最新の観てきた!クチコミ一覧

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神戸セーラーボーイズ Assort Box 2025

神戸セーラーボーイズ Assort Box 2025

ネルケプランニング

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前半が短編を3本、後半がライブという内容でしたが、面白かったです。
短編は、面白い物と意味が分からない物もありましたが、全力で笑わせようとする役者さん達が可笑しかったです。
ライブは、ダンスも良かったし、笑顔で一生懸命パフォーマンスする姿が印象的でした。
関西で活動している若いグループですが、これからも頑張ってほしいと思いました。

えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めて台湾華語のミュージカル日本語字幕付きを見ました。事前に「暴力やいじめなどセンシティブな描写が含まれております」と注意事項にありましたが、私は気になりませんでした。それより、俳優さん全員の歌、演技ともに素晴らしくあっという間の90分でした。ただ、字幕を読みながら俳優さんの表情や動きを追うのは大変だなぁと思いました。

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/15 (金) 14:00

130分。休憩なし。

シャウト!

シャウト!

!ll nut up fam

萬劇場(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

中年が高校生の時代にタイムスリップするありきたりの学園青春モノですが、妙に熱くなってしまいますね。年寄りには共感できます。

水星とレトログラード

水星とレトログラード

劇団道学先生

ザ・スズナリ(東京都)

2025/08/02 (土) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

保坂萌作の戯曲を有馬自由が演出での新作。110分。8月11日までザ・スズナリ。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/08/post-5ed5e8.html

えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

透明で良くとおる歌声癒されます 字幕が見やすいので前の席がオススメです

ほぐすとからむ

ほぐすとからむ

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2025/08/03 (日) ~ 2025/08/11 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

最近、言語外の表現、身体表現もいけるようになってきてまして。
コンテンポラリーダンスとかも、以前ならきつかったんですが、今は割とすんなり楽しめます。

抽象的なのを感じるつもりだと、セリフもあるし物語性もあるしで、あらま、親切だなって感じなんですが。
だからといって普通の芝居だと捉えると、すっきりしない部分が残る感じ。
身体表現、抽象的な表現は、丁寧にきちんと見せる造り。
意外と笑えるくだけた表現も多かった。

生成AIへの踏み込みが足りない気がした。
使い込んでる、日常化してる人の感覚じゃなくて、こういうもんだろって感覚から組み立てられた表現だな、と。
何か斬新なものを見られるかと思ってたら、杓子定規と言うか、古典的な描き方だなって。

えがお、かして!

えがお、かして!

四喜坊劇集※台湾の劇団です!日本で公演します※

小劇場B1(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。障害者を扱ったものということもあり、かなりディープでヘビィな内容でした。正直、家族に障害のある人が見るときついセリフがかなりあるかな…と。その意味では別の意味でR指定な舞台かな…と。歌もうまくとても楽しめました。ただ、日本語字幕スーパーがちょっと直訳調のものがあり、そこは日本人がちょっと手を入れたほうがよかったかな…と。

あゝ同期の桜

あゝ同期の桜

Uncle Cinnamon

三越劇場(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

この作品を継続して上演していることはとてもよいとおもいます。作品については、特攻に志願してからの展開は緊張感がありいい演技と演出だったと感じました。
前半については、好みが分かれるかなとおもいます。まだ20歳にも満たない少年の他愛のないやりとりを表現しようとしたと想像しますが、そもそも特攻隊のはなし、最後にどういう結末かわかっているなかでのダジャレの多用はどう理解すればいいかなと(劇の原作?になった日記に書いてあったのかもしれませんが)
演出は、歌入りの音楽が使われていたり、演技の動きがミュージカルっぽいなと。

そうはいっても特攻にいく前に日記をつけていた少年のことを思うと胸が痛む作品でした。

伊能忠敬、測り間違えた恋の距離

伊能忠敬、測り間違えた恋の距離

アナログスイッチ

ザ・スズナリ(東京都)

2025/08/14 (木) ~ 2025/08/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/14 (木) 19:00

