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『クロノス・ジョウンターの伝説』~『ミス・ダンデライオン』『南十字星(サザンクロス)駅で』~

『クロノス・ジョウンターの伝説』~『ミス・ダンデライオン』『南十字星(サザンクロス)駅で』~

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★★

ここまでくればもう好みの問題
「タイムマシン」っていうテーマの為か、どうしてもチョット突っ込みたく部分もありますが…あんまりそういう事考えて観るのも野暮だなと思わせてくれる感じでした。
キャラメルボックスさんのお芝居の事、正直って「大好き」ではないのですが…面白かったです。あの行き届いたファンサービス精神、ブレない空気感と作品の質…そういったモノには一目置かなければならないなと思わされます。さすがだと思います。
「ここまでくると好みの問題」そう言えるクオリティを提示できるのは本当に素晴らしい事ですよね。

エ キ ス ポ 【満員御礼!!】 

エ キ ス ポ 【満員御礼!!】 

トランジスタone

ザ・ポケット(東京都)

2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★

まさにレトロ感、大爆発って感じでした
舞台、見事でした。
小道具が、いかにも万博の時代表していました。
レトロな感じで、粛々と広がっていく話の風呂敷が、
これまた徐々に、たたまれていく様は妙な時間の流れで、
楽しめましたね。

ネタバレBOX

わかりやすい登場人物の性格設定を、皆さん見事に演じられていました。
地方の都市と、東京や万博といった対比。
よく出ていましたし、方言での会話や解説は分かり易く楽しめました。

ただ暗転による時間経過が、ゆっくりしすぎかな?
特にオヤジさんの部屋着と照明の感じで、
数日経ってしまったのかと思うところがありました。
ちょっとミス?かな

地方(田舎)+レトロな時代。
って感じは進行具合でよくわかるけど、もすこしテンポUPしたほうが
よくはないであろうか?

香典ドロボウの件は、昭和の女性の強さが良く出ていて笑えました。
働いてないなー親父さん。

ついたらいいのに、などと思っていたTV。
ほんとに映像が映ったときは驚きました。
見せて下さり感謝です。
この芝居の時代感象徴していて、見事なオチでした。

ただ「喪服の時間」の方が、自分の好みではありますね。

GOLDEN★HANDSHAKE

GOLDEN★HANDSHAKE

さるしげろっく

d-倉庫(東京都)

2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★

錯綜しまくっていましたね
ロジックよりもエモーショナルな芝居で、
悲喜劇込めたミュージカル漫才って感じでした。

あぁそれと、前説でケータイとかの注意伝えますが、
マナー云わないとわからない人もいますので。
お願いですから、前の座席の背もたれに足をのせたり、
ひざで押したりしないようにも話して下さると、
観劇に集中できて、大変助かりますね。

ネタバレBOX

うーん、観る人選ぶかな?
M-1を芝居にすると、こんな感じになるのかなぁ。
ってのが、正直な感想です。
で、再認識。
個人的に、自分漫才は好きな方ではないんだ、とわかりました。

えー、でも時事ネタ(?)といえる。
ひとり「アリスインワンダーランド+シザーハンズ」は熱演ぶりも、
あいまって楽しかったが、滑っていたような気もします。



モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★

けっこう好みが分かれそうな話かな
あぁそういえば、青臭い時期って、こんな感じだったよなー。
などとノスタルジィに浸れました。
モグラさんの着ぐるみが、かわいかったな。

ネタバレBOX

でも、そのモグラさん。
心象風景の産物なのか、なんの象徴で出てきたのかよくわからんかった。
全体として、スラップステック。不条理ギャグ系ですかね。
話としては、18禁美少女漫画みたいなのりでしたが。
ボス、のちの校長先生(でいいのかな)が、一番気に入りました。
華道の先生も好きですが、ボスの見た目と行動のギャップ。
それを臆面も無くやり遂げる精神力の強さに脱帽です(^^)。
雑多な感じの舞台や芝居も良いけれど、
病院や工場みたいな整った感じの舞台は、
どう作るのか、観てみたく思う劇団ですね。
ゴルゴダ・メール

