最新の観てきた!クチコミ一覧

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LOST GARDEN

LOST GARDEN

FABRICA(企画・製作ROBOT)

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/09/13 (土) ~ 2008/09/23 (火)公演終了

満足度★★

「私事」の世界(ごめんなさい、書き直しです)
本広監督のアフタートークを聞かなければよかったと、後悔した。監督は、高井浩子さんとのトークで、「今日は、東京タンバリンの方がたくさん観に来てくれている回。ありがとうございます」とか、「昨日は、鴻上さんがみえて、緊張した。あこがれていた人だったので。昨日は他にもたくさん演出家の方々がいらっしゃった」とか、そういう、「私」を全開にしたトークを展開。僕は、これが、苦手だからだ。

ネタバレBOX

「私」を全開にされると、作品も、「私」なものに思えてくる。もちろん、人間、なにかをする動機というのは、多かれ少なかれ、「私事」に左右されるものだと思うが、それでも、一応、こちらは3500円という大金を払って観にきているのだ。建前だけでも、「公」のものを出して欲しい。少なくとも、「私」の部分は、恥ずかしげに出してほしい、と思ってしまう。

作品は、舞台の裏側を描く、バックステージもの。それこそ、「私事」の世界の極みともいえるジャンルだ。本来なら、観客には見せない、見せてはいけない部分を全面展開するのだから。よって、バックステージものには、他のジャンル以上に、私事を越える普遍性みたいなものが最初から要求される。

ところが、これが、どこまでも「私事」の域を出ない。さらに群像劇というスタイルによって、各人同士、つながらない、とってもミクロな私事が、それぞれかかわり合うこともなく、標本のように、並べられるだけ、ということになる。劇中劇と、舞台裏という二つの物語の同時進行という形式によって、ただでさえ、それぞれの物語の牽引力が弱っているのに、それを支える人間関係が、ミクロな私事の標本では、舞台に魅力は生まれない。

僕らは、舞台に没頭することを、許されない。交わらない群像劇は、全てを、フラット化する。人の死を悲しむのも、自分を売り込むのも、同列だ。それはリアルな世界かもしれない。でも、舞台に引きつけられるときの求心力は、失われる。この舞台を楽しむには、僕らは、能動的に、自分の観方を捜さなければならない。言い方を換えれば、自由度が高いということになるだろうけど、でも、ここで、監督の「私事」が顔をだす。この作品は、「監督」の作品だ、という、強烈な意識に貫かれているのである。だから僕らが見つけ出す、「自分の観方」なるものは、監督が用意したものの範囲を出ることを許されない。

「モノローグはいらない」とか、「舞台の外で事件が起こっているのが面白い」とか、監督は、舞台を外から観る観客の目線を、仕込むことで、観客まで、自分の私に取り込もうとするかまえをみせる(演出家が劇中劇を観るのは、無駄に客席だ)。これでは、監督の私事として作られた作品に付き合うつもりの、内輪の人にしか、この作品は楽しめないことになる、と思う。

俳優さんたちは魅力があるし、頑張っていたと思うけれど、それも多分、監督の想定内。全てを取り込む本広世界は、僕の「私事」を許してくれなくて、それでいて、身を委ねる流れを提示してくれるわけでもなくて。フラットな、現代的な、枠におさまったこじんまりした、個人的な世界を、僕は楽しめなかった。
人形の家

人形の家

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2008/09/05 (金) ~ 2008/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★

いきのいい、古典
面白かった! バルコニー席だったので、劇場中央の囲み舞台を見下ろす形。キャストも、しっかりと自分の味を活かして、新しいキャラクターを創りだしていた。

それよりなにより、驚いたのが、百年以上前の戯曲の、面白さ。あらすじと、社会的な意義を知っているだけで、どこかおそれて、手を出さなかったことが悔やまれる。デヴィッド・ルヴォーさんの演出は、古典の面白さを知り尽くしている人のそれ。手を入れるのは、最小限。戯曲そのものの面白さを、存分に味合わせてくれた。こんな面白い作品に、素晴らしい舞台で出会えてよかった。

