公演情報
明治大学シェイクスピアプロジェクト「冬物語」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
いつも乍ら学生演劇とは思えないレベルの高さ、大学がバックアップしていることもあり、舞台美術の壮麗、衣装の豪華なことは特筆に値する。無論、肝心要の脚本も翻訳を学生が担っているが、翻訳の難しさは単に訳される言語だけではなく、訳された言語(シェイクスピア作品の英語から、相応しい日本語へ)双方への深い知識と素養・理解が必要な点である。これは重要なことだ。どちらか一方が欠ければ決して満足な翻訳にはならないからだ。まして戯曲の翻訳となれば言葉のリズムにも留意せねばならぬ。いくら役者陣が活舌を鍛えていても台詞のリズムが悪ければ覚えにくいし、観客にとっても不快になる。殊更、革新的な効果を狙うのでない限り、リズムを大切にすべきは常道であろう。この点に於いても翻訳がこなれていることは見事である。演者達の役作り、発声、挙措も手際の良い演出の効果もあり見事な出来、無論、歳老いた役柄を演ずるに当たっては、よる年波に相応しい姿・身体能力の衰えと経験に裏打ちされた表情を自然に表現するのは極めて難しいが。通常の学生演劇を凌駕する豪華絢爛とスタンダードな創りは、矢張り特筆すべきであろう。スタッフの対応も合理的で而も親切、感謝する。