ゴルゴダ・メール

劇団俳小

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了

満足度★★

前説が
新しくて面白かったです。
「アスペルガー症候群」というテーマは非常によかったと思いますが、
登場人物のそれぞれの関係性が薄かったように思います。
もっとリアルな感情表現がみたかったです。
最初からローテンションで続いていたので最初の1時間が体感的に長く感じました。
初めて入った劇場でしたが、舞台の使い方が面白かったです。

エ キ ス ポ 【満員御礼!!】 

エ キ ス ポ 【満員御礼!!】 

トランジスタone

ザ・ポケット(東京都)

2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★★

本物を追求する劇団!
 毎回観るたびに違うテイストの芝居を見せてくれる。そのことにまず驚く。今回の芝居は母親の葬式が舞台。最近葬式ものが多いので、今回もそのパターンかと思ったが、途中からどんどん面白くなり、ラストシーンではさわやかな気持ちになった。

 主宰の松下達也が公演のたびに違う演技を見せてくれる。どこまで芸達者なんだ。

ネタバレBOX

 毎回質の高い大人の芝居を見せてくれるが、そろそろこれがトランジスタOneの芝居だというものを作ってほしい気がするのは私のわがままか。

 台詞をかんだりとちったりすることが、今回の公演では何回かあった。演技が上手い劇団だけにそれが余計に目立つ。残念だ。

 私の好きな荒井典子、井上美夏が今回は出てなかったのも寂しかった。男優では宇貫貴雄が相変わらず上手い。
乱反射ドロップ (出演劇団) こゆび侍・本田ライダーズ・てがみ座・シンクロ少女

乱反射ドロップ (出演劇団) こゆび侍・本田ライダーズ・てがみ座・シンクロ少女

みきかせworks

ワーサルシアター(東京都)

2010/04/01 (木) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

御見逸れしました!本田ライダーズ
いの一番に会場に着いたら、受付の周りに見知った顔!顔!顔!
これは、あまり面白くなかった時、コメント書き辛いななんて心配しましたが、まったくそんな心配はご無用で、こんな面白いリーディング公演には、初めてお目に掛かりました。
今日は、こゆび侍と本田ライダーズのイチゴ味でしたが、きっと劇団の雰囲気として、リーディングの形態はお誂え向きと予想したこゆび侍は期待通り。ところが、それ以上に、見せるリーディング形態が見事にはまった本田ライダーズの作品が超面白くて、まさか、リーディングで、こんなに笑うことになるとは予想だにしない楽しい作品でした。
本田ライダーズ、役者さんも皆さん凄く良いし、気になる劇団がまた一つ増えました。アフタートークで、チャリT企画の楢原さんが、「付いて行けない」を連呼していましたが、彼は、付いて行けないのではなく、最初から斜に構えて観ていたからではと思いました。だって、楢原さんの2倍ぐらいの年齢の私でも、心底可笑しくて、何度も大笑いしていましたから。

ネタバレBOX

こゆび侍は、椅子の足元を、衣類で埋め尽くし、蟻地獄に見立て、一方、本田ライダーズは、教会のパイプオルガンに見立てた、青い蛍光灯を縦置きして、共に、聴かせるだけでない、見せるリーディングを意識していました。
元々、成島作品は、聴かせる要素が強いお芝居が多いので、期待通り、むしろ、声だけで伝える方が相応しいと思える作品世界が構築され、廣瀬さんと佐藤さんの好演もあり、とても切なくなる幕切れでした。何度か、涙腺が緩みそうになりました。
本田ライダーズの方は、びっくりする程大きな台本を持っての朗読で、そこから既に、この愉快なお遊び芝居的作品世界にピッタリの小道具が用意されていて、すぐにこの劇団カラーに客席を誘導するセンスが抜群だと感じ入りました。脚立に足を広げて座る、ト書きの台詞も愉快で、役者さんのレベルも相当高くて、本田ライダーズの底力を、余すところなく見せて頂き、大満足でした。ずいぶん前に書かれた作品の焼き直しのようですが、何年も前の作品とは到底思えない、現代性があって、非常に好感を持てる作品でした。クドカン作品のような、痛快なユーモアがあり、林さんの作劇センスのファンになってしまいました。
聴かせるのと、見せるのと、全く味わいの違う二つの作品でしたが、案外、テーマは似通っていた気もします。
本田ライダーズの本公演、俄然楽しみになりました。
エ キ ス ポ 【満員御礼!!】 

