住所まちがい 公演情報 世田谷パブリックシアター「住所まちがい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    珍しいタイプの翻訳劇の本邦初演である。
    社長(仲村トオル)、警部(渡辺いっけい)、教授(田中哲司)の三人の登場人物が、違う入り口から入っても、同じ部屋で鉢合わせしてしまう。設定だけでなく、会話のズレも普通の笑劇とは桁外れのナンセンスぶりで、それがほぼ1時間半、機関銃のように続く。思わぬ地下からの掃除婦(朝海ひかる)の登場で舞台の色合いは少し変わるが、2時間休憩なしの台詞ぶっ通しである。小理屈で、もっともらしい教訓に落としていないところもいい。
    イタリアのコメディアデラルテの原作と言うが、日本で上演されると、外国にも、ケラのような作風や、別役のような戯曲も健在なのだと教えられる。演出・白井晃、世田パブの芸術監督新任で、ずいぶん張り切った。しかし、こういう本は横を縦にすればいいというものではない。日本上演のジャパナイズも成功している。今回は俳優の頑張りも大きい。いろいろな出身背景の俳優たちが中年に及んで、積み重ねた舞台の実力をそれぞれに十分に発揮している。隙のないあまり見ない喜劇になった。

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    2022/10/04 22:59

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