最新の観てきた!クチコミ一覧

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アグリカルチャー

アグリカルチャー

弘前劇場

ザ・スズナリ(東京都)

2009/12/04 (金) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

りんご。
100分。毎度観客の平均年齢がぐっと上。ぼたっと大粒の涙がいくつか落下。
今回の作品に限らず弘劇は、食べること=生きること。青い空、水、男の脆い部分、それを受け入れる女 がベースにあると感じています。方言が遠慮してない生のスピードの部分が多くいつも通り(それが良く)。退屈に感じるのか骨身に染みるのか、他の方の反応が気になったけどいい拍手だったと思う。背後に山と海を感じる劇団。父役の長谷川等さんに切なくなり、林久志さんは初見でしたが熱い何か、を感じる。

ミニマルダンス計画

ミニマルダンス計画

黒沢美香

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/11/25 (水) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★

「膝の火」を見る
黒沢美香のダンス作品は5年前からちょくちょく見ている。今回はこまばアゴラ劇場で「ミニマルダンス計画」と銘打って合計4本を上演する。「膝の火」はそのうちの1本。
新旧、巧拙とりまぜて十数名の女性ダンサーと、黒一点、後藤茂というスキンヘッドのオジサンが出演した。上演時間は70分ほど。

ネタバレBOX

黒沢作品ではときどき、ドラマ的な状況設定を想像するとうまくはまる時があり、今回はそのケースだった。
女性陣は全員が付け髪をして、女学生ふうのお下げ髪になっている。なかには白髪の女性もいるが、それでもお下げ髪だけは強引に黒々としたのを付けている。衣裳はなんとなく体操着ふう。上下とも白っぽいのと、下だけグリーンなのが半々くらい。
こまばアゴラ劇場の舞台は二階部分が手摺のついたキャットウォークになっているので、サイズはかなり小さいけれど、場所は体育館と見なせないこともない。
というわけで、個人的には戦前の女学校の体育館を舞台にして、当時としてはモダンな西洋のダンスを踊る女学生たちの部活の様子、というのを想像しながら眺めた。
黒い半ズボンにワイシャツ姿の男性はさしずめ女学校の用務員だろう。
照明の変化が一日の時間のうつろいを感じさせる。全員によるラストの群舞は文化祭当日の出し物なのかもしれない。夜中に練習する一人を励ますように用務員のオジサンが一緒に踊ったり、女の園らしく妖しい禁断の恋愛模様も感じられたり。

ひところ、黒沢美香のダンス作品には舞踏の影響が感じられたが、それに比べると今回はミニマルダンスとはいいながらも、体はけっこう動いているように思えた。
MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

処女航海

BAR COREDO(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

美しい・・・
良かったです♪

ネタバレBOX

黒と赤、そして紫のコントラスト、それにピアノの鍵盤の白がさえざえとして素敵でした。
なにもかもが美しかったです!

愛を求める気持ち。
分かります。。
人は奥底に愛「されたい」気持ちを持っているのですよね。

鎖と髪が繋がっている様がラプンチェルでした。

次回の公演も是非観たいです。
見えざるモノの生き残り

見えざるモノの生き残り

イキウメ

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★

評判が良かったので…
イキウメは一度観たいと思っていたが、いつも他の公演を優先していたので今回こそ観る気満々で観劇。予習せずに観れる芝居は楽しい。座敷童子の話だったんですね。ほっとする作品で良かったです。

倶楽部

倶楽部

Rotten Romance

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

ノイジーな意識、身体性のハードコア。
これは、あまりにもショッキングである。舞台にあるものすべてがメタ化されているのである。人が人であって、人でないのである。身体で描くイメージの連続なのである。それに加えて、起承転結のメリハリや、物語の着地点も見当たらないのだから、どうしたって混乱するわけだ。しかしながら、舞台から発せられるエネルギー量は尋常ではなかったし、よく理解出来てもいないのに、心動かされる何かがあった。

