最新の観てきた!クチコミ一覧

18201-18220件 / 191876件中
The Reed

The Reed

犬猫会

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

生まれる前の世界という観点は面白い。
神話を思わせる不思議な舞台でした。
大道具、小道具さらに客席まで使った演出は効果を引き出しよかったです。
ただ、現世に送り出さない方が良いということに繋がるようなものが感じられなかったのは残念。

普遍的な理想

普遍的な理想

劇団 狼煙組

アルネ543(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2023/03/05 (日) 17:30

価格3,500円

等身大の芝居ということで、その通りなのかなと思う。感情を揺さぶるというタイプの芝居ではないが、それが狙いなのであろう

ネタバレBOX

主人公はリア充度高めで、感情移入はしにくい
デラシネ

デラシネ

鵺的(ぬえてき)

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/06 (月) 19:00

ダークな作風で知られる本ユニットだが、本作は「やられた」感がいっぱいだった。観るべし!!!(3分押し)110分。
 ドラマ作家・飛鳥井(佐瀬弘幸)の家に新たな弟子の美琴(木下愛華)がやってきて、ベテラン弟子の酒匂(よみやまあゆみ)や田邉(高橋恭子)へのパワハラ,セクハラに驚くものの、指示に従って働くようになる。マネージャーの前田(田中千佳子),TV局の野田(川田希)や若手の弟子の市原(小崎愛美理)へも高圧的に対する飛鳥井だが、女優の三津田(堤千穂)や妻(米内山陽子),娘(未浜杏梨)には甘い。ハラスメントは、酒匂の独立を巡って新たな局面を迎えるが…、というような物語。自身もTVアニメの脚本家である高木が、部分的にはリアルな物語かも、と思わせる展開を書くが、さすがにこれほどのハラスメントは今の時代にはないだろう、…、と思わせておいて、ある意味で落ち着いた終局に向かう。10人の女性のキャラクターを描き分け、物語的にも興味深く、時折笑いも起きる舞台だが、とにかくハラスメント場面が強烈で、途中で帰った客がいたのも事実。それでもこういった時代にはこういった作品もありうる、という点で、ギリギリのエンターテインメントになっていたように思う。星10個くらい付けたい。
 個人的にはチタキヨの作・演出を担当する米内山の演技は初めて観て、やるもんだなぁ…、と思った。チタキヨの4人が揃ったところを久々に観たが、顔見知りの(ベテラン?)役者ばかりの中で、若手と言える未浜と木下の健闘は評価に値する。しかし男1人でハラスメントをし続ける佐瀬は、メンタルも心配になるくらいのレベルだった。

デラシネ

デラシネ

鵺的(ぬえてき)

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

段々面白くなっていきそうで、結局そのまま揚力が足らず失速してしまった。 
扱うモチーフも古すぎた感が否めない。

『ストレイシープ』

『ストレイシープ』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/02/24 (金) ~ 2023/02/28 (火)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2023/02/25 (土) 19:05

価格3,500円

ROPPONGI STRIP'S SPACEという会場は初めて行ったが、変わった造りをしている。
それに合わせるかのように物語も不思議な造りになっている。

ネタバレBOX

死んだ者たちの物語。劇団離風霊船の『赤い鳥逃げた…』を想起させる
カミサマの恋

カミサマの恋

ことのはbox

萬劇場(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前回観た記憶があまりなかったですが、方言に神様にすがりたい人々、身近に感じられる内容、楽しかったです!
あと、お弟子さんの過去が気になりました

点と線のオブリビオン

点と線のオブリビオン

9-States

駅前劇場(東京都)

2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

家族の形と姿、少しミステリアスな展開、面白かったです!
字幕の出るモニターが見えにくい席だったのが残念でした

生活と革命

生活と革命

マチルダアパルトマン

OFF・OFFシアター(東京都)

2023/02/08 (水) ~ 2023/02/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/02/10 (金)

