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魔界転生

魔界転生

劇団キリン食堂

俳優座劇場(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★

脚本・演出・役者の技量不足
原作が好きな為、初めての劇団を観劇に行きました。
キリン食堂、事前にHPで確認したら殺陣に自信あり、前回公演の評判も上々とのうたい文句。
期待していましたが、がっかりしました。
殺陣は、確かに数人巧みな方がいるものの、大部分のキャストが修練不足。
ゲストの若手俳優達の芝居もいまいち。
山田風太郎原作、と謳うには、あまりにも脚色が激しすぎる。
『魔界転生』というタイトルに惹かれて観に行った人間にとっては、残念なことだらけです。

ネタバレBOX

以下、箇条書きになりますが感想を。
・ダンスシーンの衣装をもっと考慮すべき。
天使と悪魔のストリップまがいの衣装に不快感を抱く人は少なくないと思います。
ダンスの技量は申し分なしなだけに、そういった衣装の面でのマイナス感があるのは非常にもったいない。
・伊豆守の威厳というものがさっぱり感じられない。
原作とは違い登場シーンも多く、重要な役回りなだけに、もっと厚みのある芝居をしたほうがよかったのではないでしょうか。
伊豆守役の大島つかさの、江戸っ子調の軽い芝居は演出ミスだった。
・柳生十兵衛が、完全に伊豆守の下で動く幕府直属の人間となっていて、原作の飄々とした感が失われていた。
・柳生衆の死に際に、個々に見せ場を作っていたが、立ち回りに不慣れな感が否めない若手の役者達は、せっかくの見せ場が生かしきれていなかった。
正直、一人死ぬたびにテンポが遅くなるだけであまり効果的ではなかったと思う。
・宝蔵院の転生シーンがないのはおかしい。
佐十郎のエピソードを削って、宝蔵院のエピソードを見せてほしかったです。
せっかく一人だけ槍で戦うという特異性があるのだから、そこをもっと生かした脚本にしてもよかったと思う。
存在感のある役者を使っていただけにもったいないです。

舞台オリジナルの登場人物や設定が、はたして必要だったのか。
演出家が何を見せたかったのかがさっぱりわからない舞台だった。

役者の技量不足も目立っていました。
特に若い女の子達が、着物の着方が汚い。
声も小さく、舞台に立つだけの基本が出来ていない人ばかり。
その割にはアンサンブル的な立場で色々なシーンに出ているので、舞台全体の質を下げてしまっていました。

以下は個人的によかったと思う役者さん達。
・荒木又右衛門役の永友イサム
身体が小さいので最初は荒木としては迫力不足かと思いましたが、転生後の魔人としての不気味さ・凄みが素晴らしい。
殺陣も見せ方を心得ていて安定していました。
・伊豆守役の大島つかさ
伊豆守としては軽すぎるキャラクターになっていましたが、役者の技量は申し分なし。
軽妙な語り口が面白いので、もっと明るく軽い演目で拝見してみたいです。
・年老いた巫女役の古内史子
出番があの一場だけなのは非常にもったいない。
舞台上では年齢不詳な老婆でしたが、チラシを見ますとまだ若い役者さん。
老婆役のためにしゃがれた声で喋っていましたが、それでも声に張りがあり、セリフも聞き取りやすかったです。
今後はメインの役どころで拝見したい。
・お品役のいぬいりさこ
クララとの2人での会話の部分は、演技は素人のヒロインをぐいぐいひっぱって、うまくテンポを作ってくれていました。
佐十郎とのシーンも、お品が巧みにセリフに緩急をつけて、棒立ちな芝居しか出来ない若いイケメン俳優を、「佐十郎」という役柄として成り立たせていたと思います。
今回の舞台、天草役の中村以外のゲストは、お品がいなければもっと酷い出来になっていたのではないでしょうか。
・子役の2人
子役というだけでほほえましく、高評価になるという部分を差し引いて。
芝居をしっかりとしていて、とてもよかった。
チャラチャラと喋るだけだったアンサンブルの女の子達よりも、よっぽど役者として完成されていました。
西遊記 龍王編

