光の中の小林くん
ファルスシアター
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/11/20 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★
社会の変化に対応できていますか。
子供の行動は個性的でしたね!
初演から15年、色々な変化は反映しきれていたのか…、
ネタバレBOX
医療の進歩、労働環境の部分が反映しきれていたのか疑問です。
今は発症を抑えることも可能なのでは?
また、隠すのではなく、認めた上で採用するというようにしてほしかったと思います。
甲賀の七忍
劇団三年物語
ザ・ポケット(東京都)
2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
観ました
個人的にはもう少し入り組んだお話が好きですが
ただエンターテイメントとしては安心して見れます。
4.48サイコシス(演出:飴屋法水)
フェスティバル/トーキョー実行委員会
あうるすぽっと(東京都)
2009/11/16 (月) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
心風景を伝えるイマジネーション
イメージを作り上げ伝えるための
作り手の手練に呑みこまれてしまいました。
観る側の感じる心が悲鳴をあげるほどの
表現の強さがあったかと思うと、
包容力と粘度のある表現がやってくる。
痛みを伴う作品ですが・・・・・・、美しかったです。
ネタバレBOX
この戯曲、
少し前にDull-Colored Popが上演したのを観ていて
そのときには、徹底的に打ちのめされたのですが
(谷賢一氏の演出力もすごかった)
今回は、戯曲の構造が少しはわかっていたので
やってくるものをじっくり見つめることができました。
「4.48 サイコシス」という戯曲自体が
どのように書かれているのかは知りませんが、
シーンがあって、その中で表現すべき物語があることは
間違いないらしい。
どう表現するかは
演出家の裁量に委ねられているのでしょうけれど。
冒頭のボクシング、
戦う自分、励まし、折れる自分・・・。
人間関係のこと、うまくコントロールできないこと。
不安、脈絡のなさ。
主人公の心に浮かぶもの奇異さと鮮やかさ。
観る側は出口のない森に迷い込んだような気持ちになって。
音、過敏になったように聞こえてくる音。
言葉、鎖を外されてさまよっているイメージ。
リアリティを持った狂気の果てに
その時間がやってくる。
バランスが比較的保たれた時間の微妙な不安定さは
薬によってコントロールされているのかもしれません。
その、冗長でどこか慰安に欠けた時間が
じりじりと観るものを浸蝕していく。
7をひくのはシンプルかつ明快で、残酷なテスト。
並んだ様々な意識が数字を刻んでいくシーンのコミカルさに
コアにある意識の自虐的なウィットが伝わってくる。
医師の言葉、統合されないつぶやき、つぶやき、つぶやき
機能しない電話、恐れ、リストカット、血の慰安、甘い死への誘い。
恐怖と慰安の混在した不思議ないごごちに浸潤されるなか、凄くクリアな画質で目の前に広がる。言葉がその空気を導くのではなく、導かれた空気のなかに言葉がちりばめられ、すごく澄んでいるのにどこかぼやけた風景に、いらだちが混ざる。
それらが、軋みを伴いながら一つのモラルに再び縛られていく姿も
圧巻でした。モラルが荒っぽくがしがしと積み上げられていく中で、詠唱とも祈りとも聞こえる声が心を揺さぶる。
狂気のぬくもりから抜け出すような高揚が生まれ、でも、正気だからこそ見える行き場のなさがあって。
心が肉体のなかに取り込まれていくようなラストシーン、そしてその場所がステージであることを観客に示す終幕に愕然。観る側の心に浮かんだものの主観と客観が逆転するような、あるいは観客がその世界からサルベージされるような終幕に、ただただ息をのみました。
