最新の観てきた!クチコミ一覧

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モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★

童貞上等!
エイズから人類を救うのは童貞4人組。なんか凄い話だけど面白かった。神戸さん凄いなあ。壁がアート!

ゴルゴダ・メール

ゴルゴダ・メール

劇団俳小

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

とても素晴らしかったです
アスペルガー症候群という扱いの難しいテーマを見事に描ききった脚本、
真に迫った演技、劇中劇をリアルに感じさせる演出、すべてが素晴らしかったと思います。

「アスペルガー症候群にはこうやってこうやって接するべき」という押し付けではなく。
「ありのままの彼らの姿を観てどう思うか」という問題提起に重点が置かれているように
感じられました。

作品は終わっても実在のアスペルガー患者の人生は続いていきます。愛憎、嫉妬、偏見、同情…
そういったものを描いたいくつかの伏線をあえて回収せず、切り取るように終わらせたラスト。
完全にやられました、次期公演も期待してます。

農業少女

農業少女

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/03/01 (月) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

「多部未華子がピッカピッカに輝いてるなう」(←「なう」の使い方違うけど笑)

まず、21歳の多部未華子が演じる「15歳の初々しさ」が凄い。
冒頭の表情・演技から、ピッカピッカに輝いてます。
イキイキノビノビしているのがわかる。

もっと端的に言うとスズキさんのパンフレットでの表現
「ロリロリ」していて凄い。

そして徐々に「ロリータ」のように、
山崎一さんは翻弄されて、手の届かないところに行ってしまう。


前半、農業からただ逃れたくて東京に憧れている田舎の少女の
「幼なさ」が自然に出ていて、後半に向けて東京の魔の部分に
見せられだまされていく。
そして、その真実に触れ、農業に戻り
外の声も聞こえなくなり心を閉ざして、
存在も抽象化して無に向かっていってしまう純粋さが、
怖く、はかない。

吹越満さんも凄い。
いちいち「~なう」というおかしさ。
ユーモアと同時に存在感と迫力、突き放したような冷たさ。

江本純子さんは今回は脇に徹していて、
何か楽しんでチャチャを入れているようでいい。

山崎一さんの昔のNOVAのCMや、
この芝居の舞台稽古を流すテレビとか、
上手下手に使った小道具を投げつけて捨てるとか、
とにかく小ネタのギャグをいろいろはさんで、
しかもこの4人だけですべてをこなす、
小劇場の良さが楽しめる芝居でした。

・・・もう1,2回観たかったっ!

モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★

青春ドラマのような
なんとなく男子校のような雰囲気でした。
懐かしい感じです。
面白かったです!

7ストーリーズ

7ストーリーズ

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★

居場所
自分の居場所を見失った男が7階から飛び降りようとする矢先に関わる7つの部屋の住人達との物語。セットが面白い。屋根をイメージしたセットにそれぞれ窓がついてて、そこから住人が顔を出す仕組み。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

男はごくごく真面目で深く考えるタイプ。だからつまらないことを大げさに考え込む節があり、自分のポジションが解らなくなって死のうと考える。屋根に登っていざ!という時にファンキーな変態カップルが窓を開ける。

どうやら、カップルは喧嘩の最中らしい。女は自殺男にしきりに話しかけて彼の愚痴をわめくが、良く良く聞くと女の彼は家族持ちで女とは不倫関係にあった。不倫カップルは今にも殺し合うかのような勢いだが、それは変態プレイを楽しむHの前兆だったのだ。

一方でテンションの高い結婚詐欺男や、カマ風味男、ロックな皆友達男やら、心理学者と自称する患者のような男、看護師、年老いたリリアン、楽天家のジェニファーなど、もはやコメディとしか思えないキャラクターたちが登場する。もう、こんな彼らを見てるだけで、真剣に死ぬって事がバカバカしく思えてくるわけだ。笑

それでも死のうと試みるも、誰も止めようとしない。警察が来て大騒ぎにならないうちに早く飛び降りて。なんつってのたまう。彼らは型破りで常識なんてない。法則も因数分解もないのだ。そんなロックでファンキーな人達と話すうちに今更ながら男は色んな価値観があり色んな人生がある事に気づく。