西遊記 龍王編

劇団やぶさか

相鉄本多劇場(神奈川県)

2009/12/05 (土) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しませていただきました
牛魔王退治して終わりかなーって思っていたら。
龍王の話だったんですね。メインは。
なかなか純愛路線で終わるかと思いきや、
ちゃっかりイケメン見つけて、そっちに走るヒロインの逞しさに脱帽です(^^)。

演出家を困らせる望みを言えば、
キント雲と分身の術(大人数)が観たかったかな。

個人的には、プレイバック!。が受けました。
また、場面転換の仕方も、わかりやすくてよかったです。
ライトと音楽上手に使ってましたね。

衣装も凝ってて、悟空たちもキャラ合っていて楽しかった。
今度は「封神演技」やりませんか?
ナタクもそのまま出せますし。


生の瑕疵

生の瑕疵

集団as if~

萬劇場(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

確かにネガティブコメディでした
明るく楽しかった学生時代。
一転して、ひたすら転がるように奈落へと転落してゆく、
大人になった現在の生活。
ギャップがすごかった、けど。
各人の心情は分かり易く、状況の説得力は強かった。
ただ、そこまで暗くしなくても・・・。とは思いましたが・・・。

ネタバレBOX

観客巻き込んでの即興劇は、ほんとに楽しめました。
役者さんも大変でしょうが、
結果は充分に満足のいく出来だったと思います。
毎回異なるのだから、リピーターも付くかな。
とゆーところも、うまい考えですね。

で、後半ドラッグに溺れる主人公。
まったく救いがないところが、かえってリアルでした。
昔のフレーズ「人間やめますか、それとも薬やめますか。」ってーのが、
ぴったり合ってましたね。
薬物防止キャンペーンで、協賛金取れそうな劇だと思いますが。
いかがなものでしょうか?

神父さん、いい味出してたのに。
あまり、絡んでこなくて残念です。

後半、何度も出てきた高台の話の、心情を吐露する場面は。
とてもよく理解できる上に、どうしょうもないやるせなさが加わり、
転落のきっかけになるところが、リアルすぎて怖かったかな。

居間でTV見るシーンは、なかなか演出が上手で笑えました。

あと回想とかで、子役の方々が後方で演じられるのが、
わかりやすかった。

最後に、まったく救いなく終わるところも締めとしては、
良い出来だったけど・・・。
今度は、ポジティブコメディが観てみたいかな。
ちょっと暗すぎたかなぁ、って思いましたんで。
孤天 第二回「ボクダンス」

孤天 第二回「ボクダンス」

コマツ企画

APOCシアター(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高に知的で、笑えて、スリリングな舞台でした
●かつてコマツ企画の公演中「俺だけ規格外!」と叫んでいた様子が思い起こされる。「獣性」こそが魅力のひとなのかと思っていたら、それだけではない。そんな単純なアレじゃなかった。彼自身が存分に己の「獣性」をコントロールできる、猛獣使いでもあったのだ。

●「演技」「演出」の能力と、「自己演出」の能力はいずれもわけて考えなくてはならない異質の能力だろう。たとえ「演技力」があり「演出力」が備わっていたとしても、それはイコール「自己演出力」にはならない。この前面にたって人々に認識されることの少ない、されど決定的な実力=「自己演出力」を持つ作家兼俳優は限られる(野田秀樹、ハイバイの岩井秀人、tsumazuki no ishiの寺十悟などがあげられるだろうか)

●ここに川島潤哉の名前を並べたい気持ちに駆られつつ、一方そんな括りにおさめてしまうには少々のためらいがあったりもする。あくまでも「俳優」こそが彼の生業であり、俳優視点からみて何か完結した作品を世に送り出すことは出来ないかと考えて提示されたものなのだから、やはりそれは「作家」を出発点とする前述の演劇人とは異質のアプローチでつくられている。

