確信を共有する。
しかし、三上家には弟・朔太郎(堀夏喜)がいた。懲罰として1年半も換金されている弟を見て、揺らぐ大夢。朔太郎が包丁を持ち出して、まず、最初の事件が起きる。ベテラン宮地雅子の最初のかたくなさ、次第に心情を見せていく演技がぴか一だった。田中俊介は初めて見たが、あたふたしたり、頑固になったり、決して誇張でなく自然に感情の起伏を示してよかった。
リビングと物置を裏表にした回り舞台のセット。最初は貧相に感じたが、家訓を巡る衝突が激しくなる場面では、右に左にゆらゆらとゆっくり回っては戻るのを繰り返す。家庭の動揺を示すよう。この演出はよかった。

lucK girL blooD tuesdaY
‐ヨドミ‐
TACCS1179(東京都)
2022/06/15 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了
実演鑑賞
すごく良かったです。今までのヨドミさんでいちばん。
いつもながら愉快な話では無いんですけど。見せたい景色が決まってるお話だから、多分。そこへ向かって繋がって行くのが美しかったし、グルーヴィーでもあり、気持ち良かった。

バロック【再演】
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2022/06/09 (木) ~ 2022/06/19 (日)公演終了
実演鑑賞
変わらずアトラクションの様で楽しかったです。(でも額縁内の気ん持ち悪ぃやつは初演にゃ無かったですよね?)
初演は“どんな形に収まるか”みたいな結びのイメージだったのですが、再演は“どういう態度を取るか”の話なのかも?って思いました。そ言えば折込のパンフにも中間報告とありましたね。
でも、そこに居る彼らにとっては答えなんだよな。それ大事だよな、と考えたりもしました。

偏執狂短編集V 前夜祭
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
すみだパークシアター倉(東京都)
2022/04/16 (土) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
「プレシオ」好きでした。山本リョウさんの演技にVoyantroupe公演特有の、オーガニックな泥臭さみたいなのが漂ってましたね。
ただ個人的には直接の描写をやらなかった意味はあんまり感じなかったです。

画廊にて 他3篇
日本のラジオ
新宿眼科画廊(東京都)
2022/04/22 (金) ~ 2022/04/26 (火)公演終了

安心して狂いなさい
中野坂上デーモンズ
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2022/04/17 (日) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
観ていて混乱するやつ、好きなんですけどね。何だかちょっと気持ち悪くなっちゃいました。器の盛り方問題?それともこっちの体調が整い過ぎてた?

リディキュラブ
南京豆NAMENAME
インディペンデントシアターOji(東京都)
2022/04/15 (金) ~ 2022/04/18 (月)公演終了
実演鑑賞
終盤ガーッて盛り上がる所で「あー、このまま最高潮でデカい音楽かけながら暗転で終わってくんかなー」思ってたら、それ力技でぶった切って、まったり展望の話で終わってくの、とても素敵と思いました。
会話芝居としては良くも悪くもフラがある様に感じました。

一度しか
ほりぶん
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/29 (木) ~ 2022/10/10 (月)公演終了

住所まちがい
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2022/09/26 (月) ~ 2022/10/08 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
珍しいタイプの翻訳劇の本邦初演である。
社長(仲村トオル)、警部(渡辺いっけい)、教授(田中哲司)の三人の登場人物が、違う入り口から入っても、同じ部屋で鉢合わせしてしまう。設定だけでなく、会話のズレも普通の笑劇とは桁外れのナンセンスぶりで、それがほぼ1時間半、機関銃のように続く。思わぬ地下からの掃除婦(朝海ひかる)の登場で舞台の色合いは少し変わるが、2時間休憩なしの台詞ぶっ通しである。小理屈で、もっともらしい教訓に落としていないところもいい。
イタリアのコメディアデラルテの原作と言うが、日本で上演されると、外国にも、ケラのような作風や、別役のような戯曲も健在なのだと教えられる。演出・白井晃、世田パブの芸術監督新任で、ずいぶん張り切った。しかし、こういう本は横を縦にすればいいというものではない。日本上演のジャパナイズも成功している。今回は俳優の頑張りも大きい。いろいろな出身背景の俳優たちが中年に及んで、積み重ねた舞台の実力をそれぞれに十分に発揮している。隙のないあまり見ない喜劇になった。

ピース
三等フランソワーズ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2022/09/30 (金) ~ 2022/10/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
三等フランソワーズらしく登場人物が一癖も二癖もあるので、セリフの返しや掛け合いが面白い。
話はミステリードラマの様な先の展開が読めない不思議な世界。
タイプの違う姉妹にお母さん役の美香本響さんが安定の演技で引き締めます。
その他の女優さんもそれぞれのタイプの違うキャラを演じきっていた。
キャッチーな衣装も異国の雰囲気を醸し出していた。
笑いは少なめでしたが最後まで楽しめました^ ^
作者はアダムスファミリー好きか⁈

NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-
青春事情
駅前劇場(東京都)
2022/09/30 (金) ~ 2022/10/04 (火)公演終了