素粒子となって中空を漂いながら、街を俯瞰するジャンキーな戯れに呑み込まれているような。渋谷駅前のスクランブル交差点のど真ん中につっ立ってざわざわと通り過ぎていく匿名の人々や否応なく耳から入ってくる匿名の声や、足音、大型テレビモニターに映し出される情報なんかを、ただじっと眺めているような。上手く言えないがそんな感じだ。

何でもあるのに何にもない街、シブヤを美化せずに具象化した、アッパーでニヒルなリアリズムに満ちた舞台であった。

ネタバレBOX

まず会場に一歩足を踏み入れて唖然とする。
壁には、無数の新聞紙が無造作に貼られており舞台には、これまたおびただしい数の洋服が雑然と敷き詰められている。なかには”渋いたにまに”なんてよくわからない暗号のような紙も混じっていて、客席の下にまで散らばっている。(このラディカルな舞台美術を目に焼き付けるだけでも、価値のある公演だと言えよう。)
そこに死んでるように動かないものがみっつ、いる。表情はうかがい知れないがそれはまるで、情報の渦の中に個が埋もれてしまっているのっぺらぼうで。惑星が衝突するかのような音が鳴り響き、実体が立ち上がる。


冒頭で交わされる短い会話。
3人は、昨晩、渋谷のクラブ(倶楽部)で遊んだ。
宇田川町の小学校で教師をしている地球人は、冥王星まで旅行に行ってきた。
漁業が盛んな星で暮らす水星人は地球に来る時、肺呼吸に変換する装置を耳につける。
林業が盛んな星で暮らす木星人はジェット噴射で地球にやってきた・・・。

彼らの指先にはICチップが埋め込まれていて、互いの指先と指先が触れ合うことによって情報を交換し合うことが出来る。また、彼らのいる世界では、スモールライトや、ドコデモドアが市場に流通されているらしい。
そして四次元装置を2台使って人間が重力を自在に操り、惑星間をワープ出来る、我々現代人が憧れる夢のような世界なのである。
しかしながら、人が地球以外の惑星に住むことをはじめた時代にあっても、
人間のコミュニケーション能力が現代から進化していないように見てとれる。
それぞれが違う星に住んでいることに起因しているのか定かではないが、
ステディな友だちと言えるほど親密な関係でもないらしく、会話や関係性は、思いのほか発展しない。
言語が”ノイズ”として作用しているからだろうか。
はたまたコミュニケーションの手段が言語ではなくなっているのか。
その辺はよくわからないが会話は途切れ、存在は意のままに変化する。

時は変わって、白昼の渋谷のスクランブル交差点。人がすれ違っているイメージ。ヘッドフォンチルドレン。足音。雑踏に垂れ流される大量消費されるポップソング。街頭テレビの広告塔。109。などを身体を用いて表現される、視覚化されたノイズの群れ。

そして夜行性が騒ぎ出す。夜の速度はもの凄い。
天井でせわしなく動き回るスポットライト、終わりなく回り続けるミラーボールの具象。ダンスフロアで踊り狂う人々の表象。突拍子もなく執り行われる、メタ化された性行為と特殊性癖嗜好者。徒党を組む謎の集団。”自由”と吐き捨てて息絶える時代のアイコン。混濁するイメージの祭典。モザイク化する、エレクトリックシティー。果てしなく続く、ディスコミュニケーション。すべての事象の輪郭が浮き上がり、夜明けと共に消えていく・・・。

やげて立ち上がる、ひとつの自意識。記号として配置される奇妙な刺青を入れている男のモノローグ。
「テレビを見る芝居をする練習をしているんです。」
ひと気のない渋谷のスクランブル交差点のモノクロームの映像が流れるテレビ画面を凝視するその男は、観客に真っ向から背を向けて何度も何度もそう繰り返す。これは、役を演じる俳優が演劇というドラマから遠ざかる実像と、俳優でない自分自身でいるための虚像を演劇的な空間を保持しながらリアルなドキュメントとして同時に重ね合わせているように受け取れた。

