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華氏マイナス320°

華氏マイナス320°

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/05/31 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

NODA・MAPの『華氏マイナス320°』を観劇。

 過去にあった生々しい出来事を重ね合わせて、寓話として物語を語る野田秀樹だが、今作はいつも以上に混じり合いが複雑だ。
物語の前半で「人類がいつのまにか神様よりも高いところに住んでいる」というテーマを早い時点で放っているだけに、観客が見るべき道を明確に導いているのは何時になく珍しい。
『人間の傲慢さ』が物語の根底にあることに観客の誰もが気づくからこそ、科学、独裁主義、メフィストフェレス、ハーメルンの笛吹き、などありとあらゆるものが混じり合っていても、混乱はしないが、一瞬でも「これはどういう事?」などど疑問を挟んでしまうと、あっという間に置いてきぼりを食ってしまう。
 前作の『正三角関係』がいつになく観やすい作風だっただけに、物足りなさを感じてしまった観客は多数いただろう。野田秀樹の芝居を追っかけている観客は「決して受け身では観ないぞ」という対抗心があり、一見さんはお断り的な要素もあるにはある。
「野田秀樹をいつかは見下してやろう」という強気の姿勢は観客には必須だが、遥か彼方の存在だ。
 三つの時代が瞬時に行き交いする今作はあまりにも複雑怪奇と感じるかもしれないが、劇作家の描こうとしている視点は全くぶれていない。
いつの時代も『人間を貶めるのは常に自分自身の存在だ』という事に気づかせるメッセージは間違いなく伝わるだろう。
ロスメルスホルム

ロスメルスホルム

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2026/03/24 (火) ~ 2026/03/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

イプセンを“攻略中”のハツビロコウが今回は知名度のさほど高くない作品を上演..。本作がどう「特異」なイプセン作品かは分からないが、テキレジが既に独自の領域であると、十分に知り尽した位の作品で変奏バージョンを観たい、というのは近作を観た正直な思い。
今回の感想を・・とその前に、途中大きな寝落ちをした事をお断わり(毎度誠に申し訳ない事だが、カーテンコールに初めて見る顔が並んでいたのは初めて)。
ただ話の筋は凡そ掴んだかと思う。
現代に通じる普遍性を作品に見出す試みには大いに共感。100年経ったと思えないイプセン作品の根底に流れるもの、それは彼が著作の大部分を書いた時代に既に形成されていた近代社会の構図だと仮説する。いつの世にも体制とそれを転覆させようとする勢力があるが、イプセンの生きた19世紀後半はフランス5月革命やマルクスの後の時代であり、「社会の根本的な矛盾」と「これを理論的・物理的に解体する」勢力の形成という現代に通じる構図が形作られたものと見える。
本作でも現状を支える構造を覆さんとする改革勢力があり、主人公たちはこれを担う側にある。彼らは「勝利」を手にする事はないが、いつか人と社会が「変わる」風景を見る事への希望が、余韻となる。ノラが最後に去って行く「人形の家」と同形の構図。本作がより複雑なのは、主役に当る男女二人が「リスクを伴うが希望のある」道へ踏み出す予兆で終るものの、作者はこれに恋愛要素を絡め、これを突き詰め追い込んで行く。
改革を望む者(その方途となる理論を知る者)は世の中ではまだほんの一部であり、主人公らの師匠に当るあれほどに期待を寄せられていた老人が、血糊の付いた姿で現われ、敗北の内に去り行く。理においては「既に勝っている」孤高の美学を臭わせるが、これを見た二人のダメージは少なくない。
恋愛要素とは、男の方は影響されやすい優男、実は女性が一枚上手で「運動」のために彼を籠絡、否引き入れたのだが、大真面目な男は、亡くなった妻の話し相手として(妻に乞われて)来るようになった彼女に対し、妻が亡くなる前から愛を感じていたのかも知れない、と認めてしまったりする。
男からの求愛を一度断った女だが、男が旧知の牧師からの説得に折れて(以前のように)現状を支える者となった後、決裂を前に女が男との間の不理解を解消するために、だろうか、「本当のこと」を伝えんと言葉を繰り始める。決して誇れない過去を持つ女(その事も告白する)が男に対する愛を「証明する」必要に迫られた結果、その最も確実な行動は妻が身を投げるに至った橋(その後決して男が渡らなかった庭から伸びる橋)へ行き、橋から身を投げる事だと言う。その申し出で初めて相手の言葉を吟味し始めた男に、「貴方はそれを見てなければならない。あの橋の上で私のその行動をその目でしっかりと見る事」それが女の愛に男の側が答える事だ、と言う。「貴方が私の行動を見届け、私の愛を信じる事が出来たなら、早く私を引き揚げ、二人は結ばれる事になる、だから貴方はあの橋に来なければならない」・・川に落ちる事はほぼ「死」を意味するが、作者は彼女に「その時点から二人が愛で結ばれた生を始める事になる」という希望を語らせている。成る程一掴みにできない深淵なドラマという風格である。