●これまで「ひとり芝居」を「凄い」とおもったことはあっても、やばいくらい「面白い」とか普通の芝居より「こっちのほうがいい」などと思ったことはなかった。が、驚いた。まさか「ひとり芝居」を見てここまで心うたれるとは。そして「ひとり芝居」はきっと川島潤哉さんが表現活動をしていくうえで、もっとも適したフォーマットなのだろう。誤解を恐れずにいえば、これまで見たどの川島出演作品よりも彼の深奥部分に浸ることができた感触がある。

●きっと几帳面で凝り性な人なのだろう。劇中に登場する自由が丘的な店員の言葉を借りるならば、通常わたしたちが2、3のチェック項目で済ましているところを、彼は40くらいチェックして演技をしているのではなかろうか(笑)

●キャラクターの演じ分けや上演時間80分のペース配分、独特のビートの刻み方などテクニカル部分での凄みはこちらの期待通りの期待以上っぷりだったのだが、それよりさらにここで言及したいのは作品テーマの選定と、その昇華の方法である。

●ある四コマ漫画の例え。女が三コマ目までボッコボコにレイプされている描写がある。しかしさんざんやられたあげくの四コマ目で「セクハラよ!」と叫ぶと、瞬く間にボッコボコのレイプがセクハラということになってしまう。ギャグのようで、実はこれこそがテーマ。

●認識の齟齬、あるいは認識のすり替えといってもいい。

●コンテンポラリー的な暗黒舞踏的なそれに対峙した二人の恩師のコメントも同じで、読解力でひとひとり殺せると豪語する国語教師の「一をかいつまんで百に引き延ばす」見方も、「こうも考えられます」とひたすら相対的な視点を提示し続ける社会科教師の見方も、彼のおどりを観てなぜ泣いてしまったかの説明は一切できていない。当り前で、ダンサーの彼が泣いてしまったのは、咄嗟に彼のおじさんの思い出が脳裏をよぎったからで、それは観る側にとっても、やる側の彼にとっても、何の前置きもなく訪れたことだからである。

●深い断絶。しかし、感動とはそのくらいに誰にとっても超個人的な体験なのではないか。泣く、ということで共有はできても、なぜ泣くかまではガイドしきれないのではないか。そしてそれはそれでよいのではないか。どのキャラクターも滑稽に描かれてはいるものの、わたしたち観るものと観られるものの関係を、これはある面から言えばリアルに冷徹に捉えている。

●ヘレン・ケラーを単なる感動物語と思うな。これもネタ的に語られる台詞だが、まさにそのとおりで、ヘレン・ケラーを観て泣いている観客の100人が100人とも同じ文脈で泣いているとは限らない。というか、皆それぞれ異なる理由で泣いているのだろう。鈴木杏演じるヘレンを観た2003年当時のわたしも、そりゃもう例にもれず泣いてしまったわけだが、それでも今思い返せばこの言葉の意味がわかる。が、これ以上の注釈は上記の国語教師のような誤解を差し挟むことになるかもしれないので、このくらいにしておきたい。勝手ですみません。でも、勝手にしかしゃべれないものなのだというのもこの作品のお墨付きじゃないか(笑)

●ラスト間際のダンサーが立ちつくすシーンは登場人物たちの独白が繰り返されることによってつづられる。「なんで俺は泣いてるんだ?」川島潤哉の芝居というだけでも十分に効くが、やはりこれがひとり芝居でやられているということがとても大きい気がする。それぞれの「個」や、あるいは「孤」を語るうえで、これほど効果的で魅力的な上演形式があるだろうか。川島氏の前傾姿勢気味なアーティスト魂に身震いしつつ、それでも絶対に外さないと確信を持って上演していたのであろうしたたかな興行主としての川島氏の策士ぶりにも心打たれたのでした。

●というわけで2009年度、80本ぐらいお芝居を観てきましたが「もっとも驚かされた」という意味ではこの作品がぶっちぎりにNO.1です。

舞台版『妹と油揚』

舞台版『妹と油揚』

metro

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高!!!
なんなんだこの舞台!!
やられた~~!!