120分。休憩なし。

5月35日

5月35日

Pカンパニー

吉祥寺シアター(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

2019年1月下旬北京、タクシー運転手のアダイ(林次樹〈つぐき〉氏)とシウラム(竹下景子さん)老夫婦が暮らす家。アダイは大腸癌の手術を受け、ストーマ(人工肛門)を装着している。使い捨てのパウチ(排泄物を溜める袋)の在庫を確認するシウラムには脳腫瘍が見付かっており、余命3ヶ月との宣告が。死ぬまでの間に持ち物を整理し、自分がいなくなってもアダイが生活できるよう準備してやらないと。その現実が受け止め切れないアダイは「まだ何か手があるんじゃないか?」と話を逸らす。医者の判断ミスだってあるし、まだ絶対死ぬって決まった訳じゃない。シウラムは死んだ愛する息子ジッジの遺品整理に手を付ける。彼が18歳で亡くなったのは30年前、1989年6月4日天安門広場だった。

開幕時、林次樹氏の演技が少し過剰な気もしたが、竹下景子さんを際立たせる為のアクセントなのだろう。竹下景子さんは完璧だった。70代の丁寧な動作の老女から、鬘と化粧を少し変えただけで40代の激昂する女性に。(歩けなくなる程弱り、記憶の混乱が起きるシーンの時だけもみあげにピンマイクが見えた。細かい拘り)。そしてカーテンコールでは嘘のようにスタスタ普通に歩く姿。何処までが演技なのか?全てが「ザッツ竹下景子」。たっぷりと堪能した。是非全く違う役柄でも観てみたい。

下手にある漆喰の壁に囲まれた亡き息子ジッジの部屋。蚊帳のように照明によって透けて見える仕様が効果的。30年間、生きていたそのままに保存された空間、それはシウラムの止まった時間。

失脚した毛沢東が劉少奇から権力を奪還する為に起こした文化大革命(1966年〜1976年)。その混乱に巻き込まれた当時の学生達は進学の機会を奪われた。学問よりも労働が奨励された時代。勉学に心残りがあったシウラムは息子のジッジに夢を託す。裕福ではない家で出来得る限りの教育を与え、アダイが2ヶ月分の給料をはたいて買ってやったチェロ。ジッジは優しい性格で勉学に秀で音楽の才もある自慢の息子。自分達が体験できなかった理想の青春時代を代わりに実現してくれている!そんな彼がある夜両親に告げる。「自分には音楽よりも今やるべきことがあるんだ」と。
当時、中国の改革に前向きだった胡耀邦(こようほう)、肩書は総書記だったが実権を握っていたのは鄧小平(とうしょうへい)。1987年民主化に理解を示したとして失脚させられ、1989年4月急死。胡耀邦に未来の希望を抱いていた学生や市民達が天安門広場に集まり千人規模の追悼集会を開く。その集会は終わらずどんどん中国全土から人が集まって来て3万人以上に。この流れに恐怖を抱いた鄧小平は戒厳部隊を送り込み武力で鎮圧。6月3日深夜から4日にかけて戦車の突入と機銃掃射により3千人から1万人が虐殺されたと言われる。この事件は国家的に隠蔽され、未だに誰も触れてはいけない禁忌。世界的に報道された事件だったが中国国内では誰もが口をつぐむ。事件についての情報や「6月4日」はネット検閲される為、人々は「5月35日」など隠語を使うようになる。

昔書かれたディストピア小説みたいだがこれが今の中国の現実。参政党政権になって治安維持法が復活した暁には日本もこうなるのか。

ネタバレBOX

訪ねて来るチェロの教師(小谷俊輔氏)、今時のアンちゃん(松永拓野〈たくや〉氏)。松永拓野氏は闇バイトに堕ちたJOYみたい。この息子の遺品を無料で譲る代わりに15分間息子の話を聴いてくれというのはいいアイディアだと思う。そうやって外郭から固めていく情報の出し方。不在の息子ジッジが観客の心に描きこまれていく。
アダイの弟で政府高官のアペン(内田龍磨氏)は知り合いに似ていて気になった。
公安の山田健太氏、183cm!
亡くなったシウラムに逢いに来る息子ジッジは紙谷宥志(かみやゆうし)氏。最後の場面こそチェロが欲しかった!

