最新の観てきた!クチコミ一覧

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福喜多さんちの三兄弟2

福喜多さんちの三兄弟2

劇団925

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2010/06/12 (土) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

観てきました。
最初はちょっとゆっくりめ。後からトントントンと。そんな感じのお芝居でした。
役者さんそれぞれが良い味を出しておられました。

堕ちてゆくなまもの

堕ちてゆくなまもの

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2010/06/09 (水) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

幻想と現実のシンクロが心地良い!
主役の俳優さん、悩める奥田英二さん風で渋いのが良い!

ネタバレBOX

空に堕ちてゆくなまものとは、死んでいく人間のことでした。

幼いころ母に捨てられたと思い母を憎んでいる男が精神を病み、幻想の世界と現実の世界を行き来しながらも母の生き様を知って、最後自殺するという話。

幻想と現実がシンクロしているところを興味深く見ました。白い衣装の人は幻想で、傍から見ると独り言を言っているように見えるということです。

結構キーマンのような易者の素性が説明されかけたものの結局良く分からず…、そもそも易者なんて嫌いだし…。

ホームレスが男の言葉で故郷に帰る勇気が湧いたというのも何でだっけ。

ま、話の筋がどうのというより、陰鬱な雰囲気の中で主役の俳優さんの渋さが光っていました。
『MIMICRY』 ミミクリ(終演いたしました。御礼申し上げます!!)

『MIMICRY』 ミミクリ(終演いたしました。御礼申し上げます!!)

anarchy film

新宿アシベ会館B1(東京都)

2010/06/01 (火) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★

やりたい事は嫌いじゃない
大きく二つのキツさを感じた。
会場の暑さから起こる慢性的な不快感を吹き飛ばすような、「この会場」である意義が作品に見いだせなかったことが一つ。この内容なら空調のちゃんとしたところでやってもらいたかった。
演劇の呼吸が上手くとれていなかったことがもう一つ。特に無闇に数多く長い暗転には、まだまだ二次元と三次元の質量差を把握しきれていない(か、その質量差に手をこまねいている)演出という印象を受けた。
これは多分演出をスマートにするだけで2時間切って観やすくできる芝居だなと。

カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

キコ qui-co.

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/14 (月)公演終了

満足度★★★★

ほぉ
静かだけど、熱いのかな

よせあつめフェスタ

よせあつめフェスタ

プロジェクトあまうめ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2010/06/13 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

美味しくて楽しくてお腹いっぱい!な公演。
場所における偶発性のつぶやきに、スケジュールの空いてしまった劇場を『穴埋める』救世主的なつぶやき、延いては緩い助け合いの精神からはじまった企画公演が、演劇の常識を覆してしまったかもしれない、ビッグな結果に。
最初ついったーでこの企画を知った時には半信半疑だったのだけども、公演に至るまでのドキュメントをついったーでみる度に、ドキドキワクワクさせられた。
面白そう!という素朴な好奇心から携わったひとたちによる公演だったためか、やらされている感が全くなかったことが観ていて非常に心地よかったし、人のチカラってすごいなぁと素直におもった。
本編はとても2週間で準備したとは思えぬほどの完成度の高さ。役者の演技も素晴らしく、スタッフワークもみんなに楽しんでもらう配慮がナチュラルにこなされており、何だか胸が熱くなった。
このような突発的な祭りにまた今度、はないものかもしれないが、また観たい!気持ちが募る公演だった。

ネタバレBOX

前説と前前説がある公演ってはじめてみました。前前説では、なんちゃらの関村氏がうだうだ何かしゃべってましたが、「携帯電話の電源はお任せします」的なことを言っていたことしか記憶にありません。汗

前説では、オケタニ氏が以前ENBUゼミに通っていたころの裏話や、ウルトラマンや仮面ライダーの1シーンを映像でみながら、ツッコミを入れていくだけのシンプルなトークショーだったのですが、オケタニ氏のヒーロー愛がたっぷり感じられる内容で、これがめちゃくちゃ面白かったです。