そうして男は鳩のアルバートのように飛び立とうと考える。己の作った籠から飛び立って新しいこれからの人生の為に。


コミカルで楽しい舞台だった。キャストの演技にムラがあり、またセリフの間が気になったが、それでも解り易くコメディ感溢れる物語だった。

人生は行き詰ることもあるけれど、それでも死ぬのはいつでもできるから、とりあえずもう少し生きてみなよ。そんな声が聞こえそうな応援歌。



ロマンシングガーデン

ロマンシングガーデン

Seiren Musical Project

六行会ホール(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★

楽しそうでした。
作品としては素直に面白かったです。
ミュージカルは見ている間も、観終わった後も楽しい気持ちにさせてくれるので、大好きなジャンルの一つです。
出演者の一人一人が一生懸命で、楽しそうに演じていたのが印象的でした。

ネタバレBOX

若干、音域が合わないのか歌いにくそうにしていた方がいたのは、気になりましたが、大学生が主体で作り上げた舞台としては、秀逸だと思います。
再演との事で、台本や曲は用意されているとしても、あれだけの規模の役者とスタッフで一つの舞台を作り上げるのは素晴らしいと思いました。
客席の雰囲気もよく、演じやすそうでした。
蠅とゴキブリはいい演技で面白かったです。
TheStoneAgeヘンドリックス「胸に突き刺さった5時43分21秒」

TheStoneAgeヘンドリックス「胸に突き刺さった5時43分21秒」

The Stone Age

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

泣かされました。
ベタにたくさん笑って、たくさん泣かしてもらいました。
一人一人が満遍なくクローズアップされていて、最後のまとめ方は私をスッキリさせてくれました♪

ダム部のアイちゃん

ダム部のアイちゃん

満月動物園

未知座小劇場(大阪府)

2010/03/20 (土) ~ 2010/03/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

素敵でした★
アイちゃん素敵でした!!!
何に対しても前向き、オールポジティブ!
私も、アイちゃんのように前向きに明るく生きていきたいです♪

モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★★

初!
開演するまで会場が寒かった気が・・・私だけ?!

ネタバレBOX

会場に入るともうそこには
役者さんがステージ上にっ
「お~!コバルトにいさんみたいだ」と思いましたww

今までこーゆー系は見たことがなかったですw
下ネタ満載!
初めに曲が流れるんだけどね(この曲も下ネタ)
もうそれが印象的でなかなか頭から離れなかったよ!
私の3つ隣にいた男のひとは
めっちゃ笑ってた

社長さんやモグラなど3役もやった
私のツボな方がいて
その人がいつ出つかいつ出るかと思ってるうちに
お芝居が終わってしまったww

あっ一人、キノコカットな人がいまして・・・
最近の流行り?!
NACSの安田さんも今キノコカットだよね??

それからアフタートークもあって楽しめました
しかも、お腹が空いているだろうと
蒲焼さん太郎をいただきました
この心遣いサイコーです!
TheStoneAgeヘンドリックス「胸に突き刺さった5時43分21秒」

TheStoneAgeヘンドリックス「胸に突き刺さった5時43分21秒」

The Stone Age

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★★

もう1回観たいと思わせる作品でした
登場人物が皆インパクトありながらも、それがうまくバランスが取れていて、
細かい部分で気になるところはありながらも、

「まあそれぐらいいいか~」

と思わせるパワーがありました。


笑いの部分は最高でしたが、ドラマの部分は、少々付けて足したような感じでもあり、それぞれのキャラクターが抱えている事情があまりリアルに感じられませんでした。

ただ、そこまで出来るのは、バリバリのプロでもなければ難しいという気もします。

それぞれのキャラは、この1回の公演だけで終わらせるのはもったいないくらいよく出来ていたので、是非再演、続編、スピンアウトで見てみたいと思います。

止まらずの国

止まらずの国

ガレキの太鼓

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

圧倒的!
その場の空気の描写力と
キャラクターの描き方双方がとても秀逸で・・・。

後半にいたる時間の密度も圧倒的。

息を呑んで見つめつづけてしまいました。

ネタバレBOX

冒頭に鮮やかに作られた空気の中で
旅人という大きなくくりが
登場人物それぞれの個性へとほどけていく。
旅の経験から身につけたことや、
他人との距離感、
そして情報を交換したり助け合う姿に織り込まれた
いろんな知恵の実存感、
あるいは「イン・シャーラ」的な感覚。
その中にひとりずつの個性が浮かびあがってきます。
生まれ育った環境(国)やちょっとした物事への感想が、
旅人達それぞれに繊細な濃淡をつけていく。
物語の流れの中に、
旅を極めたもの、
旅を粛々と続けるもの、
旅への期待を持ちつづけるものから、
少し旅に疲れたもの、
さらに意思とは異なってその場に置かれたものまで、
さまざまな様相が
ぞくっとするような解像度で織り込まれていきます。