こんな舞台観たことない。
ただのアングラではおさまりきれない。

これは絶対観るべき。
なかなか出会えない作品だと思った。

メトロ、ありがとう。

D-BOYS STAGE vol.3「鴉~KARASU~ 10」

D-BOYS STAGE vol.3「鴉~KARASU~ 10」

ネルケプランニング

青山劇場(東京都)

2009/10/20 (火) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

イケメン見たさに
行ってきました。

かっこよかったです。

観に来てる人にもかっこいいひとがいました。

まわりはたぶんみんなファンばっかりで、開演前や休憩中にいろいろと話をしていたようですが私にはよくわかりませんでした。

でもみなさん上手で、観ていて面白かったです。

ネタバレBOX

殺陣のシーンが多く、観ていて迫力がありました。剣戟音が若干グロテスクに感じましたが、かっこよかったです。
ネコロジカル・ショートカット・ネコロジカル

ネコロジカル・ショートカット・ネコロジカル

猫の会

d-倉庫(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★

重なる世界に見えるもの
どこか断片的に表現されているいくつかの世界を追いかけていると、
ふっとひとつにまとまった世界がみえてくる。

なにか魔法にかかったように
わくわくと
その世界を旅してしまいました。

ネタバレBOX

最初はちょっと迷路をあるいているような気がします。

おばあさんが亡くなった後、その場所に暮らし始める姉妹の世界。
その猫や動物たちのこの世とあの世の世界。
ちょっと危ない匂いを感じるお隣さんの世界
そして時間を縦に貫くような教授の世界・・・。

個々の世界にそれほどの密度があるわけではないのです。
油絵ではなくパステル画のような感触。
でもラフな表現の感覚が
観る側にとってとても近くにある生活感と
この世のものでないなにかを
違和感なく一つの世界に同居させていきます。

それらの世界をつないでいくエピソードも
どこかラフ。この世とあの世の扉もあけっぱなし。
でも、それらのごった煮が
とてもすっきりとした居心地のよさを作り出していく。

なにか理屈ではない心の安らぎや
温かさがこのお芝居にはあるのです。

よしんばカリカリした雰囲気が舞台を満たしても
それはポタージュスープのクルトンのようなもの。
役者たちのお芝居からやってくる深い味わいや
時間をまたぐあたたかでちょっとビターなエピソードに心を動かされて。

常ならぬ世界のかけ金をさらっとはずす北村ワールド。
たっぷりと楽しむことができました。

コントン・クラブ

コントン・クラブ

K Dash Stage

博品館劇場(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

混沌+コント
少し前に日曜日の午前7時半〜8時半の顔的な存在だった俳優が多数出演して、くっだらないコントをやるカッコかわいい楽しいステージでした。水谷あつしや入山学といったベテランによる若手いじりも見所。

魔界転生

魔界転生

劇団キリン食堂

俳優座劇場(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★

時代劇としては新味に欠ける
過去、何度か映画化、舞台化されたご存知山田風太郎の時代小説の舞台化作品。天草四郎の島原の乱をモチーフにしているが、正直な感想を言えば、THEちょんまげ軍団SUPERなどちょんまげ軍団系の若手劇団がやっている芝居と雰囲気や内容がそっくりで既視感が強い。敵味方で区別したパンフレットの配役レイアウトまでそっくりだ。
ちょんまげと違うのは、中村誠治郎や川隅美慎といったイケメン
アイドル俳優を客演に迎えていることだ。
そのへんは主宰の久保田さんがマーケティングを考えているのだろう。したがって、客席は彼らがお目当ての若い女性ファンが多く、一挙手一投足を「カッコイイ」「カワイイ」と喜んで温かく見守っている。
だからというわけでもないが、芝居の内容には大いに不満が残った。
HPやパンフレットに「大人のためのライブエンタテインメント集団」とあるが、
大人が楽しむには幼稚すぎて、物足りないと思った。
この劇団はアンケートをとっているので、「面白い率97%、感動率88%(前回実績)」と書いてあるが、だとすると、自分はさしづめ3%と12%の少数派ということになるのか。
詳しくはネタバレで。