前回の初演の際、タイトルの隠語に想像を刺激されやたら気になった。再演を知り必ず観ようと決めた。だが自分が当初思い描いていた作品ではなかった。(一見淡々と静かに生活していく夫婦の日常から、隠語に秘められた悲哀が浮かび上がるような作品を想像していた)。

1997年英国から香港が返還され中国の特別行政区となる。当初は一国二制度として香港の自治権を認めていたが、中国政府は2017年香港返還20周年を前にして民主化運動への弾圧を強める。200万人が参加した激しいデモ活動。2020年香港国家安全維持法が施行され、事実上、香港でも当局に対する反対運動は不可能になった。
今作は2019年香港にて上演。勿論中国本土では上演不可。そして今では香港でも上演できない。そのギリギリの状況で書かれた体制批判はもう物語ではない。全てが圧し潰される前の人間の叫びだ。ラストの民衆の自由への歌はそういう状況に追い込まれないと本当の意味では理解できないのだろう。日本は本当に恵まれていることに気付かされる。
※今回の日本での上演についてさえ、作家・莊梅岩(そうばいがん)さんは何一つメッセージを出せない。これが香港国家安全維持法。
六道追分(ろくどうおいわけ)~第八期~

六道追分(ろくどうおいわけ)~第八期~

片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/07/24 (木) ~ 2025/08/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/07/31 (木) 19:00

 片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」第33回ロングラン本公演『六道追分』第八期の剣チームによる公演ということで、長く続いてきたロングラン公演も、この八期をもって本当の意味で締め括りということで、それに私が1~4期まで観た後、長らく観てなかったが、この集大成を観れたということで、色々と感慨深いものがあった。
 そうはいっても、物語の内容や核となる部分、悲劇的な終わり方は変わっていなかったが。

 今回遣り手役が、金にがめつく守銭奴的で少し維持悪くて、狡賢い感じに演じられていて、それでいてそんなに威圧感や恐怖で支配するといった冷たさやサディスティックな感じ、人間味に欠けた感じには演じられていなくて、どこか小悪党感が否めない風に演じられていていたので、最初第二期で遣り手を演じられた薮田美由紀さんが今回も同じ役で続投されたのかと思っていたが、今回の第八期のパンフレットを後で見たら、遣り手役を演じられていたのは高橋綾さんという全然違う役者だったことに気付き、全然違う役者なのに、ここまで演技パターンが似通ってシンクロすることってあるものなのかと、只々、驚き、唖然としてしまった。

 今回W主役の盗賊の頭領の鬼アザミ清吉役の江田剛さんと花魁お菊役の百合香さんは、良い意味でズラ感、どこかコスプレ感が否めなかった。
 勿論他の遊女七越役の猪谷茉由さん、花里役の加藤瞳さん、松山役の乙坂みどりさんにしても、上に同じで、ズラを被ってる感じやコスプレ感が否めなかった。
 そういう側面もあってか、鬼アザミ清吉役の江田剛さんとお菊役の百合香さんの茶屋での言い争いの場面で、緊張感が高まって手に汗握るというよりかは、どこか間が抜けていて、普通に笑える感じになっていて、これはこれで良いなと感じた。
 