さて本編は、短編6つ。物語に前後のつながりは特にありませんでした。

一話目。
今回の公演の発端である『ツイッター』を題材にしたお話で、ツイッターでつぶやきまくっている女子社員と社長の休憩時間の雑談。女子社員のつぶやきに興味津々な社長は「社長は社員を愛している」のでアカウントを教えるよう命じるものの、「社員は会社を愛している」とあっさり断られ、それでも何とか女子社員の気を惹こうと自身がツイッターでつぶやいているエロポエムを音読しようとしたりする。この時、応援団のようなスタイルで意気込もうとする社長が可笑しい。ラスト、「球団買った(なう)」とツイッターでつぶやく社長が、後の孫○義である、とのナレーションのオチに場内爆笑。まさに一話目にふさわしい内容でした。

二話目。
舞台は、とある男の子(仮にAくんとします)の部屋。
Aくんの家で遊んでいるオトモダチ(仮にBくんとします)は、『明日バイトがあるから』もう家に帰りたそうなのだけど、Aくんは、Bくんのライフスタイルを邪魔したいのか、一緒にまだ遊んでいたいのか、理由は何なのかよくわからないけど、とにかくあれこれ理由をつけて、時にはウソをついたりして何とかBくんを家から帰らせないようにしている、っていうただそれだけの話。
朝からバイトのBくんが、朝マックで働いてるってことにAくんは勝手にしてしまったり、マクドナルドの略し方がマクドナだったり、すき焼きしようと思いたったり、ペプシコーラを開ける時、ペプシ!って音がしないのはなんでなんだろーとかにわとりの鳴き声がアメリカと日本じゃ随分違うよねーとか、特に何がある、って訳でもない無駄話がだらだらと続いていくだけで、結局彼らの名前すらよくわからなくて、ヨモギダとかいう何やら陰謀を企てているらしいひとしか固有名詞は出て来ないんだけど、Aくんのホラ吹き話しをもっと聞きたいって思えるクセになりそうな絶妙な間とふたりの仏頂面と視線が孤高でよかった。六話みたなかで、私はこの話が一番好きだったかな。

三話目。
知りあって間もないお見合いパーティーが趣味のスピカ、この3人のなかで中心的存在の何故か自分のことをビッチって呼んで欲しいと懇願する女の子、2人の会話の聞き役に徹するおっとりなナオちゃん。ら3人がお互いの親睦を深めるために、どっかの貸し切り会議室でおしゃべりをする話。
お見合いと掛けて相撲と解きます。その心は・・・『見あう』的な、ビッチとスピカの相撲は見物。体当たりでぶつかりあったふたりが、最後、握手を交わし、満足気な顔をして退室し、最後にここの場所台が21万なので、ひとり7万円づつお願いしまーす!と言ったスピカに「えーシアターミラクルより高いじゃん!」の捨てゼリフに、脚本家のセンスを感じた。

四話目。
喫茶店を切り盛りするお兄ちゃんと、ニートな姉、学生(だったかな?)の妹の話。ニートな姉はカフェの店長になりたいのだが、どうしたらいいのかわからない。妹にはとにかく働け!と怒られ、取っ組み合いのケンカをするものの、途中で疲れて姉は寝そべってしまう。突然姉の運命を変える電話がなって、スーパー○ショーのレジ打ちに見事合格したとつたえる、ラストは爽快。

