満足度★★★
結末に納得がいかない
こういう世界観は嫌いではないけれど、どうしても主人公のとる行動に納得がいかなかった。不幸な生い立ちは分かる。母を恨む気持ちも、そのせいで他人を信じられなくなる気持ちも理解できない訳ではないけれど、それでもなぜ自分を信じて愛してくれた人に、ああいったことが出来るのかが分からない。
易者の鳳来を演じた高須さんは抜群に素晴らしかったし、風俗嬢アゲハ役の長橋さんにも好感を持ったのだけど。この人たちが出ているシーンはとても自然で温もりがあって良かったと思う。
それに対する主人公は…。彼らと出会い、そして望んだものとは違うけれども得たものはあったはずなのに、結局選ぶのはその結末なのかと思うと、やはりどうしても納得出来なかった。それがタイトルの意図しているものだとしても。「堕ちていく」とか「なまもの」というセリフが多かったのも少し気になった。それは観ていれば分かることだし、何度も繰り返さなくても…と思ってしまう。
こういう雰囲気の話は好きだけれど、でも主人公に魅力を感じることが出来ないのが残念だった。