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来来来来来

来来来来来

劇団、本谷有希子

本多劇場(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

太く繊細に描かれる心の闇に息をのむ
内に芽生えたそれぞれの修羅が
ドミノ倒しのように
物語を広げていくのが圧巻。

よしんば常軌を逸した表現であっても
突き抜けなければ見えない本質があって・・・・。

今回の本谷さんは
遠慮なく、でも繊細に箍を外して
女性たちの心を暴き出しておりました。

ネタバレBOX

その家は母が父に逃げられて
そこからドミノのように家族が重荷を背負っていく・・・。

しかし、結婚一か月で同じように逃げ出した二男の嫁は
兄嫁と
求めるものがちょっと違っていて・・・。

登場人物それぞれが抱える物語に根付いた想いの
さらに一段深い部分が剥ぎだされていく様に
息をのみました。

また、突き抜けるお芝居の凄さに加えて
登場人物の淡々と仕草に隠された
狂気にも心を奪われて。

人間の本質にある依存心や孤独ががっつりと伝わってきます。
でもきちんと突き抜けているところに
本谷戯曲のしたたかさが生きているようにも思えて。

りょうさんは初見ですが、
その淡々とした演技から浮かび上がってくるブラックホールの
実存感にぞくっときました。

松永玲子さんの力を解き放ったようなお芝居も見ごたえがあって・・・。

2時間たっぷりとエゴンシーレのようjな質感の本谷ワールドに浸りこんでしまいました。






肩の上で踊るロマンシングガール

肩の上で踊るロマンシングガール

「佐藤の、」

新宿眼科画廊(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

奇想天外な前提がナチュラルにやってくる
物語の前提はかなり奇想天外、

でも、そこから見えてくるものは、ナチュラルで
ちょっと切なくて・・・。

役者たちのお芝居にjもしっかりとしたテンションがあって
取り込まれるように見入ってしまいました

ネタバレBOX

結婚も近いというような同棲中の男女、
朝目覚めてみると、男性が女性になってしまっていたという
奇想天外な物語。

脚本がすごくしっかりとしていて、男性の意識と現実の乖離に始まり男性が現実を受け入れていく姿や、女性の心情が違和感から女性同士の感情の共有へと変わっていく姿、そしてその先にある二人の関係までが見事に描かれていきます。

役者の二人が実に秀逸。
そのシチュエーションをしたたかに具現化してしまうのです。

そして、男女の関係のコアにあるものが
物語からすっと浮かんでくる。
切ないけれど、納得させられる
エンディング・・・。

ちょっと
男女の関係の本質を考えさせられる
お芝居でもありました。
肩の上で踊るロマンシングガール

肩の上で踊るロマンシングガール

「佐藤の、」

新宿眼科画廊(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

追加公演見ました
たった二人の出演者による芝居。

男性が女性に変わってしまった結果、ふるまい方のように変化しないことと、トイレの仕方など変化せざるを得ないこと、両方があることが描かれていた。その彼女は、彼氏が変化したこと変化しないことのそれぞれについて、許容できる点できない点がやはりある。
そんな非日常的な状況から始まる、非常に日常的なシーンを描いた作品でした。結末とその先におきるであろうことは、ここでは触れません。

短い時間ではありましたが、狭い空間のためお二方の細かい表情までじっくり堪能でき満足しました。

ラーメンすすって、泣いちゃって!

ラーメンすすって、泣いちゃって!