ネタバレBOX

「多くの民百姓、老人や女子供の犠牲を払って原城で幕府相手に戦をしたこと」を悔いていた天草四郎(中村誠治郎)は父とともに殺されるが、許嫁クララ(遠藤舞)の魔力を借りて怨念の魔界衆として復活し、幕府に復讐を誓う。剣豪荒木又右衛門や宮本武蔵、柳生但馬守宗矩、興福寺の僧兵で宝蔵院流槍術の始祖胤舜まで復活。クララは魔術を使うたびに、体が不具になっていく。
宗矩の妬みから親子で対立する十兵衛(新井剣史)。徳川将軍職を狙う紀州徳川家の一派。島原の乱を平定した老中・松平伊豆守(大島つかさ)は誘拐された息子を殺されてしまう。
四郎一派は江戸を焦土にする計画を実行するが、十兵衛は水門を開けて消火しようとする。
現代語を交えたり、ギャグなどを取り入れ、わかりやすく見せようとする分、
内容が軽くなり、感動は薄まった。
演出の細部で気になったのは四郎の首をとる場面で、歌舞伎のように顔に布をかぶせないので、私の席からは首をとったあとも、四郎の顔が丸見えだった。
根来衆のくの一お品が何度もとどめを刺されたのに「忍法死んだふり!」と言って死なない。下に鎖帷子を着込んでいたとか仕掛けを見せないとおかしい。
水門を強調し、セットにも位置を示しているので何か仕掛けがあるのかと思ったら何もなかった。歌舞伎のように照明と揺れる水布を使えば、水を表現するとかできたはず。
最後、なますのように斬られた十兵衛が平気で生きているのもおかしい。
島原の乱で民衆の情け容赦ない虐殺を命じた伊豆守の家族愛を描く場面があるが、虐殺についての述懐がまったくなく、「これからの江戸は文化が支配する」なんて終幕、明るく言ってのけるのは納得できない。
伊豆守の遠山の金さんばりのべらんめえ口調も気になった。
四郎が生身の人間から魔物になって、変化したのがメークだけとは。
魔物になっても歩き方がスタスタとそのへんのあんちゃんみたいだし、クララへの想いを告白する場面も生身の人間のときと変わらない演技。だから、内面の変化までは到底演じきれず、そのことが物語のあいまいさにつながるのはまずい。
また、幕府を憎んでいると言いつつ、罪もない町人を生きたまま焼き殺したりするのも矛盾している。
伊豆守の息子と娘を演じた子役(北薗亮介・下田澪夏)がラストシーンで四郎とクララの子供時代を演じる回想場面などは、洒落た演出だったが。
時代劇は 子役が上手いとグッと引き締まるから不思議だ。
天使と悪魔のダンスは下着姿で官能的。悪魔を演じた結樺レイナは
コリッチでもおなじみの「ナインティーン春~旅立ち編~」の振り付けを担当している人。
最近、時代劇を観なくなったが、昔から殺陣は好きでついつい見入ってしまう。この芝居でもそうだった。
だが、全体を通して、雑な脚本と演出が目立ちすぎる。
バウ人情噺「雪景色」

バウ人情噺「雪景色」

宝塚歌劇団

【閉館】日本青年館・大ホール(東京都)