この秋に観たふたつのサイコシス、胸を突き刺すように作者の風景が伝わってくるDull-Colored Popヴァージョン、深く刷りこまれるように広がっていく飴屋ヴァージョン。お芝居というのは戯曲を受け取って育てる演出家のイマジネーションの賜物であることを、あらためて思ったり。
観る者にとっては、どちらも印象に深く、またふたつの作品がそれぞれを浮かび上がらせることも、とても興味深かったです。
『新熱海殺人事件』『ロマンス』『鬼~贋大江山奇譚』
北区つかこうへい劇団
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2009/11/19 (木) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
「前略疾走」
劇団だるい
荻窪メガバックスシアター(東京都)
2009/11/21 (土) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
ただのお笑いではないセンスが光る
劇団だるいの作品は、作・出演者の佐溝貴史の言葉を借りれば「身の回りで面白いことが増えれば、ちょっとだけ生活が楽しくなって、ちょっとだけ生活が豊かになるような気がします」というコンセプトで作られているようだ。
スタイルとしては故林広志がやっている「更地」などに近い演劇コント。東京大学で演劇をやっていた男性陣に、今回東京女子大、お茶の水女子大のメンバーが加わって小道具、衣装にも凝り、華やぎが出た。
インテリの社会人劇団らしく、ただのお笑いではない。日常に話題をとりながらも、現代社会の諷刺も込め、しかも抑制がきいて嫌味はなく、随所にセンスが光る。
大上段に振りかぶった「演劇」ではなく、仕事で疲れた人が休日に頭を休めながらゆったり笑える小品集。サービス精神にあふれ、寄席の雰囲気に近いかもしれない。
当初の予定が変更され、1時間45分で6本の短編集となった。普通、短編でお笑いでも長時間休憩なしで続くと、見ているほうは疲れるのだが、ここの公演は疲れないのが有難い。
内容はネタバレで。
ネタバレBOX
「オフ会」(小林早苗 作・演出)
ブロガーの青年(中野和哉)には女子からのカキコミが多い。オフ会を楽しみにしていると、そこにヘンテコな愛読者が現れて・・・・。匿名の世界を皮肉り、仲間内のカキコミが多い実情も表現している。大島健吾のコスプレ少女がキモカワイイ。
「ベッドルーム・ファルス」(大島健吾 作・演出)
飲み会でしこたま酔った女性。朝目が覚めると隣りにはゆうべ一緒だった男の友人が寝ている。そこへ彼女が無事帰ったかと心配した彼氏が訪ねてくる。彼女はこの場を取り繕うとして、彼氏を買い物に行かせようとするが・・・。
劇団だるいの第1回公演からの再演物。当時、私が一番面白いと思った作品で、作者の大島自身も気に入っていると言っていた。初演は大島が彼氏を演じたが、今回は中野が演じ、若干、演出も変えている。ナチュラルな芝居で笑わせる中野が演じることで、また趣が違ったが、私は初演の大島のパニくった軽演劇的なおかしさのほうがこの作品には合っている様に思えた。
女が男に水を吹きかける場面も、初演はハプニング的おかしさがあったが、今回は女が途中から狙ったように見え、おかしさが半減した。
開演前の客席で妙齢の女性が「ファルスは男根のことよ!」と大声を出していたのには唖然。きょうびの女性は恥じらいを知りませんなぁ。「ファルス」って笑劇のほうの意味じゃないの?男のうわごとに「ちくわ」が出てくるので、
引っ掛けているのかもしれませんが。
「アスモ」(小林早苗 作・演出)
