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フロスト/ニクソン

フロスト/ニクソン

シーエイティプロデュース

天王洲 銀河劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了

満足度★★★★

もう少し小さな劇場で観たかった
観終わっていろいろなことを考えさせてくれた作品。
と言っても、良い意味で言ってるのではないけれど。
鈴木勝秀演出は「ドリアン・グレイの肖像」に続いて
の観劇。前作でも感じたが、この人の演出は、俳優の
力量に負うところが多いとの印象を抱く。
栗山民也のように俳優の特性を知り尽くしたうえで、
さらにプラスαの魅力を引き出すことによって作品が
さらに面白くなるというのでもなく、蜷川幸雄のように、
「こういう見せ方もあったのか」という商業演劇らしい
インパクトもない。平たく言うと私には演出の妙
というのがあまり見えてこないのだ。この俳優たちなら
こんな感じに演じてこんな作品に仕上がるだろうなという
予想以上のものを与えてくれない。
「ドリアン・グレイ」の時の肖像画のときと同様、舞台背面のスクリーンに
抽象的な模様の動画が場面転換時に映し出される。鈴木氏が気に入
っている演出なのかもしれないが、同じ手法なのが残念。

「スポットライトが照らすのは一人だけだ」という台詞が劇中
にあるが、今回の舞台も大空間の中で大スター北大路欣也の圧倒的な
存在感だけが残った。
このハコの大きさでは、そうするしかなかったのか。本当は
もっと小さな劇場(たとえばシアタートラムのような)
で上演したほうがふさわしい戯曲だと思う。
その点では、次の巡演先である名鉄ホールのほうが広さは
ちょうどよい。

ネタバレBOX

TV司会者としての地位を向上させたいフロストと、ダーティーな
イメージを払拭して再び政界に帰り咲きたいニクソン。
この2人の息詰まるようなインタビュー対決を見せる芝居だが、
北大路と仲村トオルでは舞台俳優としての力量が違いすぎ、TVなら
それなりに見ごたえが出るのだろうが、舞台ではそうはいかない。
仲村は大柄で颯爽としており、舞台映えはするが、演技のほうはいま
ひとつ。TVの仕事が多い俳優によくあることだがワイヤレスマイクの
せいか、彼の声だけがひときわビンビン響き、それがマイナスになっ
ている気がした。
北大路は自分に役を引き寄せて演じるタイプなので、このニクソンも
我々の知る米国大統領ではなく、当然、北大路ニクソンとなった。
政治家の清濁併せ呑むずるがしこさとか大胆さ、図々しさは感じられず、いかにも誠実で神経細やかな人格者に見える。この作品の映画化が決まったとき、ジャック・ニコルソンも食指を伸ばしたそうだが、私の中でもニクソンというとニコルソンのイメージが近い。
ニクソンは時間稼ぎと情に訴えようとする計算もあり、家族の話を延々として
フロストを煙に巻く。ちょっと嫌味も感じさせる場面なのだが、北大路という
人はふだんも空気を読まずにプライベートのことを自慢げに語るタイプではなく、しかもそういう礼儀正しさがにじみ出て消せない人だから、嫌味は感じないし、役にちょっと違和感が出る。
そこで思い出したのが彼の父、市川右太衛門を以前、北大路の出演する劇場で見かけたときのことだ。時代劇の大御所俳優だから、ロビーでも彼の周りはファンが取り囲む。顔見知りでもないファンの前で心から嬉しそうに延々と右太衛門は息子自慢を始め、席についてからも開演直前まで近くに座った人にまで振り返りながらニコニコ息子の話を続けていた。ほほえましくとても感じはよい人だが、聞いている相手のことなどまったく気にしていない話振りだった。しかも右太衛門こそ「説得力の俳優」で、どの役で出てきても、必ず最後の場面で相手を諄々と説得する。ニクソンこそ、右太衛門にふさわしかったかも。きっと北大路も父のことを思い出したのでは、と興味深くもあった(PPTがあれば、聞いてみたかったが)。
劇の冒頭で、ニクソンの辞任の演説があるが、このときに感じる誠実さが、北大路には、最後、フロストから贈られた靴を万感を込めてじっと見つめる芝居まで、ずっと続いていく。
身内への愛を強調するあまり、墓穴を掘ってしまったニクソンの敗北感とある種の後悔と安堵感が交じった場面だと思うが、北大路ニクソンには権力への執念や愚かしさより、同情の念さえ感じてしまう。それが芝居の欠点にはなっていないからかまわないと思うが、戯曲の持ち味とは少し違うように思う。
脇を固める安原義人、中山祐一朗、中村まことといった俳優たちもどちらかというと、小さな劇場で持ち味を発揮してきたので、演技力とは関係なくこの空間にはなじまない感じだ。その中で、語り部でもあるレストンを演じた佐藤アツヒロは、空間が生きる芝居をしていた。やはり、新橋演舞場や新宿コマのような大きな劇場での場数が生きていると思う。
プログラムを読むと、鈴木勝秀は「この芝居のテーマは愛」ととらえ、「愛があるから、人間は弱さを見せてしまう」ということを訴えたかったらしい。そこに執着するあまり、きれいごとの芝居に終わった感じは否めなかった。
瞬間キングダム