2009/12/04 (金) ~ 2009/12/10 (木)公演終了

満足度★★★★

落語シリーズ第4弾!
 落語ネタの舞台化は数ありますが、"落語的な面白さ"では宝塚の落語シリーズがいちばんじゃないかなあ。非日常的世界を描くのを得意とする宝塚にとっては、リアルな世界よりも落語的非常識な世界のほうが合っているのだろう。

 今回は、落語ネタの喜劇に、1幕モノの人情劇、最後は舞踏劇と、ちょっと歌舞伎風の公演となっているのも御趣向。

頻闇に咲く

頻闇に咲く

トランジスタone

サンモールスタジオ(東京都)

2009/11/25 (水) ~ 2009/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ヘッドライトに感激☆
ヘッドライトの使い方に味が出ていて、本当に感動しました。
毎回、インパクトあるお芝居なので見ている方もハラハラドキドキ☆
楽しませて頂いております。
次回も楽しみに、期待しておりますので是非頑張ってください!

カタルシス夢十夜

カタルシス夢十夜

ムシラセ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★

初見です! 
チラシの印象から、怖い話かと勝手に思っていましたが、笑えて楽しく観劇できました。前半のストーリに少し戸惑いもあったんですけど、鬼のシーンで理解できたと思います。

ネタバレBOX

鬼の衣装が良いですね。次回作も観たいと思います。チケプレありがとうございました。
MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

MID lie T [ミッドライト] 【満員御礼・ご来場ありがとうございました!】

処女航海

BAR COREDO(東京都)

2009/12/02 (水) ~ 2009/12/05 (土)公演終了

満足度★★★★

好きです
雨がガンガン降ってましたが帰る時にはすっかりやんでました。

なんか世界が違って見える感じで不思議でした。

また観に行きたいです!

演劇/大学09秋 京都造形芸術大学 『木ノ下歌舞伎─伊達娘恋緋鹿子』

演劇/大学09秋 京都造形芸術大学 『木ノ下歌舞伎─伊達娘恋緋鹿子』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/12/05 (土) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

観ました
観ました。

「ラスト プレイ」「Heat on Beat!」

「ラスト プレイ」「Heat on Beat!」

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2009/11/27 (金) ~ 2009/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

瀬奈じゅんかっこよすぎ
「ラストプレイ」

あらすじを見てハードボイルドかと思ったら、人情コメディでした。瀬奈、霧矢のやりとりが好きだ。ラストも思いっきりコメディテイストにすればよかったのに。

「Heat on beat」

瀬奈のかっこよさと城咲のはっちゃけぶりを思う存分味わえるショーでした。自分、男だが、あの瀬奈のかっこよさにはマジで惚れるニャ。

西遊記 龍王編

西遊記 龍王編

劇団やぶさか

相鉄本多劇場(神奈川県)

2009/12/05 (土) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しかったです。
今回の作品は再演、との事。この劇団さんは再演はしないと聞いていたので、今回?と思っていたのですが、10回記念公演のため、で納得。
笑いあり、涙あり、とやぶさかカラーが満載、だったと思います。
ラストでうるうるしていたのに、えーーーーっ!な結末!
良い意味で裏切られた感。演出家さんにしてやられました。
相変わらず、男役さん達が揃いも揃って格好良かったです。

あっこ

あっこ

劇団オートバイ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/12/05 (土) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★

やっぱり、難解。。。
C.T.T.でやってたテンポが良く笑える感じは、本公演ではしないのでしょうか。
今のところ、あれが一番好きなんですけど。

ネタバレBOX

今まで見た作品では、いつも「死」のイメージが根底に流れている。
しかも、状況把握するのが難しい芝居だったりする。
今回も同じで、、、植物状態の人。

会話の時間軸も定かではなく、時間は同じ、違う場所。同じ言葉、違う場所。
人物のあっこに対する思いも明確ではない。
そもそも周りの人物は現実なのか、あっこの記憶の中の過去なのか、
想像による幻想なのか、生と死の狭間の混沌の見せる夢なのか。。。