悲願華

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

観劇後、ラーメンが食べたくなったか?
ラーメン屋が舞台だったのだが、残念ながら、そうはならなかった。空腹だったのに。
だって美味しそうに見えなかったんだもの。

「悲しくも楽しい物語」という説明から人情喜劇と思っていたのだが、意外と喜劇の要素が少なかったし、悲しくは全然ならなかった。もちろん多少は笑えるところもあるのだが、熱演が結果に結びつかないという印象。

学生とは言え、「大阪からやってきた」ということだけで、こちらの期待値(特に会話のテンポ良さや笑いの期待値)を上げてしまったようだ。

ネタバレBOX

ラストはまるで人情モノのように収束していくのだから、そこまでの道程は、やはり笑わせてほしかった。笑わせようとしている要素はいくつか散りばめてあったのだが、残念ながら笑えなかった。

例えば、高校生のことを調べる=探偵=黒スーツにサングラス=探偵物語のテーマ音楽という発想と見せ方が安易すぎてつまらない。一見、安易な方法を使うのはまったく構わないと思うのだが、使うのならば、あえてベタにしました、と開き直るぐらいに、全体的にもっとどんな卑怯な手を使ってもいいから笑わせて、あるいは楽しませてほしかった。

そして、ラストにいくつかのストーリーが、もっとキュッと締まる感じ(すべてが別々にあるエピソードにしか見えなかったので)もほしかった。
例えば、ラーメンが不味くなったのだが、それが美味しくなることの要素とすべての話が解決する要素が混ざり合うようなことがあれば、きっと面白くなったのではないだろうか。

師匠役の人がかなりいい味を持っていたと思うのだが、それをうまく活かせてなかったように見えた。
物語を半ば強引に引っ張る、人助けが生き甲斐の女性も、どう考えても何かを抱えているようで、彼女にも「救い」が必要なはずにもかかわらず、ラストにそれが解決されないのが不思議。この人はがんばりすぎで、空回りに見えてしまったし。がんばりすぎで空回りなのが演出で、つまりその根底にある心の悩みが解決されるのかと思ったのだ。

ラーメン食べるのが重要な要素なのだが、そのラーメンのうまさがイマイチ伝わってこない。ラーメンを食べているシーンでは、単に食べているだけにしか見えず、中途半端な間が空いてしまうだけにしか見えなかった。そのシーンが多すぎて、どうも間が悪い。
そして、やっぱりラーメン屋の話だから、たとえお腹が減っていなくても、帰りにラーメン食べたくなるようにさせないと、ダメなのではないだろうか。

あえて、上から目線で言わせてもらうと、全体的には「伸びしろ」みたいなものは感じた。脚本と演出次第ではかなり面白くなるのだろうと思う、と言うか、思いたい。
ラーメンすすって、泣いちゃって!

ラーメンすすって、泣いちゃって!

悲願華

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★

関東風?
ラーメン屋に入店する設定の客入れ、お品書きという当日パンフレットなどセンスはいい。

内容は・・・発展途上、かな。大阪の劇団ということで笑いを期待していたが、残念ながら笑えなかった。若葉、ユリエはまるでお笑いコンビのオセロを見ているようで、面白かった。

だが、それ以外の登場人物は関西弁を使っておらず、ちょっとがっかりした。
もっとベタな演出でもいいような気がする。東京を意識した結果なのか?

ま、現役学生ということで、若さが前面にでたような作品でした。

オペラ・ド・マランドロ

オペラ・ド・マランドロ

アトリエ・ダンカン

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/07/25 (土) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★

B級顔見世ミュージカル
これ、出演者の顔見世興行というか、
プレゼンテーションのような作品だなぁって感じました。
ミュージカルなのにチケット代金が安いから、
(でも客席はガラガラ、確かに四季同様、カラオケミュージカルですが)
どんなかなぁとは思ってましたが、
きっと稽古とか役作りに時間をかけなくていい分もあって
コストダウンが図れたのでしょう。

この作品も、先週見た「異人たちとの夏」同様、
鈴木って人の作品。この人、人気あるんだなぁ。
正直、話の構成、ラストの持ってき方とか、
めっちゃめちゃなんだけど。

装置はシュール(=簡素)、照明はシック(=煌びやかさがない)、
と、非常に低予算チックに構成している。
低予算でも、派手に豪華に見せるのがミュージカルのお家芸なんだけど
地味に地味に行くって、それはそれで、この人の味なんだろうな。
僕は出来ることなら、口にしたくないけど!いや絶対食べたくない。

