最新の観てきた!クチコミ一覧

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憑神

憑神

松竹

新橋演舞場(東京都)

2007/09/04 (火) ~ 2007/09/26 (水)公演終了

満足度★★★

趣向をこらした演出
趣向をこらした演出。海軍船の緻密な模型にマメ知識、波の形状を模した造型セット、楽しいパーカッションパフォーマンスなどなど。
この原作本は読んでいないのだが、読んだことのある浅田作品にみられた重めのしみじみ感や涙ぽろり感が、この作品(舞台だからか)では感じられなかったのだやや残念なところ。

地球儀のはしっこの街のナマエは

地球儀のはしっこの街のナマエは

ノアノオモチャバコ

サンモールスタジオ(東京都)

2007/10/04 (木) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度

時間が長く感じた
沈没船はどっちの所有物か?・・で1時間以上もやり合っていました。ことの展開がどうどうめぐりで、構成につかみ所が無い。時間が長く感じて観ていて疲れましたね。以前観劇した「笑劇ヤマト魂」の渡辺望が客演するので、興味はありましたが、時間を無駄に使ってしまいました。

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

東京デスロック

リトルモア地下(東京都)

2007/09/30 (日) ~ 2007/10/09 (火)公演終了

満足度★★★★

劇構造の新発明
「3人いる!」は凄い。演劇の構造を「解体」したから凄いのではなく、『n人n役(n≠1)』という演劇の新たな構造体を発明したから偉いのだ。(更に、これは「n人m役(n≠m、n≧1、m≧1)」という構造の成立を予想するものでもあった。)で、この技術的に完成困難な芝居を演じきった役者も偉い。さらに、この構造を違和感なく観客に伝える演出も偉く、その演出に応えた役者も偉い。この見応えこそが、現代演劇の楽しみ。

演じる女たち<3部作> -ギリシャ悲劇からの断章-

演じる女たち<3部作> -ギリシャ悲劇からの断章-

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

シアターコクーンは素晴らしい
開館当初、中島みゆきが宣伝部長よろしく「何でも出来る可能性を
秘めたホール」と触れ込んでいたシアターコクーン。
久しぶりに、このホールの素晴らしさ、このホールの懐の広さを、
堪能出来た作品です。
詳細はネタバレに書くとして、とにかく世界最高水準のホールと、
言えましょう。
どんな素晴らしい料理も、それを提供する店の雰囲気やサービスに
満足できなければ印象が変わるもの、皿や食器などのハードもしかり。
このホールで提供されていると、格調が高く見えるし、
実際満足度も高いんだなぁと感じました。
最近は蜷川作品や商業演劇に近い御馴染みの俳優さんを
集めただけの作品が多く、食傷気味になって、足も遠のいていましたが、
こういう情報量の少ない作品を上演した時こそ、
その素晴らしさを再確認できるというものでしょう。

作品としては、いわゆる前衛劇なので、非常に難解な作品。
上品な方、知的な方、またそれっぽく見られた方は
「すばらしいわねぇ」と述べられるでしょう。
劇評なら、「五感に訴えかける」「作家性が強く反映されている」と、
きっと書かれるのでしょうが、正直僕には????
玄人好みする作品って言われるのかもしれませんね。
絶賛した「へそのはなし」とは真逆に位置するような作品。
ギリシャ悲劇がベースになっているようですが、
抽象的な表現が多く、全く訳わかりません。
シアターXが専売特許で上演するような作品を、
なんで、コクーンで???って感じではあります。
客席も閑古鳥。シアターXなら程よく埋まる客数。
日本語で上演されても訳わからない内容なのに、
ウズベキスタン語とかイラン語とかインド語とか、
馴染みのない語感と宗教観が入り、僕には忍耐が必要な3時間弱。
敷居が高い作品というか、娯楽性を排除した真面目な作品というか、
芸術性に富んだ作品なんでしょう。
僕の守備範囲からは外れていました。