瞬間キングダム

あなピグモ捕獲団

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/11/27 (金) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★

王様ゲームの果て、何を訴えたいのかがよくわからない
「詩的で哲学的、不条理で理不尽な物語世界」という説明に惹かれて観に行きました。確かにそういう芝居なんですが、観終わって強く心に残るものがなかったというか、結局、何を訴えたいのかよくわからなかったです。
電動夏子安置システムの「performen」シリーズに似ているところもあるけれど、あそこはロジックの仕掛けがはっきりして、その枠組みの中で観客が遊べるのだけれど、こちらはストーリーが散漫な感じで、いまひとつ、その仕掛けが観客を捕らえ切れていない。今後、ファン層を広げるには、もう少し説得力が必要だと思った。
原泰久がフライヤーのイラストを担当しているが彼の連載漫画「キングダム」とは、無関係の内容でした。

ネタバレBOX

合コンの王様ゲームに興じていた男女。挙動不審な店員のあとを男の子たちが追っていくが見失い、散らばったコインをみつける。コインは砕け散った流星のかけらだという。やがて彼らは王国の戦いに巻き込まれていく。
30回目の公演にちなんで、30のシーンが用意されていたが、1つ1つのシーンは流星のかけらともいえる。シーンは時系列に並んでいないので、断片的なピースのような場面がちりばめられ、だからといって観客がその断片をつないで芝居を楽しんでいくまでには発展しない。
詩的哲学的要素ももちろんあるが、不条理劇のアクセサリーのような感じ。
イエス・キリストと12人の使徒たちの話をモチーフにしているようだが、
単なる不条理劇ではなく、ロジックの部分もあるので、そこをきっちりと描かないと、観客は付いていけないと思う。聖書の知識に疎い人もいると思うので、そのへんの解説をパンフレットに載せてほしかった(九州男児ですから、を連発する主宰の長い挨拶文より大事ですよ)。
合コンにいた女性たちが精霊のような使徒のような存在も両方演じるのだが、化けているのかどうか関係性がよくわからない。王女と召使の会話が突然始まるが、王女と王様の関係もよくわからないし、キリストを王になぞらえるのでよけいわかりにくくなっている。久米靖馬演じる東崎詩黙は、合コンの男たちとは別の側の人物らしいが、位置づけがよくわからず、迫り来る「世界の壁」と闘っている。
こんな具合で、間に詩的な朗読調のセリフが出てくるので、何だかわけのわからない「お芝居ごっこ」を見せられているような感覚に陥り、シラケてしまった。
出演者の中で名前を知っている俳優は久米だけだったが、ホームのクロカミショウネン18とはまったく違う少女マンガから抜け出したようないでたちで
いったいどこへ行っちゃうのと心配したくなった(笑)。
衣装のカーキ色のフード付きコートは、めいめいアクセントカラーのパッチワークを入れるなど、なかなかカッコ良かったです。
アンケートに「30回も公演を続けてきたことに何か労いの言葉をかけてください」と書いてあったのには吹いた。
「何かメッセージを」と言うならわかるが、「労いの言葉をかけてください」と
向こうから要求されたのは、生まれて初めてですよ。こういうところが、何か
小劇団の仲間内感覚を感じてしまう。「30回も続けてきたこと」にはもちろん敬意を払うけれど、きょう初見で、これまでの歩みも知らないのに、いきなり
「労ってください」と言われてもなー、という感じです。
アンケートに添えられた別紙、主宰の「DEARESTみなさま」も、だらだらと独りよがりの甘えた文章がつづられ、失笑。
自分の考えを自分にしかわからない表現で書いてもダメ。もっと相手の立場に立って書かないと。芝居も同じじゃない?と思いますけど(笑)。
この公演、お試し感覚の2人で1人分の割引価格の「ペアチケット」で観たのですが、「わかりにくい芝居」を共有するには納得できる価格かなと思いました。2人5000円ではちと高いかなと。
占いホテル

