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わが町

わが町

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/02/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

柴幸男(ままごと)の『わが町』を観劇。

原作はソーントン・ワイルダー
野田秀樹が立ち上げた東京演劇道場の若手公演だ。

1900年代のとあるアメリカ・ニューハンプシャーでの架空の街の物語。そこでは何気ない日常が淡々と進んでいる。事件や事故も起こらない毎日だ。
そして2023年の現代の東京では、事件や事故は起こるが、毎日の営みは100年前と一緒だ。時と場所は変われども同じように世界は進んでいるのだ…。

『わが町』というタイトルを聞くと、ままごとの代表作『わが星』を思い出すだろう。同じような視点で毎日の日常を描いている。決して『わが星』のようにグルグルと円を囲んで動き回ったりはしないが、地球の外から作家が俯瞰して見ている視線は変わりない。
各々の登場人物を俳優が人形を操りながら演じてみたりと人形劇とまでは行かないが、それに近い形で表現したり、街の風景がパズルのように組んだり崩したりと実験精神旺盛だが、奇抜に描いているように見えず、市井の人物の風景が更にやんわり見えてくるのが興味深い点だ。
この戯曲が発表された当時は何も起こらない日常を描くことがかなり革新的であったそうだが、今では平田オリザを先頭に「日常こそが大事件だ!」と描いている演劇人の多い事。
何はともあれ、不思議な体験をした夜であった…。
三文姉妹

三文姉妹

T-works

「劇」小劇場(東京都)

2023/01/24 (火) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

寒波襲来のなか観に行ったこともあり、つい過剰な期待をしてしまったのが悪かったのか、まず冒頭のアレに個人的には全くノレず、またお隣さんのマスクごしに響く鼻息がやけに大きく、それが気になって舞台になかなか集中できなかったのも痛かった。三姉妹の皆さんは好演だったと思うが。

ネタバレBOX

隣の鼻息さん、ようやく静かになったと思ったら、今度はお休みになってました…。
龍昇企画 父と暮せば

龍昇企画 父と暮せば

ストアハウス

上野ストアハウス(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

西山水木の演出が一々理に適っている。が、観ている間は役者に釘付け。井上ひさしの戯曲はディテイルが秀逸でこの戯曲にも各所に笑いと彩りを与え芝居をふくよかなものにしている。扱うテーマからの必然、原爆投下時の描写も作者は怠らないが、これを娘に台詞で、饒舌にやらせる、この部分が芝居的には峠であり役者的には難関であろうと想像される。
関根真帆(恐らく初)と龍昇という取り合せに惹かれて観劇したが予想通り、かつ想像を超えた優れた舞台。初日に漕ぎ着けた感を微かに感じたが、また見たいと思うシーンの断片がある。リアルにこだわった小道具、美術に役者自身が馴染み、どっぷり世界の住人となった頃合にまた観たい。(リピートするタイプの演目ではないが。。)

ネタバレBOX

つくづく良く出来た戯曲だが、「定型」の轍にハマりがちな危うさもある。
原爆を扱っている点(反戦という大きな物語に収めて理解しがち=人間のドラマとしての自立が問われる)、サバイバーズ・ギルティが軸である点(感動ドラマの定型にハマりがち)。
本舞台では、一組の父、娘の一夏の物語が微笑ましく成立。組まれた一軒家は程よく奥行があり、これが照明に照らされて褐色系に舞台上に浮かぶ様は、お伽噺を覗く趣きもあり、可愛らしい。
龍昇企画 父と暮せば

龍昇企画 父と暮せば

ストアハウス

上野ストアハウス(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

難しい芝居ですよね。方言に長台詞に心の叫び。龍昇さんは置いといて(笑)、関根さんの入魂の演技に感動しました。

ラブ・フォーティ

ラブ・フォーティ

南森町グラスホッパーズ

中崎町ギャラリー&カフェ MATSURI(大阪府)

2023/01/23 (月) ~ 2023/01/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「ラブ·フォーティ」タイトルを見て、何がどうなるんだ。難しく考えて行くもコンパクトな空間がすんなりと話に入って行けた。久しぶりにお洒落な時間を過ごせました。

俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

龍昇企画 父と暮せば

龍昇企画 父と暮せば

ストアハウス

上野ストアハウス(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

いごっそうと夜のオシノビ

いごっそうと夜のオシノビ

Nana Produce

サンモールスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#青山祥子 #有川マコト
#泉知束 #浜谷康幸
#金子さやか #鎌倉太郎
#寺十吾 #加山徹(敬称略)
初日。脚本は大好きな #横山拓也 さん。短編2本で70分。尺としては物足りないのではという疑念は不要。2時間の上演を観たような充実感。しっかり建て込んだ美術に、テーブルを替えるくらいの変化で上演される2作品だけれど、豊かに別の物語が立ち上がった。寺十吾さんの演出らしい翳りのある暗い照明もマッチ。
特筆すべきは青山祥子さん。コメディエンヌとしての資質も素晴らしいのだけれど、今作の激情は絶品。過疎の村の中年男のマドンナを、明るさと哀愁の二刀流で見事に立ち上げた。彼女を観るだけでも劇場に足を運ぶ価値あり。

俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

冴えないサラリーマンに魔界の案内人が差し向けてくる風変わりな面々
どの面々も奇抜なんだけれど誰もがしっかり芯のある存在感(演技力も確か)
そんな色んな個性から成る世界観が次々と楽しめる仕掛け、これって「星の王子さま」的面白さというか(もちろん旅人は王子さまではなく、冴えないサラリーマン!)
出会いのひとつひとつに やるせなさが含まれて妙に良い感じでした

魔界の案内人と冴えないサラリーマンとの掛け合いも格別に絶妙
凄味さえある「怖」が時々「笑」に転がっていく様は特に

そして最初から最後まで出ずっぱり、冴えないサラリーマン役の曽世海司さん
冴えない とはいえ愛すべきキャラクターを大大熱演
不思議な経験を経た彼が自身の運命をどっちに進めていくのか
最後の決断に固唾を飲んで見入ってしまいました

日本文学盛衰史

日本文学盛衰史

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/30 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本当に良くできた台本で圧巻。どうやってこんな物語を考え出すのだろう。寒いなか観に行く価値のある芝居。

いごっそうと夜のオシノビ

いごっそうと夜のオシノビ

Nana Produce

サンモールスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/26 (木) 15:00

75分。休憩なし。

江戸 吉原事始め

江戸 吉原事始め

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/25 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

華5つ星

ネタバレBOX

 江戸文化の中心と考えた方が合理的だと納得がゆくほど深く多様で質の高い、現代でいえばテーマパークやシティ・ホテル、宴会場、文化サロン、ファッション牽引地区及びファッションモデル的役割さえ果たしたと言えそうな花魁たちの持つ明るいイメージと明治時代に起こったマリア・ルス号事件を契機に吉原のイメージが暗い反社会的なものに変えられてゆく過程が見事に炙り出された凡そ400年の歴史、素晴らしいとしか言いようがない。
チェブラーシカ

チェブラーシカ

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2023/01/24 (火) ~ 2023/01/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 講演開始前にチェブラーシカの登場するアニメを参考にし、これらをベースにロシア文学の本質と考えられる要素を上げつつ、会場との意見交換が行われた。ロシア文学の持つ本質についての講師のご意見は尤もと判断した半面、

ネタバレBOX

チェブーラーシカ作品に登場する様々なタイプの悪党(嘘つき、泥棒、詐欺師等々との対比を通した弁証法や、弁証法を示した上での二元論との比較、更に現在喫緊の課題である情報操作がこれらに絡んでくる点についての追求は、会場で起こらなかったのが残念。
わが町

わが町

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/02/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/01/25 (水)

こ、これは!!!驚いて、笑って、泣きました。
人生って!!
いや、それだけじゃない。この作品の持っているものって
それが現代と交わり…でもテーマはストレートに伝わって来たようで
もう一回観るしかないでしょ。

ネタバレBOX

ストレートでの「わが町」を知っているので楽しめた点も否めないけど
導入部では惹きつけられるよね。特に映画がねハートフルで熱々でした。
そんな時代もあったわと思ったわ。
人は何も変わっていないんだろうな。
時をちぎれ

時をちぎれ

劇団青年座

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/01/20 (金) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/24 (火)

アットホームで笑えて、でもって今も反映されていて面白かった。
さすが土田英生作品!!青年座ならではの配役・演出!
テンポも良くって、設定とかCMとか笑える。

すずめのなみだだん!

すずめのなみだだん!