コスト削減で職場のアルバイトに「アスモ」なるヒト型ロボットが投入される。契約社員(?)は社員から「アスモ」の教育指導を頼まれるが・・・。
「アスモ」の轟雅子は藤原紀香似の美女で、なかなかチャーミングでクチ達者でチャッカリした憎めないロボットを演じている。お父さん必見(笑)。
そしてキャリアウーマンを演じる遠藤佑美のキッチリした演技がこの芝居にリアリティーを与えている。
「あうんの呼吸」(佐溝貴史 作・演出)
なかなか息が合わない2人の男が揉めていると、「あうんの呼吸の神様」の声が聞こえてきて、助けてくれると言うのだが・・・。
大河内健詞はパントマイムで笑わせる人なので、こういう動きの間はすごく巧い。実は息が合わないとできないコントだという点でも面白い作品だ。
神様の声を演じる大島(たぶん)もおかしい。
「パソコン」(中野和哉 作・演出)
ふだんはSEでもある中野の作品。ニートで引きこもりの青年(佐溝貴史)の使っているパソコンがいきなり話し始める。
パソコンを演じる中野の関西弁のシュールさが面白い。青年は実は作家志望で「ドナウの畔で」とかいう小説を書いている。
この小説の一場面が黙劇で演じられるのがなかなか凝っていて面白かった。この日の客席でももっとも沸いた作品で、中野は今後、シリーズ化していきたいという。
「熱○殺人事件的なあれ2009」(大河内健詞 作・演出)
この題名を見れば、まず「熱海殺人事件」を思い浮かべると思う。その雰囲気じゅうぶんに芝居は始まるのだが、実はこの事件の裏には・・・。パリーグファン必見です。
大河内が映像をうまく使って、じゅうぶん演劇的な、でも落語ファンも堪能させる柳亭痴楽も真っ青の芝居を作った。彼は不思議な才能の持ち主だ。
轟雅子の女性刑事は滑舌がよく、セリフのめりはりがきくので、引き込まれていく。
今回、大島、大河内、中野というどちらかといえば個性の強い中にいて、一見存在感がないようで、印象に残る非常に心地よい芝居を全編で見せたのが佐溝。また、小林早苗の女性らしいおしゃれな小品も新鮮だった。
次回公演は来年7月予定で先が長いが、続けてほしい企画です。
マグズサムズのジャングル・ブギー
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2009/11/20 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
マグサム最高☆
私は、マグサムが大好きで、今までの作品はどれも好きですが、その中でも、今まで見てきたマグサムの中で一番最高の舞台でした。
毎回見るたびに脚本も役者さんも良くなっていて、かなりレベルが高い劇団だと思います。
私が見た回は、そんなにお客さんは多くなかったんだけど、それを感じさせないくらい、お客が爆笑していて、すごい盛り上がっていました。
あたしも、何回もマグサムを見に行ってますが、ここまで爆笑したのは初めてでした。
そして、とっても幸せな時間で、ここまで人を笑わせ、人を幸せな気持ちにできる、脚本家の佐藤史久さん、そして、役者のみなさん、スタッフのみなさんを、舞台を見るたび、私は本当に尊敬しています。
そして、毎回2回は見に行ってる私ですが、今回は公演日が少ない?からか、休みが合わず、一回しか見に行けないのが何よりも悔しいです。
私も、人と関わる仕事をしているため、マグサムのみなさんを見ると、自分も人をこんな幸せな気持ちにさせられるために頑張らないと!!という気持ちに毎回なれます。
いつもいつもありがとうございます。
あと2日、頑張ってください!!
あたしも、頑張ります!!
社会派すけべい
毛皮族
駅前劇場(東京都)
2009/11/19 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了
満足度★★★
初、ナマ毛皮族
「どっひゃー」な感じでした。うん、何か凄い!