劇場の評価にも繋がりますが、美術、照明は素晴らしいです。
非常に美しい幾何学的な舞台装置は、表彰物と思います。
「芸術の秋」を堪能するには、ふさわしい作品と思います。
僕は年中堪能しているので、今回はご遠慮申し上げます。

※一旦、評価しましたが守備範囲外な作品なので、
 評価をする立場ではございませんでした。
 評価を取り消します、失礼しました。


ネタバレBOX

1階客席の半分まで、せり出した円形舞台が、
計算されたように組まれた細工した木片で囲まれて、
一種の宗教観、宇宙を感じるようなセットは見事。
コクーンの舞台の天井の高さ、舞台の奥行き、幅、を計算つくして
客席と一体になるように作られ、
まるで専用劇場かと、思わせる程の出来栄え、素晴らしい。
豪華なケレンミ溢れる仕掛けは勿論ないけど
たったの4回公演の為に贅沢な空間を創造しているなぁと、
歓心しました。
でも、客は半分も入ってないし、真っ赤っ赤だろうな。
誰がこれを補填というか招聘したんだろう???

3つの国の作品を上演しているんですが
どれも国の区別は僕には付きませんでした。
西洋人から見ると、日本人が中国人や朝鮮人と同じに見えるのと
同じなんだろう。
FLOWERS

FLOWERS

経済とH

青山円形劇場(東京都)

2007/10/05 (金) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

目に見えない冒険
20人を超える膨大な登場人物を混乱させずにきっちりと描き分け、1時間半をダレずに纏めた脚本&演出に感歎の声を上げる。密かにだけど。凄いとは感じさせないところがスゴイのだ。多分だけど。
それを成立させるための脚本上の冒険も随所に見られ、それが悉く首尾よくいっている。
「表現として出させない」という冒険も、演劇の場合はあるのだ。

ネタバレBOX

僕らが何度となく映画やらドラマやらで繰り返し何百回と見てきたような、よくある人間模様の継ぎ接ぎ直し、かもしれない。しかしそれをより直接的にデジャヴのように感じさせてしまうシーンは巧妙に排除されていて、それをやはり物足りなく思ってしまう人もたぶんいるだろう。
獅子吼 ~シンハ・ナーダ~

獅子吼 ~シンハ・ナーダ~

innocentsphere

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2007/10/04 (木) ~ 2007/10/07 (日)公演終了

満足度★★★

物足りなかった
舞台が広すぎるわけでもなし、時間が長かったわけでもなし。だけど、なんだか内容が物足りない。
ところどころ見ごたえはあるものの、自分たちがどうやって死んでしまったかを追求する物語に単純に惹かれなかった。

はじめの役者をプロジェクターで紹介するシーンは鳥肌がたつくらいかっこよかった。

メトロポリスプロジェクト Vol.24 「やりたいよ、東京ドームで結婚式」「・・・不可能ではない」

メトロポリスプロジェクト Vol.24 「やりたいよ、東京ドームで結婚式」「・・・不可能ではない」

10x50KINGDOM

【閉館】江古田ストアハウス(東京都)

2007/10/04 (木) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★

ちと寂しい・・・
新作1本、再演4本の公演。

この世界の中心的なお二人が、まったく登場しないのは、ちと寂しかったな・・・

再演が多かったため、時にそう感じてしまったかも・・・

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

東京デスロック

リトルモア地下(東京都)

2007/09/30 (日) ~ 2007/10/09 (火)公演終了

満足度★★★★

『LOVE』
2本目の観劇が『LOVE』。
芝居ではない(と思う)。"演劇"というよりは"表現空間"。
作者は、今までの現代口語演劇とさほど変わるところはない、とは話でいたけれど。
これこそ、百人百様の想いを持ち受け取る作品だろう。

私に至っては、「人生」、さらには、「自然界の摂理」まで体言しているように感じた。

ただ、メインテーマである 「LOVE」 をしみじみと感じたかというと、No かな。

青年団の役者さんやキラリ関係の方も来ていた。

ネタバレBOX

YMOの曲がお気に入り。

作者の、踊ることは楽しいことで、人生と同じところがある、という話に同感。

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

東京デスロック

リトルモア地下(東京都)