五話目。
体内グーグル(笑!)の検索をかけて唯一、ヒットしたトモダチひとりと別れた妻の兄とともに、ロックバンドを組んで、余命いくばくもない別れた妻を勇気づけようとする夫の話。
楽器を弾いたこともなければ歌ったこともない元夫が、音楽があれば何とかなりそう、という幻想を抱き、同じく音楽に全くド素人なふたりを、めちゃくちゃな論理を振りかざして巻き込んでいく様は圧巻。弱り果てて行く妻を横目に病院内の看護婦と安易な浮気に走ってしまった夫が、もうしゃべることもできない妻からくる不意打ちの電話口で、彼女が何を言っているのかわからなかったけれども、彼女を気遣うやさしい心がまだ彼に残っていることには救いがあるように思え、やっぱり最後は3人でバンドやろう!ってことで団結するのは、彼らの遅すぎた青春を観ているようで、痛々しいけれどもいいな、とおもった。この話しは六話の中で唯一、長編で観たい、と感じた作品であった。

六話目。
部屋のなかにいる男女。ふたりは向かい合っているものの、彼らの間には、透明な石があり、これ以上近づくことができない。この石を通して彼女を見ると彼女はふたつに分裂しているように見えるらしく、彼は彼女を「君たち」と呼ぶ。この導入部分はかなりいい。最初彼がこれぐらい、と両手で示した石の大きさが彼女が触れる大きさとずいぶん異なっており、同じ大きさを共有していないことがふたりの距離感に大きく作用しているのかとおもうと面白くおもえたのだが、見えない透明な石が、途中から赤い石に変わり、最後は石の大きさが彼と彼女がこれまで触れた大きさとはずいぶん違った適当な大きさに変わり、そのことに対する説明は、特になされておらず、赤い石というのも情熱の赤に見立てた、とか何とか思わせぶりな発言があるだけで、でも、最後にふたりが外に放り投げた石でふたりの共通の知人であるらしいスズキくんはつぶれて死んでしまったので、透明の石は重かったということになる。
のだけれども、この石の心理的な質量の注訳がなされていなかったことから、ただ何だかよくわからない話しに終始してしまったのが惜しい作品だった。

上司と部下、トモダチ、家族、知人、複雑な関係、恋人・・・。6話のなかで、関係性がひとつもダブっていなかったことも楽しめた要因だった。
余談だけど、6月のカレンダーの『13』にだけパンチで『穴』をあけたまぁるいチケットも凝っていて素敵だった。
庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ

シアタートラム(東京都)

2010/06/06 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ほぉ
期待以上でした!

カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

キコ qui-co.

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/14 (月)公演終了

満足度★★★★

堅守速攻
qui-co、初めて観劇。

劇場のセレクトも演目もどちらかといえば
イマドキではなく、熱くて人間臭い。
しかし、黒澤世莉のサッパリした演出と
女優 堀奈津美の華やかさが
その暑苦しさに涼やかな風を通しており
作風に反してとっつきやすかった。
作家と演出家の組み合わせがよかった。
また観たい。



≪演出についての感想≫


ある教団がかつて起こした「事件」。
登場人物達の家庭に起きた「事件」。
それによって、家族関係・人生までもが
大きく軌道を変えてゆくというお話。

芝居は「とある事情」で郷里を離れていた兄が、
父の葬儀で久しぶりに実家を訪れたところから始まる。

舞台は黒を基調とした抽象舞台で、
喪服の男が二人出てきてフツーに喋っているだけ。
二人の複雑な関係や、事件の全容など肝心のところは
語られないので、冒頭はとても地味な時間帯であった。



黒澤世莉の演出作品は過去に5回観劇していて、
人間関係や場の空気を丁寧に創って見せる
ドラマのような作品が多いと感じていた。
よって、「やばい。飽きるかも。」と思った(笑)。

ところが、今日の観劇でキュンときたのはこの後の展開で
芝居全体のリズムが途中から起伏を持ち始めたのだった。
特にラスト20~30分は急速にスピードアップするのと同時に
登場人物達が冒頭30分では押さえ込んでいたいろんな感情が
鮮やかに爆発し、物語にグッと引き込まれた。