ネタバレBOX
中央最前列の席に座る方、覚悟して観劇してください。まさに「どっひゃー」です。
ジェネラルテープレコーダー
あひるなんちゃら
「劇」小劇場(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
あひるはあひる
A面、
されど、あひるを満喫。
さすがに、手練の3人、
その世界に
気持ちよく運ばれてしまいました
ネタバレBOX
実はすごく緻密なことをやっているのだろうと思います。
一つずつの台詞のタイミングや
物語のドミノの掛り方、
いろんなテンションが重なり合って描き出される
一つの空間のアラベスクが
不思議なゆるさを醸し出していきます。
のせられてしまう感覚、
すごくしたたかに導かれる感じ。
舞台上で時間に追われながらやっている作業の目的が
具体的に語られることなどなく、
でも、そのことへのその焦り感や、緊張感の違い、
さらには、個々ら抽出される色に
絶妙に染まる全体。
こう、上質な素材を贅沢にぶちこんで
ことこと煮込まれたスープを
至福の想いとともにあじわった感じ。
すごくデリケートな間が
小気味よく決まっていくので
ありえないような展開が
味わいの深さにかわっていく。
舞台上の役者がすごく気持ちよさそうに
演じている見えるのですよ。
そこまでに舞台上に醸し出される空気が
スムーズ。
人数をもっとかけて
大きな広がりを作る舞台もよかったけれど
3人芝居でのあひるには
ちょいと至芸の趣もあって・・・。
この感じ、
飽きることがありません。
ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★
日常の延長の美しさ
もっと狂気な方向にふれたほうが好みなのだけど、あのワンシーンゆえ、全面肯定してしまう。流される血そのものに怖さはないけれど、血を絶やさぬ営みに、恐怖は宿る。
ネタバレBOX
音だけで綴られる解体の時間、取り残されたあまりに平凡で平穏にみえるダイニング・キッチンの夕暮れに、小さな子供がひとり入りこみ、なぜだか絵本を読んでいる姿が思い浮かんだ。それは、あのとき、「結婚式のナイフ入刀みたい」という言葉に導かれたか、あるいは溢れでる血に興奮したからか、 不運な縁に絡めとられるように優子(ハマカワフミエ)が授かることになった子供なのだろう。さらには、死体を跡形もなく消し去るために使った出刃包丁で、優しい笑みすら浮かべつつ夕食の支度をはじめるシーンを連想してみたりして。ああ、彼女は、直前にあった場面のように、両手に鎌を持つメスカマキリのごとく男を喰らい、子を育む生き物なのか。そして勝手に、自分のなかで「解体」を「懐胎」と読み替えて、自然と脹れあがった大きなお腹のような物語を持ち帰れた幸せを噛み締めてみたり。
とはいえ、もちろん、そんな話ではまるでないのだけれど(笑)、
空白はときとして饒舌を産み楽しい。
動員挿話【公演終了!ありがとうございました】
サラダボール
アトリエ春風舎(東京都)
2009/11/21 (土) ~ 2009/11/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
今まで観た岸田國士作品の中で、
ブッちぎりの面白さ!
ま、好き嫌いはハッキリと分かれる演出ですけどね。(笑)
ナイロン100℃ 、東京乾電池、風琴工房、時間堂と比較して、
ネタバレBOX
三条会のアトリエ公演『近代能楽集』全作品連続上演を観た時の様な衝撃!
どうにも今まで観た作品は、戯曲を忠実にトレースしているのだけれど、俳優が台詞に振り回されている様に感じて、どうにも嘘臭さが拭えない印象だったのだけど、ようやく岸田國士の戯曲が面白く思える演出に出会えた!って感じです。
今後も岸田國士戯曲上演シリーズとして続けて行って欲しいなと。
ヘンリー六世 第三部 薔薇戦争
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2009/10/29 (木) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★
演出に遊びがあり過ぎたかも
さすがに、3部通しはきついので、3部だけ、今日観たのですが、何だか、1部2部より、舞台に重厚さがないように感じました。
立ち回りが、歌舞伎風だったり、戦いのやり取りがコメディぽかったり、BGMが、現代の曲だったり…
同じ雰囲気が続くと、役者も観客も厭きるからという、鵜山さんの計算なのかな?とも思い、それはそれで、創意工夫に感心はしたのですが、1部2部の空気感で通してほしかった気もしました。
ソニンさん、ジャンヌダルクより、王子エドワードの方が、魅力的でした。
3部では、中嶋朋子さん、岡本健一さん、ソニンさんの好演が印象的でした。岡本さんで、「リチャード3世」、観てみたい気がします。
3部だけ、浦井さんの台詞が聞き取りにくかったのが、残念。
東京裁判
パラドックス定数
pit北/区域(東京都)
2009/11/13 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
リアルな気迫に気圧されました
長年、ありとあらゆる芝居を観て来ましたが、劇場も、作劇も、私には、初体験の実にリアリティある舞台で、何だかカルチャーショックでした。
野木さんて、平成の秋元松代? いや、それ以上かも?
