ロマンス
こまつ座
世田谷パブリックシアター(東京都)
2007/08/03 (金) ~ 2007/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
段田さんと生瀬さんが最高!
今まで、チェーホフって、あまり面白さがわからなかったのですが、これを観て、俄然興味が湧きました。
大竹さんの演技はどうも肌に合わない私ですが、この役は彼女でよかったかも。
終盤の、段田さんと生瀬さんの演技に、大笑いさせられました。
それにしても、井上さんの戯曲は、本当に、いつも切り口が斬新で、感心させられます。
若手演出家コンクール2009 [最終審査]参加団体:劇団あおきりみかん/劇団深想逢嘘/DAZZLE/SPACENOID
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★
劇団あおきりみかん「階段話」
劇団名だけは知っていました。初観劇。
45分の短い物語。
ネタバレBOX
階段に座り込む男女2組、1人の男と1人の女、向かい合う男たち。
主である男二人は、どうやら寒いところにいるらしい。
眠ってはだめだとお互いに声をかけあっている。
見える幻聴や幻影は生生しく。
男は時として父親のように語りかける。
動く階段は何の象徴か―?
階段がえらく大変そうでした。
題名にもなっているので主体なのですが。
上り下りも大変なら、動かすのも大変。
スムーズならよかったのですが、大変なのです。
苦しそうな格好をするシーンがありまして、それも平気ならよかったのですが、これもやはり大変なのです。辛そうなのです。
こういったことが随所にあります。
無理しているのだと思わされます。
さらりとやってのけていたら、もっとおもしろく見えたのかもしれません。
『世界の終わり』を囲む短編
Minami Produce
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/02/23 (火) ~ 2010/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
サンプリング♪
文学のサンプリングということですが、もともとの原作を知らない私でもとても楽しめる作品でした。ひとつひとつを短編として観ても楽しめるし、全体をひとつの作品として観ても楽しめる!妄想好きですが、妄想が現実となるかわりに世界が終ってしまうとしたら…いろいろと考えさせてもくれ、笑わせてもくれ、とても良い作品でした(*^^*)/
猫丸先輩の演劇
O-MATSURI企画merrymaker
ザ・ポケット(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
喫茶久瀬
文月堂
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
FELICE
アブラクサス
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2010/03/04 (木) ~ 2010/03/06 (土)公演終了
満足度★★★
なんか・・・、ものすっごく書き辛いけれど
もう、こんな出だしは、この後のネタばれBOXを開けるのが恐い!なんつって劇団サイドは冷や汗ものだけれど、とにかく時間の長さを感じた舞台。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
客席はとにかく大入り満員!そんなだから期待に胸トキメイチャッテ、まるで恋人に逢いに行く時の胸高まりよう!(実際のバストではないです)
しかも、しかもだよ、ライオンキングみたいなファンタジックな獅子も登場しちゃうのだから、「をを~~!!!、これってワタクシ好みじゃん!」なんてお目目パツクリ!この場面での音楽といい、演出といい、パッショナブルで妖しくてサイコーでした。
ところが・・・、芝居が進むうちになんだかシーン・・・、役者セリフる。そしてシーン・・・、またまたセリフる。そうしてシーン・・・。
物語の展開が遅いのが気になってるところに、それに輪をかけて客席後方からオヤジの鼾や寝言が聞こえてくる。しかも一人じゃあない!(苦笑)
完全に爆睡モードでファンション界ならモードっていうとおっされ~な感じだけれど、この展開のモードはちと違う!