2007/09/30 (日) ~ 2007/10/09 (火)公演終了

満足度★★★★

「LOVE」鑑賞
最新作のLOVEを鑑賞。エチュードでやるようなことを舞台にのっけてしまうという、なんとも大胆・面白い作品だった。(演出家の多田さんはこういうことをワークショップなどでやるということは知らなかったらしいのですが)

始め無声エチュードがしばらく続き、女性の役者ばかりが一人、また一人と増えていくのですが、はじめは場面が動かず10分ほどしたところでこれが60分続くのかなと思うと少し暗い気持ちになりました。
けれど15分から20分したところでだんだん空気が動き始め、観客も引き込まれていったのではないかと思います。
すれちがいや同調から完全なる一体となり、また離れては同調しだす。
たったそれだけのことなのになぜこんなにも観客は引きこまれ、笑い声を出すのか、不思議な気持ちで見ていました。
(実際私も声を出して笑っていました

気になったのは役者さんの衣装が完全に私服だったのかな、ということです。(紺、黒、ベージュ系の色が多かった)
個性や自己主張は意識して作っていないのだと思いますが、どうしても着ている服の影響もあって、個人それぞれの無声会話+リアルというより、役者・人間全体をひとくくりとして同じ記号同士のコミュニケーションのように扱っているよう感じられました。(それでよかったのかな?)
個人的には、もう少し普段着にしても多少、色だけでもの工夫があってもよかったんじゃ、なんて思ってしまいました。

こんなこと書いてるけど、面白かったです。

ネタバレBOX

はじめに無声エチュードで相手を受けるところからはじまり、次第に笑い声や呼吸が次第に出てくる。踊り狂う。つかれる。また踊り狂う。最後は一つの異質なもの(男性)が入ってきて、それをとり込んで社会に出ていく。
無伴奏

無伴奏

劇団東京イボンヌ

萬劇場(東京都)

2007/10/04 (木) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★

都合とつけて観に行って本当に良かった・・・
作品スタイルとしては、かなり古くさい演出だったけど、それが良い効果をかもし出していましたね。

特にクラッシク音楽を使ったコトにより、演出の幅が出ていたし、セリフも必要最低限で抑えていたから、雰囲気をぶち壊すコトも無かったし・・・

物足りなさを感じる人もいるかと思うけど、魅了する世界観を確立していた作品だと思う。

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

演劇LOVE 〜愛の三本立て〜

東京デスロック

リトルモア地下(東京都)

2007/09/30 (日) ~ 2007/10/09 (火)公演終了

満足度★★★★

『社会』
まず『社会』を観劇。ある会社のお昼休み、休憩室の1時間を切り取り描いた作品。思い違いが重なってつむぎ出される会話やシチュエーションが面白い。ちょうど1時間と上演時間は短いが見応えはある。

犯さん哉

犯さん哉

キューブ

PARCO劇場(東京都)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

やたらめったら可笑しい
ひーはー とも 三谷幸喜 とも 新感線のおポンチモノとも違う可笑しさ。
(ある種同じ面もあるのだけど)
休憩なしの2時間15分程度だが、ずるずるだらだら感はあまりなく、ネタや勘違いの引っ張り過ぎもない。ツボにあたりまくりでとにもかくにも可笑しい。
私は笑いモノは大抵一度観ればそれでいいのだけど、これはもう一度観てもいいかもと思わせる。

PIAF ピアフ

PIAF ピアフ

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2007/09/24 (月) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

さすが安奈淳!
25年ぶり位に安奈淳の舞台を見た。
ベルばらのオスカル以来、安奈さんのファンになり、退団後も数年は舞台を見ていたけど、就職、結婚、出産、育児と色々あったので観劇とはご無沙汰していた。でも子供も大きくなったので、今年から観劇熱が復活。