占いホテル

劇団あおきりみかん

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★

違う演出で観たかったです。
役者さんたちは皆さん頑張っていました。楽しそうでしたが大変そうでした。
お疲れ様でした。

ネタバレBOX

話は妄想なのか?現実のことなのか?だんだん判らなくなり、どう話が展開していくのか楽しみで良かったです。面白かったです。
でも途中で入る妄想のシーンが自分には合わず、妄想のシーンになる度に何だか気持が引いてしまい、リズムが悪いなぁと思いながら観てました。
でも後半のセットがどんどん無くなって所は良かったです。
以前の公演の「箱を持っている」に通じるものを感じました。やはり他の劇団とは違うなぁと思いました。
あと最後はあの終わり方で良かったと思いますが、何か期待外れな気持ちが少し残りました。幕の奥に何かあって最後に開いて観客を驚かす演出があるのかなぁと思ったので・・・。
次回作に期待します。
月光の在り処【ご来場ありがとうございました】

月光の在り処【ご来場ありがとうございました】

TOKYOハンバーグ

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/30 (月)公演終了

満足度★★★★

戦争を主軸とした3つの時間の話でした
キーワードの場所は国立競技場。
人の話や、体験談、家族にあてた遺書など。
戦争についての話を、芝居として観ることが出来。
見事に追体験させてくれる劇でした。
過去・現代・未来。月光の下で繰り返される、愚かな人間の蛮行。
合間に入る、花をモチーフとした舞踏も。表現が分かり易くてよかった。

ネタバレBOX

無理して過去と未来に接点出さなくとも良かったのでは?
繋げるのなら、何かキーファクターが必要かと思った。

衣装とか、頑張っていたのに。小道具の銃の設定が甘すぎましたね。
非常にバランス欠いていたといえるでしょう。もったいない。

ダンスは、最初何だ?と思わせつつ。
見事に芝居に合っていました。

途中入場してくる人が入るたびに、カーテンレールの音がして。
大変気になったデス。
カーテンの2m位のトコに、クリツプ止めして、めくって入ればよいのに!
配慮が薄かったといえます。

えー未来編。ラストはやっぱり・・・・。
暗いよ! 
女の子一人残して・・・・・。救いのあるもにして欲しかった気もするけど
戦争って、理不尽が襲い掛かってくるものだし。
芝居としては、あれが正しい〆でしたねー。
(でも嫌なものですわ)

ライトで森とか川とか表現してたのは、音とあいまって
分かり易かった。GOODです。

あとは細部の煮詰めかなってところです。
過去の戦争話は、実話であり。心に強く印象つけられました。
おまえのなみだはビールでながれてる

おまえのなみだはビールでながれてる

chon-muop

調布市せんがわ劇場(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

滅失していく感覚とその先
ブログなどとも連携した作品、
姉妹作品ともいえる「夜の口笛」までが
呑みこまれてしまって・・・。

その滅失感と
醒めることへの戸惑いのような感覚が
こころをゆっくりと満たしてくれました

ネタバレBOX

物語の構造が見えるまでは
個々のシーンが持つテイストを
一つずつ味わっていくような感じ。

あらかじめ連携するブログを読んでから観劇したので
舞台上の展開にもそれほど違和感はなく
改めて読み上げられる日記の世界と、
舞台上に起こることが
少しずつ混ざり合って、色を成していく。

でも、舞台上で日記が読み進まれ
さらには物語が留守番をしている女性の日々から
その家の場所の貸主の生活に
呑みこまれるにつれ
見える世界が多層化しやってくる感覚から
瑞々しさが失われ
感じられる色がグレースケールに
変換されていきます。

あらわれるものはいずれも示唆に富むのですが、
けれども、観る側を物語に束縛ような強さはない。
生演奏に彩られながら
やがて滅失していく舞台は
一方で物語る人の覚醒のようにも思えて・・。