面白かった。くすぐられっぱなし。
あるあるな、でも非日常のような。いや日常なのかも。
登場人物どのひとも憎めない。かといって同情は…。
劇団員だけだからこそできたことなのかも。

無償の愛

無償の愛

Orgel Theatre

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても魅力的なおふたりの二人芝居の会話劇。演じ分けも見事だったし、考えさせられることもあって、とても良い時間でした。
おすすめします。

15 Minutes Made in本多劇場

15 Minutes Made in本多劇場

Mrs.fictions

本多劇場(東京都)

2023/02/22 (水) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

生緒方恵美出てくるとは思わんくて、びっくりした。6つの団体で1番良かったのはロロ!ロロがずっとラブ。

6人の悩める観客

6人の悩める観客

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

壱劇屋の6人の悩める観客、手放しで面白いとは軽はずみに言えない。よく途中退席者出なかったな。あの身内ノリと暴力性がしんどかった。自分が通路側やったら出てたと思うし、そういった意味で自分はまだまだ"お行儀のいい"観客なんやと思う。

ネタバレBOX

その"お行儀のいい"観客と対極の存在のシェイクスピアが会場をめちゃくちゃにする様子、本当に怖かった。ジョーカーのパロディ(階段から降りる白塗りの暴力性)だと思うけど、最初は多かった笑い声が如実に減っていくのがわかって、これがエスカレートしていく狂気は他人のものとは思えなくて怖かった。
ハムレット

ハムレット

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

生と死を前面にテーマに据えて、それは今回、補筆された冒頭と幕切れの声にも表れている。「ハムレット」が生と死、特に死について思索をめぐらす芝居だと初めて感じた。To be or not to be の有名なセリフもそうだが、ハムレットの独白の多くは死について考え、墓場のシーンや、クローディアスの祈りに遭遇するシーンも生と死についてのものだ。

もう一つの、実は最大の特徴はジャパニーズ・ハムレットともいうべき斬新な演出にある。亡霊は能の仮面と歌舞伎の獅子の被り物に銀糸の和服。音楽は雅楽、尺八、三味線。ゴンザーゴ殺しの劇中劇は歌舞伎調で、一人二役の二人羽織。黒澤明の「蜘蛛巣城」(マクベス)「NINAGAWAマクベス」につづく、和風シェイクスピアとして、大変面白かった。

野村萬斎はさすがの貫禄である。クローディアスの祈りの場面の緩急自在は圧倒的。野村裕基のハムレットは少々きゃしゃで線が細い感じがしたが、劇が進むにつれ、大きく見えてきた。発生、セリフづかいが狂言仕込みなので、父・萬斎ににている。それが朗々としてよかった。藤間爽子のオフィーリヤは、発狂後がよかった。歌いながらの皮肉や甘えのセリフにピュアな存在を印象付けた。

台本も河合祥一郎の苦心の翻訳で、日本語のしゃれがたっぷりちりばめられていて新鮮。「神殿で死んでんのか」とか。原文はどうなっているのだろうかと思いながら、面白かった。

最後に、デンマーク王国の宮廷での悲劇の裏で、フォーティンブラスの進軍の話を忠実にとりいれていた。カットする演出が多い部分。フォーティンブラスの雄姿を遠望しながら、ハムレットが何のための戦争かと聞く場面。ポーランドの何の意味もない土地の取り合いですと。ハムレットの国での軍拡のこともわだいにのぼる。現在のウクライナの戦争と日本の軍拡が否が応でも連想される。権力で「何かが腐っている」「この世のタガが外れてしまった」国の背景には、軍拡と戦争があったということを改めて教えてもらった。
前半1時間45分+休憩15分+後半1時間半の計3時間半。全く飽きることなかった。