東京宝塚劇場でチラシを手にして、安奈さんとPIAFに魅かれて、四半世紀ぶりに安奈さんの舞台を観に行く気になった。
1週間前だったけど、チケットも取れたので。

そして今日、四半世紀ぶりに安奈さんの舞台を目の前で見ることができた。
大変な病気を乗り越えて、60歳という年齢での出ずっぱりの舞台。
セリフを喋り続け、その合間には、熱唱に次ぐ熱唱。
歌声は若い時と全然変わらなかった。ほんと、やっぱり歌唱力がすごい。
演技も上手。もと男役だし、セリフも決まっている。
今のへっぽこ宝塚生徒に見習ってほしい。
やっぱり私が昔惚れ込んだだけのことはある素晴らしい舞台人。安奈淳。

舞台はものすごくテンポがよく、飽きさせない。話に引き込まれていく。
今日の舞台、みんな素晴らしかったけど、やはり私は安奈さんの、熱演に感動した。身体大丈夫かなと心配してしまう。
お芝居の内容もほんとよかった。こんな素晴らしい舞台を小劇場で間近に見ることができ、感激の一日でした。
もう明日で終わりだけど、また再演してほしい。

有栖川有栖シリーズ「スイス時計の謎」

有栖川有栖シリーズ「スイス時計の謎」

劇団P・T企画

大阪商工会議所(大阪府)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白かった~
推理に支障がない程度に原作を大胆にカット。みごとコンパクトにまとめてあります。
ミステリを(文字で読むのではなく)耳で聞いて理解できるのかな?という不安がありましたが、やはりそこは意識してか、全員が台詞をしっかりと明確に発音してくれたので無問題。
人気キャラクター、アリス&火村も原作のイメージ通りで。すぐ目の前で繰り広げられるドラマにドキワクでした♪

ネタバレBOX

「偽美少女」の件の原作解釈がおかしい?と思ったのと、時間の都合上しかたないけど、アリスの恋のエピソードがカットされていたのは、賛否両論かも。
【怪】〜北斎夢幻・外伝〜

【怪】〜北斎夢幻・外伝〜

劇団吉祥じゅん&ワルキューレ

ぽんプラザホール(福岡県)

2007/10/06 (土) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★★

第三話の演出は、見ごたえあり
第三話の演出は、見ごたえありかと。
ストレートプレイというより、ショー・アトラクションの要素が強いですね。

ネタバレBOX

一本一本のストーリーがシンプルすぎて、役者の熱演が効果的にまわってなかった感は否めません。おばあさんが寓話を聞かせる。という構成(その裏がありますが)なので、一般の寓話のようにストーリー性に無理があってもいいのかもしれませんが。

第三話クラスの演出が一話二話でもみられれば、チケット代は妥当かと。
もうちょっと大きい劇場の方があっているかも。西鉄ホールとか。
SWEET REVENGE and around the world

SWEET REVENGE and around the world

劇団ひろぽん

早稲田大学学生会館(東京都)

2007/08/31 (金) ~ 2007/09/01 (土)公演終了

満足度★★★

キカクコウエン
よかった。素直に見れる内容で演者さんの演技もよかった。
ただ脚本は教科書通りより、多少荒くてもなにか光るものがあった方が
最終的に生き残る気がする。
その点はいつものヒロポンの本公演と違ったと思う。

もう一度スプーンを曲げよ。

もう一度スプーンを曲げよ。

タカハ劇団

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2007/10/05 (金) ~ 2007/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★

見せない強み
その場の外の「物語」を観客の想像力に委ねまくって描ききってしまう作劇の技量は極めて高い。大衆から仲間・家族というミニマムな社会まで、その関係性を冷徹に見抜く、物語の視点も頑強。ただし、従来の演技・演出技法を無反省に取り入たことが、物語世界のある種のリアリティを失う結果となり、ものすごく惜しい。切り取られた物語世界は精緻にして堅牢であるのだから、クセになっている演劇技巧を一旦捨てる度胸が欲しい。

