
バーレスクホテル
㈱ボーントゥラン
しもきた空間リバティ(東京都)
2009/01/30 (金) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★
個性が出ていて面白い
ASSH、大人の麦茶、ガスバスガスガスなどの主宰を含むメンバーが所属する事務所のプロデュース公演で、劇団(あるいはユニット)主宰3人による書き下ろしオムニバス。
欲を言えばホテルの同じ部屋というだけでなく、他にもいくつか「縛り」があれば、あるいは作者が異なるので難しかろうけれどそれぞれどこかでリンクしていれば、という憾み(笑)はあれど、それぞれ個性が出ていて面白い。
ただ、1編目で使っていたアニメでお馴染みの(かつ最近はTVドラマや映画で使ったりもする)コミカルなSE(瞬きの音とかね)、それなりに効果的ではあったのだけれど、先日観た某映画でのある手法と同様、多用していてしつこく感じたりもする。

その時 胸の奥で鐘が鳴る
劇団やったるDAY!
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2009/01/28 (水) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★
若干甘口で賛否両論かも?
チラシで主人公が余命わずかだと宣告を受ける旨が明かされており「そもそもその設定が卑怯じゃん!(笑)」とか思いつつ観て、事実卑怯ではあった(爆)が、もう1つアタマをかすめた「かなり泣かされそうだな…」という思いは杞憂に終わる。
お涙頂戴にしようと思えばいくらでもできるのにそうせず、湿っぽくならず、残り少ない生を精一杯生き、会社の後輩やかつてのバンド仲間たちなどを逆に勇気付ける主人公の姿をどちらかと言えばサラリ、淡々と描いてサワヤカ。
あくまで個人的な印象で言い切ってしまえば、黑澤映画『生きる』に近い感覚かも。もちろんあんなにシブくなく、笑いも多くて若々しいが、根底に流れるモノが共通、みたいな。
ただ、安易に奇蹟を起こしたりしないのも個人的にはイイと思うし支持するが、その結果、両親を亡くした時のショックから小学生のまま心の成長を止めてしまった妹がそのままになってしまうなど、投げっ放しと感ずるムキもあるかも?
なお、別れたハズの婚約者が部屋にいるシーン、プロポーズのシーン、妹が「今はハンバーグはいらない」と言うシーンなどがツボ。

ROPPONGI NIGHTS 2009
LIVES(ライヴズ)
吉祥寺シアター(東京都)
2009/01/22 (木) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★
総じて満足
元ヤクザが心機一転、念願叶ってオーナー店長となったショーパブ開店初日の騒動記。ドタバタ気味で若干まとまりには欠けるものの、勘違いの組み合わせ方や劇中のコーラスグループ(アフロヘアのリーダーが何とも胡散臭い(笑))の脱力系オリジナル曲が愉快で、ラストにちょっとホロリとさせる(ここの常套手段?)のは上手い。
また、(劇中の)ステージでダンスパフォーマンスが行なわれている最中に進行している客側の芝居(動作のみ)もダンスの振り付け風(ミュージカル風?)になっているのも面白く、総じて満足。

『帰れる場所はありますか・・・。』
劇団光希
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
長すぎ
ストーリーの展開や、落ち着くところはひじょうにいいと思う。
ただ、言いたい事がいっぱいあったのだろうか?時間をかけすぎる。
だから、前半はちょっと退屈。笑いのネタも古い。
以下はネタバレBOXにて。。

