
フロスト/ニクソン
シーエイティプロデュース
天王洲 銀河劇場(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了
満足度★★★★
もう少し小さな劇場で観たかった
観終わっていろいろなことを考えさせてくれた作品。
と言っても、良い意味で言ってるのではないけれど。
鈴木勝秀演出は「ドリアン・グレイの肖像」に続いて
の観劇。前作でも感じたが、この人の演出は、俳優の
力量に負うところが多いとの印象を抱く。
栗山民也のように俳優の特性を知り尽くしたうえで、
さらにプラスαの魅力を引き出すことによって作品が
さらに面白くなるというのでもなく、蜷川幸雄のように、
「こういう見せ方もあったのか」という商業演劇らしい
インパクトもない。平たく言うと私には演出の妙
というのがあまり見えてこないのだ。この俳優たちなら
こんな感じに演じてこんな作品に仕上がるだろうなという
予想以上のものを与えてくれない。
「ドリアン・グレイ」の時の肖像画のときと同様、舞台背面のスクリーンに
抽象的な模様の動画が場面転換時に映し出される。鈴木氏が気に入
っている演出なのかもしれないが、同じ手法なのが残念。
「スポットライトが照らすのは一人だけだ」という台詞が劇中
にあるが、今回の舞台も大空間の中で大スター北大路欣也の圧倒的な
存在感だけが残った。
このハコの大きさでは、そうするしかなかったのか。本当は
もっと小さな劇場(たとえばシアタートラムのような)
で上演したほうがふさわしい戯曲だと思う。
その点では、次の巡演先である名鉄ホールのほうが広さは
ちょうどよい。

瞬間キングダム
あなピグモ捕獲団
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/11/27 (金) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★
王様ゲームの果て、何を訴えたいのかがよくわからない
「詩的で哲学的、不条理で理不尽な物語世界」という説明に惹かれて観に行きました。確かにそういう芝居なんですが、観終わって強く心に残るものがなかったというか、結局、何を訴えたいのかよくわからなかったです。
電動夏子安置システムの「performen」シリーズに似ているところもあるけれど、あそこはロジックの仕掛けがはっきりして、その枠組みの中で観客が遊べるのだけれど、こちらはストーリーが散漫な感じで、いまひとつ、その仕掛けが観客を捕らえ切れていない。今後、ファン層を広げるには、もう少し説得力が必要だと思った。
原泰久がフライヤーのイラストを担当しているが彼の連載漫画「キングダム」とは、無関係の内容でした。

占いホテル
劇団あおきりみかん
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

月光の在り処【ご来場ありがとうございました】
TOKYOハンバーグ
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/30 (月)公演終了
満足度★★★★
戦争を主軸とした3つの時間の話でした
キーワードの場所は国立競技場。
人の話や、体験談、家族にあてた遺書など。
戦争についての話を、芝居として観ることが出来。
見事に追体験させてくれる劇でした。
過去・現代・未来。月光の下で繰り返される、愚かな人間の蛮行。
合間に入る、花をモチーフとした舞踏も。表現が分かり易くてよかった。

おまえのなみだはビールでながれてる
chon-muop
調布市せんがわ劇場(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
滅失していく感覚とその先
ブログなどとも連携した作品、
姉妹作品ともいえる「夜の口笛」までが
呑みこまれてしまって・・・。
その滅失感と
醒めることへの戸惑いのような感覚が
こころをゆっくりと満たしてくれました

11月戦争とその後の6ヶ月
アロッタファジャイナ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/11/23 (月) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
影のあるオンナ
ひとりの実在する女優の虚実をないまぜにした、というか殆どデタラメな人生を適当に描き、それを観客にチョロッと見せてくれる、というのが思いのほか入り込みやすくて。
たぶん凄くダメな『シカゴ』なんですが、というか『ミチコ』なんですが、『シカゴ』より面白かったです。

カムパネルラ
Oi-SCALE
SAI STUDIO komone(東京都)
2009/10/08 (木) ~ 2009/10/13 (火)公演終了
空白
ジョバンニを観劇しました。
勝手な思い込みなんでしょうが、残された人間たち、と名乗るだけの空虚感、というか、足りなさ、が俳優や空間から満ちてこず(足りなさが満ちないってのも変な言い回しですが)乗りきれませんでした。
映画などの媒体であれば、また違った印象なんでしょうが、生の舞台だったので……
『レクイエム・フォー・ドリーム』からのサンプリングと思われるSEの使い方も、やはり俳優と繋がっていなかったように感じました。