ネタバレBOX

ハムレットの謎とは、なぜ彼が逡巡し続けるかというところにある。その謎をめぐって様々な解釈がされてきた。確かに、(とくに独白で)逡巡する自分を鼓舞するセリフが多い。と同時に、行動的で能動的面も見える。ガートルードの寝室で、クローディアスと間違えてポローニアスを刺し殺してしまう素早さは印象的だし、旅芝居の一座にゴンザーロ殺しを振り付けするあたりは、なかなかの狂言回しぶりだ。

そういう矛盾した面が見えるハムレットだが、イングランド行きの海路から海賊船にさらわれて帰ってくると様変わりする。クローディアスが自分を殺そうとしていることを知ったこともあろう。オフィーリアの死もあろう。レアティーズとの剣術試合に向かう直前「覚悟がすべてだ」「なるようになれ」には、今回、はっとさせられた。

こうして「ハムレット」は、貴人が、苛烈な運命をひきうけ力の限り生きて死んでいく典型的な悲劇として完結する(「子午線の祀り」の知盛もハムレットの血を引くといえよう)。ハムレット死後、フォーティンブラスのセリフに「運命」の言葉が見える。(それまではなかったのではないか)
和解

和解

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

ウイングフィールド(大阪府)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

満足度★★★

阪神大震災と大阪東部地震をからませた内容
現実と非現実をシンクロさせながら物語は進んでいく
たまに今はどっち?😵🌀という場面がでてくるが、役者がそれをカバーする演技でフォローしてくれる
天災は誰にでも降りかかる可能性があり、戦争もある意味地震と同じなのかも…😢
死は二人を和解させたんだと思う

DADA

DADA

幻灯劇場

AI・HALL(兵庫県)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

『DADA』初演と再演を観劇済み。あの真っ赤なコインロッカーも好きだったけれど、今回のコインロッカーは、とても良いお仕事をされていました。
作品としては、再再演と言うよりも、ほぼほぼ新作でしたね。
今回、振り返ると、初演は若さで突っ走っていた印象でしたが、5年経過して団員さんたちみんなの歌も演技もとても熟れて、落ち着いた印象を受けました。
ストーリーも色々な事が明確になり、悲しい出来事の中にも希望を見いだせる部分があり、歌声とダンスにも魅了されました。人の優しい気持ちが伝わり、心地良い時間が流れました。
舞美、照明、音響、SNSにあがる写真などがどれも素晴らしかったです。
そして、公演当日のスタッフワークの完璧さにも拍手を贈りたいです。
近いうちに、『DADA』の上演を希望します。
購入した戯曲を読みながら、その日を心待ちにしています。
素敵な作品をありがとう。

月下女郎蜘蛛譚

月下女郎蜘蛛譚

國學院大學演劇研究会劇団白昼夢

國學院大學・百周年記念館 記念講堂(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

上映時間が3時間30分(途中休憩15分)という大作でした。
正直、長いなと思いましたが、真面目に一生懸命作った舞台という印象でした。
1部は背景の説明という感じでしたが、2部に入って盛り上がり、どんな展開になるのか?と惹き込まれました。
全体的に静かすぎる印象があったので、何か音楽があった方が良かった気もしました。
ストーリーも面白かったし、その時代の雰囲気が感じられ、劇団の一生懸命さが伝わる良い舞台でした。

ミュージカル「進撃の巨人」

ミュージカル「進撃の巨人」

「進撃の巨人」-the Musical-製作委員会

オリックス劇場(大阪府)

2023/01/07 (土) ~ 2023/01/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/08 (日)

立体機動装置とMusicalを融合させる違和感を払拭する為のスタッフ気合を感じる。
研究と研鑽、キャストさんと映像との連携、
やる事は山積みでそれを成し遂げ、
多分まだ削ぎ落とす作業をされていると思われ、
それに応えるキャストさんに最大の拍手!
クリエイターの本気

DAYS-文化部青春協奏曲(コンツェルト)-

DAYS-文化部青春協奏曲(コンツェルト)-

HOKOHOKO

シアターOM(大阪府)

2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/21 (土)