心ここにあらず。とでも言うような、ドライで病んでる魂が、落ち着きなく中空を彷徨っている浮遊感や、何かの終わりが始まるまで続いていくサイケデリックな喧騒や珍妙な人々、相対性理論・・・。
もしもこの舞台を映像化したら、デヴィット・リンチの「ロスト・ハイウェイ」のようなカルト映画になるんじゃないかしらん。なんて思ってみたり。彼らがこれからどんな『手荒なまね』をして、演劇的既成概念を突破しようとしているのか予測不可能だけど、それはとても意義のある試みではないだろうか、と思う。

最後にいくつか気になった点を記しておきます。
渋谷の街の喧騒をザッピングするのが今回の主題なのかもしれないが、
もしも倶楽部が、何らかのシグナルを受信する場所だとするならば、少しパンチが弱かったような気がします。
多分、倶楽部が人が集まって散っていく場所のままだったからかもしれない。それを意図しているなら、成功したと言えると思うのですが・・・。
あと、時々登場したストリート系の格好をした若者がいたけど、あれは一体何だったのだろう。ストーリーのキーパーソン的な役割になっていたら、また違った見え方になっていたかも。
でも、倶楽部を取りまくヒトや街の描写は新鮮で目を見張るものがあったし、
ラブ・サイケデリコのBGMを使ったアクトは若者のリアルな日常のイメージを持たせるのに印象的だった。
全体的に荒削りだった感じもするけど、空間の使い方も無駄がなくてよかったし、何よりこんなにも濃密な時間を体験したのは久しぶりだったので、満足度は高いです。
カタルシス夢十夜

カタルシス夢十夜

ムシラセ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★

夢十夜の意味
夢の数が10個かどうか勘定したわけではありませんが、夢の中の話は何でもありのパラレルワールドになってしまいます。

どこが現実で、どこが夢なのかよく分かりません。

ネタバレBOX

かぐや姫がモチーフと分かると、今度はかぐや姫のイメージが強く働いてしまって、そうかもしれないし、そうでないかもしれませんが、タカピーなイメージに捉われてしまいました。

サツキマスの物語

サツキマスの物語

劇団扉座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

街の景色が目に浮かぶ
田舎町の町おこしのハナシ。
行政とNPOと女子ビリヤード選手のそれぞれの思惑が交錯する
物語が、良く出来ている。
モノローグの使われ方が印象的。

ネコロジカル・ショートカット・ネコロジカル

ネコロジカル・ショートカット・ネコロジカル

猫の会

d-倉庫(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★

少し温かくなりました!
人付合いの上手い妹と、下手な姉の対比が面白かったです。

そして、猫には猫の人付合い、ペット付合いもあって大変ですね。

猫好きに悪い人はいないし、少し温かくなりました。

ネタバレBOX

憑依は個人的には感心しません。憑依しないで思いを伝えることが大切だと思います。
『天国だヨ!全員集合』

『天国だヨ!全員集合』

脱線劇団PAGE・ONE パートII

シアターブラッツ(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しい天国
天国がこんなに楽しい場所だと初めて知りました。行ってみたくなりました。皆さんほんとに芸達者です。笑わせてもらいました。

午后は、すっかり雪

午后は、すっかり雪

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

いつもの吉田小夏らしい仕上がり
そして、「花とアスファルト」の時のキャストと同じだったから、なんだか懐かしくて嬉しかった!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

向田邦子の家族の背景と恋人との関係を描いた物語。
まず、邦子と恋人・西沢との関係が素敵だ。西沢の母親は邦子に「あの子の事、見捨てないでね。」と哀願するが、彼の体が不自由なことは恋愛感情においてなんら障害にはならないような気がする。恋愛とは何かを超越した精神的な関係が成立するからだ。だから邦子のほうが西沢を必要としてるのが見てとれる。西沢は寝る暇もないほど忙しい邦子の癒しなのだ。