帰りにブックファーストで戯曲を買った(新潮文庫)。

ネタバレBOX

物語自体の面白さが、舞台の良さを引き出しているのはもちろんだけれど、新潮文庫と比べてみて感心するのは、言葉の選択だ。それが、全く意味を変えずに、現代を映す。

「床についたきりの母親の世話」は、「母の介護」。「昔のことを思い出して怖がっている」は、「昔のトラウマ」。「介護」や「トラウマ」という言葉を選ぶセンス。セットなしの囲み舞台も相まって、こういうささいな気配りだけで、19世紀は、ぐっと身近な世界になる。会話劇、しかも翻訳ものだということを、時宜にかなったな言葉たちは、一時、忘れさせてくれる。会話劇の面白さを知っているからこその、心配りだろう。

役者たちの、自分のキャラクターを活かした、のびのびした演技もいい。スターの風格十分な宮沢りえや堤真一は言うに及ばず。脇役たちも、それぞれ、自分のキャラクターを加味して、より現代的な、生き生きとした人物たちを作った。

特に、今の時代に、スポットを当てられるべきだと思ったのは、ノラを強請る、クログスタ。あらすじ化されてしまうと、影も形も出て来ない彼だけど、彼こそは、この物語のもう一人の主役なんじゃないかと思った。世間に不当に蔑まれていると信じる彼の、ノラへの強請りには、世の中に対する復讐心がこめられているよう。人同士のやりとりを失った現代、ことに目にするようになった心象がここにある。

三幕で、彼は、人とのつながりを取り戻し、救われる。そして、ノラへの仕打ちを悔いて、全てを取り消す。現代を生きる僕は、ノラの自立以上に、彼が救われることに、心を打たれた。彼を演じる、山崎一の、思い詰めた無表情の向こう、おびえた目を持つ佇まいが、さらに響いた。

「斬新なアプローチ」といううたい文句から受ける印象とは、随分違った舞台。デヴィットさんの意図は、くり返すが、戯曲そのものの持つ、普遍性を、そのまま現代に示すという、明確なもの。普遍性は、常に新しさを持つという意味では、斬新といえるかもしれないが、それよりも、近代演劇の祖といわれる作品の面白さを見ることで、近代演劇そのものが持っている、基本的な面白さを教えてもらったような気分。本当に、清々しい気持ちで、劇場を出た。カーテンコールでの、みなの、生き生きした表情も、印象的だった。
LOST GARDEN

LOST GARDEN

FABRICA(企画・製作ROBOT)

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/09/13 (土) ~ 2008/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★

人間の裏表
久々に、舞台を見てきました。
それも本広監督の演出舞台。
人間の裏表が良く描かれていて、すごく面白かったです。

ネタバレBOX

更に、個人的には
最後の、ジュンペイの代わりに新城が勝の役を演じる
劇中劇で、工藤が泣くのですが、そのシーンに涙腺が
ゆるみました。
稽古ではジュンペイがいた事実、そして本番ではいない事実。
その悲しさが観ているこちらにも伝わってきました。
そして、それでも人生・舞台(劇中劇のことです)は続いていく
その現実。

舞台初心者の自分ですが、観ていてとても面白かったです。
シャープさんフラットさん

シャープさんフラットさん

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2008/09/15 (月) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

シャープさんフラットさん ブラックチームを観た
最初に満足度は4つ星にしているが、
クオリティーは余裕で5つ星である。
ただオイの趣向であったり、わが闇のインパクトと比べて
あえてワンランク落とした。
来週ホワイトチームも観に行くが、ケラ作品への期待は変わらない。


ケラの考える面白さと実際にウケる面白さのジレンマから出来た
芝居に感じた。

ところどころのナンセンスを含みつつも
落ち着きのある旧来の芝居っぽい作品だ。

その分、笑いや激しさや展開を求めるオイには長くも感じられた。


観劇後、ケラの作品について考えた。

ケラはどんどん(少なくとも外見は)普通の人が演じる芝居に
進んでいて、
リアリズムの追求をしているようでもあり、
短編集で一緒に作品提供をした別役実っぽくもなっている。