脚本の良し悪しは自分には判断がつかないが
楽しめた最大の要因は演出であろう。
「芝居のリズムに起伏が~」と書いたけれど、
「リズム」というのは台詞が刻むビートのBPMという意味だけではない。
観客に提示される情報量、投入される照明の光量、音楽、
女優の衣装替え、立ち位置の変化、動きなどが連動して
「リズム」のようなものとして感じられたのだった。
粋な試合運びだった。

また、特筆すべきはそのリズムが機能するために
冒頭の地味な(と自分には感じられた)時間の存在が不可欠であり、
黒をベースにしたディプラッツの一部のような
渋い抽象舞台も一役買っているという点である。
(後半では時間空間をシャッフルして舞台が様々な使われ方をする)

なんか海中生物とかで、ずっと砂の中に身を潜めていて
獲物が近づくと物凄い勢いで襲い掛かるヤツがいたりするけど、
そんな感じのする芝居であった。



≪役者 堀奈津美についての感想≫


約10ヶ月振りに観た。
これまでネガティブな感情吐露が冴え渡るイメージがあったが、
今回の配役はポップな一面でも舞台に彩をあたえており、
守備に攻撃にバランスよく参加していた。
実年齢に近い年齢設定であったように思え、そこがプレーに安定感を
もたせていたように感じた。

描かれているのは人間やし、喜怒哀楽みたいなシンプルな感情だけしか
出さないわけではない。
今回の配役は特に色で喩えるなら「赤を下地に上塗りした藍色」とか
「黄色と灰色のマーブル」とか、ねじれた、微妙な、難しい感情表現が
多かったように思える。
うまく文章にするのは難しいし、作家と俳優が表現したかったことが
全て受け取れたとは言い切れないけど、
ちゃんと一人の人間の人生に触れた感がした。
2500円の見ごたえがあった。



---【蛇足】---

また、こういった実際の事件をベースにした演目を
例えば新転位21の俳優が極限状態まで稽古して中野光座で
上演したって、ポップなオーディエンスは遠ざかるだけだろうと思う。
堀奈津美が演ることにも意味があったとも言える。
足を運んだお客さんはラッキーだったと思う。

事件と家族についてちょっと考えてみたくなった。
ずっと気になってた塩田監督の映画『カナリヤ』も観てみよっと。



なっちゃん、せりさん、御馳走様でした!

「花サク」

「花サク」

劇団マニアック先生シアター

ぽんプラザホール(福岡県)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

感性が研ぎ澄まされる
音も声も映像も体も流れあるもの全てがよどみなく進んでいった。
感想をコトバで表わすのが難しい。余韻の残る作品です。

カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

キコ qui-co.

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

感動しました☆
饒舌に演劇を語れる程の場数はないのですが…

この劇は、凄かったです。感動しました。

ここまで密度の濃く、研ぎ澄まされた演劇は、初めて観ました。
広くない空間に居合わせられるこの劇は…贅沢な空間と時間でした。

そして…私の心に響きました。

4人の役者さんの感情の波を感じて…
普段は見えない、ココロの内面を感じました。

あ、私もそういうココロ、持っているかも。
ココロって、生きてゆくって、水面下はこんな世界かも。
…とか。

一言で言うと…

“見れば分かる、見て欲しい”

もう今日で千秋楽ですが、友人等にも勧めたい1本です。

Do!太宰

Do!太宰

ブルドッキングヘッドロック

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2010/05/14 (金) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろかった。
関係性を把握するのに時間がかかった。太宰読んだ事無いけど楽しめました。

ヒメ

ヒメ

チェリーブロッサムハイスクール

吉祥寺シアター(東京都)

2010/04/01 (木) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

想い…
ラストシーン美しすぎて号泣してしまった。

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』

庭劇団ペニノ

シアタートラム(東京都)

2010/06/06 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

うつくしかった
斬新!なんか不思議な世界でした。

何も言えなくて...唖

何も言えなくて...唖

ゴキブリコンビナート

木場公園 多目的広場(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

箱が崩壊する
可能性もあるのにすごいですねぇ、しかも2台。役者が動かしてるほうが長くない?!