このデフレの時代、
ローコストオペレーションはしなきゃいけないし、
歩留まりも悪いのを想定しなきゃいけないから、
こんな倹約家の制作陣は重宝されるんだろうな。

ネタバレBOX

さて、役者陣ですが、
別所哲也って、スターの貫禄がついてきたな。
背格好の大きさもあって、
舞台の真ん中に立つと見栄えして、オーラがついてきた。
「レミゼ~」や「ミスサイゴン」の経験が利いているのだろう。
いや、これで秋の別所バルジャンの日にも
お客さんが入るでしょう。

マルシアは、最初から
マルシアオンステージ。
得意なことだけしているから、何ら目新しさはない。

真央様一座に捨てられた(!)石井氏は、
きっと両雄、Wバルジャンを魅せる為だけにキャスティング
されてるのだろう。

石川リカリンはかわいい。
歌も芝居もめちゃめちゃというか下手の度合いも
甚だしいけど、
そのへんにいる若手ミュージカル女優なんて
足元に及ばないほどの、キラキラがある。
流石、モー娘。

杜けやきは自由
田中ロウマは、いかにもステレオタイプで、うっとうしい。
D/Dは、アンサンブルがお似合い。

個人としての実力と個性が感じられた珍品でした。
家族

家族

かもめマシーン

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

痛みの家族
本来なら幸福な家族像を誰もが望んでいる。しかし、幸福そうに見える家族でも問題の一つや二つは抱えてるはずだ。
この物語は兄が幼女2人を殺害し、遺体を観覧車の下に埋めたことから、死刑囚の家族となっても尚、この廃墟と化した団地に住み続ける家族の物語である。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX


孤独死は多いしキチガイは多いし・・、と嘆く自治会長が汚い団地を少しでも住みよくする為にと、死刑囚の家族の下にやってきては何かと自治会の催しの参加を促す。「あんたらみたいな家族はここにしか住めない」とのたまう。家族の父(後夫)は会長の押し付けがましい態度を疎ましく思っている。妻は疎ましいとは思いながらも、近所と上手く付き合わなければここに居られない、という思いが強い。
死刑囚の妹は殆ど言葉を発しない。たぶん、これは兄が犯罪を犯したことを知った日からだと思う。
一方でこの街をうろつく詩人と呼ばれる狂人が居る。この狂人に対して妹はひじょうに優しく接して家の中を自由に出入りさせている。狂人は独特の理解出来ない言葉を発する。しかし、妹はこの狂人を他のニンゲンと比べて純粋と感じてる節があって、その純粋さに惹かれてるようだ。そうして妹は死刑囚の兄を持っていることで異質な者に対する寛大さ、あるいは容認さがそうさせるのかもしれない。
兄の犯罪から一転して兄は加害者でも妹や家族は世間の白い目を常に意識するという被害者でもあるのだ。
妹は声にならない悲鳴が喉を突き上げて、息を詰めてそれをこらえたら言葉がでないのかもしれない。屈折した表情と発しない言葉がそれを意味する。

一方で狂人は言葉にならない言葉を発しながら途方にくれたふうには見えない。自分の境遇を嘆いたり社会を恨んだりしている様子でもない。顔に表情はなくまなざしはぼんやりとして、ほんとうはどこも見ていないような・・・だから逆に、ふつうの人には見えないものをじっと見つめているようにも思える。

死体を埋めた観覧車の向こうにみえる団地に暮らす家族の物語。

微妙な位置にいた後夫が本当の家族となるまでの描写、自治会長との軋轢、家族の心理状態を繊細に映した物語だったと思う。しかし、物語の静かで遅い流れが観客の息に合っていないように感じた。見方によっては浅く見え、見方によっては深いのだ。
なぜなら、傷ついた家族はあまり言葉を発しないから。