その解像度があるから、
戦争とみまがうような後半のシーンが生きる。

誰をも凌駕する事態が波のように押し寄せて、
キャラクターのそれぞれを問う。
やがてやってくる事態にバラけていく判断とパニックと悟り。
緊迫感に観る側までが圧倒的に押し込まれる中、
好むと好まざるとにかかわらず、
それぞれが自らの経験に事態を重ねてさらなる経験を受け入れていく。

結末におとずれるキャラクターたちの放心は
ちょっとあっけない感じもするのですが、
その軽さがあるからこそ、
知りたいという意思を超えて知ることの昂ぶりや悦び、
さらにはそれを受け入れることの重さまでが、
同じようにしっかりした解像度を持って
観る側に降りてくるのです。

前回のマンション公演の時にも思ったのですが、
舘の作る空気のしなやかさと
その中に織り込まれるキャラクターの想いの浸透力には、
類まれなものがあって・・・・。

彼女の絵筆だからこそ、見え感じられる世界があることを
改めて悟ったことでした。

☆☆

薔薇とサムライ

薔薇とサムライ

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

全観客大満足の一作。海祐希さすが。藤木孝もまたさすが。
文句なしで面白い!満足!
歌、踊り、殺陣、笑い、ウェルメイドな娯楽作。
高いチケットが納得できる内容です。
全客席は、大ノリです。

天海祐希を女海賊・女王役に迎えた時点で作品の成功は決定。

女海賊、女王のドレス、ベルばら風?とさまざまな衣装、踊り、
歌は当然ながらさすが宝塚スターです!!

そして藤木孝さんの堂々とした狡猾な悪役ぶりはさすがです。
観ていて気持ちがいいです。
艶と色気を感じます。

神田沙也加は本人も言っている禁断の領域、
「アイドル」的な役と歌に挑戦。
やっぱり合ってます。

当初、チケットがぜんぜん取れなかったのですが、
見切れ席でも取れてよかった!
見えないのは、1階客席の出入り口付近での演技くらいで、
全く問題無し!

ネタバレBOX

当初、チケットがぜんぜん取れなかったのですが、
見切れ席でも取れてよかった!
見えないのは、1階客席の出入り口付近での演技くらいで、
しかもビデオカメラでの「ライブ映像」が
舞台上のスクリーンに写されるので全く問題無し!
モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★★

観てきました。
もはやテンションですでに勝ちなんじゃないだろうかと思いました。

物語を陶酔した役者がゴリ押ししてくる舞台なんかよりも、アタシは何十倍もこういう作品が大好きです。好きじゃない人もいるかもしれないけど、間合いの取りあい方が完璧。

ストーリー性がないわけでもなく、不可思議な雰囲気もあり、テンションとパッションで魅せつけられるだけの力がと勢いがあるってこと。嫌ば客でいつも笑ってなるものか…と思うんですが。笑った。大人の階段登りきった…。

死ぬ機械

死ぬ機械

虚飾集団廻天百眼

萬劇場(東京都)

2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

翻訳劇か音楽劇か
井の頭公園で日蝕に合わせて芝居を打つなど、アングラを志向してきた若手が、ミュージカルに挑戦する。

そういえば、以前にも毛皮族やゴキブリコンビナートが「アングラ」を志向して「ミュージカル」を標榜していたような気がする。でも、よくよく考えてみれば自由劇場出身のアングラ演劇人(串田和美、佐藤信)らは翻訳劇(ストレートプレイ)に対して、ミュージカルをやっていたような。