 自分が今まで観てきたロングラン公演一、小ネタやくだらないドタバタ、アドリブが微に入り細に入りあって、全然飽きず、疲れず、観ていて常に大いに笑えて、面白かった。
 特に同心の章衛門役の水野淳之さんと共蔵役の桜木ユウさんの掛け合いの場面において、共蔵役の桜木ユウさんの顔が長いことをいじったり、同じく共蔵役の3枚目な顔の桜木ユウさんが決めた決め顔が2期目のトランプ政権と不和になったと取りざたされているイーロン·マスクに少し似ていることや、今はトランプとイーロン·マスクの関係ぶっちゃけどうなのといったかなり突っ込んだいじりもしていて、大いに笑えた。
 九次役の昇希さんは見た目はイケメンとは程遠いどころか、どちらかというとブサメンだったが、鬼アザミ一味のきゅう(感じが出てこないので、すみませんがひらがなで書かせてもらいます)次郎を崖付近で追い詰める場面での、本格的な殺陣や手に汗握る感じの切迫感を醸し出していて、さらにキレがあって動きが素早い感じといい、見た感じより、実際にかなり俊敏な感じも見て取れて、人はやはり見た目によらないものだと見直した。
 激しく素早い動きや、役人的な目的の為なら手段を選ばない怜悧で横柄、慇懃な態度な感じに演じられていて、今まで九次を演じられていてきた役者の中でも多少の妥協さえしない感じ、優しさや隙がない感じが、九次の性格や行動とフィットした感じになっていて、印象に残った。

 禿のお琴役のあいねさんは、今年の11月で17で、今はまだ16歳と実際の少女が演じられていていたということで、今までこの役を演じてきた人たちの中で、かなりリアリティを感じさせる自然で初々しく、素直で純真な感じで演じられていて、良い意味で、演技されているというより、自然体な感じに心動かされた。
 
 尼さんの念念役の種村昌子さんは、良い意味で普通に真面目で融通が効かなくて、どこか浮世離れしていて、どこか達観して、落ち着き払ったお坊さんな感じが自然と醸し出されていて、僧服も含めて、似合っていて、役と完全にフィットしていた。
 どこかとぼけた感じで、弟子の珍念役の谷口敏也さんの繰り広げるアドリブや小ネタにも、時々戸惑いながらもちゃんと即応して返していて、凄いと思った。
 ただし、珍念を演じる谷口敏也さんに拮抗できたかというと、どこか谷口さんの存在感があり過ぎたのもあるとは思うが、念念を演じる種村さんが存在感が薄く見えた。
 谷口敏也さんは、珍念だけでなく、磯七、亡八も演じているが、磯七の際はコミカルで優しい感じ、亡八の際は遊女を折檻したり、殴る蹴ると容赦がなく、少しも共感が得られないクズ男として演じていたりと、演じる役によって器用に表情や言動、行動、声の大きさや雰囲気を変えていて、役者でここまでしっかりと細かい部分に至るまで演じ分けることができる役者がいるものなのかと感心してしまった。

カモメに飛ぶことを教えた猫

カモメに飛ぶことを教えた猫

劇団四季

自由劇場(東京都)

2025/07/26 (土) ~ 2025/08/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/08/14 (木) 13:30

価格6,000円

115分。休憩15分を含む。

WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-

WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-

TBS/読売新聞社/TBSラジオ

よみうり大手町ホール(東京都)

2025/08/05 (火) ~ 2025/08/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チョコレートケーキの商業演劇登場である。副題に「アメリカと日本の架け橋桂子・ハーン」とあるから、主宰のマスメディアらしい終戦・実録ものの夏興行である。チョコレートケーキの作・演出が大劇場興行でどう戦うかも見どころである。
題材はチョコッレートケーキでは手慣れた戦時国境ものである。既にこの劇団は初期に「その頬熱二焼かれ」という原爆被爆少女たちの米国での整形を扱った再演を重ねた注目作作品がある。大手町の読売新聞のホールでの公演は、いつもの下北沢の百人規模の作品とは違って当然である。もともとはTBSの実録番組だが、今回は国際協調・和解に絞っていて、話は学校公演にありがちのウンザリするお説教に終わりがちだが、さすが、チョコレートケーキ、その中で人間和解への道を見せようと大健闘である。内容は「次世代に届けたい、戦争を乗り越えた真実の姿」という1行の表向きのキャプションを出ることはないが、そのなかで、まず、いいところ。
こういう話では、責めても意味のない敵役が出てくるものだが、そういう安い敵役が1幕はじめに出る主人公の同僚兵士以外、出てこない。それなのに、類型的でない戦後の空気を今の時代に通じるように作っている。ことに主人公の擁護派の父母の置き方が、この時代にも確かにいた戦中良識派の実感をきちんと表現していて上手い。テレビの朝ドラになりかねないところを救っている。アメリカの地方の差別は、行ってみれば呆れるほどのものだが、そこは普遍化しにくいので、苦労している。ここは少しわかりにくいが、そこはやむを得ない。現実は姉妹都市などになってみても解決しない、問題の核心である。
ということで、大衆劇という条件はあるにせよ大劇場、ノーセット階段風裸舞台で場内泣かせる技はたいしたものである。(終戦直後に見せられたアメリカ映画の味がする。観客が安心して泣ける)。
 チョコレートらしからぬと感じたのは。第1幕(75分)はいいとしても(それでも5分は長い)。後半の90分は長過ぎる。2幕後半は落とし所を探っているようでもあり、話が行きつ戻りつしている。枠の現代記者たちはもう少し使い方があった(現代の視点)のではないだろうかと思う。ここは、商業演劇なのだから、そういうのは諦めて菊田一夫ばりに直球泣かせで行ったほうが良かったかとも思う。そこで照れても仕方がない。俳優、好演。ほぼ満席。

