満足度★★★
結末に納得がいかない
こういう世界観は嫌いではないけれど、どうしても主人公のとる行動に納得がいかなかった。不幸な生い立ちは分かる。母を恨む気持ちも、そのせいで他人を信じられなくなる気持ちも理解できない訳ではないけれど、それでもなぜ自分を信じて愛してくれた人に、ああいったことが出来るのかが分からない。
易者の鳳来を演じた高須さんは抜群に素晴らしかったし、風俗嬢アゲハ役の長橋さんにも好感を持ったのだけど。この人たちが出ているシーンはとても自然で温もりがあって良かったと思う。
それに対する主人公は…。彼らと出会い、そして望んだものとは違うけれども得たものはあったはずなのに、結局選ぶのはその結末なのかと思うと、やはりどうしても納得出来なかった。それがタイトルの意図しているものだとしても。「堕ちていく」とか「なまもの」というセリフが多かったのも少し気になった。それは観ていれば分かることだし、何度も繰り返さなくても…と思ってしまう。
こういう雰囲気の話は好きだけれど、でも主人公に魅力を感じることが出来ないのが残念だった。
満足度★★★
見る角度で2面性が
「わらく」はお初だが、こういうムードの演出をする団体なのかと思えば、取り立てて違和感もないし、良く出来た舞台といえる内容だ(個人的な好みでは、多少気になる部分はあったが)。
むしろ占い師を演じた役者(客演ではなくわらくの役者)はとてもいいムードを醸し出していた。観ていて説得力が感じられた自然な演技だった。
いっぽうこの本が東京ハンバーグの大西氏の書き下ろし、という観点から見るとちょっと違和感を覚えてしまう舞台ともいえる。もっとも東京ハンバーグと同じテイストの本にしたら、わらくの存在意義が薄れてしまうだろう。本を提供した意味がなくなってしまう。わらくの作品として観るか、大西氏の作品として観るか、そこが問題だ(ハムレットか!!笑)
満足度★★★★
屈折したまま
三つ子の魂百までも・・・じゃあないけれど、人の運命はその属性によって決まる。どんな土地でうまれたのか、どんな種類の人間の中で育ったのか、その生活の中でどういう世界の見方を覚えて来たのか。それで生き方の半分は決まる。不条理劇の部類に入るのだろうか?屈折した心の闇を抱えたまま幸せになれなかった男のお話。
以下はネタばれBOXにて。。