抽象的な、役者の動き(自転車で左に曲がる時の合図みたいのとか)の意図するところと、
具体的な、周りの人間の反応との繋がりを、
観客の想像で補完してもらう、かのような作り方。

目的も忘れつつあり、メビウスの輪の如く、くるくると回る記憶と、
薄れていく記憶、枝葉に絡められて、同化していく、、、
あっこ、そんな名前だった。。。
結局、この終わり方では、
あっこは、目覚めもせず、死でもなく、そのまま記憶の中で薄れて埋もれていくイメージ。
あっこが花道を歩いて行きかけたところで、そのまま終われば、死のイメージ。
あっこが幹太に振られて吹っ切れたような清々しい場面は、目覚めを思わせたけれど、、、あそこで終わらせられないし。

いろいろ考えさせる、と言う点では、思うツボなのかもしれません・・・ね。
【AchiTION!Q&A】

【AchiTION!Q&A】

シネマ系スパイスコメディAchiTION!

しもきた空間リバティ(東京都)

2009/12/04 (金) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

もう、これは・・・苦笑!
当日はキャンセル待ち続出で満員御礼状態でした。そんなだからスタッフもニコニコ。キャストもニコニコ。今頃は左うちわ状態・・・。

青池のカマ風味と谷合の女を捨てちゃってる演技には誰も敵わないんじゃないかしら。でもって福丸の体型キャラクターには、登場しただけで・・・笑

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

【ダイエットをする女の話】では谷合の演技に「そこまでやらなくても」という同情に似た感情が沸騰する。その沸騰してる最中に福丸がトレーナーとして登場するわけよね。お前が痩せろよ。みたいな突っ込みが会場を包む。

【血液型の話】では人間の姿をしたドラキュラが気分屋で自己中であるB型の血液型を吸うと死ぬという設定の中、飲み屋に集まった客の血液型から今夜の犠牲となる人物を探し出そうとするも、全員がB型だった。仕方がないのでドラキュラは苦し紛れに自分の血を吸うがB型だったため死んでしまう。B型って凄く嫌われちゃってるよね。何となく解るけど。笑

【一本のバットと二つのボール?】では、おかまバーに来た客の同級生がそこで働いていた事から、バットを取る手術を見合わせるように説得するも客の方がおかまになっちゃった。というお話。

【羊が一匹?】眠れない時に数える羊の様子を画像で紹介する。

【私のどこが好き?】大富豪の家に育った娘は近寄る男性が金目当てなことから、自分の過去を隠して異性と付き合うが彼女の過去を調べ上げた末に知らないふりをして付き合っていた詐欺男と両親の庇護のもと自立できない女の話。

【学校の七不思議】理科室の人体や音楽室からのピアノの音、二宮金次郎像らは夜な夜な動き出すが、彼らは一様にトイレの花子さんに恋をしていた。告白するも、肝心の花子さんは先生に恋をしていて先生に取憑く。

【台風の目?】将来、目が見えなくなってしまう少女と現在盲目の女性と、医療ミスで母を殺されてしまった3人の物語。

全体的にコメディと不条理劇をMIXさせたような舞台だった。終盤、司会者がウソつきを殺せ!という指示を出すが、結局薬局、司会者が殺されてしまう。ウソつきは彼だった、というオチ。
一番好みだったのは【一本のバットと二つのボール?】
やっぱ、おかま達のハイテンションな突っ込みとボケがいい。おかまたちって話し方も面白いからウケルし、キャストキャラは動物園みたいなナリ!笑
ここに出演する女優って凄いわっ。身を削って演じてる!笑



月いづる邦

月いづる邦

La Compagnie An

座・高円寺1(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

花開くのを見てきました
今まで見てきたAnの芝居の中で一番歌いたくなって、踊りたくなりました。
そして水木さんに抱きつきたくなった。
ありがとうと言いたくなった。