そうやって考えれば、彼らが「ミュージカル」をやるというのは必然的に感じられた。

そう考えると、リアリスティックな表現と、象徴的な表現に分かれるのは、昔から続く表現上の対立なんだよなあ。

ビリビリHAPPY

ビリビリHAPPY

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/02/24 (水)公演終了

満足度★★★

突拍子のなさが愉快
高校生のスミ子は、隣町にできた大手家電量販店に客をとられて開店休業状態の電器店に1人で暮らしていたが、ある日強盗が入り、しかしひょんなことからその強盗および強盗の彼女であるミドリも同居することになり…という状況から始まる物語。
親が出て行ってしまい1人で暮らす未成年少女という設定は3日前に観たもの、雑居系は1週間前に観たものと、それぞれカブっており(後者は軽くだが)、ホントに集中するなぁ、とオドロく。
以降は何度か訪れる転機によってひらける新たなフェーズの突拍子のなさが愉快で、たとえば「不思議の国のアリス」と通ずる面白さアリ。
また、冒頭でスミ子の語る将来設計を部分的に実践しているミドリの書いている小説の一部を伯爵が実践していて…なリレー式の展開や、強盗とミドリが交わすローレルに関する会話における一般的なケースとの男女の逆転(偏見?)、など、ディテールについても楽しむ。
さらに時々出てくるシロ美はスミ子の妹という設定ながら、実はスミ子の分身というか、別人格というか、心の中のもう1人のスミ子という解釈もできるような気がしたが、深読みあるいは誤読?
そう言えば白いドレスのシロ美と対比させる必要からスミ子が黒いドレスなのは十分理解するも、やはり女子高生役には「記号として」セーラー服を着用していただきたく…(爆)

パニ★ホス

パニ★ホス

PU-PU-JUICE

ザ・ポケット(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

満足度★★★

あと20分ほど削れば…
芥川賞作家でありながら10年以上スランプの作家・西園寺が胃潰瘍で入院した「学園ドラマで言えば落ちこぼればかりが集まるクラス」のような(←劇中表現)問題患者ばかりの病室に、ある夜入院中にもかかわらず病院を抜け出して呑み歩く常習犯である娘・レイが窓から入って来て…な物語。
ドタバタ系コメディに父娘ネタや純愛も絡めて悪くはないが、部分的に既視感があったり、一部コメディパートとハートウォーミングパートが水と油の如く分離していたり、なこともあり、135分近い上演時間(カーテンコール含む)が長く感じられてしまうのが惜しい。あと20分ほど削ればスッキリするのに…。
一方、入院した西園寺(と同室の患者およびそこでサボる医師)が、レイを元気付けるために紡ぐ物語(=執筆中の小説)を劇中劇として本筋とは別の役者たちが演じ(ゆえにカテコでは30人も舞台に並ぶ)、一旦筆を置く表現としてそれまで開いていた本を閉じると作中人物たちが速足でそそくさとハケるのが愉快。
また、小説のクライマックスでのヒロインの言葉が思い浮かばず悩む西園寺がレイにその台詞を考えて貰うことで彼女の「言いたくても言えなかったこと」を引き出し、なおかつ小説内と劇中現実を同じ台詞で締めくくって融合させるツクリは見事。
さらに、本筋パートで2人の人物が逝く時に湿っぽくならないよう象徴的に表現するべく(その時だけ)客席中央の通路を使う(ありゃ、するってぇと客席は冥界なのか?(笑))のも巧い。

女女女ニョニョニョ

女女女ニョニョニョ

グワィニャオン

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

西村太佑の新境地
1年契約で顧客に「買われる」職業の女性が存在する「もう1つの日本」、父は金だけ渡して再婚し(後に死亡)母は出て行ったきり戻らずで一人ひきこもる少女が残った金をはたいて「吉田さん」を購入し…。一方、その少女が愛読するホラーマンガの作者(今年になって3本目の女流マンガ家モノだ)はアシスタントとして複数の女性を買って使っており…な物語。
買われる職業に就く女性たちは全員が人を殺した過去を持つ、など珍しくダークな一面もあるものの重くはならず、笑いを交えながらも親としての責任放棄にも言及し、単に「女性のみ(オープニングの生アナウンスのみ通常通り尾形雅宏)のグワィ」ではなく「西村太佑の新境地」といった感じ。
一方、その職業の原点は江戸時代の湯女であるという説明(「本体」が口頭で行なっている設定)を劇中劇風に見せたり、「買われる」側の研修の様子も挿入したり、などのアイデアあふれる見せ方はおなじみの「西村節」で、そういう意味で「一粒で二度オイしい」な感じ。
そんな挿入部分もありつつ、前半は少女の話が中心で、「少女が冷蔵庫に保存していたもの」を明かす直前でマンガ家側のストーリー(前半にも時々挿入されてはいる)に移り、少女が新人の「お試し」的に派遣されると、その日で契約満了となる女性が行方をくらました母であることが判明してクライマックスを迎え「冷蔵庫の中身」も含めてストーリーを収束させる構造がまた見事。
思い返すとクライマックスを中心に哀しい部分も少なからずあり、ホントに新境地。
が、モロモロを含めてテッパンであることに変わりはなく、今回も満足満足ゥ。
なお、タイトルの読みは「にょにょにょ」で、終幕近くに少女がする「姦しい」の読み違い。

モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★★

したたかな薄っぺらさ
物語にしても、場面にしても
ちょっと見は薄っぺらいのですが、
それでなければ表現できない質感があって。

軽さが自由さにうまく繋がって・・・。
かもし出された質感を
たっぷりと楽しむことができました。

ネタバレBOX

その年齢の男性の感覚が、
絶妙な軽さで表現されていて
うふっとなった。

虚実のバランスどりがなかなかにしたたか。
男達のリヒドーのあからさまさや恥じらいに加えて、
たとえばお金持ちや先生、研究者などの
大人のデフォルメの仕方や遊び心、
さらには男性側の、
同年代や年上の女性に対する性感覚のリアリティなどが
うまく舞台の質感を作っていく。

個々のキャラクターが
実は細かくデザインされていて、
その意図をきっちりと具現化する技量が役者達にあって。
どこかラフに見えるのだけれど
物語に身をゆだねられるような安心感があって・・。

音の使い方や、舞台美術もなかなかにキャッチー。
さらには
うまく説明できないのですが、
お芝居のコアから外れた部分にジャブ的というか、泡沫的な
枝葉のつぶやきや突っ込みがあちらこちらにちりばめられていて、
けっこう舞台の時間を素に戻したり広げたり。
あるいは独特な肌合いを舞台に与えていたり。

それらの混在から、
観る側の無意識な部分をくすぐるような
シャープさがやってきて、
舞台上に生まれた
おもしろうて、心地よく情けなく、ちょっと甘酸っぱいような感覚が
べたつかずに観る側にすっと入ってくるのです。


終演後の角田vs池亀でのアフタートークも、
ちょっとあけすけでおもしろかったです。
バックの小芝居(これがうまい)も含めて
こちらも
なかなかの味わいでありました。


SPIRIT

SPIRIT

S×Sプロデュース

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/02/16 (火) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

問題提起と娯楽性の両立
前々回の『SHOUT!!』、前回の『Smile』と同様「日本の今」を描く「社会派エンタテインメント」、今回はダムやゴルフ場などによる山村開発の是非を問いかける内容。
人口樹林を作るだけ作って放置することによる「緑の砂漠」と呼ばれる状態とか、針葉樹は根が浅く地盤の補強にはあまり役に立たないなどというシリアスな事実や、さびれる一方の山村に開発事業がもたらす影響の是と非なども盛り込みながら、開発反対運動をする若者たちの運動に対する疑問(何のために運動をしているのか・始めた頃と趣旨が変わってきているのではないか・開発は必ずしも悪いことではないのではないか)を描き、リーダー格の青年が想っている相手を危険な目に遭わせたくなくてとった態度によりその相手が山に入ってしまい、起こった山崩れから救うべく彼らが根城としているバリケードの位置を教えるために歌を使う(マクロスかっっ!!!(笑))という劇的な終盤を迎えるという構造は、あたかもR.アッタンボロー監督の『遠い夜明け』(87年)の如く、問題提起と娯楽性を両立させて見事。
ここの作品って、毎回そういったツクリで目からウロコがボロボロ落ちまくり…。

居りんす。(おりんす)

居りんす。(おりんす)

み企画

萬劇場(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★

しっとりとした趣きある大正浪漫
大正時代、吉原の遊郭での人間模様を描いたもので、そう言えば1月の『爾汝の社』や前年11月の『おんな』など、ここのところ遊郭モノが多い…(後者は同じ萬劇場での上演だったし)
前の2本が江戸時代だったのに対してこちらは大正時代という違いはあるのだが。
で、本作。幼い頃の記憶を失った画家が、ある遊女の絵を描いて欲しいという手紙により遊郭を訪れると、彼にやけに親しく接する少女がいるが、彼女の姿は彼と1人の遊女にしか見えていない様子で…という状況から始まる物語。
しっとりとした趣きある大正浪漫(背後にある大正時代のモロモロがにじみ出てくるようでもある)に一抹の切なさや人情の機微的なもの、遊女のプライドなども絡めて鮮やか。
ただ、終盤の火事場面での音楽がやや甘美なのが珠に瑕?
なお、落ち着いた語り口に「昭和のブンガク」的な雰囲気も感じ、思い起こせば先述の2作にもそれはあり、内容もさることながら黒を基調とした装置(3作ともそう)にもその理由があるのか?とも思う。

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