粛々と運針

粛々と運針

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2026/04/09 (木) ~ 2026/04/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/04/11 (土) 13:00

なんという台詞劇だろう。芝居を観ていることを一瞬忘れる。
よその家族をのぞき見しているような変な緊張感。
登場人物全員に共感してしまう。
理解してもらえないもどかしさに息苦しさを覚える。
脚本と演出、役者陣のすばらしさに圧倒された95分。

賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

生演奏と迫力のある朗読劇、圧巻の宮沢賢治の世界でした。物語に浸れる80分間でした。映像もキレイで幻想的。帰りにお菓子もいただき、気配りも素晴らしかったです。ただ、宮沢賢治を良く知らないとついていけないかも、と思いました。

I Want To Hold Your Hand

I Want To Hold Your Hand

ROCKSTAR有限会社

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2026/04/11 (土) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コンドルズ × ハンドルズ による合同コラボ公演も今年で3回目。僕は全3回観ていて、毎年良い刺激をもらっています。障がい者&健常者がひとつのステージで舞い、それをある程度客観的に見た時に、普通に違和感を感じないことが、とてもコンドルズらしい。車椅子の方もいるし、それぞれ不自由な箇所も異なるので、身体の動きは不揃いですが、それがまるで気にならず、妙な統一感やまとまりがあるのです。そこには「支援活動」のような雰囲気はなく、ダンス公演としてのダイナミズムや情熱が渦巻いていました。近藤良平やコンドルズメンバーだからこそ、これだけ垣根のないフラットなステージが創れるのだろうなぁと思うと、本当に、奇跡のような出会い・組み合わせと言えるでしょう。コンドルズの「人を巻き込む力」に魅了された公演でした。

The Closet Revue

The Closet Revue

EPOCH MAN〈エポックマン〉

ザ・スズナリ(東京都)

2026/04/04 (土) ~ 2026/05/04 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

The Epochmanの『Closet Revue』を観劇。

 前作のロンドン公演の成功で、破竹の勢いの劇団が、スズナリでの一か月強押えての強気の公演だ。

あらすじ:
 心に闇を秘めた青年は、自分の性について悩んでいた。
そんな最中、男性娼婦観を訪れ、伝説の男性に出会い、自身が抱えている悩みを打ち明け、カミングアウトを決意するのだが…。

感想:
 のっけから始まるミュージカル仕立ての男性たちの踊りは圧巻だ。
「これから何が始まるのだ?」という荒々しい歌とパフォーマンスは息を呑む。ゆっくりとあらすじは見えてくるが、ミュージカルから一転してストレイトプレイに転換していく移行は悪くないが、代償として戯曲の弱さが一気に見えてしまった。
 己の性について悩んでいた青年が、伝説の男性婦に会い、自分を変えようとする決意を最後まで歌と踊りの勢いで行けば、気分も高揚し、青年の悩みに同調し、突き進んでいけたのだが、ストレートプレイという方法論になった途端、「あ〜、最近あるよくある若者の悩みね」と一蹴してしまうのだ。
演出家は我々の魂を掴むつもりでいたようだが、先が見える物語には寄り添えないのだ。
問題を抱えている人たちを笑うつもりはないが、物語に載せるとなると少しでも期待を裏切るような流れに持っていかないと、カタルシスは得られないのだ。出だしが100点満点だっただけに惜しい。
 戯曲、演出、美術が一体化して完璧なものを作れるのは、今や野田秀樹だけだが、この劇団もそれほど遠くにはいないようだ。
賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

いかにも演奏舞台らしいアクションリーディング音楽劇、これはグッときましたね。前半は詩をメインにしたかなりスタイリッシュな構成で、後半はちょっとコミカルな「どんぐりと山猫」。そしてラストは「星めぐりの歌」。映像もイイ。大いに楽しめました。

賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かったです。
朗読劇ですが、役者さん達の素晴らしい動きがありました。
素敵な生演奏と映像が美しく、感動で泣きそうになる場面もありました。
笑いと感動の75分間、宮澤賢治の世界を堪能しました。

~喜楽に落語~ ハルカス寄席

~喜楽に落語~ ハルカス寄席

近鉄アート館

SPACE9(大阪府)

2026/04/02 (木) ~ 2026/04/30 (木)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

桂三歩さんの落語に最近ハマってて今回も一番良かったです☆

賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この劇団のお芝居にはいつも驚かされます 
舞台に生の音楽演奏を絡めるという基本を忠実に実行しながら、多彩な作品をそれぞれカタチにしています。舞台装置、舞台美術はミニマムに、それがかえって観客の想像力をかきたて舞台演出以上の満足感や完成感を感じるような気がします。

今日は宮沢賢治でした。夏のような日差しの日曜日にとてもさわやかな童話の世界、この劇団の距離の近さも相まって、観劇のあと、今日はいい日だと感じます。

野々村良枝の失踪

野々村良枝の失踪

タテヨコ企画

シアター風姿花伝(東京都)