エ キ ス ポ 【満員御礼!!】 

トランジスタone

ザ・ポケット(東京都)

2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
まるで邦画を見ているような素晴らしい安定感でした。
脚本も秀逸ながらその秀逸さを押し付けず、ユーモアと見事に調和して、ストレートにすとーんと心に響きました。
人間味あふれるキャラクターが実に生き生きとしていました。
最後にはきっちりと爽快なラストを用意してくれ、終演後に知らず知らず笑顔になってしまいました。
久々にヒットです。
こんな作品に出会えてとても幸せな気持ちになりました。
惜しみない拍手を送りたいと思います。

惜しむらくはタイトルかなぁ。
なんかタイトルだけじゃ惹かれないもの。

ネタバレBOX

全編流暢な宮崎弁?(日向時間って宮崎ですよね?)で、イントネーションなど相当苦労されたんじゃないかと思う。
田舎のあたたかさだけではなく、露骨な部分や世間体を気にするところ、微妙な親類の関係など細部まで丁寧に描かれていて、何度も「ちょっとはばかりに!」と堂々宣言しトイレを借りに来る弔問客など、思わずにやりとしてしまう。
多用される「まっこつ…」のニュアンスが毎回微妙に異なってたりして面白い。
普段は前衛的で捻くれた芝居が好きな私ですが、本作は非常に楽しめました。
スリープ・インサイダー(ありがとうございました!またいつか!)

スリープ・インサイダー(ありがとうございました!またいつか!)

boku-makuhari

アトリエヘリコプター(東京都)

2010/03/26 (金) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★★

確固たる主体などない
全体的にどういうことなのか何となくわかったつもりになってるのだが、ああ言葉にできない。過去に起こった花火大会の夜を2話を貫く軸にして、けれど三人称までの主体客体、関係の固有性の境界が溶けかき混ざってしまっている?
「私」の不確実性を始点にしている芝居を最近よく見る気がするのだが、これはとりわけ複雑。
最後まで興味深く観たのだが、終始頭で創って頭で観る演劇という印象があり、感覚的に観せようとしているように見えた部分も、肌に浸透せず表面を滑っていく感触だった。

復讐回帰

復讐回帰

劇団銀石

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/03/30 (火) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度

ううん、以前と比べると・・・
やはり、以前と比べるとグレードが下がった感じに見えました。なんだろう、学生劇団に戻っちゃいましたみたいな。これで2500円とる価値はないかなぁと。価値的には1200円なら、なお芝居。作り方が勢いだけで、練られてないなと。もっと考えて創ってみれば?

モグラの性態

モグラの性態

ぬいぐるみハンター

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

将来、万人に支持される可能性がある劇団だと思います。
主宰の池亀君は22歳なのだと聞きました。
2000年代で見た若手の作演出家の中では一番可能性を感じました。
久しぶりに同業者として危機感を感じた劇団さんです。
勢いだけでなく、かなり緻密に作・演出が構成されてます。
慢心する事なく、突き進んでください。

薔薇とサムライ

薔薇とサムライ

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

お祭りでした!
豪華豪華!!楽しく激しい演技最高ですね。

夢野久作 少女地獄

夢野久作 少女地獄

月蝕歌劇団

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了

満足度★★★

良くも悪くも月蝕らしい
 強引に月蝕歌劇団フォーマットに落とし込んいでいるので原作の風情は薄れていますが、ここまでハチャメチャにアレンジされると見事としか言い様がないです(笑)。良くも悪くも月蝕らしい作品に仕上がってました。