それは夏の香りが消えるころから
冬の気配が始まるころまでの記憶と妄想の端境が
混濁して色を失い消えていく感覚なのかも。

すごくクリアな舞台には
重さのない実存感があって。
時間には歩みがあって
でも足跡はどこか揺らいでいて・・・。

日記を書く女性とその世界で部屋を預けた女性。
それらの世界を日記に内包した一人の女性、
さらにその女性の世界を見つめる観客にまで
空間が至ったときに
ふっと世界に風が通って・・・

しばらくしてから
その多重構造の感覚が自分の世界に翻って
浮遊感のようなものが降りてきました。
自分のなかにある
想像とか妄想の世界と
現実とよばれる世界のボーダーの
存在感とあいまいさ

そしてそんな自らを表すことに含まれる虚実。

帰宅して時間がたつほどに
あるいはそのブログを読み返す中で
想いが広がっていきます。

軽いのに、すっと霧散していかないなにかの存在が
少しずつ色濃くなっていく。

作り手の表現のしたたかさに舌を巻いたことでした。










11月戦争とその後の6ヶ月

11月戦争とその後の6ヶ月

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/11/23 (月) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

影のあるオンナ
ひとりの実在する女優の虚実をないまぜにした、というか殆どデタラメな人生を適当に描き、それを観客にチョロッと見せてくれる、というのが思いのほか入り込みやすくて。

たぶん凄くダメな『シカゴ』なんですが、というか『ミチコ』なんですが、『シカゴ』より面白かったです。

カムパネルラ

カムパネルラ

Oi-SCALE

SAI STUDIO komone(東京都)

2009/10/08 (木) ~ 2009/10/13 (火)公演終了

空白
ジョバンニを観劇しました。
勝手な思い込みなんでしょうが、残された人間たち、と名乗るだけの空虚感、というか、足りなさ、が俳優や空間から満ちてこず(足りなさが満ちないってのも変な言い回しですが)乗りきれませんでした。
映画などの媒体であれば、また違った印象なんでしょうが、生の舞台だったので……
『レクイエム・フォー・ドリーム』からのサンプリングと思われるSEの使い方も、やはり俳優と繋がっていなかったように感じました。

社会派すけべい

社会派すけべい

毛皮族

駅前劇場(東京都)

2009/11/19 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了

満足度★★★★★

とにかく面白かった!ノンストップ・エロ・ナンセンス・コメディー・音楽劇!この勢いが病みつきになりそう!
私の初「毛皮族」!やっと観れた!
とにかく面白かった!

老舗旅館を潰そうと企む、隣接した温泉リゾートの陰謀・策略!
バブル、ハイレグ、トレンディドラマ、デカイ携帯電話…。

'80年代のバブリーな雰囲気とサービス精神満載で突っ走る、
ノンストップ・エロ・ナンセンス・コメディー・音楽劇!!

冒頭、劇中TVドラマ劇「寝取り屋ジロー」の最終回の
エンディング?主題歌で始まり、
笑えるセリフの応酬が続いて一挙に引き込まれます。

あふれるパワーとハイテンション!
クライマックスのハチャメチャ体当たりの演技と、
全員での歌と踊りまで突っ走る、
このくだらなさと勢いが病みつきになります!

よく考えると、色々なものを詰め込んでいて、
実はものすごく凝っている、巧妙な構成・展開・セリフに
感動すら覚えます。

乾かせないもの【御来場有難うございました】

乾かせないもの【御来場有難うございました】

机上風景

タイニイアリス(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

共感を越えて
「見る」という言葉では失礼なくらいにこの舞台は観客を引き込んでいました。
もちろん自分もそんな中のひとり。

戦争に送り出した夫の帰りを待つ女性たちの話。
最初に明るい希望が見えたからこそ、あまりにつらい話に、登場人物たちを何とかしてやりたくて仕方がない。
けど何もできない自分。

短くまとめられた作品には全く無駄が無く、小劇場でこれだけの作品を見ることが出来て嬉しくて仕方がない。
大きな劇場で有名な役者たちが出て有名な作家、演出家が作ればまた全く異なる作品になるのだろうけど、商業演劇だとゴテゴテと無駄が付いて本筋がぼやけてしまうところを、一直線に、真摯に描いた作家、演出、役者陣に感謝です。

ネタバレBOX

話の転換のため仕方がないとは思うけど、その場面のピークの時に暗転して切り替わってしまうと心の切替ができなくて困りました。

暗転はもう少し少ない方が、自分的には違和感なかったです。
でもそれも小さな事。
とにかく作品が素晴らしかった!
こういった舞台こそ、劇場で演劇を見たことの無い人たちに見てもらいたいです。
晩秋

晩秋

明治座

明治座(東京都)

2009/11/03 (火) ~ 2009/11/27 (金)公演終了

満足度★★★★

長年を経て、許される罪。人と人、その時間の流れに感動の一作。観てよかった!!
やっぱりコリッチユーザでは観た人いないようですが、^^;)
私は大感動!お薦めしたい!