懸命に、じっくりと、水を遣って手間をかけて育ててきた苗が花開いたように感じました。

唇に聴いてみる

唇に聴いてみる

劇団ミカヅキミナト

池袋GEKIBA(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/06 (日)公演終了

満足度★★★★

熱気にあふれた舞台でした
自分は南河内万歳一座でのこの芝居を観たことがないので、
どのへんが脚色されているのかわからなかったけれど、
熱気あふれる舞台で楽しめました。
何より驚いたのは役者・添野豪の力演。失礼ながら予想以上でした。

ネタバレBOX

青年の部屋の窓から外を見つめる刑事2人。
団地で起こった放火事件を調べているらしい。
ニュータウンに団地が建ち、商店街の経営者たちは商売が儲かると
期待するが、スーパーマーケットができたため、まったく売り上げが
上がらないではないかと、新聞販売店店主の組合長のところにねじこんでくる。
この組合長(添野豪)の名前が黒沢で、商店街店主らがガンマンのいでたちで乗り込んでいき、「黒沢先生!」なんて呼ぶ。
なぜガンマンかと言えば、黒澤明監督の「七人の侍」をリメークしたといわれる「荒野の七人」をイメージしたらしい。
ガンマンというより、どう見てもメキシカンスタイルだったが。
ガンマンの疾走場面はどこか旧コーヒー牛乳(現ゲキバカ)の舞台みたいにパワフルだった。
商店街の連中は団地ができても儲かるのは組合長の新聞店だけだと文句を言う。組合長は販促ツールの「洗剤のニュービーズ」「多摩テックの入場招待券」「日ハム・ロッテ戦の招待券」を三種の神器だと説明し、洗剤がいかに主婦にとって重要なものかということを立て板に水式にしゃべり倒し、一人芝居で演じるのだが、添野が実に魅せる。これまで、ボスカレや電動夏子安置システムなどで観ていた同じ俳優だとは思えない。これまでは顔もぽっちゃりしておっとりした印象だったのだが、ダイエットしたのかとってもスッキリした体型になっていて、セリフの生け殺しも巧い。演技とは直接関係ないが、添野の回転アクションに注目した。軸がぶれないでこれだけきれいに回れるってすごい。能楽師に向いてるかも。仕舞を習ったら上達すると思う。

商店街の連中では、高田淳の床屋と、林希美の豆腐屋が印象に残った。
黒沢は放火があった空き室になぜか入り込んでいた3人の主婦を相手に
ビールの空き缶を「これはただの空き缶なんかではない」と説明し、なぜかそれに主婦と青年らが同調する。しかし、そのうち、青年(都筑星耶)が「空き缶以外のものが見えるというのは嘘だ。僕には最初から何も見えていなかった」と言い出し、「黒沢が放火するところを見ていた」と証言したので、黒沢は
刑事に逮捕されてしまう。
「おい、おまえ、本当に見てたのか。おれが放火するところ見てたのか」と黒沢は叫ぶが青年は無視する。
青年は小学校時代、転校して行った同級生の女の子との運動会の想い出を回想する。運動会の場面は「遊園地再生事業団」の芝居を思わせる。
隣室には小学校の同級生だった子によく似た女(中村梨那の2役)が引っ越してくる。
青年の目の前におびただしい数の空き缶が洪水のように襲う。
少女との遠い想い出、そして自分はいま何を見ているのか自問自答する。
赤い紙テープと紙吹雪が舞うシーンといい、幻想的な場面はどこか唐十郎のアングラ劇を連想する。
ひとつの部屋が、青年の部屋、黒沢の部屋、放火のあった空き室、少女の家族の部屋、運動場など、めまぐるしく変化し、複数のドアが走馬灯のように青年の周りを巡るなど、狭い舞台ながら視覚的な演出に工夫が見られた。
お金をかけなくても、工夫次第で舞台装置などは充実したものにできると、常日頃から思っているけれど、その典型のような舞台だった。







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