シャングリラ -水之城-

シャングリラ -水之城-

宝塚歌劇団

【閉館】日本青年館・大ホール(東京都)

2010/03/26 (金) ~ 2010/04/02 (金)公演終了

満足度★★★★★

小柳先生&宙組、会心の一撃!快作!
 宝塚には珍しい近未来ファンタジーで、「新感線みたい」という声もあるようです。世界観や対立の構図が似ていると思います(関西から東京までの道のりがドリフのようなベタなお笑い演出なのも新感線っぽい)。大きく異なるのは、新感線では殺陣となる場面が、宝塚ではすべてダンスになるところかな。戦闘シーンをダンスで表現するのは、宝塚の伝統だもの(笑)。

 宝塚だから、主役は空(大空祐飛)だけど、実質敵には美雨(野々すみ花)が主役だよなあ。

ソルフェリーノの夜明け-アンリー・デュナンの生涯-

ソルフェリーノの夜明け-アンリー・デュナンの生涯-

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2010/03/26 (金) ~ 2010/04/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

大当たり
「ソルフェリーノの夜明け」

 植田紳爾先生というと、時代がかった作劇がお得意で"植田歌舞伎"と言われて、最近では「古くさい」という声も聞かないわけではありませんが、今回は、その作劇が見事にはまり、感動大作に仕上がっていました。

「Carnevale 睡夢」

楽しすぎる♪

 芝居とショーの二本立ての場合、たいていどちらかが良くて、一方はいまいちなことが多いけれど、今回は芝居・ショーとも大当たり。植田センセー&稲葉センセー、GJ!

死ぬ機械

死ぬ機械

虚飾集団廻天百眼

萬劇場(東京都)

2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★★

大音量
 史上初のインダストリアルミュージカル!史上初かどうかはわかりませんが、騒音でまともに会話ができない工場のように、大音量の音楽でセリフが聞こえない場面も多く、これがインダストリアルミュージカルなのか。難聴ライブを聞きにきたような気分。
 大音量でセリフが聞き取りにくいのは、前作も同様でしたので意図的な演出なのでしょう。聞き取れなくても、どんなこと言ってるかは大体想像できましたし、大昔のサイレントSF映画を見ていような趣がありました(いっそ、字幕スーパーにしちゃったらいいんじゃないかな♪)。

 マリー役の牛水嬢、やさぐれた踊り子少女がぴったり。
 クオリア役の大島嬢、"買い物籠片手におつかい"っていう姿が妙に似合ってました。
 マリーvsクオリアの対決は、もっとたっぷり見たかった。
 奥様役のこもだまり嬢、ドレスで片肌脱いで日本刀。やっぱり日本刀だもの、片肌脱がなくちゃ絵になりませんね♪。
 音楽CD購入。もうちょいちゃんとミックスダウンして欲しい感じ

復讐回帰

復讐回帰

劇団銀石

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/03/30 (火) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★

プロデューサーさんに注目
気持ち的には☆3.5、という感じでしょうか…いや、悪くはなかったんです!

ともあれ。プロデューサーさんがいる劇団というのはやはり注目してしまいます。一部事前に脚本を公開するなど、制作面におけるこだわりが色々と感じられ、大変興味深い・注目劇団さんだな~、と!偶然アフタートークがある回だったようで、最後まで劇場にいました。勿論、制作や作演以外の、照明・美術・衣装etc.スタッフ面もグッジョブ♪♪♪スタッフ面で「小道具」表記がなかったのが残念…?面白い素材、沢山使ってましたね。そのアート感は若手劇団らしくとてもイキイキ感じました。これからの活動にも、期待してます!



