実演鑑賞
満足度★★★
振付・演出の森山開次氏は昨年、布袋寅泰の幕張メッセX'mas Eve LIVEにピエロ役で出演。江頭2:50を思わせるアクションで会場を大いに盛り上げた。今作も江頭2:50っぽい振付が多い印象。デフォルメした肉体パフォーマンスにコミカルな味付け。バレエの動きと絡み合う。本人も蛇役で登場、凄まじい舞踊を刻み込んだ。
舞台美術の日比野克彦氏は流石。画用紙で作ったような様々な造形物が天井から吊るされている。様々な形の沢山の紙が貼り付けられたグロテスクな月の造形が素晴らしい。風船をいろんな工夫で効果的に使用。
衣裳のひびのこづえさんのデザインはエロティック。薄手の全身ボディタイツの上に網タイツ状の黒いボディストッキング。
生演奏に合わせてハミングや歌を歌う坂本美雨さん。矢野顕子の娘だけあって高音の伸びが素晴らしい。
「星の王子さま」役のアオイヤマダさんはさかなクンに似ているイメージ。お笑い芸人やギャグ漫画のキャラを思わせるユニークな動きと感情表現。
飛行士役の小㞍健太氏の親近感が湧く人の好さそうな柔和な表情。
バラの花役の酒井はなさんはほぼ全編ルルベ(つま先立ち)、気品高く優雅。
ダンサーの池田美佳さんは長身で手足が長く、皆藤愛子っぽい気品で目立つ。
キツネ役の島地保武氏は動きが鮮やか。
正直、物語が伝わり辛い。自分の望んだ『星の王子さま』ではなかった。やっぱり泣かせて欲しい。夜の砂漠の余りの美しさに立ち尽くしたい。舞踊としても説明口調な気がする。