しとやかな獣
オリガト・プラスティコ
紀伊國屋ホール(東京都)
2009/01/29 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
ゴーゴー音楽に乗って軽快に疾走するシャープでブラックな感覚。
映画版はまだ未見ですが2007年8月、THEATRE1010でやった高平哲郎演出版は観ました。
ケラ版は、明らかに映画をリスペクト。
ゴーゴー音楽に乗って軽快に疾走するシャープでブラックな悪の感覚。
家族のみんなは悪いことをしているのに、全然悪く感じさせない、妙に前向きな感じ。
何といっても、緒川たまきさんの幸枝が光ってました!!
男たちを翻弄しながら大金を巻き上げて、ちゃんと旅館を開設、
子供を育て、
しかも男たちに金を貢がせながらも、そのそれぞれの関係は
その時々では真面目に関係していただろうと感じさせる
かわいさ、ある意味での誠実さが伝わってくる
おっとりとしてチャーミングで、したたかという
キャラクターを見事に作り出しています。
先生の大河内浩さんも物腰の柔らかさや困った感じがとっても良くて
関西弁もぴったり。いつもの刑事ややくざの強硬な体育会系
の男っぽくて「攻める」雰囲気よりも、
こういう文系の弱い役のほうが何倍も面白くて、
良く合っていると思います。
税務署員のペンギンプルペイルパイルズ(pppp)所属、玉置孝匡さんは本当に出番が短くて大変だったのでは?
pppp公演とそれ以外でもなぜか観る機会の多い玉置さんですが、
追い詰められてあせる役が最高です。
浅野さんの鋭利なまじめさ、
広岡さんのその場に溶け込んでいるような自然な立たづまい
(杉村春子さんのようにみえることも)、
近藤さんも幸恵には真剣に尽くしているし
(普段に比べれば結構普通の役だったりする)、
さんも貢がせてはいても、作家先生のもとにいそいそと戻ったり・・・
みんな悪いことをしているのに、それぞれ、ある意味「まじめに」
やっていると感じるのが不思議。
「まじめ」の定義もわからなくなってきます。

この世界にはない音楽
むーとぴあ
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/10 (火)公演終了
満足度★★★★
武藤晃子さん主宰「むーとぴあ」旗揚げ公演。音楽をテーマに、やさしくおかしくホロっとします。
やっときました、新宿シアターモリエール初観劇。
ずいぶん前から、劇場前を通り過ぎていた気がします。
180席程度のパイプ椅子、前のほうは傾斜が無くて床が体育館のよう。
この規模、新宿ど真ん中というロケーションもいいです。
そう『新宿昭和館』があったところの近くです!
チラシを見て、「キャラメルボックスの西川浩幸さんを
小劇場で観れる!」というきっかけで観ることにしました。
『この世界にはない音楽』は、武藤晃子さん主宰の演劇ユニット
「むーとぴあ」の旗揚げ公演だそうです。
今夜中に”契約”をとってこないと左遷すると
上司から言い渡された落ちこぼれ悪魔が、
自殺しようとしていた作曲家を捕まえて
何とか契約にこぎつけようとする一晩の物語。
音楽をテーマに、やさしくおかしく、最後はホロっと泣ける
あたたかい物語で好感が持てます。
(ただ、この「甘さ」が受け付けない人も居るかもしれません。^^;)
死ぬ前にその人間の「願い」をかなえなくてはいけないという
ルールに忠実なあまり、願いをかなえた人間は生きる自信を
取り戻してしまい、なかなか契約が取れないという
気のいいおかしい悪魔役の武藤晃子さんが出色。
彼女の優しさが前面に出ていて、作品全体を包んでます。
西川さんの揺るがないしっかりした存在に支えられて、
自由に明るく弾けていた彼女が、とっても楽しくて良かったです。
最近良く見かける、役者さん自身がやりたい芝居を自分で
プロデュースする公演です。
また引き続き応援したくなる役者さんが増えました。
ちなみに、武藤晃子さん澤田育子さんは、5月公演の
鴻上尚史さんの「僕たちの好きだった革命」に出演予定です。

