堕ちてゆくなまもの 公演情報 堕ちてゆくなまもの」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.9
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    幻想と現実のシンクロが心地良い!
    主役の俳優さん、悩める奥田英二さん風で渋いのが良い!

    ネタバレBOX

    空に堕ちてゆくなまものとは、死んでいく人間のことでした。

    幼いころ母に捨てられたと思い母を憎んでいる男が精神を病み、幻想の世界と現実の世界を行き来しながらも母の生き様を知って、最後自殺するという話。

    幻想と現実がシンクロしているところを興味深く見ました。白い衣装の人は幻想で、傍から見ると独り言を言っているように見えるということです。

    結構キーマンのような易者の素性が説明されかけたものの結局良く分からず…、そもそも易者なんて嫌いだし…。

    ホームレスが男の言葉で故郷に帰る勇気が湧いたというのも何でだっけ。

    ま、話の筋がどうのというより、陰鬱な雰囲気の中で主役の俳優さんの渋さが光っていました。
  • 満足度★★★

    結末に納得がいかない
    こういう世界観は嫌いではないけれど、どうしても主人公のとる行動に納得がいかなかった。不幸な生い立ちは分かる。母を恨む気持ちも、そのせいで他人を信じられなくなる気持ちも理解できない訳ではないけれど、それでもなぜ自分を信じて愛してくれた人に、ああいったことが出来るのかが分からない。

    易者の鳳来を演じた高須さんは抜群に素晴らしかったし、風俗嬢アゲハ役の長橋さんにも好感を持ったのだけど。この人たちが出ているシーンはとても自然で温もりがあって良かったと思う。

    それに対する主人公は…。彼らと出会い、そして望んだものとは違うけれども得たものはあったはずなのに、結局選ぶのはその結末なのかと思うと、やはりどうしても納得出来なかった。それがタイトルの意図しているものだとしても。「堕ちていく」とか「なまもの」というセリフが多かったのも少し気になった。それは観ていれば分かることだし、何度も繰り返さなくても…と思ってしまう。

    こういう雰囲気の話は好きだけれど、でも主人公に魅力を感じることが出来ないのが残念だった。

  • 満足度★★★

    救いがほしい
    悲劇なのだろうが最後まで救いがない。堕ちてゆく中にも救い、あるいは救いを予感させるものがほしい。

  • 満足度★★

    眠たかった
    興味を持とうとしたのですが、だめでした。
    観劇者として、修行不足を痛感しました。

  • 満足度★★

    悲しさで
    最初から最後まで、重い空気で、ときどき小さな暖かさが感じられるお芝居。
    個人的には、笑えて感動で涙するお芝居が好きですが。

  • 満足度★★★

    見る角度で2面性が
    「わらく」はお初だが、こういうムードの演出をする団体なのかと思えば、取り立てて違和感もないし、良く出来た舞台といえる内容だ(個人的な好みでは、多少気になる部分はあったが)。

    むしろ占い師を演じた役者(客演ではなくわらくの役者)はとてもいいムードを醸し出していた。観ていて説得力が感じられた自然な演技だった。

    いっぽうこの本が東京ハンバーグの大西氏の書き下ろし、という観点から見るとちょっと違和感を覚えてしまう舞台ともいえる。もっとも東京ハンバーグと同じテイストの本にしたら、わらくの存在意義が薄れてしまうだろう。本を提供した意味がなくなってしまう。わらくの作品として観るか、大西氏の作品として観るか、そこが問題だ(ハムレットか!!笑)

  • 満足度★★★★

    屈折したまま
    三つ子の魂百までも・・・じゃあないけれど、人の運命はその属性によって決まる。どんな土地でうまれたのか、どんな種類の人間の中で育ったのか、その生活の中でどういう世界の見方を覚えて来たのか。それで生き方の半分は決まる。不条理劇の部類に入るのだろうか?屈折した心の闇を抱えたまま幸せになれなかった男のお話。

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX

    舞台は優一郎が自殺するシーンから始まる。そのまわりにうろつく「見ざる聞かざる言わざる」のように耳や口や目を押さえた無関心な人間たち。その場面は都会のあちこちでの情景だ。

    優一郎は6歳のときに母に捨てられた。母は父からのDVにたまりかねて家出してしまったのだった。母に恋焦がれる優一郎はその想いがある時点に達すると母に捨てられたという感情が憎悪となって増幅してしまうのだった。その後、父は酒に溺れ自害し、優一郎は施設に預けられる。

    優一郎が高校生のとき17歳の少女・弓子と付き合うが、彼女は家族にも友人にも優一郎と付き合うことを反対される。彼女は孤立してしまい、家出してしまうが、頼った見知らぬ男・中谷が悪かった。優一郎は弓子に戻るように説得するも弓子は「貴方のことは好きでもなんでもないの。可哀想だと思ったから付き合った。同情だったの。」と優一郎に爆弾発言を放つ。そうして中谷と一緒に暮らし始めたが、中谷はサドの気のある障害をもっており、弓子に暴力をした挙句、首を絞めて殺害してしまう。

    その後、優一郎は綾という恋人が出来るも、彼女を心の底から信用できなかった。この女も母と同じように、いつか自分の目の前からいなくなってしまうのではないか?あるいは自分と付き合ってくれるのは同情からではないか?そんな不安が常に付きまとい、誰も信用できなかった。そうして彼女の命を懸けた誠意にも応えられないまま、彼女を殺してしまう。

    過去に優一郎が関わった人たちを走馬灯のように思い出し、自分の中の闇を消化できないまま、優一郎は実の母が既に他界してしまった事実を知ってしまう。実の妹とは会えるものの、屈折した心はまっすぐにならないままに自害してしまうのだった。

    この物語に「希望」という文字はない。だけれど、最後の時に彼と関わった人たちが実に優しい。死の間際に温かな人たちに触れただけでも彼の魂は柔らかな母の魂と一緒になれたのだと理解したい。

    見方によっては評価は割れると思う。キャストらの演技力、易占いに集る優しい人たちの情景は温かみがあった。特に中谷のサドの演技の壮絶さは見もの。
    なまじ、繊細な心を持ってしまったばかりに愛することに臆病になってしまった男の物語。

  • 満足度★★

    なんとも
    後味悪かったですねぇ…。
    それが意図だとは思いますが。

    ネタバレBOX

    6歳のころに母親が家を出て、その後父親が自殺し、付き合っていた彼女が殺害されるという人生を歩んできた男。
    両親がいないからという理由で周りから差別され、不当な扱いを受けてきた。
    現在同棲中の恋人のことも信じられず殺害してしまい、すべての元凶である(と主人公が信じる)母親の場所を突き止め殺害を計画する。
    まぁいろいろあって最後は自分を刺しちゃうんですけどね。
    母親に捨てられたのを言い訳に、しょうもない人生に自ら堕ちてしまうという話。

    両親がいない云々ではなく、そもそも主人公の性格に問題ありとみた。
    人に求めてばかりで与えようとしない感じで凄い腹たった。
    最低な主人公が意図であるならもう十二分にはめられてしまった形になりますが、この最低な主人公のせいで芝居がつまらない。
    今を精一杯生きているその他登場人物には好感が持てるのですけど。

    暗転が多くて気持ちがぶつ切れになってしまうので余計に入り込めない。

    あと狂気の演出がなんか…単純。頭を抱えたりとか。包丁を見つめるとか。
    アピールされればされるほどに演技であることを見せつけられて引いてしまった。

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