さっぱり!親子丼

さっぱり!親子丼

動物電気

駅前劇場(東京都)

2010/06/05 (土) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

立って笑って大はしゃぎ!
いやー面白かったー!初めて拝見したのですが、
それもこれもボケと突っ込みが最高過ぎました。
バカバカしいほど発想が凄すぎます!

ネタバレBOX

ふんどしファックス最高。
あと、義兄さん人形気になりました。
よせあつめフェスタ

よせあつめフェスタ

プロジェクトあまうめ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2010/06/13 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

層が厚い
というか演劇関係人口の多さだろうなぁ。メディア論的なこともおもしろいけど。

『MIMICRY』 ミミクリ(終演いたしました。御礼申し上げます!!)

『MIMICRY』 ミミクリ(終演いたしました。御礼申し上げます!!)

anarchy film

新宿アシベ会館B1(東京都)

2010/06/01 (火) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

そういえばヒット作って言葉・・・
昔よく聞いたけど、最近聞かない気がする・・・。

そんなこと言えば、ホームラン作なんて言葉は昔も今も聞かない気がする・・・。

じゃあ言おう。
この作品・・・ホームラン作だった。

めっさ面白かった。

ネタバレBOX

なにしろ舞台からして初体験。
キャバレー跡地って・・・。

そりゃ案内役の兄さん達もその気になるはずだ。
「いらっしゃいませ~」の声がやけにホスト風だった。

ただ、横長過ぎて、最前列左に位置した自分はずっと右を観続けたせいで、観終わった時には首が痛くなっていた。

それにしても20分押しは少々きつい。

だいたいからしてこの何分か押しってやつ、役者さん達が可哀想だ。なにしろ待たされる分だけハードルが上がる。つまらなかったら許さないって雰囲気になる。実際つまらない芝居だったら終了20分前に帰ってやろうくらいに思っていた。

ところがところがだ。

始まりからグッと心をつかまれ、二時間の間まったく退屈することなく、最後にはさらに深く心をグワシッと鷲掴みにされていた。

音楽の使い方がすごくよかったし、サイドの舞台の使い方もよかった。暗転が少々長かったけれど、逆にその時間が、それまでのストーリーを振り返り考える為の時間になり、より深く物語に入り込むことができた。

リリィ役の金子美紀さんが今風のこじゃれた可愛さでどうにも愛くるしかった。

まぁ、なにしろ最高だった。
なんだかわけもわからず泣けた。
愛死に【ご来場ありがとうございました。】

愛死に【ご来場ありがとうございました。】

FUKAIPRODUCE羽衣

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/06/12 (土) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

スタイリッシュエロ
はじめてトラムの『あの人たちのリサイタル』を観て衝撃を受けて、そこで買ったDVD『朝霧と夕霧と夜のおやすみ』を観て、高円寺で行われたライブも観てきた。すっかり羽衣フリークになって、待ちに待った今回の公演なのだけれど、期待は裏切られなかった。まず、出だしが素晴らしい。糸井幸之介がブログか何かで書いていたけれど、遅刻をしてはだめだ。この出だしは、何やら妖しくて、胸をかき乱されるような何かがある。とにかく詩的で美しい。全員黒のスーツを着ているせいもあるかもしれないけれど、今回の公演は全体的にスタイリッシュな印象が強かった気がする。いつものような熱苦しさのようなものはあまり感じなかった。もちろん盛り上がる部分は凄く盛り上がるのだけど、にも関わらず底の方に、ものすごく静かなものが流れている気がした。