オイはお客さんにエンターテイメントを届けたい。
だからキャラクターの立った役者がキャラを活かした演技が好きだ。
皆川猿時しかり荒川良々しかり。
実世界のリアルでなく、演劇的アリが好きでやりたい。

だから大人計画が一番好きになる。


ところでKERA MAPのチラシが入っていた。
プロデュース公演なので芸能人やら舞台役者やらである。
だったら今回のナイロン本公演は芸能人は要らなかったんじゃ!?と思う。
マギーと住田だけ出れば充分でしょ。
別に小池栄子も佐藤江梨子も嫌いじゃないけど、
せっかくの劇団の公演なんだから…とオイは思う。

髪形がぁっ!!

髪形がぁっ!!

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2008/09/11 (木) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

全力っ!!!
意表をつかれてはじまりはじまり。
キャラクターがそれぞれハッキリしていて、一人ひとりに愛着がわいた。
あんなに全力で劇場内を走ってるのって、あんまり観たことがないかもしれない。全力すぎて面白かった。

ネタバレBOX

客いじりのターゲットがたまたま一緒に観劇しに行った友人で爆笑。
カツゼツの悪さにつっこむくだりが最高に笑った。
ラストの内臓を投げあうシーンは必要あったのだろうか。
眠るまで何もしない

眠るまで何もしない

劇団一の会

ワンズスタジオ(東京都)

2008/09/11 (木) ~ 2008/09/17 (水)公演終了

満足度★★★

あの家に行ってみたい
ゆったり観ました。田舎でのんびりしていたら夫婦はきっと仲良しだ。

ネタバレBOX

あんな隣人がいたら嫌だなぁ。
転間中のたたく音が、色々な人の気持ちの表れのように聞こえて音がするたび胸の奥に響きました。
シャープさんフラットさん

シャープさんフラットさん

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2008/09/15 (月) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

9月16日(火)S
クリエーターの苦悩。心に染み入る。

葡萄

葡萄

THE SHAMPOO HAT

ザ・スズナリ(東京都)

2008/09/10 (水) ~ 2008/09/23 (火)公演終了

9月10日(水)S
不器用な人間を描くのがホントうまいなと。美味。

改訂 トリメトジコメ ~ 取目閉込

改訂 トリメトジコメ ~ 取目閉込

よしこ

盛岡劇場 タウンホール(岩手県)

2008/07/18 (金) ~ 2008/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

閉じ込められた
鮮やかだけど、汚い。

切ないけど、いとおしい。

愛してるけど、嫌い。

嫌いだけど、会いたい。



というようなことを、舞台を見て感じました。

LOST GARDEN

LOST GARDEN

FABRICA(企画・製作ROBOT)

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/09/13 (土) ~ 2008/09/23 (火)公演終了

満足度★★★

最初は
舞台作品の三人姉妹がベースになってると知り、読んでおけばよかったと後悔したのですが。でも知らなくても楽しめましたね。舞台転換も面白くて好きです。

ネタバレBOX

後半のドタバタ劇の前の俳優の死。私もちょっと軽すぎやしないかと思っちゃいました。そんななかで古山さん演じる良樹の悲しみのぶらぶら体操に泣きました。いい場面です。個人的に第三舞台に昔いた岩谷真哉さんを思い出しました(本番直前にバイク事故で死亡)。
ひとひらの雪

ひとひらの雪

ミュージカル「ひとひらの雪」実行委員会

宝塚ソリオホール(兵庫県)

2008/09/06 (土) ~ 2008/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★

思ったよりも。
『鶴の恩返し』としてある程度知ったお話だったので気軽に観に行く・・・くらいな気持ちだったのですが、面白かったです。
舞台が白くてとてもキレイでした。