やっぱ、あれよね。観客を寝させちゃあ駄目だよね?確かに眠くなるスローモーな舞台。演出的には細かい描写まで丁寧に見せたかったのだろうけれど、物語の確信にたどり着くまでがとにかく長い。
物語の筋は、ある人の良い娼婦が男に騙された揚げ句、金をも取られてしまう。絶望し傷つきながらも立ち直り、そしてまた騙される。それでも男を追いかけるカビリア(浅野しづか)を情けなく思い、まったく、男ってヤツは!などと心のうちでオスカル(秋山秀樹)とジョルジョ(高橋壮志)をドツク!笑
マチルダ(娼婦のおばあさん)こと倉橋りょう子は物凄くインパクトがありました。ダンサーのEIKOとYUKAのダンスは美しく妖しくて見事だった。全体的な構想をもっとコンパクトにしたほうが良かった気がしたのだけれど、いかがでしょ?物語はありそなお話。
序盤の出だしの情景をまんま突っ走ってくれたならファンタジーな世界にのめり込めたと思う。次回に期待。
東京★サイケデリック
高襟〜HAIKARA〜
池袋GEKIBA(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/04 (木)公演終了
20100304
。・`ω´・)ノ 緊張と弛緩のばらんすが今回のかんじがぼくにはぐんぐんきました
CURTAINS(カーテンズ)
テレビ朝日
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2010/02/06 (土) ~ 2010/02/24 (水)公演終了
満足度★★★
係長すばらしス
係長輝いてました。
彼の舞台をもっと観たいなぁ。
オーラが全然違いまさぁ!
テトリミノ=ファクトリー・プラス【ご来場ありがとうございました】
アガリスクエンターテイメント
タイニイアリス(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
満足度★★★
発想力の斬新さ!
テトリスというゲームから発想を広げたSFコメディ。
私自身はファミコンなるもの、テトリスなるものとほとんど接点なく過ごしてきたので、ストーリーに対する感情移入は他の観客に比べてきわめて低いものだった。それでもこの物語で作り手がやろうとしていることは非常に興味深かった。
コメディ風のつくりの中にSF的要素があり、また社会性を帯びている。
役者では、マニュアル役の浅越岳人にうまさと魅力を感じた。また主婦役の宮原知子もいい味を出していた。
ネタバレBOX
テトリスの中で次々と落ちてくるボックスを、実は作っている人がいるという発想。実はそれはまやかしで雇用創出のためにわざわざ面倒くさいことをやらされているのだという発想。そして彼らがそこから覗ける女の裸を見ることに子供のように喜びを感じるわけだが、実はそれは巧妙に仕掛けられたものだということがわかったときなどぞくぞくっとした。すべてにおいて発想が新鮮だ。
映像で作られていたテトリスが見事で、役者の動きとリンクしていた。そこらへんのスタッフ力も見事。
王子の狐 かぎをくはえて
劇団文化座
北とぴあ つつじホール(東京都)
2010/03/01 (月) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
江戸人情
江戸、飛鳥山、王子稲荷…狐たちがとても愛らしく人間を見守っている。舞台は娯楽だ!って思えた作品でした。楽しくて切なくて、でもみんなで生きていかなきゃね。って。
タイトル「王子(王様の子供)の狐」イソップ風なイメージで感じ取ってしまった人がいるとかで笑い話になりましたが、王子は地名ですよ。
東京★サイケデリック
高襟〜HAIKARA〜
池袋GEKIBA(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/04 (木)公演終了
満足度★★★★
女性であることをポジティブに踊る
女性であることがポジティブに活かされ、それを嫌みなく見せてくれた。
細かいところのセンスもいいし、うまい。
構成がいいから、無駄がなく、見ていてまったく飽きがこない。
というより、ホントに楽しい。
ネタバレBOX
見る前の印象で言えば、もっと猥雑感のある舞台かと思っていたのだが、構成も振り付けも、実に良く練られているし、全員が誠実に取り組んでいて、好感を持った。
例えば、前の人にぶつかるというシーンがあるのだが、そのぶつかり方が、ぶつかることを意識してないと思わせるぐらいに思い切っているところを見たりするとそれを強く感じる。
思い切りの良さもあるし、丁寧さもある。そのあたりに高襟の良さを見た。