偶然2日連続でマキノ・ノゾミ作品、しかもこっちは演出もやられてます。
そして、坂東三津五郎、八千草薫、米倉斉加年、森 光子(国民栄誉賞受賞記念特別出演)という超ベテラン勢出演で、明治座公演!
『重責』です!

医療ミス問題で悩む主人公の医師のもとに、小学校の先生が突然訪れるところから始まり、話は当時の故郷の話に。
昨日の「高き彼物」同様、登場人物は自分の過去の過ちに長い間苦しんだ後、告白し許されるときがきます。
この作品も、とっても泣けて感動しました。
迷いましたが、観てよかった!!

物語は現代と小学生時代に分かれ、
坂東三津五郎の父の役を本人が、
八千草薫の女先生の若いときを星野真里、
森光子の若い時を馬渕英俚可が
それぞれ演じる構成も面白い。

ただ、終盤に森光子さんが登場すると、
拍手喝采ではありますが、セリフがおぼつかず、
劇場全体が凍ったような空気になって、せっかくの
芝居の流れ・感動の流れを止めてしまっている感じ
がしました。
森光子さんは、好きですし、尊敬もしますが、
非常に残念でした。

ただただ、星野真里さん、馬渕英俚可さん
目当てで観ましたが、八千草薫さんは素晴らしい
演技でした。
あったかくて、本当にベテランでやさしい先生です。

その若い時を、星野真里さんがストレートに
まっすぐに演じています。
まさに、当時の清楚な女先生です。

そして、馬渕英俚可さんは三津五郎さんの娘の
女子大生役。まさに普通の役でしたが、
やっぱりそれだけでは終わらない。
気の強い母親の若い時を演じて、もうぴったり。
強い役が多いですよねぇ。

再会【ご来場ありがとうございました】

再会【ご来場ありがとうございました】

はらぺこペンギン!

シアター711(東京都)

2009/11/26 (木) ~ 2009/11/30 (月)公演終了

200911291400
200911291400@シアター711

アジア舞台芸術祭2009東京【「東京舞台」LIVE版2009】

アジア舞台芸術祭2009東京【「東京舞台」LIVE版2009】

APAF-アジア舞台芸術人材育成部門

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

Dプログラム ひょっとこ乱舞/shelf
中ホールにて。
映像+舞台
ひょっとこ乱舞20分+shelf20分
各劇団の良さは出ていたと思うが。

ネタバレBOX

【ひょっとこ乱舞】
劇団を紹介する映像はPVのように作り込まれていた。

舞台は「監禁」の話。不思議な展開。
ひょっとこ乱舞らしい雰囲気があり、短いながらも刺激的だった。
台詞のバランス&タイミングもいい。
中ホールクラスの劇場経験があるので、舞台の使い方もうまい。

ラストの放り投げ方は評価が分かれると思うが、この時間内であれば、これでよかったように思った。



【shelf】
中ホールの大きな舞台には合わないのでは、と思いつつも、集中して観てしまった。舞台の左右の空きは、余白に感じてしまったのだが。
佇まいがやはりいい。女優たちのオーラのようなものを感じたし、女優に関しては声も張りがある。
しかし、後半で、なぜか沖縄風の歌が流れる。しかも2コーラスも。
さっきまで、舞台では「ギリシャでは・・」と浪々と台詞が流れる「トロイアの女」を演じていたのだから、どうも曲との相性が悪いような。
shelfはまだ2回(両方ともイプセン)しか観ていないのだが、そのときはこんな感じではなかった。ほかの公演のときには、こんな風な歌の使い方するのだろうか。歌は、なかったほうがよかったな、と思う。