役が変わると際立つよう創られ
各々のキャラの愛らしさに癒される
物語のロジックは証明済み
後はその流れに載せるか乗せるかで変わる。見事に体現されている演者さまはこちらの痒いところに手が届く

無償の愛

無償の愛

Orgel Theatre

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 極めて詩的な作品。

ネタバレBOX

 奥中央に衝立を立て袖として用いる。下手壁に沿うように長方形の台、載せてあるのは奥から白っぽいトートバッグ、赤いトートバッグ、ペンギンのぬいぐるみ、ノート。台の前に紙コップと水の入った容器を載せた机、衝立の手前客席側にベンチとテーブル、上手には斜めに設えられたベッドがある。因みにベッドのあるエリアは、狭い小屋なので部屋の仕切り迄は作れないものの病室を表している。後で説明するようにこの病室である事件が起こるのを遮蔽物なしに見ることができるので却って効果的ですらある。(他にもイツキの娘の部屋になったりするシーンもある。)
 物語は病院の従業員休憩室で出会った2人の女性を中心に展開する。1人はイケメンだと直ぐついて行き、遊ばれては捨てられるという経験をしてきた掃除婦・イツキ、もうすぐ10歳になる娘・サラが居るが産み落とした時以来会わせて貰えない。サラは現在イツキの母が育てている。
 もう1人はミヅキ、現在は看護助手だが、看護師になる為の勉強をしており、この道を取るか偶然イツキの娘と同名の恋人サラを取るかで紛糾、結局同棲していたLの連れ合いと別れてしまった。
 この2人各々の最も大切な人それぞれに対する愛が中心となって展開するが、イツキは自称・バカで読み書きも苦手だが丁度山下清が精神薄弱児とされながら実に本質的に物事を観ていたような鋭さを持つ。彼女は今、数日後の娘の誕生日に最高のパーティー、最高の贈り物をする為に現金が欲しいのだが生憎経済的にはかなり厳しい。そんな折、病室の年老いた患者から頼み事をされた。老婆は、既に筆記する力も無いから娘への伝言をノートに書きとって欲しいというのであった。老婆はその言葉を言い終えると息を引き取ってしまった。ベッドの脇に老婆のバッグがあった。何気なくそれをみると中には現金が入っていた。イツキはそれを盗む。
 暫く経ってイツキは娘の誕生日に実家を訪ね娘にプレゼントを渡したものの娘は余り喜ばなかった、既に似た物を持っていたからである。だが、娘はペンギンの話をした。何でもペンギンは自分の連れ合いが死ぬと生涯その亡骸を保持し死骸と性行為迄するというのである。
 さて、娘の誕生日が終わった後休憩所で再び会ったイツキとミヅキだったが、互いにいつもと違う。ミヅキは何があったかを尋ねるが、イツキは互いの秘密を共有することを提案した。ここに至ってイツキが老婆から124万円入りのバッグを盗んだこと、然し娘の誕生日にはその金に手を付けなかったこと、遺言を書いてくれと頼まれたことを話す。ミヅキは自分がレズでパン職人で恋人のサラと別れたこと、経緯を話した。その上で老婆が言い残そうとしたことをイツキが娘に対して述べたいことに置き換えて創作しようと2人で文面を作成してゆくのだが、この文面が当に詩として昇華されたものになっている、殊にその前半は完全に詩である。
 ところで、詩に迄昇華したこの文章は、ラスト イツキが破り捨てる。
 その意味する所は明らかである。様々な困難や思うようには回らない人生に怖気をふるい落ち込んで人生から降りて仕舞わず、それらを総て引き受けて生きてゆく態度表明である。
 ところでパン職人のサラが随所に登場するが、イツキの反応がグー。パン屋の匂いの心地良さを子供同様に喜んだり、知恵遅れとされる子供たちのように五感を用いて興味を持った対象に積極的にアプローチしてゆく仕草が、我々頭でっかちになりすぎた凡庸な人間に多くの可能性の扉を拓いてくれるからである。
ザ・ビューティフル・ゲーム