いい作品だけれど、この流れのまま芝居にするには少々難しいような気がする。観客が欲するものはもっと違うものだからだ。


咲かせつづける花

咲かせつづける花

演劇チーム 渋谷ハチ公前

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/05/18 (月) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めての舞台
 私は夜(18時)の部、千秋楽を拝見しました。笑いあり涙ありのいい舞台でした。出演者皆様が一本芯演技し、これに答えかのように観客が、笑ったり、すすり泣いたりしていて、舞台上だけでなく、会場全体が一つの世界の様でした。最後には何か問題定義された気持ちになりました。
 心に「ズシッ」と来るものがありました。
 舞台を見終わった後、それが何なのか無い頭で、頭が痛くなるくらい考えました。だけど上手く言葉に出来ません。

一夜たって、朝起きて、ぼっんやりした頭で、漠然と『咲かせつづける花』について考えてみた…
ここでの『花』の意味について…
「渋谷ハチ公前」の皆様が伝えたかっことについて…
 『花』は散る、枯れる。その様に、形があるものは、なくても、体や五感で感じられる『物』は、いつか無くなってしまう。

でも、散らない、枯れない『花』もあると思う。
それは、『想い』、『気持ち』、『心』なのかもしれない。
それは、枯れるときもあるかもしれない
たけど、それはその人次第だと思う。
そう言うことを「渋谷ハチ公前」の皆様は、伝えたかったのではないだろうか。
『演劇』と言う『種』にして、観た人の『心』で、咲きつづけるように…

喫茶シャコンヌ

喫茶シャコンヌ

劇団東京イボンヌ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/07/15 (水) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

バイオリン
東京イボンヌは、今回で2作品目の観劇。
バイオリンの生演奏は、素晴らしかったです。

前作も恋愛のシチュエーションが、不倫だったりちょっと非日常的な部分があって、興味深かったんですけど、今回も血が繋がっていない兄妹の関係だったり、ちょっと変わったシチュエーションが、どうなって行くんだろう?と、気になってストーリーに引き込まれていく感じでした。

秋定さんは、やっぱり存在感ありますね。華があるし、声も好きでした。

あと、山口さんの存在も良い感じで絡んでいて、ラストでスッキリ気持ち良くなれて良かったです。一途なところが、山口さんが持つ雰囲気に合っていたと思います。

杉山さんのキャラクタも、よくこんな人いるよなぁって思いながら観てました。すごいハマり役みたいで、杉山さんを他の舞台で観ても、今回の印象が残ってしまいそうです。

一つ気になっていたのがバイオリンの演奏が素晴らしいあまりに、芝居から気持ちが離れる(秋定さんが演奏しているシーンが思い浮かばない)感じがしました。一度でも最初に秋定さんがバイオリンを持つシーンがあっても良かったかなぁ?

また次回の作品も楽しみです。

異人たちとの夏

異人たちとの夏

東宝

シアタークリエ(東京都)

2009/07/04 (土) ~ 2009/07/25 (土)公演終了

満足度★★

暗く、静かなホラー
暗いなぁ…

シュールと言う名の簡素で陰湿な舞台セットの中、
コマ切れに描かれた古めかしい話が綴られているから、
いやに暗転が多く、テンポが悪い。
そして、とにかく静か。

設定を現代の都会に置き換えているから、
原作や映像で描かれている風情やバタ臭さがない代わりに、
ドライでクールな殺伐感がある。
いわば「四谷怪談」のような人肌や感情が篭った幽霊ではなく、
「リング 貞子」や「JUON」のようなホラー感覚に見える、
恐さや哀しみの方向性が違う

狙いは伝わらないが、挑戦している感はあり、
模索してるんだろうなって感じはするけど、
それは、製作者側の問題。
製作者の勉強に、高いチケット代払わされてる観客はいい迷惑。