七つ数えて

七つ数えて

AOI Pro.

新宿シアタートップス(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

10年とちょっと先の歌舞伎町が舞台。現状より悪化した状態は、妙にリアルに感じます。あまり救いはないのですね。いろいろ考えさせられます。

32軍壕へ メンソーレ

32軍壕へ メンソーレ

沖縄俳優部

劇場MOMO(東京都)

2025/08/06 (水) ~ 2025/08/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても重い、沖縄の悲惨な歴史を、沖縄への愛を感じる、ユーモアを交えた見事な演出で、心に染み入りました。

寺山修司生誕90年記念認定事業「盲人書簡◉上海篇」

寺山修司生誕90年記念認定事業「盲人書簡◉上海篇」

PSYCHOSIS

ザムザ阿佐谷(東京都)

2025/07/24 (木) ~ 2025/07/30 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/07/28 (月) 14:00

寺山修司による江戸川乱歩「少年探偵団」の二次創作を軸とした奇妙なキャラ大行進な幻想譚。半世紀も前のクラシカルな作品をイマの演出でという温故知新的コンセプトは庵野秀明・樋口真嗣による一連の「シン・○○」に通じ「シン・アングラ」なのではあるまいか?(真顔)
で、改装前の Gallery LE DECO 4階を想起させるイントレの装置や、開演前の観客誘導などこの会場を知り尽くした使い方は特筆もの。
なお、天井桟敷による初演(1973年)は暗闇の中で演者が渡したマッチを観客が擦って観る演出だったそうだが、かつてサブテレニアンで観たアムリタ「死に至る眼、光る(2015年)」の「観客がペンライトで照らす」演出は本作を知ってのことだったのか?という疑問を抱いた。
あと、別役実「マッチ売りの少女(1966年)」との関係とか。

発表せよ!大本営!

発表せよ!大本営!

アガリスクエンターテイメント

シアターサンモール(東京都)

2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「大本営発表」の粉飾の始まりはどのようなものであったのか。戦果と発表内容は史実に基づき、そのギャップが生まれた過程をagarisk流に推理(?)したコメディである。快調なテンポでいつものドタバタが疾走して行く。

この芝居にはちょい役というものがない。いつものメンバーとゲストたち、誰もが精一杯自己主張をしている。カーテンコールで並んだ顔を見るとき全員の演技が目に浮かぶ。創る人も演じる人も本当にうまいものだと感心する。

ところで甘味処のエピソードは私の頭の中ではどうにも納まり具合が悪い。単なる刺身のツマなのかそれとも深い意味があるのか悩み中だ。

今回の劇場はいつもより大き目で集客に苦労している。まだまだ空席があるので皆さんどうぞとのこと。

帰還の虹

帰還の虹

タカハ劇団

座・高円寺1(東京都)

2025/08/07 (木) ~ 2025/08/13 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