あえて星を付けるとすると以下のようになる。

【ひょっとこ乱舞】★★★★
【shelf】★★★
中島みゆき 夜会VOL.16~夜物語~「本家・今晩屋」

中島みゆき 夜会VOL.16~夜物語~「本家・今晩屋」

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/12/18 (金)公演終了

満足度★★★★

本家を観た
ずっと観たかった夜会。チケット高いけどそこは考えないようにして、チケットゲット。みゆきワールドでした~。生歌聴けて、感無量。次回の夜会も観たいな~。いつまでも愛らしいみゆきさんでいてほしいです。

アジア舞台芸術祭2009東京【「東京舞台」LIVE版2009】

アジア舞台芸術祭2009東京【「東京舞台」LIVE版2009】

APAF-アジア舞台芸術人材育成部門

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

Cプログラム 第七劇場/チェルフィッチュ
劇団の紹介のような無料イベント。

映像で過去の作品を見せ、実際に舞台での上演もある。
各劇団とも映像と舞台合わせて20分で計40分。

中ホールにて。

無料パンフレットに今回関係する日本の劇団のプロモーションが収録されたDVD付き(「東京舞台」LIVE版のときに上映されたものと同じ内容)。

ネタバレBOX

【第七劇場】
台詞が音楽にかかっていて、とても聞き取りづらくて残念。
独特の雰囲気のエッセンスは味わえる。
未見だが、魅力的な劇団に見えた。
本公演もチェックしたくなった。

【チェルフィッチュ】
とても挑戦的な作品。
どんな展開になるのかとわくわくし、ひやひやし、途中でなんとなくにんまりとしてしまった。「演劇」のギリギリの淵に立っているというか。
人が立っているだけなのに、中ホールの舞台が狭く感じない不思議さ。




10〜15分程度なのだが、あえて星を付けるとすれば、以下のようになる。

【第七劇場】★★★
【チェルフィッチュ】★★★★
高き彼物

高き彼物

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

高き彼物を熱く目指す
練り込まれてきちんと形になっているものが、提示されている感じ。
なんというか、きちんと仕事がされている感じが心地よいのだ。

観劇していて身も心も預けられるような安心感さえある。

ネタバレBOX

ストーリーは、主人公の元教師が、悩みを持つ少年と偶然出会い、彼が前に進むことを決意する手伝いをする。さらに、それをきっかけとし、元教師が自らの過去の秘密と向き合い、家族と再生していくというものだ。

加藤さんが演じる主人公の元教師の「熱さ」がいい。
「高き彼物」を目指す視線と姿勢がそこに感じられる。

その姿勢が、後に明らかになる彼の秘密の出来事を生んでしまうというのは皮肉である。
しかし、それに向き合うという姿勢もまた、この人だからこそ、と思わせる。
とはいうものの、それに向き合い家族や自分の愛する人に告白できるには、時間とタイミングが必要だったのだろう。

とても重い話を含んでいるのだが、気持ちの良い展開が先に待っている。
それは、あり得ないような展開であったとしても観客も望んでいるような方向である。
それが単なる秘密の告白だけが話の山場ではない、この舞台の面白さでもある。

深刻なのだが、明るく救いのある話、こんな物語を演じ、観客に伝えるのはとても難しいと思う。しかし、それを見事に見せてくれた。

小泉今日子の演じる教師もいい。
すっとした佇まいと同様の、自分が愛する元教師の驚くべき告白にも、いささか動じることなく、受け入れ、自らのものとするのだ。
そんな人に愛された人、つまり元教師の人柄までもうかがえる。

元教師の祖父もいい。
緊迫したストーリーになりがちな中にあって、緊張感を解きほぐすような、佇まいそのものがとてもいいのだ。

元教師の告白は、なんとなく『ベニスに死す』を思い起こした。
占いホテル

占いホテル

劇団あおきりみかん

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★

「占い」は~
個人的には興味はなく、妄想の世界観かなあ位な感じですかね。その辺を上手く表現していて、うん!なるほどと感心して笑いながら観劇できました。

ネタバレBOX

前作で箱の数を数えたりして目が舞台以外にいってしまったので、今回はそうならないように集中していたんですが、舞台をバラシ始めたのでヤバイと思いながらも、ついまた目が行ってしまった。次回作も何かするんでしょうねえ!
占いホテル

占いホテル

劇団あおきりみかん

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★

ごめんなさい。。。
私のバカな頭では、もうついていけないみたい。

ネタバレBOX

2003年からのあおきりファンですが・・・。

私が観てきたあおきりのお芝居で初めて、
どれが誰なのかを理解するのに、ものすごく時間がかかり。。。
(役者本人という意味ではないです。役者さん自身の顔と名前は全てわかってます)