やみ・あがりシアター

駅前劇場(東京都)

2023/01/06 (金) ~ 2023/01/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/01/08 (日)

深い深い内容だ!!
「だだん!!」耳についてつい声に出したくなる「だだん!」
すごく沁みる染みた。ありえそうなだけにゾクゾクもした。

十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2023/01/05 (木) ~ 2023/01/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/06 (金)

劇団東京乾電池で観劇初めは何年ぶりだろう。
様々な十二人観ているけど、乾電池の面白かった!!
あっという間な体感でした。
配役がこれまた良いですよね。
お客様側に立って動いている座長の柄本明さんも素敵です。

ゲマニョ幽霊〜試験公演〜

ゲマニョ幽霊〜試験公演〜

おぼんろ

ゲマニョの芝居小屋(東京都)

2023/01/19 (木) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

沼を思い出させる様な雰囲気でワクワクした♪

ネタバレBOX

カゲツミの時にも言ったが、足の悪い常連の方がいてただでさえ急な階段を降りて来たのに又昇り降りは出来ないと・・・演劇は世界を救うとか、カンボジアに井戸をとか良いのだけど・・・目の前の人を救えなくてどうするのか?
その方と少し話したのだが、若い人向けになってしまったのかしらと・・・♪
その後お見かけして無いのでどうなさっているのか心配です♪
オヤジも膝が良く無いので階段の昇り降りは辛い♪
会場を見渡すと昔からの常連さんが少ないのは何故なのか考えた方が良いのでは♪
星の王子さま サン=テグジュペリからの手紙

星の王子さま サン=テグジュペリからの手紙

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2023/01/21 (土) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

振付・演出の森山開次氏は昨年、布袋寅泰の幕張メッセX'mas Eve LIVEにピエロ役で出演。江頭2:50を思わせるアクションで会場を大いに盛り上げた。今作も江頭2:50っぽい振付が多い印象。デフォルメした肉体パフォーマンスにコミカルな味付け。バレエの動きと絡み合う。本人も蛇役で登場、凄まじい舞踊を刻み込んだ。
舞台美術の日比野克彦氏は流石。画用紙で作ったような様々な造形物が天井から吊るされている。様々な形の沢山の紙が貼り付けられたグロテスクな月の造形が素晴らしい。風船をいろんな工夫で効果的に使用。
衣裳のひびのこづえさんのデザインはエロティック。薄手の全身ボディタイツの上に網タイツ状の黒いボディストッキング。
生演奏に合わせてハミングや歌を歌う坂本美雨さん。矢野顕子の娘だけあって高音の伸びが素晴らしい。

「星の王子さま」役のアオイヤマダさんはさかなクンに似ているイメージ。お笑い芸人やギャグ漫画のキャラを思わせるユニークな動きと感情表現。
飛行士役の小㞍健太氏の親近感が湧く人の好さそうな柔和な表情。
バラの花役の酒井はなさんはほぼ全編ルルベ(つま先立ち)、気品高く優雅。
ダンサーの池田美佳さんは長身で手足が長く、皆藤愛子っぽい気品で目立つ。
キツネ役の島地保武氏は動きが鮮やか。

正直、物語が伝わり辛い。自分の望んだ『星の王子さま』ではなかった。やっぱり泣かせて欲しい。夜の砂漠の余りの美しさに立ち尽くしたい。舞踊としても説明口調な気がする。

ジョン王【1月3日夜~1月8日昼、1月22日昼公演中止】

ジョン王【1月3日夜~1月8日昼、1月22日昼公演中止】

彩の国さいたま芸術劇場

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2022/12/26 (月) ~ 2023/01/22 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

フランスとイギリスの兄弟国同士の戦争と和平の駆け引きを見ながら、まさにいまのロシアとウクライナの戦争が思い浮かぶ。ジョン王(吉原光夫)は最初、領土を一部割譲しても、フランス王(吉田鋼太郎)と和平を結んだ。「みにくい妥協の和平」の方が、「潔い栄光の戦争」より数倍もいいのではないか。シェイクスピア劇の中でもなじみのないものだが、予想以上に面白かった。終盤、「時代の病はあまりにも重い」という言葉をジョン王とソールズベリー伯が、それぞれの思いで口にする。耳に残るセリフだった。

感情も言葉もすべてが現実の何倍にも密度濃く演じられる、スペクタクルでエンターテインメントの舞台。原作にはないだろう俳優たちの歌もよかった。戦争と平和、残虐と良心、死と安らぎ、怒りと恐れ、運命と自由。様々な感情、人生の岐路がたっぷりと演じられる。名舞台だったと思う。見どころがたくさんある。とくに後半の最初、幼いアーサー王子と従者ヒューバート(高橋務)の葛藤は特に迫力あった。助けたアーサーが、逃げようとして墜落して死ぬ。運命の皮肉に唖然とさせられた。

シェイクスピアの比喩の豊かな豪華なセリフも聞きごたえがあった。森羅万象を内包するような、飛躍と変化にとんだセリフ。滑舌、感情の込め方、毅然としたせりふ回しや時には見境をなくした狂乱ぶりなども見事で、セリフが生きていた。

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