以前一度だけ観たタカハ劇団はやはり「戦争」に関わる題材を扱ったタイムリープ物であったが、リアルに難あり(タイムリープそれ自体よりも人間関係や行動の動機等に)。ストレスな観劇であったが、本作では人物の口から自然に出てくる台詞によりリアルが積み上がっていた。
舞台は都心から離れた田畑の広がる郊外に移り住んだ画家・藤澤の家屋。正に戦時中の「当局」を意識する画家たちの姿や、夫を召集された女とその弟ら地元の者たちを通して、時局の肌感覚にある程度迫れており、物語世界に入りドラマを堪能する事ができた。主役の藤澤はフランス帰りの著名画家で戦争画の製作に勤しみ、妻キヨ子のヒスにも悩まされている。藤田嗣治がモデルに違いないが、二人の画家仲間、その一人が連れて来る見込みのある弟子(乞われて書生として住まわせる事になる)、時折アトリエを訪れる軍人により、架空の物語が進行、兵役を逃れている高等遊民の階層特有の空気感がある一方、地元の女性が女中に雇われ(夫は出征中)、その弟も力仕事で出入りし庶民の空気も行き交っている。途中若者同士(女中の弟と書生)の会話がまるで現代日本の都会の一角で(否舞台の上で)聴けそうな会話で、笑わせ所を作っていたが、この部分はじっと過ぎ去るのを耐えた。
幾つかの軸がある。戦争協力をしてでも画家は絵を描くべきと主張する藤澤と、それに耐えられず離脱していく画家内山(吉田亮)、むしろ軍人に取り入るのに汲々とする画家熊本(津村知与支)、その狭間でもう一人の主人公である書生貞本(田中亨)は揺らぐ。彼を揺るがすもう一人が藤澤の妻キヨ子であるが、彼女は「自分だけを書いていたパリ時代の彼」を最も彼らしい姿とし、戦争画を憎んでいる。もう一つは弟孝則に赤紙が来た事で爆発する女中ちづの訴え・・彼は一度出征して手を負傷して銃の引き金も引けない。貴方がたは偉い方たちと懇意にされているのでしょう、そうやって兵役を逃れて自適に暮らしているのに、自分らは暮らしもままならず、召集も二度かけられる。どうか行かないで済むように頼んで下さい。ダメなら貴方が息子の代わりに徴兵されて下さい・・!
そして劇の山場を作る軸・・終盤になるにつれ藤澤が不審な挙動を示し、いつも出掛けてばかりいるが、何度かアトリエを訪れたあの軍人とつるんでいるらしいとの噂。彼が作製中の大判のキャンバスは開幕以来、ずっと布が掛けられたままアトリエの隅に置かれているが、ある夜藤澤は書生の貞本にこれを見せる。それは件の軍人がかつて味わった屈辱的で凄惨な敗北に終ったノモンハン事件で観た光景であり、藤澤は秘密裏にこれを描いていた。すなわち「本当の戦争とは何か・・」のテーマ。公式の歴史から排除されたその事実を刻み、残したい願望をその軍人は抑えられないと語る。これは画家が持つ「絵を描く」本質的な欲求に通じてもいる。
このことは現実には、真実を伏せ美談で釣って若者を戦場に駆り出している構図に連結するが、その罪深さについて語るのは軍人ではなく、「赤」との接触をしていた画家・内山。彼は憲兵からの暴行で腫れあがった顔で、熊本に連れられてアトリエへ逃れて来るが、程なく例の軍人が現われ、逃亡は不可能である事、仲間が全て検挙された事でお前を拷問にかける必要が無くなった事が告げられる。教え子(書生の貞本)に最後の言葉を掛けると、彼は炭鉱へと連れ去られる。
終章、赤紙が届いたことを知らせる母から手紙を書生は受け取り、最後の時を与えられる。ようやく彼は(物資不足で絵具がなく暫く描かなかった)油絵を、僅かに残されたその時に描こうとする。師匠藤澤が依頼され描いていた地獄絵図の大キャンバス(舞台上では額縁のみ。中は繰りぬかれている)に、絵ごてを当て、暗転となる。
ストーリー上回収され切れてないものは幾つかあるが、胸に迫る幾つかのシーンの欠片が残る。

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