有栖川有栖シリーズ「不在の証明」

有栖川有栖シリーズ「不在の証明」

劇団P・T企画

大阪木材会館(大阪府)

2008/09/12 (金) ~ 2008/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり最高です!
初日から千秋楽まで火村三昧。

『不在の証明』という、どちらかというと舞台化するには地味かとも思われがちな作品を上手くまとめていたと思う。
今回も強力なキャスト陣。
不動の三人、火村、アリス、船曳警部に加え、山本直匡さん、坂本さやかさん、坪井尚さん、中村多喜子さんら、実力派。
案の定、11回の公演中全て違うネタをそれぞれのアドリブ場面で披露。(笑)
解答編の火村は今回も圧巻です。
眼力、声量、圧倒されながらもぐいぐいと引き寄せられる魅力は健在。
アリス役は田口さん意外には考えられないくらいぴったり。
警部の手帳には何が書いてあるのか。
今年もまた謎のまま終わった・・・。

ネズミ狩り

ネズミ狩り

劇団チャリT企画

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/09/12 (金) ~ 2008/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

最強
今年ベスト濃厚。
これこそ「早稲田演劇」。

長岡さんお疲れ様でした。旨い酒飲んでください。


いやー参った。

うつせみ

うつせみ

るぼわーる

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2008/09/12 (金) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

アンコール公演希望!
生きた芸術を感じました。素晴らしい時間をありがとうございます!五感のすべてで感じ取ることに全力の2時間でした。
何百年も続いた封建社会の転換期である明治・大正時代。この背景は、時代の転換期である現代に生きる自分にとって深い示唆与えてくれました。また、シリアスなストーリー展開の中でのミュージカル風のワルツのリズムはとても心地よく忘れられません。一緒に踊りたくなってしまいます(^ ^)。そしてクライマックスの人間の本質を問うとても深い内容と演技に思わず目頭が熱くなってしまいました。脚本、演出、演技、音楽、空間作り、どれも本当に素晴らしく、こんな感性と知性に満ちた舞台を観ることができて本当によかったと思いました。劇場の外に出たとき、東京が芸術の都に見えました。

ネズミ狩り

ネズミ狩り

劇団チャリT企画

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/09/12 (金) ~ 2008/09/16 (火)公演終了

サンプルを並べたような
(ご招待いただきました)
前にみた「アメリカをやっつけるはなし」より全然良かった。テーマから逃げずにやっているところに好感。
ただ、少年犯罪や犯罪被害者・加害者というテーマに対して、「こういう立場のひともいる」「逆にこういう考えや思いも強くある」「冤罪という可能性もある」という、いろんな視点・立場の人々のサンプルを並べて、「あーなるほど、いままで気づかなかったけど、そういう考えもあるのね」と(観客に)知らせている(気づかせている)だけ、という気もする。
それが目的ならば、それでいいのかもしれないとも思う。気づかせるための仕掛けというか、脚本の持っていきかたも上手だったし。
でも、そこから先が葛藤であり人間の大事な部分なんじゃないか、心が動くところなんじゃないか、と、個人的には食い足りない。

ストーリー

ストーリー

劇団やぶさか

スペース・オルタ(神奈川県)