グッドラック・ユア・メモリーズ
GAIA_crew
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/10 (火)公演終了
満足度★★★★★
「グッドラック・ユア・メモリーズ」観てきました!
昨日、演劇ユニットGAIA_crew公演『グッド・ラック・ユアメモリーズ』を観てきました!
私が会場についたのは、開演15分前。(道に迷って、かなり遠回りした)
客席はほぼ埋まっていて、空席をさがすのに一苦労^^;幕が上がる時には満席でした。
お芝居はテンポ良く、とても楽しかったです。
「警察」vs「ヤクザ」の抗争?も出てきて、刑事ドラマの雰囲気?も味わえました。中身は盛り沢山だったのですが、ストーリーはわかりやすく、演劇慣れしていない私でも単純に楽しめる内容でした。
ラストは、派手な感じでぶちまけたあと、ちょっぴり切ない感じで終わったところに女性は共感しやすいかも^^
私がGAIA_crew公演を見に行くのは、これで3公演目になりました。
2作目の役柄イメージが、俳優さんにあったのですが、今回はそれを覆された配役でした!
特に、女優さんの変わりようが凄かった!
前回、妹萌系の役から、ヤクザの情婦でクラブのママ。
清純な女性役から、バリキャリの捜査4課(マル暴)主任刑事。
ツンデレのボーイッシュな役から、不思議な女性。
同じ劇団を観続けると、こういった違いも楽しめるんだな~、なんて思いました♪
そして、同じ劇団ならではの配役が…
それは、ラーメン屋「柴田」の店主!
前回の「アンリアル・マイ・ハニー」では、ボロアパートの管理人「柴田」で登場していた俳優さんです。今回も、味のある雰囲気をだしていました^^
でも、味を出していたのは一人だけなく、それぞれの役者さんたち全員ですね!
はまり役のように、雰囲気をにじませていました♪中日公演だから、役がこなれていたのかも!
クラブのママ役の女優さんは、着替えた回数も多かった!
お水系のスーツ、ドレス、着物、バスローブ(黒にピンクラインの入ったもの)!
この女優さんは可愛いイメージなので、ファンは普段とは違うキャラでの衣装チェンジも楽しめたと思います♪
と、そんな楽しみ満載の公演も、本日千秋楽。今日は、昨日と違って18:00スタートだそうです。
まだ、当日チケットは若干あるのかな?スタッフまで、大至急お問い合わせください!

『a day』
劇団チョコレートケーキ
ザ・ポケット(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
おおお
なんの予備知識もなく見にいったが。
かなりの完成度に、驚いてしまった。
それぞれのエピソードがクロスしていく過程に、予測はつくものの、十分楽しめた。
結果として、あたたかい話に仕上げるのは、秀逸だ。
100分にできたら、もっと見やすくなる。
次に期待がつづく、劇団です。

クロウズ
スロウライダー
新宿シアタートップス(東京都)
2009/02/07 (土) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
最後かぁ
ゲーム的な世界をダークサイドにすべり落としていく「スロウライダー」も最終公演です。さびしい。
独特なヘンな世界観を十分追求できたから、よしとしよう。
たのしめた。中川すごい、いいです。

床下のほら吹き男
MONO
吉祥寺シアター(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★
微妙絶妙 当意即妙
まずその舞台装置に圧倒される。役者の一人の作品なのだが、これだけでも一見の価値あり。
MONOはいつも「面白い!でも何が面白いのか説明できない!とにかく観ないとわからない!」と思ってしまう。私の解説力・表現力不足にもよりますが。そしてDVDを購入して人に観せるのだけど、生じゃないと笑いともにじわりじわりとにじみ出てくる不条理感やちょっとした怖さが伝わらないんだよねーこれが。

ちっちゃなエイヨルフ
メジャーリーグ
あうるすぽっと(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
初日としらずに…
とよた真帆が堂々としてて、勝村とガチにかみ合う。
なかなか重厚な演技で、「え、とよたって宝塚出身だっけ?」とか、途中思っちゃった。
イプセンだから、とっても「近代」でとっても「内面」です。
いい意味で、近代戯曲をきちんと勉強できた感じ。

電波猿の夜
桃園会
ザ・スズナリ(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/11 (水)公演終了
もっとみんなにみてほしい
ホンが複雑だが、おもしろいところがある(岸田賞受賞者になまいきでごめん)
ただ、演出がとっちらかってて、ピントが合いにくかった。
そのあたりが課題だと思う。
役者の演技の質もばらばらだし(うまいとか下手とかじゃないよ)。
なんかもったいない感じ。

『帰れる場所はありますか・・・。』
劇団光希
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★
心が洗われる劇団
確か旗揚げから何度か見ています。今回は前半が役者の台詞の言い間違いが所々目立ち、いまいち集中力が感じられずテンポも良くないように感じ、(自分の体調のせいもあるかと思うけど)ウトウトなってしまいました。
しかし話が盛り上がるにつれ役者もヒートアップしたのか、意外な展開もあって私は一気に目が覚めました。結局私は涙が出てましたよ。
この劇団ははっきり言って「とてもうまい」と思える役者はいないです・・・。でも皆さん素直に演じてるし、何よりいつもテーマがしっかり伝わってくるんです!この劇団には高い演技力は求めてません。むしろヘタに作り込むよりも人それぞれの味で素直にやっていってもらえれば充分です。
見ればとにかく理屈抜きにあったかい気持ちになれる。そんな芝居を見せてくれる劇団です♪次回への期待を込めて正直に辛口な感想も入れました。
という訳で、前半の淡々とした話の中でいかに役者が集中力を保つかってとこで★3つです。でも私はまた見に行きたいと思います♪