ザ・ビューティフル・ゲーム

東宝

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2023/02/04 (土) ~ 2023/02/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/02/06 (月)

小瀧望(ジャニーズWEST)さん主演。
時代に翻弄される青春を鮮やかに描き出す。戦争という答えのない正義は伝染病のように若者の善意と正直さを捻じ曲げる。
それは天秤にかけるものが愛であってもだ。
大劇場の戦争を描く演出はあれ以上のグロさは無理なところまで攻める

コウセイ

コウセイ

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/02/23 (木) ~ 2023/02/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/02/26 (日) 13:00

千穐楽を観劇。全席自由席で受付開始は開演の45分前だというので、1時間前に劇場に行ったのだったが、既に6人ほどが並んでいた。さすが「今池袋で最も売れかけている劇団」(劇団説明文の一節)だけのことはある(笑)。

ラビット番長といえば将棋・介護・草野球が三本柱だが、昨年のグリーンフェスタではこれらとは異なる路線とは異なった作品を上演する予定だったのに、コロナで残念ながら公演中止に。昨秋の池袋演劇祭参加公演では将棋に戻ってしまったので、残念に思っていた。個人的には15年春の「白魔来る」のようなスプラッター気味のドロドロとした作品を観てみたいのだ。
ということもあって、今回の「コウセイ」は将棋・介護・草野球とは違ったものになりそうで期待していたのだった。

(以下、ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

ストーリーは1949年(昭和24年)に発覚した岡田更生館事件をほぼなぞっている。
これは岡山県吉備郡岡田村(現:倉敷市真備町岡田)に存在した浮浪者収容施設・県立岡田更生館で起きた組織的な監禁・暴行傷害・殺人事件であり、施設収容者の一人(詩人を自称していた北川冬一郎)が脱走して毎日新聞大阪本社にリークしたことを契機に、同社社会部の記者であった大森実(懐かしい名前だ)と小西健吉が浮浪者に変装して施設に潜入取材した結果、社会的に知られることとなったものだ。
その後の調査で犠牲者は開設から2年余りで76名にものぼったが、館長や県職員らへの判決の罪状は業務上横領ないし私文書偽造であり、殺人・暴行は含まれていない(ここいらにも何かキナ臭い背景がありそうだが)。

劇中で登場人物が語る施設の内情はほぼ事実のままである。だが、ここに将棋を絡めてくるのがいかにもラビット番長らしい。
将棋の部分でモデルとなっているのは将棋史上初の三冠王となった升田幸三名人だろう。升田(劇中では増山)がGHQから名指しで呼び出され、数名の将官と将棋について議論したエピソードもその内容が伝えられている通りに(チェスに比べて将棋ははるかに民主主義的なゲームであり、レディファーストの精神にも適っている)再現されている。もっとも、前述のように北川がリークしたのは毎日新聞、升田とGHQを取り持ったのは朝日新聞なのだが、劇中では同じ新聞社になっている。
増山がいつも月を見ているのは、升田が戦地で食糧不足に悩みながらもライバルの木村義雄のことを思い出し「月が通信してくれるなら木村と将棋が指したい」と涙に暮れたというエピソードを反映したものだろう。

この更生館と将棋の2つの道が終盤で交差する点は実に見事なのだが、そこまでのほとんどがネットでも調べられる事実を単に並べただけという感じであり、その点がいまひとつ掘り下げが物足りない。チョコレートケーキやJACROWといった社会派といわれる劇団との違いをはっきりと感じさせる。
ただ収容者の最期の言葉「にいさん」が実は「2三と」だったというのはラビット番長の面目躍如。

増山の妻を演じた江崎真澄がここ数作、本当に良くなってきた。
またいつものラビット番長では登場しない悪役での野崎保も印象的だった。

このページのQRコードです。

拡大