・・・関係ないかもですが、少し前に観た芝居が偶然ぬいぐるみハンターで、そこで主演?してた方が、宣伝美術をコチラで担当されていたようで。優秀な人って繋がってるんだな~とニコニコしてしまいました(^^*)

ネタバレBOX

<☆5は滅多につけないので、☆4が私個人は「とっても良かった」ラインなのですけど…(ごめんなさい) というわけで「良かった」のと「これからにも期待」の☆3であります。

事前に一部公開されている脚本を読んで、とってもワクワクしてました。試み事態も、そして脚本自体も面白かったし、さらに「あの台詞がどんな演出になるのか」と、とっても期待できたので!

ただ、実際は私が「面白いな~」と感じた部分が、演出面であまり重要視されていなかった(?気がする)のが残念でした。重要視されていなかった(気がする)のは、台詞の大半が、コチラに「届かなかった」せいです。実は結構難しい台詞の連鎖なので、滑舌や、言葉の意味をキッチリこちらに届けられている役者さんが少なかったように見受けられました。
スピード感はとても良いと思うのですが、逆にスピード命のような…?言葉の羅列になってしまって、意味がコチラに入ってこなかった為、かなり辛い時間帯も。脚本の良さや台詞の良さが想像つくだけに、つい「もったいない」思ってしまったり;

なんというか「一所懸命、聞かなくちゃ」というのが長時間続くのも、しんどいものでして。…って、これ年齢のせいかなあ?(苦笑)
とうわけで、そういう意味で少しマイナスさせていただきました。役者のレベルにバラツキがあっても、それでも「面白い舞台を創れる!」という試みであれば、勿論これからも続けていって欲しいです。間口が広いって、劇団としてあ悪くないと思うので。メソッドもあるとの事で、創ろうとしている作品そのものは、大変面白いと思います。

今でもかなりカッコイイですが、若さ+αの深みがでた時が、ちょっと楽しみです☆
GOLDEN★HANDSHAKE

GOLDEN★HANDSHAKE

さるしげろっく

d-倉庫(東京都)

2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★

絶望のあとの誕生
コメディのネタはベタで古臭いのと新しいのが混ざっていた。ジブリネタは好み!(^0^)再演にあたって本を少しいじったのだろうか・・?絶望という記憶を消し去る事で今まで生きてこられた人たちの物語。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

かつて漫才師だった男は、今は病院の清掃を受け持つ。彼は笑太という子供を亡くし、鋭利な刃物で切りつけられるような絶望の日々を生きていた。そんな気持ちを誤魔化すために掃除を続けてきたのだった。

一方で病院では言葉を失くした少年の心をケアする為に、チームを作って取り組んでいた。ここで登場するキャラクターは看護師だったり「アオイ」というカネモト興行の社長だったりとコメディならではのハイテンションぶり。ただワタクシが観た公演はキャストらの噛みが目だって気になった。噛まれると、そこで妙な空気が漂ってしまうから、ますます気になってしまう。

それでも「アオイ」役の大熊誠一郎がこのキャラクターにドンピシャで実にいい。大熊には田舎の政治家役や、土建屋の社長や、富山の薬売りもやらせてみたい。そんなちょっと土臭いキャラクターが似合う大物だ。笑

そんな中、ハナサクゾウ(清掃係)は言葉を失くした少年を自分の亡くなった笑太と重ねて、少年と関わりあう事で自分の過去を癒しという温い湯で守ってしまう。サクゾウは前に進む事が出来ないのだ。自分の子供を突然失うということ。血の繫がりよりももっと、太い絆で結ばれていたという安心感。あたかも自分の体の一部であるかのような理屈ではない一体感。それらを剥ぎ取るように急に失くしてしまうのだ。その瞬間、自分の中に荒れ狂う別人が入り込んでしまうのだ。絶望という名の別人が・・。まるで底の見えない穴を覗き込むような恐怖を覚え、たぶん、この先子供を喪った気持ちに整理が付くはずもなく、時間が癒してくれるなんて嘘だと思い知る日々を過ごすのだと漠然と感じる。そして、少年に拘ってしまう。

しかし、妻のアヤメが出産したことにより、自分の過ちにやっと気づくサクゾウだった。少年の裏に笑太の影を見ていた。と認め、気持ちの整理は自分で付けなければ前に進めない事を知り、これから生まれてくる子と妻と現実に目を向けて歩こうと誓う。