社会派すけべい
毛皮族
駅前劇場(東京都)
2009/11/19 (木) ~ 2009/12/01 (火)公演終了
満足度★★★★★
とにかく面白かった!ノンストップ・エロ・ナンセンス・コメディー・音楽劇!この勢いが病みつきになりそう!
私の初「毛皮族」!やっと観れた!
とにかく面白かった!
老舗旅館を潰そうと企む、隣接した温泉リゾートの陰謀・策略!
バブル、ハイレグ、トレンディドラマ、デカイ携帯電話…。
'80年代のバブリーな雰囲気とサービス精神満載で突っ走る、
ノンストップ・エロ・ナンセンス・コメディー・音楽劇!!
冒頭、劇中TVドラマ劇「寝取り屋ジロー」の最終回の
エンディング?主題歌で始まり、
笑えるセリフの応酬が続いて一挙に引き込まれます。
あふれるパワーとハイテンション!
クライマックスのハチャメチャ体当たりの演技と、
全員での歌と踊りまで突っ走る、
このくだらなさと勢いが病みつきになります!
よく考えると、色々なものを詰め込んでいて、
実はものすごく凝っている、巧妙な構成・展開・セリフに
感動すら覚えます。

乾かせないもの【御来場有難うございました】
机上風景
タイニイアリス(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
共感を越えて
「見る」という言葉では失礼なくらいにこの舞台は観客を引き込んでいました。
もちろん自分もそんな中のひとり。
戦争に送り出した夫の帰りを待つ女性たちの話。
最初に明るい希望が見えたからこそ、あまりにつらい話に、登場人物たちを何とかしてやりたくて仕方がない。
けど何もできない自分。
短くまとめられた作品には全く無駄が無く、小劇場でこれだけの作品を見ることが出来て嬉しくて仕方がない。
大きな劇場で有名な役者たちが出て有名な作家、演出家が作ればまた全く異なる作品になるのだろうけど、商業演劇だとゴテゴテと無駄が付いて本筋がぼやけてしまうところを、一直線に、真摯に描いた作家、演出、役者陣に感謝です。

晩秋
明治座
明治座(東京都)
2009/11/03 (火) ~ 2009/11/27 (金)公演終了
満足度★★★★
長年を経て、許される罪。人と人、その時間の流れに感動の一作。観てよかった!!
やっぱりコリッチユーザでは観た人いないようですが、^^;)
私は大感動!お薦めしたい!
偶然2日連続でマキノ・ノゾミ作品、しかもこっちは演出もやられてます。
そして、坂東三津五郎、八千草薫、米倉斉加年、森 光子(国民栄誉賞受賞記念特別出演)という超ベテラン勢出演で、明治座公演!
『重責』です!
医療ミス問題で悩む主人公の医師のもとに、小学校の先生が突然訪れるところから始まり、話は当時の故郷の話に。
昨日の「高き彼物」同様、登場人物は自分の過去の過ちに長い間苦しんだ後、告白し許されるときがきます。
この作品も、とっても泣けて感動しました。
迷いましたが、観てよかった!!
物語は現代と小学生時代に分かれ、
坂東三津五郎の父の役を本人が、
八千草薫の女先生の若いときを星野真里、
森光子の若い時を馬渕英俚可が
それぞれ演じる構成も面白い。
ただ、終盤に森光子さんが登場すると、
拍手喝采ではありますが、セリフがおぼつかず、
劇場全体が凍ったような空気になって、せっかくの
芝居の流れ・感動の流れを止めてしまっている感じ
がしました。
森光子さんは、好きですし、尊敬もしますが、
非常に残念でした。
ただただ、星野真里さん、馬渕英俚可さん
目当てで観ましたが、八千草薫さんは素晴らしい
演技でした。
あったかくて、本当にベテランでやさしい先生です。
その若い時を、星野真里さんがストレートに
まっすぐに演じています。
まさに、当時の清楚な女先生です。
そして、馬渕英俚可さんは三津五郎さんの娘の
女子大生役。まさに普通の役でしたが、
やっぱりそれだけでは終わらない。
気の強い母親の若い時を演じて、もうぴったり。
強い役が多いですよねぇ。

再会【ご来場ありがとうございました】
はらぺこペンギン!
シアター711(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/11/30 (月)公演終了

アジア舞台芸術祭2009東京【「東京舞台」LIVE版2009】
APAF-アジア舞台芸術人材育成部門
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

中島みゆき 夜会VOL.16~夜物語~「本家・今晩屋」
TBS
赤坂ACTシアター(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/12/18 (金)公演終了
満足度★★★★
本家を観た
ずっと観たかった夜会。チケット高いけどそこは考えないようにして、チケットゲット。みゆきワールドでした~。生歌聴けて、感無量。次回の夜会も観たいな~。いつまでも愛らしいみゆきさんでいてほしいです。