どの踊り手もきちんと印象に残る良さがあったのだが、中でも特に印象に残ったのは、短金髪の人。その動きが滑らかで、身体の中のエネルギーの移動がうまいのだろう。そのエネルギーをうまく操って、動作に繋げているように見えたのだ。
フライヤーや過去の写真から感じた、エロス感みたいなものは、思っていたほど感じなかった。もちろん、エロスの感じ方は人によって違うとは思うが(好みや趣味の問題もあるが)、この舞台を観ていると、そんなことはどうでもいいと思ってしまうのだ。
というか、女性であることだけでなく、「生(生きること)」すなわちエロスであるかもしれないと思ったりして。
今回の舞台を観て感じたのは「女子」。
これは男からの勝手な印象かもしれないのだが、誰か1人がいつものけ者になっていたり、不安定だったり、群れたがったり、気持ちや気分が全員に伝染していく様が「女子」的だと感じるたのだ。
衣装のひらひら感もそうだが、特にガーリー感が強いヘアスタイルが「女子」をさらに印象づける。
この感じもうまいなあと思う。
1人だけほとんど絡まない人がいたりするのも面白いし。
衣装のことで言えば、腰のあたりのリボンの形状は、ゾウのようで(一瞬天狗かと・笑)、これって意識してそう見せているのだろうか。ぶらんぶらんしてるんだものね(笑)。
ラストの色の使い方(色のチョイス自体)もうまいと思った。ヘタに色を重ねてしまうと、汚くなってしまうのだが、あくまでもポップな印象にとどまる程度に彩色していくのだ。まさに彩色であって、単に絵の具を塗りたくっているのではないところがミソで、そういう計算もうまい。
ここは、さほど大きな舞台ではないのだが、その使い方もうまい。
舞台全体のバランスの取り方が、ダンスの動きとのバランスも含め、よくできていると感心した。
上下左右前後が無理なく構成されていくのだ。
この舞台のサイズだと相手との距離がつかみにくかったりして、全身で踊ることができなくなってしまうこともあると思うのだが、それがまったくなく、のびのびしとしていたのは、会場の使い方のうまさと、練習の成果なのだろう。見事だ。
逆にこのサイズだからできることもある。例えば、客席との近さと遠さのバランス感覚も面白く、客席との距離での緊張感と、弛緩がいいのだ。
また、音楽にエフェクトを加えた音響効果もいい。違和感を生むところは、きちんと違和感を醸し出し、音とマッチさせるところもいい。クラッシックの使い方も、ベタになりがちなところをうまく抑え、いいセンスだなと思った。
さらに、途中で気がついたのだが、顔(表情も)が面白い。特に表情を殺した顔が面白い。そして笑い顔が怖い。これも小さい劇場だからこその楽しみかもしれない。
劇場ということで言えば、シンプルな四角い箱のようなスペースであったらなあと思った。今回のこの場所は、柱や窓があったりするので、いろいろな出っ張りや何かがある。
だから、それらがまったくなく、垂直の壁に囲まれているスペースで、さらにもっと大きなスペースで、出演者のダンスだけを集中して観たいと思う。
ついでに書いてしまうと、「緩急」の「緩」にあたる部分、具体的には「停止」している部分をがきちんとほしかった。若さが溌剌と溢れているから、その「生」が活き活きしたいるからなのだろうが、「緩」の部分とのメリハリがあれば言うことはなかった。確かに、1人後ろでペロペロキャンディを手に間違いなく停止していたが、舞台全体という意味でのことである。
観るまでは、外連味たっぷりな印象だったので、正直言ってちょっと侮ってました高襟。侮っていてスミマセンと謝ります。
とても気になる団体になりました。
あ、サイケさはあんまり感じなかったけど、それは問題なし。
テトリミノ=ファクトリー・プラス【ご来場ありがとうございました】
アガリスクエンターテイメント
タイニイアリス(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
とても下らない
とても下らない。
だけど、ユーモア。
ネタバレBOX
人口の過多と労働力のインフレ。
それは考えられる未来。
現実に存在し得る未来。
避けなければならない未来。
29時
自転車キンクリーツカンパニー
新宿シアタートップス(東京都)
2009/01/28 (水) ~ 2009/02/04 (水)公演終了
満足度★★★★
出演者が皆好演でした
ファーストシーンからは、予想もつかない話の展開に、ちょっと戸惑いつつも、まんまと作者の術中にはまった感じで、楽しく拝見しました。
歌川さん、こういう役をなさると、天下一品!!