相変わらずクリエは、観客そっちのけで自己満足な興行をしているな。

その結果が、来年の「放浪記」上演なんだろうな

黄金時代と優しい奴ら

黄金時代と優しい奴ら

東京ポトラッチダンディーズ

タイニイアリス(東京都)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

お初です
初めまして、コメディーを観たのですが、とても楽しかったです。

 笑えました。

サンタのひげ

サンタのひげ

劇団SKグループ

南国居酒屋 きじむなあ(青森県)

2007/10/17 (水) ~ 2007/10/17 (水)公演終了

満足度★★★★★

特等席!
2mぐらいしか離れてないところで、現実なのに現実じゃないことが起こってる!

一般客としてはそれだけで結構スゴイ体験なのに、
へんちくりんで、おかしくって、でも暖かくて泣ける。

良いお芝居でしたナ。
いゃ、
良い体験でした。
さんきゅ♪

【第20回テアトロ新人戯曲賞第1次選考通過止まり作品】怖気

【第20回テアトロ新人戯曲賞第1次選考通過止まり作品】怖気

江古田のガールズ

小劇場 楽園(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

島田桃子さんが
良いです。

花とアスファルト

花とアスファルト

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2009/08/01 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

大人の童話
川上弘美の「神様」を題材にしたらしい。川上弘美の作品はかなり前に夢中になって読んだ時期があって、確か10冊ほど読んだ頃、飽きて読まなくなった作家だった。なぜ飽きたかというと、川上の書く短編は幻想的な世界といえば聞こえはいいが、まったくの嘘話で、登場人物というか登場動物が変わっていて、蛇だったり河童だったり龍だったり人魚だったり、熊だったり・・。文章自体もひじょうに読みやすく中学生向きの作家レベルだから、東野圭吾や北重人の文章力と比較するとあまりにも幼児性が強いと感じたからだ。
だから、それに平衡して今回の小夏の作風はどうしても童話的要素が強くなっている。

以下はネタバレBOXにて。。

ネタバレBOX

それでも川上の作品は読み終わった後にほのぼのとした透明な優しさに包まれる。そういった意味では小夏の描く世界観と川上の世界観は同じ線上にあるのかもしれない。

すみれが原団地に引っ越してきたクマは明らかに異質で異文化の生きものだから、人間たちに受け入れられない。それでも紳士的なクマはどうにか馴染もうと頑張るが、やはりそこには大きな見えない壁が立ちはだかる。
クマは「クマの神様の祝福が皆様の前にも降り注ぎますように。」と常に思っているが、当の人間たちには響かない。

やがて人間の中にもクマと仲良くなって家族のように親密度を深める人も出来るが、全員ではない。クマと人間。ここでの人間は個々は悪い人ではない、ほんとうに。ただ、とても大切なことに気づかず、そこを土足で踏んでしまうだけのことだ。
人間の住民たちの会議での外面、家族の中の風景での内面の、反面の描写が面白い。子供に甘える母親がいて、子供はそんな疲れてる母親を思いやる。

そして紳士的なクマは仲良しの鈴木さんに森(故郷)に帰ることを告げる。馴染みきれなかったのだといいながら。人間たちの日常はクマが居なくなってもなんら変わることはなく、同じように守るべき何かを持って、負けたり勝ったり、相手を傷つけたり、傷つけられたり、嘘を言ったり、喧嘩をしたり、そうやって自分をだましながら折り合いをつけて暮らしていくのだ。

こうしてクマは二度と街に戻る事はありませんでした。

じんわりと心に温もりが広がってくる芝居です。クマ役の荒井志郎と鈴木役の羽場睦子のかかわりと演技がいい。



信長 -NOBUNAGA

信長 -NOBUNAGA

劇団め組

吉祥寺シアター(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/04 (火)公演終了

満足度★★★★

シンプル。
初見でありました。劇団員53名を抱える大きい劇団のようで、ファンクラブまであるんですね。

ネタバレBOX

守るもののない信長の強行突破な姿勢と所々で窺える人間の弱さと、下心からくる計算された振る舞いを新宮乙矢さんが演じていました。はあ、この劇団はスターがいるのだ、なるほど、と客層をぐるり。