ネタバレBOX

内田慈のダンスは何だか色っぽくて、正直身体を密着させて演技をしたりしている日高啓介が羨ましかった。二人の挿入にまつわるセンチのやりとりなどは本当に面白くて、最後の方はめちゃくちゃ笑った。いつものごとく、というよりもいつも以上にエロな行為や言動が出てくるのだけど、それでもあまりいやらしさを感じないのは、ラブ&ピースの強いメッセージが感じられるからか。
愛死にというタイトルは、愛が死んでしまうということを表現しているのかな、と思った。冒頭の方でシティボーイシティガールという言葉が出てくるけれど、都会で生きる若者が、誰かを愛し、素晴らしくもばかばかしい愛の営みを繰り返し、けれど、いつのまにかあんなに素晴らしかった愛は死んでしまい、元の一人ぼっちのシティボーイシティガールに戻る。そういうことなのかな、と思う。羽衣の公演はこれからも絶対に見続けたいのだけど、冒頭の役者がキーキー静かに言ったりしていた部分がとても面白かったので、妙ージカルの部分とは別に、そっちの方の静かで詩的な表現も追求していってほしいと思った。
よせあつめフェスタ

よせあつめフェスタ

プロジェクトあまうめ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2010/06/13 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

新しい伝説の誕生!
シアターミラクルで、奇跡の公演が開催された。この公演は、無事上演にまでこぎつけただけで、評価の出来る公演だが、それをキャスト、スタッフの頑張りで、作品としても十分鑑賞にたえうるものに仕上げた。お見事。1時の回と7時の回では別物かと思えるくらい、よくなっていた。

ここまでがユートピア

ここまでがユートピア

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇好きにはたまらない
初めてのあおきりみかんさん。
抽象的なセットに群唱。
その中を役者が走り回り、踊り、演じる。
もちろん演劇であるわけなので、そこにすべて意味があり、きちんとした表現手法となっている。
お見事あおきりみかん。
終演後に役者さんと少しお話をさせていただいたが、またこれがとてもよい人。
人間の魅力もいっぱい。
ステキな劇団、ステキな作品でした。

ネタバレBOX

抽象的なセットで、大きさの違う四角い箱を、セット転換によりテーブルといすとして使ったり、階段として使ったり、港近くの防波堤として使ったりと転換が面白い。
しかも役者がそれをとても高速、かつ的確に転換するのはお見事。

台詞には群唱を取り入れている。
これがまたきれいで、そのシーンと見事に調和されていて聞いていて心地がよい。

さらにかつらをかぶり心の声を表現。
これもまた非常に面白い演出方法でした。

ストーリーもユートピアというところに焦点をあてて、個とは、集団とは、人との距離感とは、夫婦とは、愛とは、人を想うとは、色々なことが凝縮されている世界で、それを観ている側が色々と考えることが出来る作品。
堕ちてゆくなまもの

堕ちてゆくなまもの

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2010/06/09 (水) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★

結末に納得がいかない
こういう世界観は嫌いではないけれど、どうしても主人公のとる行動に納得がいかなかった。不幸な生い立ちは分かる。母を恨む気持ちも、そのせいで他人を信じられなくなる気持ちも理解できない訳ではないけれど、それでもなぜ自分を信じて愛してくれた人に、ああいったことが出来るのかが分からない。

易者の鳳来を演じた高須さんは抜群に素晴らしかったし、風俗嬢アゲハ役の長橋さんにも好感を持ったのだけど。この人たちが出ているシーンはとても自然で温もりがあって良かったと思う。

それに対する主人公は…。彼らと出会い、そして望んだものとは違うけれども得たものはあったはずなのに、結局選ぶのはその結末なのかと思うと、やはりどうしても納得出来なかった。それがタイトルの意図しているものだとしても。「堕ちていく」とか「なまもの」というセリフが多かったのも少し気になった。それは観ていれば分かることだし、何度も繰り返さなくても…と思ってしまう。

こういう雰囲気の話は好きだけれど、でも主人公に魅力を感じることが出来ないのが残念だった。

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