しかし、西沢は邦子にこじんまりとしたちっさな目標を目指してほしくない。だから「俺に合わせないでほしい。ちゃんと自分に合わせて目標をもっと遠い所にしなきゃ。そういうことが出来る人なんだから・・。」と言って邦子から離れようとする。無性に切ない。ここでの西沢の心理は邦子を愛してるが故に負担となりつつある自分の存在を消して邦子にもっと有名になって欲しいと願う。

愛って深くて悲しいな、って思う。また同時に一方があまりにも有名になりつつあると、もう一方が離れようとする心理はなんとなく解る。片方のみの秀逸した才能はこんな場面で障害となってしまうのだ。二人のやわらかな指が絡み合う場面はエロチックで美しいと感じたからこそ、愛は永遠であって欲しかった。

また邦子の家族の描写も楽しくて厳しい。亭主関白な父親と良妻賢母の母と3人の姉妹。この3人の姉妹のうちの一人は生涯独身を通し、一人は結婚するも亭主関白というよりも横暴な夫に仕えてなんだか不幸に見える。そして邦子だ。母が娘に妻の心得「結婚したら隅から隅まで気を回してもダメ。物事をすっぱりといってしまってもダメ。少しぼーっとしてて、いつもニコニコしてればいいの。」と教える。

これって現代では通じないよね?女性が働く今、ぼーっとしていてニコニコしてられないもの。いあ、働かなくていいなら出来るかも。要はバカのふりするってことでしょう?笑

相変わらず照明とキャストのちょっとした動きに工夫を凝らした演出で魅せた。豆腐屋と父親役のキャスト・藤川のギャップが可笑しかったのと、役者って、やっぱ凄いな。と感じた舞台だった。終盤の雪が舞い落ちるシーンでは、父親と和子(娘)の家族の絆が読み取れて美しく穏やかだった。

雪の冷たさと対比してぬくもりのある舞台。その描写はどこまでも美しい。。
倶楽部

倶楽部

Rotten Romance

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/12/01 (火) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★

うーん。
とても不可解です。大学時代の後輩が出演者にいたので、数年ぶりに演技をみにいったのですが・・・内容は全くないのかもしれません。DJ、クラブ、音楽、病気、なにかのウィルスに感染したのか、宇宙規模の話の中になぜか国の形成の話。役者さんはそれぞれ本当に実力のある方々が集まっているのですが・・・内容は・・・?画を見ていればいいのか、空気を味わっていればいいのか?空間全体をみていればいいのか?面白いと思える人にはとても面白い作品なのでしょうが。伏線はあり、繰り返しもあるので何かあるはずなんですが・・・私には見つけられませんでした。でも、ここまでこういう芝居であったと説明できてしまうのでから・・・心に残っていないわけではないので、それが演出の意図なのかもしれません。

MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

処女航海

BAR COREDO(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了

満足度★★★★★

ウットリ。
ダンス初めてだったけど、演劇性もあってすごく見やすかったで~す。
衣装もメイクも照明も舞台装置も小道具も音楽も踊りも、ぜーんぶ、ぜーんぶ素敵でウットリして見ちゃいました。
なんかあの世界観好きだな~。
そして、席は狭かったけど、演者さんの息遣いが聞こえるほど近くで見れて大興奮でしたっ!!!
雨降ってたけど、ホントにホントに劇場まで行って良かったー。
次回作は来年の夏ごろやられるそうですね。
また絶対に見に行きます。

演劇/大学09秋 近畿大学 『腰巻お仙─義理人情いろはにほへと篇』

演劇/大学09秋 近畿大学 『腰巻お仙─義理人情いろはにほへと篇』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/03 (木)公演終了