コテコテの戦国衣装ではなく近未来な衣装の人もいるし、ダンサーはアラビアンナイトな装いで苦悩する人を囲んで踊る。
二階、三階にも時折役者が姿を見せるので上の階の方が観やすい。

後半、白い糸のようなものを信長にかけるのだけど、その後処理に時間がないので、そのままステージに残ってしまい、それが汚らしいのが残念。血吹雪の意味で、赤であったら残っても戦国野原みたいに映るかも・・・・無理か。奥方達の衣装がホステスのようなのが気になりますが。

展開も分かりやすく男性陣が光る。年配の女性客が多いからか美術の割にチケット代は高め。初見割引など設けると新規の客も来やすいのでは。が、固定客がいるので必要ないのかもしれず。
新宮乙矢さんの存在感に星。良かった知ることができて。
ラーメンすすって、泣いちゃって!

ラーメンすすって、泣いちゃって!

悲願華

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

麺はのびすぎ?です。
西強ラーメンのテーマ曲は最高です。

ネタバレBOX

話は面白くいい話だったのですが、いろいろな話を詰め込みすぎて間が伸びすぎた感がありました。
ラーメンで例えると、「具が沢山あって嬉しいかったけど食べ終わる前に麺がのびてしまって、最後は食べるのが厳しかったなぁ」て感じです。
いろいろな話を詰め込みたいのは解るのですが、もっと話を絞った方が良かったのではないでしょうか?
あと最後はハッピーエンド?的な終わりだったのですが、観終わった後何か寂しい感じがしました。何故なんだろう?
役者さんは皆さん良かったです。
特にユリエ役の役者さんが良かったです。彼女を観ていてとても楽しい気持ちになりました。次回は彼女が主演の作品が観たいなぁと思いました。
公演が終わった後、「ラーメン二郎」を食べて帰りました。
ラーメンすすって、泣いちゃって!

ラーメンすすって、泣いちゃって!

悲願華

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

頑張ってるね
これからの演劇を担っていこうとする学生演劇らしい一生懸命な芝居で好感は持てると思います。でも,ストーリーが読めてしまうのと最後の話の詰めが淡白なのは,やはりまだまだこれからなのかなあ。ひとりひとりの演技にはまったく問題はないでしょう。これから味を濃くしていけばと思います。またどこかで悲願華の名を目にすることがあればと思います。頑張ってください。

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了

満足度★★★★

アイデアに脱帽、楽しめました
面白い名前の劇団だなぁと思っていたので初見です
導入部の面白さ、構成の巧みさ、笑いの質、すべて自分好みで
満足しました。でも満点にしなかった理由はネタばれで。
自分の観た日はアフタートークがあり、安井順平氏がゲストで
観客の視点で質問したり、感想を述べてくれたので参考になりました。
終演後、舞台に上がっていわくつき?の舞台美術を見学してもOKと
いうことで、上演中気になっていた部分を確認できたこともうれしかった。
また、平日マチネーの割引・アフター企画など、観客サービスの点でも
配慮されていると思います。
時代劇ばかりやっている劇団ではないとのこと、作・演出の板垣さんは役者としても面白い人だと思ったので、今後も機会があれば観てみたい劇団です。