5人の描き方、台詞が、もう本当にリアル過ぎて、これが、生身の人間が目の前で演技しているなんて思えないような劇構成で、演劇の可能性を再認識させられました。
脚本、演出も素晴らしい上、それを見事に体現できる役者さんが、こんなにも揃っていることにも、感動しました。
東京裁判には、結構興味があり、いろいろドキュメンタリーも見ましたが、ある意味、ドキュメンタリー以上の現実味があり、びっくりでした。
たぶん、この作品、そういう知識がなくても、見応えある舞台だろうと思います。
惜しむらくは、台詞や人物造型があまりにもリアルな故に、衣装や眼鏡等、風体が当時らしからぬ点が目に付いたところでしょうか?
でも、とにかく、人生で、ベスト10には入る傑作でした。
今後も、注目したい劇団と作家さんが、また増えてしまったようです。
ヒカリ・仮
帝京大学演劇部 VIXENS THEATER
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2009/11/20 (金) ~ 2009/11/22 (日)公演終了
拝見しました。
お疲れ様でした。
残り頑張ってください。
ブロークン・セッション【公演終了・ありがとうございました】
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★★
罪の置き場所。
人間の無意識層に眠る本性をスケルトンにあぶりだし、リアルタイムの日常を鼻歌でも口ずさみながらスラスラとスケッチしてしまうようなところにこの作品の凄さがあり、恐ろしさがあります。そしてグロい、キワドい、カルト、ヴァイオレンスなどという使い古された言葉を粉々にした怪人の手招くほどよく壊れた世界にただもうひたすらヤバイくらい満たされていくだけ。何だろうこの感じ。とにかく観て欲しい。なんかもう、それしか言えない。
ネタバレBOX
日々のタイムスケジュールの中に組み込まれているルーティーンワーク化された暴力行為に忌々しささえ抱きながらも制裁を下し続ける被害者家族と、暴力行為を受けることによって犯した罪を償い続ける加害者という逆転の構図。
肉体的な暴力をひたすらフィルムに収めることに心血を注ぐ映像作家の視点は観客の心理を代弁し、同級生を殺害した美少女は、加害者の青年の思惑を背負っているかのよう。
善悪で割り切れないグレーの世界は病的で狂ってる。と言ってしまえばそれまでだけど、事を追っていくと、怖いくらいつじつまが合う。
傷を舐め合うように罪とか罰とか擦りつけ合って。
犯した罪を償う手段はあるものの、互いを許し合える決定的な方法はない。
もうこれ以上、手の施しようがないことを知っているから、誰もが核心に触れることを諦めていて。
誰かが殺されたり、誰かが自殺しても不思議と憤りを感じない。
同情のないあっけない死は事件というよりも、不慮の事故に近いから。
嘆いたり悲しんだりなんかしないで自分の立場を気にしてる。
思いやりがすっぽりと抜け落ちている。
見つかったらヤバイ。だからなかったことにする。
口が軽そうなヤツもまとめて処分してしまえ。
そう、すべては合理的で、利己主義で、理にかなっているのだ。
当団体は初見だったが、終始、演劇という名の虚構の枠組みからはみ出している印象を受けた。芝居くさくない役者の振る舞い、嘘くさくないダイニングキッチン、完成されたテキストからあえてひとの心の動きを停止させ、部分的にそぎ落とし、曖昧にぼかしたような演出の仕方、共感されるキャラクターが誰ひとりとしていないこと、凄い画を撮るためならひとり死ぬくらい別にいいし。とか本気で思ってそうな映像作家の、正気の面したクリーチャー等の殺意に満たない小さな悪の集まりが、圧倒的なリアリティを獲得していたからだ。人を殺した人間は、殺されて然るべきだろう。という誰もが一度くらいは感じたことのある素朴な正義感を、被害者側と加害者側に優劣をつけずに同レベルから捉える試みも秀逸だった。残虐なシーンをあえて見せずに、観客の想像力のみで暴走させる不健全さ。魂を浄化させるような柔和な光の傾き。醜悪さと美しさのアンビバレンス。ゾクゾクきた。クセになりそう!