電波猿の夜
桃園会
ザ・スズナリ(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/11 (水)公演終了
満足度★★★★
主人公の「私」を追いかけているうちに
いつの間にか、遠いところに連れて行かれた。自分の意識がグラグラ揺れながら、「私」とともに旅をしているのがわかった。たどり着いた場所は苦しくもあり、美しくもあり。あっという間の体験でした。満足です。

舞踏家 工藤丈輝ソロ公演 業曝~ごうざらし~
工藤丈輝舞踏上演実行委員会
エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★
ちょっと残念
客席がフラットで段差がなく、舞台も低かったので、前の人に阻まれて全貌が見られませんでした。ところどころしか全身が見えず…上半身を追いかけてる感じに。踊っている全身を俯瞰で見たかったです。

『帰れる場所はありますか・・・。』
劇団光希
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★
見て損はないと思います。多分・・
★4でもいいかなと思ったけど、連れが大ブーイングだったので、なるほど、確かに、ということで★3になりました。みきさんの所辺はもう少しすっきりだといいかな。

フェブリー
あひるなんちゃら
サンモールスタジオ(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/11 (水)公演終了
満足度★★★★
ゆる面白くって、顔もゆるんでしまっちゃら
前説の「携帯、PHSは切らなくてもいいです。大切な連絡が入るかもしれませんから。ただ着メロだけはやめてくださいね」みたいな感じのゆるさから始まり、「あひるなんちゃらー」と入るオープニング曲(?)で、すでに顔は少しゆるんでしまった。
「ひょっとしたら、その間を少し変えたら、もっと笑えたのでは」とか、「そのキャラもっとシツコクしたらどうかな」なんて、素人考えでいろいろ突っ込みながら観ていたのだが、そんなことおかまいなしに舞台は進む。
でも、徐々に「ま、それでいいんだ」と思えてきて、くすっと笑ったりしてしまう。
こんな感じもいいものだと思う。
家に帰ってから「思い出しくすり笑い」が起きてしまう。きっと次の日も「思い出しくすり笑い」が起きるだろう。そんな舞台だった。
しかし、「あひるなんちゃら」とは、見事に「名は体を表す」的な劇団名だよなぁ。

床下のほら吹き男
MONO
吉祥寺シアター(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★
床下に潜む不気味さとホンネと笑いと
期待して行ったらやっぱり面白かった。
馬鹿笑いの舞台とか、抱腹絶倒の舞台とかではなく、ゆるさの中にちょっと潜む不気味さとともに笑いが生まれている舞台だった。

UNDER
劇団伍季風 ~monsoon~
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/09 (月)公演終了
満足度★★★
中途半端
チラシを観て、面白そうな内容だろうと想像していた。
始まりから終わり近くまでシリアスで、演出的にも役者が必死に演技していた。ところが、最後のところで・・・・・・。
それはそれで面白いけど、観ていてちょっと消化不良気味でした。
ま、結果論だがチラシデザインを見るとコメディチックかな?という想像もできる。また、前説から始まって、劇中に登場する博士をはじめとする3人のストリートテラーの存在が、イマイチお笑い傾向だったことを考慮すれば、こんなもんかなあ~。

クロウズ
スロウライダー
新宿シアタートップス(東京都)
2009/02/07 (土) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
役者のアンサンブルがすこぶる良いなぁ。
青年団の公演を観ている時に感じるのと同種の、
とても素晴らしい登場人物達の人物造形に、大満足。
愛しさや、痛痛しさや、トホホ感などなどを抱かせる
愛すべき登場人物たちの言動や行動の1つ1つに
人間のリアルな生臭さを感じ、かなりグッとくる。
時間に都合がつけば、もう1回是非観たい!