ネタバレBOX

近江屋での「竜馬暗殺事件」をモチーフに、劇中劇が繰り広げられる。

 男優陣は演技がみな役として説得力があり、自然で良かった。
女優陣のなかでは、私はみなさんとは違い、ちぐさ役の柳さおりとなつ役の
南あゆ美の演技が、妙に肩に力が入って、やさぐれぶりがわざとらしく芝居がかって、「こうやれば、こう見えるでしょう」という自意識が垣間見えた。
また、2人の衣裳の色合いが同じ臙脂系で似ていたが、まったく違う色にしたほうがよかったのではと思う。
 再現ドラマ仕立ての劇中劇といっても、実際の観客は有料で観ているわけだから、逃げに使ってほしくはない。演技はおろそかにできないはず。いったん劇に入り込むと、時代劇なのでやはり役者はそれなりに動くべきで、細かいことは気になるものだ。
まず、柳の刀の扱い方がぞんざいである。刀を受け取るときも、渡すときも
いかにも軽い小道具として扱い、緊張感がない。たとえ、なまくら刀でも持ち慣れない町人にとっては重いはず。動体視力にたけ、斬り合いにも目を配る女が刀に無関心に見えては困る。
なつの使うお国ことばがどこのものなのかはっきりしないが、自分には下手な関西弁のような妙なイントネーションが気になった。あえてなつだけ方言にする意図もわからず、効果的にも聞こえなかった。
 アフタートークで板垣氏は「やばいという言い方をやめたように、現代語でもいちおう時代考証は気にして、当時使われなかった言い回しはしてないつもり」と語ったが、それなら「動体視力」や「精神的には」と町人が言うのは違和感がある。現代語は気にならなかったが、この2つには違和感を感じた。
また、非常口灯は劇中では消灯しても良かったのでは。やはり気になった。
 全体では小笠原佳秀の竹三が出色だった。この時代の中で息をしている人物に見え、目配りのうまさ、終始、芝居に気を抜かず、時代劇は初というのに、身のこなしもきれいだ。これまでコント芝居や喜劇で注目していた俳優だが、二枚目の性格俳優としての可能性も感じた。
 よくできた芝居だけに、かえって細かい点が気になり、自分の中ではマイナス点に加算されてしまう。したがって★4つ。
 舞台美術見学で、「段差にご注意ください」の注意書きを発見し、板垣氏の見学者がそれでもつまづくのが妙にリアルでひとりクスッと笑えた。
 フライヤーの「誰もが早く帰りたいと思った。面倒くさそうだから早く帰って寝たいと思った。」という部分は、劇の設定とは少し違うような。家に帰らず、そのまま、頬かむりして、お勤めに出て行ってしまうからだ。

血縁~飛んで火に入る五兄弟~【10周年記念公演】※本日千秋楽!

血縁~飛んで火に入る五兄弟~【10周年記念公演】※本日千秋楽!

モダンスイマーズ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

祭りですね
今回は、10周年記念公演ということで
脚本と演出もモダンスイマーズ5人全員で行い、
普段は作演出の蓬莱さんも役者として出演。

前の公演の『夜光ホテル』も観たが、そのときは割りと重めの人間ドラマだった。
今回はまったく違う。たしかに「祭り!」
舞台というよりも、コントに近いかも!
踊りあり、年中行事あり。
毎回こんなノリだったらキツイけど、記念公演だしOKかな。
なにより単純に楽しめた!

開演前の客席案内も開演ギリギリまで劇団員自らやってたし
終演後も通路やロビーにたって丁寧に挨拶している姿にちょっと感動。

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了

満足度★★★★

平日昼でチケットも安かったので観てきました
「その隣の家から再現」というのがポイント!
冒頭での入り方は抜群に面白い。
ただ、本編のセリフやストーリーがもう一歩詰めが甘いと言うか
もう少し歴史的事実も絡められたらよかったのに。
あと、登場人物が少し多いかな?
もっと少数に絞ってもいいんじゃないのかな。
まあ、値段分は十分に楽しめた!

その後のアフタートークも参加した。
作演出の板垣さんと お笑い芸人の安井順平さん。
なんか、アフタートークを聞いた限りでは
龍馬にそれほど思い入れがあるわけではなく、
詳しい人に聞いたりやウィキペディアで調べた程度みたい
納得。

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