アワード
ZIPANGU Stage
シアターサンモール(東京都)
2009/11/20 (金) ~ 2009/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★
新田節!!!
面白かった。
主要メンバーの方々がいつ観ても似たポジションを演じているのに
本当に毎回面白いのですごいと思う。
個人的には滝沢さんと新田さんが大好き。
新田さんのしゃべり方を聞くと、「ジパングステージを観に来た!」って思う。
ゆるみさんの爆裂キャラも毎回楽しみにしてます☆
ネタバレBOX
6月にアチション!にスーパーマン役で出た長野さんがウルトラマンで
最後に「ジュワ」ってやった滝沢さん扮するおばあちゃんがむちゃくちゃ可愛かったです。
滝沢さんのおばあちゃんは本物だと思うw
孫に抱きつくおばあちゃん・・・思い出しただけで萌える。
光の中の小林くん
ファルスシアター
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/11/20 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★
面白かったよ。
Aキャス鑑賞。
出演者4人中3人がリアル知り合いだったけど、お世辞ぬきで普通に楽しめました。
個々の役者さんにも作品全体にも、ふり幅が狭い感じを受けたのが少しもったいなかったかなと思いました。
受付まわりの方々のエプロン姿に萌えましたw
ハセル
空気ノ機械ノ尾ッポ
ザ・ポケット(東京都)
2009/09/24 (木) ~ 2009/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ファン
友達に誘われて観に行きましたが、ここを見てから演劇が好きになりました!!
色々見ましたが、やっぱり今のところ、ここが一番面白いです!
時間泥棒
たすいち
インディペンデントシアターOji(東京都)
2009/11/19 (木) ~ 2009/11/22 (日)公演終了
満足度★
不幸でした…
この公演の前に同じ王子で公演中のパラドックス定数を見てしまったのが…ともかく不幸でした。
比べたくなくてもどうしても…ホンの薄っぺらさ役者の未熟さ演出の単調さが…。
先にコッチ見てからパラドックスだったら少しは違ってた…のかなぁ。
まあでもセリフだけで全てを説明しようとする演出は、あまりに幼稚すぎると思いますよ。
ハッピー・ルーム<ご来場ありがとうございました!>
NICK-PRODUCE
小劇場 楽園(東京都)
2009/11/17 (火) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
生演奏、生ダンス、そして素敵な物語!
前回はチェロの生演奏、今回はピアノの生演奏、そして多田織栄の前衛ダンスが幕間に象徴的に入ってくる点は同じ。相変わらず素敵だ。
前回は少し生演奏、生ダンスに、芝居が負けてしまったような感じを受けたが、今回は芝居の方がしっかりと主役をはり、とても楽しめた。素敵なお話だった。
役者は皆達者だったが、特に熾田リカと佐藤大樹のちょっと変わった夫婦が魅力的だった。また不動産屋を明るく演じた加古みなみも好演だった。
実験シリーズその2 (なまえ) 『 』
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2009/11/06 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
「 」…?
初見です。
入口からうさんくさい感じが漂っており、
どのようなものかと若干不安でしたが、楽しく拝見しました。
実験といいながら、ちゃんとお芝居でした。
挿話一つ一つ見ごたえがありました。声がいいですね。
ただ、参加型だけに若干からまれますので
人にお勧めするときに相手を選ばないとなジャンルかもしれません。
好みが分かれそうです。