久しぶりの自転車キンクリートでしたが、やっぱり、この劇団は好きだなあと再認識しました。
喪服の時間
弾丸MAMAER
なかのZERO(東京都)
2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
昔懐かしい香りのコメディ
子供の頃観た松竹新喜劇なんかをちらっと思い出しつつ、だいたいは笑って観ていました。役者さんも、芸達者揃いで、感心しました。
ただ、残念だったのは、終盤になって、ちょっとストーリーが、突然、欧米コメディテイストの灰汁が強くなってしまった点。ストーリー的に、ちょっと飛躍しすぎた感があり、それからは、あまり面白くなくなりました。
こういう喜劇は、デフォルメであっても、どこかに真実味があってこそ笑いを誘うのに、終盤の展開は、そう行くだろうなと予測も容易くできただけに、あー、やっぱりそういう方向に行っちゃうのねと、良い意味での期待ハズレがなく、内心ややがっかりしました。
予想外の展開による、更なる笑いを期待していましたから。
ただ、コメディの極意は一応遵守した展開でしたから、また次の公演にも期待してみたい劇団でした。
ネタバレBOX
終盤、創とエレンヌに起こる出来事、寛と光太郎の関係、松潤の正体が、全て読めてしまったので、その予測をもうひとつ外してもらえたらなと思いました。前二つの関係は、欧米コメデイにはよくある展開ですが、せっかく日本ならではの通夜が舞台になっているので、あくまでも、日本的なコメデイテイストで貫いた方が、もっと面白くなった気がします。
千代乃と秋子の関係描写は、なかなか秀逸だっただけに、終盤の展開がわざとらしく感じてしまい、残念でした。
最後の、千代乃の大英断は予測はついたものの、結構好きなラストシーンでした。
如何にも端役の、葬儀屋役の、小多田直樹さんが、実はかなり自然体の演技で、要になっていた気がします。キャラメルボックスの男優さんは、客演でも光る方がたくさんいるなと改めて思いました。
静かじゃない大地
G2プロデュース
本多劇場(東京都)
2009/09/12 (土) ~ 2009/09/23 (水)公演終了
満足度★★
内田慈さん
はっきり言って、内田慈さんを見に行っただけの感じ。それ以外に収穫は無かった。
ワルシャワの鼻
キューブ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2009/09/05 (土) ~ 2009/09/16 (水)公演終了
満足度★★
長かった。。。
面白い野は間違いないけど、ストーリーが特段優れているわけでもなく、話題先な那感じだった。流石に途中で飽きちゃうくらい長かった。
ネタバレBOX
唯一、吉田鋼太郎さんの実力だけが飛びぬけていた。羽野晶紀さん復帰作と言うことだったが、カミカミだし、大した事無かった。期待しすぎたかも。
喫茶久瀬
文月堂
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
雨でしたが
ちょっと雨模様の天気でしたが、観て来ました。
登場人物のキャラがよく出ていて、ああこんな人いるよなぁとか、ふと昔の知り合いとか思い出したりしました。
演出も細やかな部分がいろいろあって、好印象でした。
親子・家族・夫婦の絆って、深いのか浅いのかわかんなくなったりもしたけど、いいものなのかもって思えたり・・。
最後には落ち着くところへ落ち着く感じ。楽しめました。
ネタバレBOX
ラスト近くで初代店長お父さんが、黒いネクタイ黒スーツで登場したんで、てっきり誰かが死んだのかと・・・。
そうかブルースブラザーズか!って分かるのが遅かった。あんだけ伏線あったのに。
聖矢がユリカに見事に振られる所は、思わず「何じゃそりゃぁ!」って舞台上の役者さんと一緒に突っ込み入れてしまいました。
家族の証明∴(公演終了!次回は10月シアタートラムにて!)