満足度★★★★

思いのほか、ライトな味わい
春のときは普通の座席で通路を花道に使っていたが、今回は、江戸初期の
歌舞伎の名乗り台という花道の原型に似た、スロープをつけた短い花道
を客席前方の真ん中に通し、両側を桟敷席にして、テント芝居の感じを
出していた。
「腰巻お仙」の初演は観ていないが、テントを建てた花園神社の反対で
題名が変更されたという新聞記事を読んだことがある。初演を観た人に
聞くと「明治時代に盛んだった即興劇はあんな感じだったのでは」という
答えが返ってきて、長く興味を持っていた芝居。それを大学生たちが上演
するというので楽しみにしていた。
「お仙」という役名だが、「お仙」というと私は浮世絵の美人画でも有名な
「笠森お仙」をまず思い浮かべる。「明和三美人」の1人に謳われた水茶屋
(江戸時代の美人喫茶みたいなものだ)の看板娘。当時、唐の夫人で看板女優李礼仙(麗仙)の「仙」に引っ掛けたのかもしれないが、喫茶店が出てくる
芝居なので「笠森お仙」も関係あるのかもしれない(ロビーに唐さんがいたの
で質問すればよかった。でもコワイ)。
そして母を捜す忠太郎という少年が登場する。忠太郎といえば、長谷川伸の
「瞼の母」の番場の忠太郎を連想する(若い人は知らないかも)が、これは
その話をモチーフにしている。それを知らないとパロディーが活きて来ない
のが残念だ。唐十郎の芝居には「何か(誰か)を探している」人物が必ずと
言っていいほど登場するが、ノスタルジックで物悲しい音楽とともに
主人公が独白するというパターンはその後のアングラ劇団にも模倣されている。
(私がよく観ていた劇団サーカス劇場の芝居は作者が唐信奉者のためか、その典型であり、「捜す」パターンで何本作られたことか)。
実際にその伝説的な「腰巻お仙」を観て、あまりにライトなので拍子抜けがした。
初演の李礼仙の胸に晒しを巻き、諸肌脱いだ官能的な舞台写真を見ているせいかもっとぬめぬめした感触の江戸・浅草の見世物小屋みたいな芝居を想像していたのだが。
このライトな感覚が近大の唐十郎演劇塾の特色なのかもしれない。
私にとってはいろんな意味で楽しめる作品でした。詳しくはネタバレで。