細かい場転が多かったのにも、頭がついていけず。。。

ここ2年ほどの作品では、やりたいこと模索し続けてる感じですよね。
新しいことにチャレンジするのは良いんだけど、もっと説得力が欲しいというか。
なんだか、お試し状態で観させられてる感じがしてしまって(試食的な)。

魅力的な役者さんが多い劇団ですし、
決してつまらないわけではないのですが。ごめんなさい。

ていうかそれより、
役者さんたちの声がみんなガラガラだった(普段と違う)のが、
すごく気になって(心配になって)しまいました。どうぞお大事に。。。
SO SHOW 天国

SO SHOW 天国

劇屋いっぷく堂

劇場HOPE(東京都)

2009/11/21 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

「謎」と「解答」
ひまわり・きく両サイドに知人が出演するので、セット券を購入しました。話としても、両方観た方が面白そうでしたし。どうせなら1日でまとめて観たほうがいいと思い、28日にきく・ひまわり両方観劇しました。

私は先にきく(検事)サイドを観ましたが、タイトルとチラシのイメージとは違う真面目な内容でした。もちろんコメディ部分も散りばめられていてそこはとても面白かったです。私は前で観るのが好きなので今回も1番前に座っていましたが、ステージと客席との距離が近いので役者さんが目の前です。上手側と下手側を交互に見せる演出が多かったので、首が大忙しでした。きくを観終わり、とても面白かったけれど、最後の笑みや、検事たちのやり取りで謎の部分が残り、夜からのひまわりサイドがますます楽しみになりました。

夜からはひまわり(弁護士)を観劇しました。検事側で話題に出ていた人物たちが登場しました。検事サイドの推理で唐突に名前が登場していた梅林ですが、ひまわりではその経緯が分かり、気になっていた部分が解決されてモヤモヤがスッキリし、弁護士サイドの視点で動いていく物語にも惹きこまれました。さゆりさんの弁護士も悪だけどカッコ良かったし、観ていて楽しかったです。
他の部分もそうですが、友哉の行動に対しても、両方観ることで理解が深まりました。「借りを返す」や電話のシーン、そして弁護士サイドと検事サイドで共通のシーン。面白さが増して、両方観ることができてよかったです。
物語としてはひまわりの方が分かりやすかったのと、後から観たということもあって、きくは「謎」でひまわりは「解答」という印象でした。それぞれ一方でもちゃんと物語として観ることができますけど。最後はきく以上にゾッとするラストでした。きくで見たあの笑みはこれだったのかと。

ただ残念だったのは、昼公演隣に座っていた男性が客伝が落ちても携帯でネット画面を見ていたことと、電源を切らなかったことです。公演中に着信があり、倍部の音が響いてジャマでした。チラシをガサガサ鳴らすし、せっかくの時間が彼のせいで不愉快になりました。夜公演でも後ろのほうで倍部の音が響いていましたし。最低限のルールは守って欲しいと思います。
あと、たまたま読んだある方の感想で、ひまわりサイドのありえない弁護士に対して不愉快に感じていたことを思い出してしまいました。

1つの作品としてそれぞれまとまっているので、「謎」と「解答」と表現することに少しためらいがありましたが、私と逆できく・ひまわりの順で観た方は「基礎編」「応用編」と感じたと教えてくれました。

高き彼物

高き彼物

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

30周年記念公演に相応しい名作誕生!
加藤健一が演劇一筋に情熱を傾けた集大成のような作品。皆さんが書いているように、脚本も演出も役者も非の打ち所がない。

加藤健一と小泉今日子の魅力は予想通りだが、占部房子のさわやかな演技に虜になった。

私もこの作品は是非、再演してもらいたい。歴史に残る名作の誕生だ!

カサブランカ

カサブランカ

宝塚歌劇団

宝塚大劇場(兵庫県)

2009/11/13 (金) ~ 2009/12/11 (金)公演終了

満足度★★★★

多分
原作映画自体好きじゃないと思います…。
ハードボイルドな感じで、主役がずっと抑えた演技だし…(好みの問題)。私個人はフィナーレの笑顔の大空さんの方が好き。
あと、ヒロインのイルザが身勝手な女に見えてしまったのも辛かったです。

しかし宙組は芝居の上手い人が揃っていて安定していると思いました。

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