冨士山アネット
池袋小劇場(東京都)
2010/03/01 (月) ~ 2010/03/04 (木)公演終了
満足度★★★★
スタイリッシュなホームドラマ
ひとつ屋根の下に暮らす幸せそうな家族の行動パターンによって生まれる協調性や感覚のズレから家族の在り方、家族間における適切な距離感を推測する作風。劇中、発話はほとんどなく登場人物たちはほぼ無に近い表情である意味、写実的。はじめは少々戸惑ったものの、フーコンファミリーの如く、そこにいる登場人物たちが言いそうなことをせっせと脳内でアテレコをする。慣れてくると物語の背景がだんだん浮かびあがる。
すると今度は立場、境遇、態度、心情等が生かされている各々の複雑な動作には、すべて意味のある行いであることが分かってくる。
役者の身体はまるでトビウオのように瑞々しく躍動し、非常にエキサイティング。楽曲、衣装のセレクトも抜群で映像の使い方も素晴らしく、驚きの連続でした。
ネタバレBOX
冒頭で視線を交わす夫婦にはこれから更に幸せが訪れる気配がある。
舞台の奥に立ちつくす3つの人影は愛の結晶。もうすぐ妻のお腹から生まれ出る胎児。父と母が交互に抱きかかえ、手塩をかけた子供たちはダイニングチェアーにふわり着席した途端、あっという間に大人(青年期)になる。時の経過を一瞬にして描写するこのシーンが幻想的でとても秀逸。
家族が囲むダイニングテーブルに浮かび上がる家族写真。
ゆっくりと壊れていく幸せだったあの頃の幻影。
解いても解いても次から次へと飛び込んでくる終わりのない数式問題。
兄弟は悪びれる様子もなく爆音でロックミュージックを垂れ流して踊り狂い、お気に入りの洋服一着を取りあう兄と姉に遠慮の二文字はない。
長い間暮らしを共にする家族の、身体の奥にまで染みついた行動パターンが嫌悪感に拍車を掛ける。たとえばそれはテレビ画面のまん前で新聞を広げて読む父、朝支度で洗面台を使う兄弟3人が自己中心的で譲り合おうとしないこと。
ある時、反抗期の弟(僕)は家出。これまでバラバラだった家族たちは弟を捜索することで家族の絆を確かめる。
そんな折、今度は偶然目にしたレントゲン写真で、兄弟たちは母の身体が悪いことを知る…。
息をつく間もなく立て続けに起こるこの2つのアクシデントは情報量が多く、弟(僕)と母、どちらに主軸を置いて観たら置いたらいいのか迷ったのと、
身体の具合が悪いのは父だったのか母だったのかイマイチよくわからなかった。母はタバコを吸っているところを姉に注意されていて、父と息子は家出をもう二度としないことを約束させられていて、母とも二度と暴力を振わないこと、宿題をちゃんとやる約束を交していて、レントゲン写真をみた両親は二人ともうな垂れていたから。その点だけ、モヤモヤ感が残る。
もしかしたら、断片的な言葉、たとえば母さんとか父さんとか一音だけ用いたら親の心子知らずだった”僕”の成長に効果的かもしれません。
ラストでの、観客に背を向けて食卓を囲む家族の背後、ホワイトボードのランプが3つになった時には家族のもつ温かさ、言い知れぬ静謐さを感じた。それがアンサーなのかな、とも。
決して特別でないよくありがちな家族の日常風景を生活感たっぷりに描きながらも、人工的で無機質な雰囲気なのがかなり斬新で、全体的に動の中、バラバラの家族が食卓につく時だけ不穏な静寂が流れる物語の強弱、弟(僕)が自室でエロ本を読んでいるくだりの映像と演出方法、母の誕生日をお祝いしようとサプライズを用意するシーン描写などもかなり痺れました。
ミツバチか、ワニ
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2010/03/04 (木) ~ 2010/03/08 (月)公演終了
満足度★★★★
初あひるなんちゃら。
普通に面白いんだろうなという印象を裏切らずに、ちゃんと面白かった。
久々に芝居を見て吹きました。
個性的なキャラクターばかりで、いちいち言動がおもしろい。
けど常軌を逸してるわけじゃないので、ゆるさが心地よくて
安心して奇妙な人物たちに身をゆだねることができました。
ネタバレBOX
占いの在り方とか、人の生き方とか…
深いテーマを伝えそうで伝えない、
真面目に締めそうで締めない、
そんなはぐらかし度合いがよかったです。
喫茶久瀬
文月堂
サンモールスタジオ(東京都)
2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
起死回生
何処かでズレてしっまた愛情、感情を潰れそうな「喫茶久瀬」店内で起こるイヴの奇跡。ブルース・ブラザーズのラストが良いですね。
ネタバレBOX
先日、KAKUTA「目を観て嘘をつけ」を観たけど、何処か「姉妹編」的な印象を受けた。この手の展開好きですね私は。