2008/09/14 (日) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

猫の世界に浸れた
今回はたまたま招待券をいただいたので観にいきましたが、千葉に住んでいるので普通にチケットを購入してまで横浜へは観にいかなかったと思います(地理的だけでなく、知らない劇団だったので)。 
 でも、この「ストーリー」は楽しかった。見ることができてよかったと、しみじみ感じました。
 猫を飼っている人でないとわからないような飼い猫と野良猫の生態の違いがうまく描かれていました。 舞台上におけるナイトの動きがほんとうに敏捷で、ほんものの子猫のように見えて感情移入もできました。ダンスもかなりうまい!なんだかこの女優さんのファンになりました。サインもらって置けばよかったかな、と後悔しております。次はぜひ・・・。
 他の猫たちもじょうずにキャラを演じ分けており、すべてのキャスティングが(見た目も含めて)見事だと思います。それから小道具(?)の猫の尻尾と耳は猫全員に違和感なく装着されており、それも感心しました。どうやって付けているのでしょうか?
 唯一、惜しいなと思ったのは、飼い主のまみちゃんと地震によって別れることになったことは理解できるのですが、なぜいきなりこんなに遠く離れた場所にナイトが現れたのか?ストーリー的に違和感が・・・・。
でも、それ以外は楽しく、悲しく、ホロッとする場面もあり、今後の「やぶさか」公演に期待を持てる内容でした。とうぜん遠距離が苦にならない帰り道でしたよ。ありがとうございました。(妻が風邪気味でいけず、スミマセンでした)
小冊子になっていたプログラムはいままで見た他の劇団ではお目にかかったことのないもので、なかなかおしゃれで、いいアイデアだと思います。それとも「やぶさか」では毎回このようなプログラムを配っているのでしょうか?私は記念になるので、大事にしまっておきます。

ココロノカケラ

ココロノカケラ

ネルケプランニング

青山劇場(東京都)

2008/09/15 (月) ~ 2008/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★

弱い自分との対峙
今回、TRFのYU-KIが怪我の為、降板したからその分、鈴木亜美が歌う曲目が増えた!(苦笑)

篠田光亮は、先日のどツボっで好演してた俳優でした~。
デーモン小暮閣下って、あの世の年齢っていくつでしたっけ?(^^;)

以下はネタバレBOXにて。。

ネタバレBOX




で、今回ひじょうに光ってたのがYU-KI(TRF)の降板劇で代打で登場した中村真知子だ!
彼女の演技が実にいい。
コミカルな表情は元より、ひたむきな演技がいい。終盤はもう汗だくでの演技。実力を見せ付けました!
素晴らしい!ひじょうに素晴らしいです。

今回の代打劇で相当のプレッシャーがあったのだろうか?
芝居が終わって舞台に登場した瞬間、うるっ!(;;)としてましたが、ここで泣いたらアカン!と思ったのでしょうか?涙を堪えて健気にスマイルを作る表情!なんとも言えません。(萌える!)



さて、ストーリーです。
恋愛マンガを得意としていた少女漫画家・カノコ(中村真知子)は、最近は筆が思うように進まず、ついに連載を打ち切られてしまう。
更に、編集担当者であり恋人であったエイジ(西島隆弘/相葉弘樹)さえ、アシスタントのナナ(鈴木亜美)に奪われてしまった。
自暴自棄になったカノコが「逃げたい」と願ったとき、突然目の前にイリエ(馬場徹)という不思議な人物が現われる。彼は神なのか?はたまたアラジンなのか?ランプの精なのか・・?(^0^)


イリエは「お前が望むなら、開いてあげよう。『何処か知らない世界』への扉を…。」


別世界へ飛んだカノコ。するとそこはまったく見たこと
もない異世界だった。

その世界で出会った、支配者ダーク(デーモン小暮閣下)、ダークの手下エイフ(西島隆弘/相葉弘樹)やエマ(渋谷亜希) らは、人間の弱さにつけ込んでその心を奪いダークの思い通りに操る事が出来る。

一方でダークに敵対する女盗賊ナナジ(鈴木亜美)、や反乱軍の錬金術師のシャープ(小笠原大晃)とその師匠B・B(篠田光亮)はダークと戦っていた。

そんな時カノコはクリスタルに閉じ込められたシーとそっくりな事から民衆に祀られてシーと言われるようになってしまう。この世界を救う救世主シーは民衆の希望であり女神だったのだ。

カノコはシーの意思を受け継いでシーになりきり、この醜い世界を変えようとする。「大切なのは争う事ではありません。愛し合う事です。」


その言葉を受けて民衆は「シーが目覚めた!シーは邪気を払い平和を愛するんだー。」と叫ぶ。


ところが戦いの最中に本物のシーは宝石から作られた人形だったという事実が民衆にばれてしまい、シーのクリスタルは人の心の結晶だった事も判明してしまった。そう・・シーは小さな心のカケラだったのだ。