アジア舞台芸術祭2009東京【「東京舞台」LIVE版2009】
APAF-アジア舞台芸術人材育成部門
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
Cプログラム 第七劇場/チェルフィッチュ
劇団の紹介のような無料イベント。
映像で過去の作品を見せ、実際に舞台での上演もある。
各劇団とも映像と舞台合わせて20分で計40分。
中ホールにて。
無料パンフレットに今回関係する日本の劇団のプロモーションが収録されたDVD付き(「東京舞台」LIVE版のときに上映されたものと同じ内容)。

高き彼物
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
高き彼物を熱く目指す
練り込まれてきちんと形になっているものが、提示されている感じ。
なんというか、きちんと仕事がされている感じが心地よいのだ。
観劇していて身も心も預けられるような安心感さえある。

占いホテル
劇団あおきりみかん
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★
「占い」は~
個人的には興味はなく、妄想の世界観かなあ位な感じですかね。その辺を上手く表現していて、うん!なるほどと感心して笑いながら観劇できました。

占いホテル
劇団あおきりみかん
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/11/28 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

SO SHOW 天国
劇屋いっぷく堂
劇場HOPE(東京都)
2009/11/21 (土) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「謎」と「解答」
ひまわり・きく両サイドに知人が出演するので、セット券を購入しました。話としても、両方観た方が面白そうでしたし。どうせなら1日でまとめて観たほうがいいと思い、28日にきく・ひまわり両方観劇しました。
私は先にきく(検事)サイドを観ましたが、タイトルとチラシのイメージとは違う真面目な内容でした。もちろんコメディ部分も散りばめられていてそこはとても面白かったです。私は前で観るのが好きなので今回も1番前に座っていましたが、ステージと客席との距離が近いので役者さんが目の前です。上手側と下手側を交互に見せる演出が多かったので、首が大忙しでした。きくを観終わり、とても面白かったけれど、最後の笑みや、検事たちのやり取りで謎の部分が残り、夜からのひまわりサイドがますます楽しみになりました。
夜からはひまわり(弁護士)を観劇しました。検事側で話題に出ていた人物たちが登場しました。検事サイドの推理で唐突に名前が登場していた梅林ですが、ひまわりではその経緯が分かり、気になっていた部分が解決されてモヤモヤがスッキリし、弁護士サイドの視点で動いていく物語にも惹きこまれました。さゆりさんの弁護士も悪だけどカッコ良かったし、観ていて楽しかったです。
他の部分もそうですが、友哉の行動に対しても、両方観ることで理解が深まりました。「借りを返す」や電話のシーン、そして弁護士サイドと検事サイドで共通のシーン。面白さが増して、両方観ることができてよかったです。
物語としてはひまわりの方が分かりやすかったのと、後から観たということもあって、きくは「謎」でひまわりは「解答」という印象でした。それぞれ一方でもちゃんと物語として観ることができますけど。最後はきく以上にゾッとするラストでした。きくで見たあの笑みはこれだったのかと。
ただ残念だったのは、昼公演隣に座っていた男性が客伝が落ちても携帯でネット画面を見ていたことと、電源を切らなかったことです。公演中に着信があり、倍部の音が響いてジャマでした。チラシをガサガサ鳴らすし、せっかくの時間が彼のせいで不愉快になりました。夜公演でも後ろのほうで倍部の音が響いていましたし。最低限のルールは守って欲しいと思います。
あと、たまたま読んだある方の感想で、ひまわりサイドのありえない弁護士に対して不愉快に感じていたことを思い出してしまいました。
1つの作品としてそれぞれまとまっているので、「謎」と「解答」と表現することに少しためらいがありましたが、私と逆できく・ひまわりの順で観た方は「基礎編」「応用編」と感じたと教えてくれました。

高き彼物
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
30周年記念公演に相応しい名作誕生!
加藤健一が演劇一筋に情熱を傾けた集大成のような作品。皆さんが書いているように、脚本も演出も役者も非の打ち所がない。
加藤健一と小泉今日子の魅力は予想通りだが、占部房子のさわやかな演技に虜になった。
私もこの作品は是非、再演してもらいたい。歴史に残る名作の誕生だ!

カサブランカ
宝塚歌劇団
宝塚大劇場(兵庫県)
2009/11/13 (金) ~ 2009/12/11 (金)公演終了
満足度★★★★
多分
原作映画自体好きじゃないと思います…。
ハードボイルドな感じで、主役がずっと抑えた演技だし…(好みの問題)。私個人はフィナーレの笑顔の大空さんの方が好き。
あと、ヒロインのイルザが身勝手な女に見えてしまったのも辛かったです。
しかし宙組は芝居の上手い人が揃っていて安定していると思いました。