夫婦漫才は昔風のベタベタな漫才!笑
コメディ色よりも一人の男の人生を描写した芝居だったと思う。
それにしても・・・、「アオイ」が着ていた衣装は金太郎がでっかい鯉を抱えてる絵柄。金太郎ってマサカリ担いでるんじゃなかった?ってか、5月のこどもの日にちなんでの衣装なんだろうか?それがまた、恐ろしいほど良く似合ってる大熊だった。笑


GOLDEN★HANDSHAKE

GOLDEN★HANDSHAKE

さるしげろっく

d-倉庫(東京都)

2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★

観てきた
観てきました。

ネタバレBOX

d-倉庫で初めての観劇だったので、どきどきしながら会場へ。とってもいい箱でした。

あいさつ文に、野田さん・鴻上さんの文字を見つけて、確かに演出・脚本などが野田さんぽいけど、野田さんにある特有の演出方法などは見いだせなかった…。

なんだか長野っぽさを感じました。親近感なのか、それとも信大さを感じたのか…。それはわかりません。
ヘンリー六世

ヘンリー六世

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2010/03/11 (木) ~ 2010/04/03 (土)公演終了

満足度★★★★

足掛け8時間に及ぶ大河ドラマ。演出と競演、物語を楽しみました。
・・・長い。
しかし面白い。
大河ドラマのような面白さ。
正味7時間弱くらいでしょうか。
それでも今回かなり切り落としたという。

第1部は百年戦争、第2部は薔薇戦争を中心に、
蜷川さんの描く大河ドラマ。
昨年の新国立劇場版(こちらは「正味」で9時間)に続いて
の鑑賞になり、予習が済んでいるような感じです。
きっと、今後もこの題材は、日本の戦国ものの時代劇のように
いろいろな解釈・演出・演技で繰り返し観ることになるのでしょう。


舞台は、前後の囲み舞台。
通常の舞台側にも客席を置いて、前後の客席を挟んだ形で
中央に横長に舞台、上手下手をドアのある壁でふさいで
そのドアを通じて役者さんが出入りします。

まずは真っ白な舞台の上の真っ赤な血の水溜りを、
掃除人という5,6人のおばさんたち
(現代の掃除婦のかっこう)が布できれいに
ふき取るところからはじまる。
そして、爆発や銃撃という現代の戦争の音が
フェードインして開演。
静かになったところで、
今度は、肉片?のような赤い大きめのカタマリが
ぼとぼとと舞台に落ちてくる。
この落ちる音も静かな劇場内に大きく響く。
これから戦争と死が描かれると宣言したような。

やはり演出で驚かされました。

この「落下」は、芝居の中で終始何度もあり、
薔薇戦争の象徴の赤い薔薇の花と、白い薔薇の花、
他にもフランス軍の白ゆりの花が、各陣営のシーンや、
各軍の優勢・劣勢などに応じて降ってくる。

このいろんな「落下物」があるたびに掃除人は
舞台を掃除します。
掃除人(さいたまゴールドシアターの劇団員)大活躍です。

それ以外には、時々出てくる王座の椅子くらいしかセットがないというシンプルさ。

おのずと役者さんたちの演技に集中します。

自分は見ているしかないヘンリー六世の上川隆也さん、
若き勇ましきジャンヌの悲劇と、
ヘンリーとは逆に気丈なマーガレットの大竹しのぶさん、
王に忠実に仕えていただけなのに失墜するグロスター公の瑳川哲朗さん、
他にも大勢の役者さんたちの丁々発止のやり取りと、
翻弄される彼らの運命をあらわす演技に、
強く引き込まれます。

物語も終盤では、勝敗が二転三転。
裏切りや変節の繰り返しとともに、戦闘の繰り返しが
多少少しマンネリしたかも。

こういう長い芝居では、役さん達と観客の間に不思議な
連帯感が生まれるのも楽しみの一部です。

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