GOLDEN★HANDSHAKE 公演情報 さるしげろっく「GOLDEN★HANDSHAKE」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    絶望のあとの誕生
    コメディのネタはベタで古臭いのと新しいのが混ざっていた。ジブリネタは好み!(^0^)再演にあたって本を少しいじったのだろうか・・?絶望という記憶を消し去る事で今まで生きてこられた人たちの物語。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    かつて漫才師だった男は、今は病院の清掃を受け持つ。彼は笑太という子供を亡くし、鋭利な刃物で切りつけられるような絶望の日々を生きていた。そんな気持ちを誤魔化すために掃除を続けてきたのだった。

    一方で病院では言葉を失くした少年の心をケアする為に、チームを作って取り組んでいた。ここで登場するキャラクターは看護師だったり「アオイ」というカネモト興行の社長だったりとコメディならではのハイテンションぶり。ただワタクシが観た公演はキャストらの噛みが目だって気になった。噛まれると、そこで妙な空気が漂ってしまうから、ますます気になってしまう。

    それでも「アオイ」役の大熊誠一郎がこのキャラクターにドンピシャで実にいい。大熊には田舎の政治家役や、土建屋の社長や、富山の薬売りもやらせてみたい。そんなちょっと土臭いキャラクターが似合う大物だ。笑

    そんな中、ハナサクゾウ(清掃係)は言葉を失くした少年を自分の亡くなった笑太と重ねて、少年と関わりあう事で自分の過去を癒しという温い湯で守ってしまう。サクゾウは前に進む事が出来ないのだ。自分の子供を突然失うということ。血の繫がりよりももっと、太い絆で結ばれていたという安心感。あたかも自分の体の一部であるかのような理屈ではない一体感。それらを剥ぎ取るように急に失くしてしまうのだ。その瞬間、自分の中に荒れ狂う別人が入り込んでしまうのだ。絶望という名の別人が・・。まるで底の見えない穴を覗き込むような恐怖を覚え、たぶん、この先子供を喪った気持ちに整理が付くはずもなく、時間が癒してくれるなんて嘘だと思い知る日々を過ごすのだと漠然と感じる。そして、少年に拘ってしまう。

    しかし、妻のアヤメが出産したことにより、自分の過ちにやっと気づくサクゾウだった。少年の裏に笑太の影を見ていた。と認め、気持ちの整理は自分で付けなければ前に進めない事を知り、これから生まれてくる子と妻と現実に目を向けて歩こうと誓う。

    夫婦漫才は昔風のベタベタな漫才!笑
    コメディ色よりも一人の男の人生を描写した芝居だったと思う。
    それにしても・・・、「アオイ」が着ていた衣装は金太郎がでっかい鯉を抱えてる絵柄。金太郎ってマサカリ担いでるんじゃなかった?ってか、5月のこどもの日にちなんでの衣装なんだろうか?それがまた、恐ろしいほど良く似合ってる大熊だった。笑


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    2010/04/01 18:30

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