今度は民衆から批判される立場となったカノコはまた、元のようにこの場から逃げたくなってしまい、カノコはイリエにこの世界から出られるように頼むが、イリエは「例えどんな世界に行こうとも又、同じ世界が表れる。カノコが変わらなければ世界は永遠に変わらない。」と言われてしまう。


女盗賊ナナジ(鈴木亜美)も、逃げようとするカノコに「待て!この世はどうなる?責任をとってから行け!」と窘められ、カノコは今までの弱い自分に気付き、反省することに・・。「元の世界に居場所がなくなって本当はどうでも良かった・・。」と。


同時にカノコの下へ民衆が帰って来る。彼女の言葉には勇気とか優しさとか痛みとか色んなものが詰まっている。彼女の力が人の心を解き放つ、と。



そう・・・シーとはカノコ自身だったのです。全てはカノコの心の中に生まれた弱さ、怒りや悲しみの結晶、つまりこころのカケラだったのです。

カノコは誓います。

この世界は私の心。出口を見つけた!
私は私の意志で生きていく。心の醜さも弱さも全部受け入れて。



手話で歌ったエンディングも素敵でした。
うつせみ

うつせみ

るぼわーる

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2008/09/12 (金) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

こーいう雰囲気大好きです!
このようなミステリはもちろん大好きなのですが,役者さん全員で醸し出したレトロっぽい浪漫あふれる雰囲気!魅せられました。最初から最後までひきつけられっぱなしです。芝居はこうでなくちゃ!

音ノ森

音ノ森

kanikuso

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2008/09/11 (木) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

ホロリと・・・
kanikusoは初見の劇団だったのですが,ふざけた名前からは想像も出来ない,真っ当でストレートな芝居でした。途中,思わずホロリとさせられてしまいます。いや~苦手なんだよな^^;こういう素直になってしまうのって・・・。神崎ゆいさん目当てに行ったのですが^^;神崎さんはもちろん素敵でしたが^^;とても素敵な芝居でした。

うつせみ

うつせみ

るぼわーる

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2008/09/12 (金) ~ 2008/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

コントラストが素敵☆
正直あまり期待していなかったのですが、魅せられてしまいました。
文明開花の鮮やかな装い、音楽と、未だ残る古く暗いもの。
その対象さが強い印象を残していました。

ただのミステリーだと思いきや歌ありダンスあり、様々な効果で2時間弱の公演もあっという間でした。余韻の残るラストも良かったです。
引き込まれ泣けました。

そして帰り思わずサントラ買っちゃいました!!
聞きながらコメント書いてますw

ネタバレBOX

榊家一人娘朝子。
体が弱い彼女には江戸川乱歩の小説と、部屋の中が世界のすべて。
ただただ妄想を抱く日々の籠の中の生活に訪れた一人の来訪者。
初めてできた秘密のお友達。

自分の世界を変えてくれる『誰か』を待っていた彼女は有頂天。
変化する日々が楽しくてしかたがない。
世間知らずのお嬢様ゆえの純粋さ。
無邪気に彼女は笑う。
その無垢な微笑みが、とても残酷に見えた。

刺激のある日々、素敵な婚約者を手にいれ、家柄、美貌にも恵まれた彼女はそれでも『健康なお友達』を羨んでしかたがない。
無邪気にすべてを欲する彼女は、誰より卑怯な存在かもしれない。

瀕死の中、もう一人の少女の苦しみを知り、自分を殺そうとした少女を庇う朝子。そして少女の名前を持って逝った。
可哀そうな不幸な娘。
本当にそうだろうか?
だって最後に彼女は欲しくてたまらなかった『友達の存在自体』を手に入れたのだから。望みは全て叶ったのだ。
なんだかこちらが羨ましくなり、妬ましくもなった。
それぐらいわたしの中では強烈な存在感だった。

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