ウェストサイド物語

ウェストサイド物語

劇団四季

四季劇場 [秋](東京都)

2007/09/08 (土) ~ 2008/01/20 (日)公演終了

満足度★★★

古い・・・あまりにも古過ぎる・・・
「世界で唯一、初演版を上演している」
「ミュージカルの王様である初演版を尊重して一切手を加えない」
四季は、誇らしげに語っているけども
すでに50年程度昔に上演された作品が、その当時のまま
上演されれば、時代錯誤を感じられずには、いられない。
とにかく、古い・・・あまりにも古過ぎる演出で、
こんなに素晴らしい作品を、安っぽい、陳腐な作品に
してしまっていた。

これが時代劇であるならば、「伝統」というスタイルで
上演をし続ける価値があるだろう。
また小さな劇場で限られた来場者に向けて
公演をされる分には、何も不満を持つまい。
勿論ファミリーミュージカルや、ディズニーなどの
ファンタジーの作品なら問題ない。
でも、この作品は等身大の人間を描き作家の思想が
含まれた作品。そのメッセージを伝える手段は
定期的な見直しをしなければならないと思う。
昭和30年代の「君の名は」が国民的大ヒット作品がありました。
これを今、作品として出しても懐かしさで楽しむ人はいても、
21世紀を生きている人は、面白いと感じるだろうか。

楽曲は色あせることなく素晴らしい、ダンスの振り付けも素晴らしい。
メインの役者も合格点。
トニーを演じる阿久津陽一郎は四季なんて閉鎖的な
世界にいるのが残酷に感じすぎるほど
大きなオーラを醸し出し、非常に安定感のある芝居を見せる。
見ごたえのある芝居を見せてくれ、チケット代の価値のある
存在感を見せてくれた。
きっと日本の若手ミュージカル役者の中では
トップクラスだろう。
マリアの木村花代は、芝居も歌もダメだけど、清楚なイメージがあり、
マリアのイメージにあう。
イメージが合えば、少々演技が下手でも気にならない。
リフの松島勇気、バレーダンサーで、四季と2足のわらじを履いている
人のようだけど、見ごたえのあるダンスを見せてくれた。
加藤敬二と樋口麻美のコンビは
クレイジーフォーユーと全く同じコンビネーションで
新鮮味がないけど、安定した芝居は見れる。
四季作品だから、御馴染みの顔が出るのは仕方ないでしょう。

・・・・と、素材はいづれも悪くないのに
ものすごく、埃っぽいというかカビくさい匂いが立ち込める
作品になってしまっているのは原因が2つ。
契約とか版権とか諸事情があるにしても、演出の古さと、
役者の平均年齢の高さゆえでしょう。
これは若さゆえの暴走、疾走の話のはずなのに
なんだか加齢臭漂うオッサン達がイガミあっている姿を見ていると
民族問題とか宗教問題といったテロのような話に
感じられてしまう。

舞台って、芸能って夢を売る仕事だと思います。
そして現代を映す仕事であり、誰かの人生に影響を与える仕事と、
思います。
何十年も前の作品を、ただ押し入れの奥から
引っ張り出してくるんじゃなくって、
アンテナを張った演出家が洗いなおした作品であり
思い入れを込めた作品を出して欲しいと思う。

あ~、非常に残念。
これ同じ素材を、日生か青山で東宝の制作で上演したら
(演出は亜門でも山田でもいいけど)
きっと、ここまでの不満はない思うなぁ。
期待が大きい分、失望も大きく・・・。