ネタバレBOX

「ヒャラーリヒャラーリコ」の笛吹童子の主題歌で始まったのでワクワクした。
「この歌大好き!懐かしい」と言っても、若い人は知らないかも。ラジオドラマ化・映画化・TV化され、大ヒットしたので、昭和にはよく知られた歌です。
この芝居自体、いつもにも増して歌の場面が多く、楽器の生演奏もあって、ちょっとした音楽劇の様相。
もぐりの医者で犬殺しの顔も持つ袋小路(小林徳久)がリヤカーを引いて登場するときに歌うのは「空に星があるように」(荒木一郎のヒット曲)だし、床屋の娘かおる(松山弓珂)が歌う「シュガータウンは恋の町」はだれの歌か忘れたが、歌詞がいまもすぐ出てくる。子供たちが「シュワワー」とまねしてよく歌っていた。「ブルーシャトー」はブルー・コメッツのリードボーカルの
井上忠夫がフルートを吹くので、お仙の横笛に引っ掛けたのだろうか。
歌だけではなく、この芝居にはちゃんと当時の世相が反映されている。
無免許医師の話は三面記事に多く、お笑いのネタにもよく取り上げられた。
犬殺しを職業とする者は東京にもいて、私の家にも警察官が注意に回ってきた。
「犬の患者」というのが出てくるが、愛犬家がブームになり、人間の病院に患者として並ばせた飼い主の記事を当時読んだことがある。
床屋(藤波航己)と禿の客(青山哲也)とのやり取りも、唐十郎芝居の笑いのねちっこさはなく、むしろ現代的な笑いのテンポに感じた。「ワンダフルは洗剤でしょ」とか「果てしない水平線バカ」など60年代ギャグもあったが。藤波は唐十郎の芝居らしい雰囲気のある俳優だ。
かおるにストーカーのようにつきまとう袋小路を中心とする床屋の連中の追いかけっこなど、とても唐十郎とは思えぬ明るい場面だった。袋小路という男、音楽喫茶の専属歌手でシャンソンまで歌うおかしな男だが、小林のインチキ臭さはどこか憎めない(60年代、一世を風靡したコメディアン内藤陳に演技の質が似ている)。
かおるは前半ポニーテールで明るく歌う場面が印象的なだけに、後半の凄惨さが際立つ。
忠太郎(高阪勝之)は夢の遊眠社にいた若いころの段田安則に雰囲気が似ており、忠太郎を慕うオカマの新約お春(居石竜治)は春にも注目したが、思いのほかオカマ役が似合い、ドランクドラゴンの塚地に似ていて愛嬌がある。
後半になると、ようやく唐十郎らしいドロドロした話になってくる。忠太郎が音楽喫茶で出会った美少年(久保田友理)は、忠太郎が母にもらった手紙と同じ文面の手紙を持っており、「あれは僕の母親だ」と言い、「母は美少年狂いさ」と明かす。堕胎児らしいガキ五ヶ月と名乗る少年(東千紗都)を「自分の弟だ」とも言う。久保田は口跡はよいが、春の公演のときより若干肉付きがよくなったような気がした。衣装の白のスーツがはち切れんばかりで、スーツの皺がとても気になった。唐ゼミ☆の「下谷万年町」で椎野裕美子のカッコイイ白いスーツの男装を見たあとだけに比較してしまう。衣装は大切だ。
「母危篤」の知らせで病院に駆けつけるが、忠太郎は「葛飾区のせんべい屋」としかと聞いておらず、母親の名前を知らないと言って袋小路に呆れられる。「瞼の母」では母親の名前を知らないために実母の前に身の証がたたず悔し泣きする番場の忠太郎の苦悩が描かれ、そのことを知って観るのとそうでないのでは、この場面のとらえかたが違ってくると思う。
なぜか顔に包帯をした母は子宮ガンで亡くなってしまうが、忠太郎の母は「ごめんねジロー」(奥村チヨの代表曲)と一節歌ってこと切れる。ずいぶんふざけてるが、「ジロー」という名で、この母が忠太郎の母でないことを示した
のか。そこへ、家出して放浪の旅を続けていたかおるが堕胎児たち4人を引き連れて戻ってくる。
顔には包帯が巻かれ、因幡の白兎のように顔の皮が剥けて無惨な姿なのだ。
「では、あなたが僕のお母さん」と問う忠太郎。笛の音が耳について離れないというかおるの前に赤い腰巻姿のお仙(久保田友理)が横笛を吹きながら登場する。
このお仙、袋小路のリヤカーから現れたこともあるが、何者なのかよくわからないし、かおるとの関係もよくわからない。
他の唐作品に比べて難解ではないが、江戸時代の絵草紙をもとに作られた歌舞伎にみられるような
叙情的な芝居だ。「状況劇場の芝居は歌舞伎より歌舞伎らしい」と評されたゆえんもここにあるような気がする。
唐十郎が指導しているという点では、横国大時代の唐ゼミ☆と同様だが、唐ゼミ☆と違って劇団化はせず、あくまで演劇塾で他大学の学生も受け入れているそうだ。
唐ゼミ☆で唐十郎の演出補佐をやっていた中野敦志は「新焼け跡派」と言われるほど、唐のレトロな雰囲気を踏襲した演出をするが、俳優と演出補佐を兼ねる小林には、逆にもっと軽やかで洗練された現代的な色がある。
唐十郎は、この演劇塾で唐ゼミ☆とはまた違う芝居を狙っているのだろう。
「今後も唐十郎演劇塾はいろいろと新たな活動を考えている」というので期待したい。





アンバランスな食卓とあたたかい引力

アンバランスな食卓とあたたかい引力

tYphoon一家 (たいふーんいっか)

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

最終話で盛り上がり…
5つの異なる物語ですが、仕掛けがあります。
ストーリーは面白かったと思います。最後はほのぼのとした雰囲気で終わり、楽しめました。

時間泥棒

時間泥棒

たすいち

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/11/22 (日)公演終了

満足度★★★★

ロマンですねぇ、メルヒェンですねぇ
時間を盗むカメラ、そのカメラに憑いた魂、霊を見ることができる看護士という反則気味(笑)のアイテムやキャラクターを使ったファンタジー系のラブストーリー、大切な人を喪った者たちに向ける目線のあたたかいこと。
また、1年上の先輩に恋する男子高校生が年齢(というよりは人生経験)のギャップを埋めようとするなんてエピソードも「アキレスと亀」の挿話と絡めて描いているのには共感し、思い切りベタな演出&演技で死亡フラグが立ちまくり(笑)な探偵さんの過去シーンが愉快。

ヨミガエリ

ヨミガエリ

演劇ユニットスーパーコンプレックス

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2009/11/20 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★

ラストの逆転は鮮やか
「自殺した人間は即座に転生し再び同じ人生を歩む」というルールが不服でゴネるヤクザに、その直前の「誤認召喚(まだその時期でない者を天に召す過ち)」問題をも同時に解決する策を思いついた天使たちは当事者2人にある使命を与えて別人として地上に戻すが…な物語、若干の既視感と教訓臭、それに浅田次郎臭(笑)がするものの、ラストの逆転が鮮やか。
一方、難病により臓器移植手術が必要な息子を救うべく「金のためなら何をやっても構わない」母親の姿を半ば肯定的に描いているところに「ザラつき」を憶える。
また、彼女の餌食(?)となる男たちがたとえば不採算により小児科を閉鎖する病院経営者だったり、児童ポルノビデオ制作者だったりと、いろんな意味で「子供の敵」であるのが教訓臭のモトか?(笑)

inside out, inside out

inside out, inside out

演劇集団アーバンフォレスト

SPACE107(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★

4,200円はちょっと高いなぁ
おカマを嫌って10年前に家出した息子が結婚を前に婚約者とその堅物の両親を連れて来るにあたって従業員(この場合はホスト?ホステス?)たちに普通の男のフリをさせようとする(ばかりか建設会社の社長を演ずることになる)おカマバーのオーナーを中心とした、設定にしても展開にしても基本中の基本な王道ドタバタコメディ。そんな中に父親が息子の幸せを願う気持ちや、婚約者の両親の不器用な夫婦愛なども織り込んで手堅く仕上げてハズれるワケがなく、キレイだったり見苦しかったり(爆)するおカマちゃんたちもお約束?(笑)
ただ、4,200円はちょっと高いなぁ。
装置だって、バーのオーナーの自宅と言うよりはそこで殺人が行なわれる無人島にある別荘のロビーみたいな見覚えのあるものだし…(謎笑)

ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】

ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

文字通りの「ブラックユーモア」
まさに文字通りの「ブラックユーモア」、思いっきりブラック(かつ不道徳?)なのに妙にユーモラスで笑えてしまうのが不思議~、みたいな。
中には眉をひそめる(どころかタイミング的に拒絶反応を示す)方もいらっしゃるとは思うものの、個人的には支持。
最近多いスプラッタ系コメディホラー映画の「んなワケねーだろ!」な可笑しさとはまた違った可笑しさが独特。ある意味アレよりもコワいしブキミでもあり…。
最初の場において、その家で何が行われているか大体はワカるものの細部が見えずにやきもきしていると、次の場以降の会話で薄紙を剥ぐように(←病気じゃないんだが)それがワカってくるのが巧い…と書いていて気付いたけれど、説明台詞がないんだな。台詞でそのものズバリを説明するのでなく、会話の中にヒントを潜ませて観客に知らしめる、な感じ。
そう言えば、舞台装置(これがまた前作に続いてリアルで、そこから生活のニオイや生活音が流れてきそう)の外(=別室とか廊下とか)で起こっていることを効果音(や聞こえてくる会話)だけで想像させるというのもこのバリエーションと言えるかも?
で、「解体」シーンは4分くらいにわたって舞台上に誰もいない状態だったと後日言われるまでそのことに気付かず。これってスゴくね?