ネタバレBOX

この作品、Wキャストで鈴木涼太と笠松はるがキャスティングされて
いて、結構出ているんだよね。
これがねぇ、個人的な主観だけど、全く華のない平々凡々な
タイプなんだよね、笠松なんて、すごく田舎臭い顔立ちをしていて
人前にでるようなお顔立ちでは、決してない。
宝塚も入団試験の条件で「容姿端麗」って項目があるように
ちゃんとあるように(そうじゃない人も結構いるけど)、
この作品も含めて、世界最高水準の作品を上演しているのだから
それに見合う人を、しっかりと配役して欲しい。
劇団のオリジナル作品はともかくとして、
世界の財産のような作品を上演する際には
そして作り手の自己満足ではなく、
観客の視点、満足を加味して作品の構築を考えて欲しいと
強く思った。

越前ファンタジア

越前ファンタジア

OSK日本歌劇団

越前市文化センター(福井県)

2007/10/03 (水) ~ 2007/11/04 (日)公演終了

満足度★★★★

よしっ!
初日は転換が遅かったとか音響が悪かったとか聞いて心配していたのですが、もうほとんど改善されていました。
麻央様が美しい!こころちゃんが超キュート!
もう少しテンポアップしたほうがいいと思いますし、そうなると思いますが、バラエティに富んで、様々な出演者の魅力が満載で、これから1ヶ月が楽しみです。

ネタバレBOX

オープニングのハチマキ+ハッピのエネルギッシュなダンス、洋舞の女役のセクシーダンス(ある意味近鉄時代からの定番ですが、それだけに手堅い)、こころちゃんが輝きまくっているラインダンス、フィナーレの黒燕尾+ピンクドレスのボレロ(選曲がいい!)が特に好きかな。
傭兵の高世さんは骨太な感じでかっこいいし、貴城さんと水無月さんの掛け合いの歌(+桂稀さんと真麻さんのダンス)もかっこいいし、見どころ満載ですね。
ミザリー

ミザリー

コマ・プロダクション

シアターアプル(東京都)

2007/09/29 (土) ~ 2007/10/10 (水)公演終了

満足度★★★

あまりにも平凡、あまりにも普通
浅利慶太は、「作品の中でキャスティングの重要性は60%」と、
語っていますが、この作品に関しては、100%。
スティーブン・キングの持つ原作の雰囲気にしても、
キャシーベイツ主演の映画にしても、
いづれも同じ、劇画チックというかベタベタなタッチで
展開する、いわばキャストの個性があれば
セットも照明も音楽も、何もいらない作品。

娯楽の殿堂、庶民の味方、コマスタジアム制作の作品なので、
どこにもヒネりもなければ、思想やテーマといった
小難しいことは、一切ありません。
作家や演出家の想いの欠片もありません。
そう、観客に考えさせてはいけないのがコマ流。
観客がポスターやチラシから想像出来る範囲の事を、
シンプルに、そつなく展開すのが流儀。
その点では、どこにも間違いがなく、どこにも抜けはありません。
でもねぇ、これは自分自身の問題なんだけど、
少しくらい新鮮味というか「あ、こんな見せ方もあるんだ」と
感じる部分は欲しいんだよね。作品の個性というかねぇ。
あまりにも平凡、あまりにも普通、どこにも冒険心がなくって
微妙なイライラ感が出てきたりして。
地方公演も多いし、これが正当法、間違いがないのは
わかっているんだけど、なんだろう、この後味の悪さ。

もう一つ。
これも個人的な意見だけど、
渡辺えり子改め渡辺えり、とか、竹中直人とか室井滋とか白石加代子とか、
いわゆるキワモノ役者を中心に据えた作品って、
なんだか品がなく見えるんだよね。
いわゆる個性派俳優の方は、あくまでも脇役で、作品にスパイスを
与えてもらうのが筋道かと。

これを、あっと驚くようなキャストで見せてみらえれば、
楽しいだろう、と思います。
心の移り変わりとか微妙な表情なんか必要なく
思いっきり大げさなギョウギョウしい芝居をしていれば
いいだけの作品なんだから。

ネタバレBOX

頂戴したパンフレットを見たら、
渡辺えりには中村勘三郎が、小日向には三谷幸喜が
メッセージを寄せていました。
この組み合わせで、芝居を作ればいいのに。

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