ストイックだよ全員集合!

ストイックだよ全員集合!

Theatre劇団子

ザムザ阿佐谷(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

キャラクター合戦の様相
禁欲修行をする「ワンスモア学園」の100を超える(!)クラスから選抜された8人が会議室に集められ、校長立会いのもとに卒業すべき1人を決める話し合いをする…な物語、さながらキャラクター合戦の様相。(笑)
結末はお約束と言おうか定番的と言おうか予想の域を出ないものではあったが、そこまでのキャラ及びネタによって十分に満足。
まずはキャラクター。1番、2番、5番は自己紹介の時に、他(8番を除く)はそれよりも前の時点で誰なのか判るほどの有名人たち、中では4番、6番、7番それに校長、マリモンが形態模写的に抜きん出ていたか。なんたって登場した瞬間に誰だか判明するってくらいで。(衣装とメイクによる部分もあるが)
また、ネタについてはハナ肇の銅像(@「新春かくし芸大会」)や「ダダン」のCMを知っている世代としておそらく全部ワカったのではないかしら。しかし、他も含めて若者にはワカらんネタが多くないか?(ちょっぴり優越感(爆)

贋作 人形の家2009

贋作 人形の家2009

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2009/11/12 (木) ~ 2009/11/16 (月)公演終了

満足度★★★★

ポップかつ華やかで楽しい
※ 座席は「く」列:かなが入力できないのはいかがなものか?
 
映画監督としてのキャリアが長い望月六郎主宰(&作・演出)の劇団の第6回公演(初見)。望月監督、今まで撮ってきた映画とか強面っぽいプロフィール写真(笑)から受けるイメージとは裏腹に実際は当たりの柔らかそうな方で、内容的に2~30代の小劇場系作家(ったって様々だけれど)を思わせる作風だったのはちょっと意外。
たとえばアングラっぽいとか、あるいは“STRAYDOG”に近い感覚(森岡利行脚本の望月監督作品もあるのでなおさら)とか、そんな風に思っていたわさ。
が、考えてみれば同世代である野田秀樹の作品も小劇場っぽいワケで、そういうこともあるんだな、と。(といっても本作が野田チックというワケではない)
野田といえば、コチラは「がんさく」と普通に読むのだった。
で、「にせさく」と読ませないことから(ではあるまいが(笑))、イプセンの作品とはほぼ無縁、強いて言えば女主人公の名前が「ノラ」ならぬ「オラ」で、男主人公の名前が「井伏マリオ」(イプセンのもじりというのは深読み?)なことくらいか?
失業したマリオはふと人形ギャラリーに立ち寄るが、気付くと錦糸町の踊り子キャバレー「人形の家」の新人ボーイとして働いており…な物語、オラをめぐる彼女の夫とマリオの対決やナンバーワン踊り子・江島と人気役者・生島(笑)の挿話(ここだけ台詞が時代劇調だし)に歌(ハンドマイク使用)やダンスを伴うミュージカル風のシーンも交えてポップかつ華やかで楽しい。
また、この小屋の特徴である客席上手にある照明ブースと舞台横からそこへ続く階段(まるで「立体花道」)も使うのもイイ。
あと、序盤と終盤の人形ギャラリーの場面で大半の出演者が人形に扮しているそのポーズや、鏡の見せ方も良かった。

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