2026/03/18 (水) ~ 2026/03/22 (日)公演終了

実演鑑賞

タテヨコ企画の新作。3月22日までアトリエ風姿花伝。120分。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/04/post-97f21c.html

ミッキーアイランド

ミッキーアイランド

滋企画

アトリエ春風舎(東京都)

2026/03/09 (月) ~ 2026/03/22 (日)公演終了

実演鑑賞

FUKAI PRODUCE羽衣の座付き作家だった糸井幸之介の作演による滋企画の新作。 3月22日までアトリエ春風舎。115分。

https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2026/04/post-fdf019.html

賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/04/10 (金) 19:00

演出が面白く、宮沢賢治が楽しめました!

ダビダビ

ダビダビ

劇団ヒノイリ

cafe&bar 木星劇場(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても良かった。登場人物ひとりひとりの気持ちになって観ていたら、あっという間の時間でもっと観ていたかったくらいでした。

華氏マイナス320°

華氏マイナス320°

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/05/31 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/04/10 (金) 19:00

久々に構造が複雑な野田作品で何とも言えない感触。エンディングが美しい。147分。
 何を言ってもネタバレになるので詳しくは書かないけど、時間軸も空間も瞬時に移動する野田戯曲の特徴が存分に使われ、一度では良く分からないところも少なくない。しかしテーマはハッキリしていて、後から考えるとオープニングからそれが示唆されているとも言える。と言うより、タイトルが深い意味を持っているんだと、観終わると分かる。観ている間は舞台美術や幕・カーテンの使い方、そして、アンサンブルの身体に魅了される。広瀬すずのフィジカルと深津絵里の声が特に印象的。エンディングは、野田作品史上最高に美しい。

汗が目に入っただけ

汗が目に入っただけ

フジテレビジョン/LIVE FORWARD/アガリスクエンターテイメント/サンライズプロモーション大阪

IMM THEATER(東京都)

2026/04/03 (金) ~ 2026/04/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「際どい状況とメタドラマが描く家族の物語」

ネタバレBOX

 幕が上がると58の若さで亡くなった森井由美子(鈴木保奈美)の魂が、親族が出棺準備に大あらわのなか成仏できず漂っている。長女の千聖(足立梨花)と長男の匡(西野創人)はキリスト教式か仏教式かで葬儀について激論を交わし、次男の翔(小越勇輝)はスマートフォン片手に仕事に追われている。そこへやってきた尾田理佐(蘭寿とむ)のみ由美子が見えるようで、由美子は理佐に出棺までのゴタゴタを収束させるべく協力を要請するのだった。

 なにかと慌ただしい葬儀の日に際どい状況をいくつも入れ込み、登場人物が奔走する様がおもしろい。なかでも蘭寿とむの達者ぶりとあたりをはらう威勢の良さに一興した。後半になって場外から出演者のカロリー計算を実況中継するというメタドラマの展開など手数の多さには感心したが、やや牽強付会で家族の心の邂逅のドラマがそこまで感興をそそられるものならなかったのは残念である。

賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

dododo dodo dodonqdo gionn (追記2026.4.11)尺は約75分。お勧めである。

ネタバレBOX

 オープニングは演奏の開始と同時にホリゾントに宇宙を思わせるイマージュとどどどどど、どどどど、どどどどどなどと表記された文字が躍る中、役者陣が登場、どどどどど、どどどど、どどどどどと発声、続いて「春と修羅」の序が朗読形式で綴られる。100年以上前にこんなに正確な宇宙のイマージュと我らヒトの裸形を言語化し得た賢治の天才に改めて驚嘆した。次に「雨ニモマケズ」寺山は欺瞞的と嘲笑した作品だが自分は寺山の持っていた歪が言わしめたことだと思っている。というのも賢治自身家業に対する複雑な感情を抱えていたこと、大学での専攻、旱魃や山崩れ、大水被害等の天災に襲われる度、我が娘を人買いに売らねばならぬ東北農民の厳しい生活を重々知っていたからである。次には結核で亡くなった賢治の才能の最も良き理解者であった妹・としへの痛切な詩「松の針」続いて「林の中の柴小屋に」「北いっぱいの星ぞらに」「小作調停官」等が続き賢治の生きた世界を示した後としの亡くなった瞬を詠んだ余りにも痛切な詩「永訣の朝」続いて「風がおもてで呼んでゐる」を挟んで「どんぐりと山猫」で滑稽な様を描いて観客を自分達が普段暮らしている俯瞰すれば喜劇の世界へ解き放っている。この間いつものようにシンセサイザーとギターの生演奏が入るが、今回は場面によってフルートの生演奏も入っているのが新鮮。役者陣の演技と相俟った朗読も質が高い。而も朗読作品群の選定及び上演順の工夫も極めて効果的だ。
賢治の風

賢治の風

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

「詩集」の朗読と「どんぐりと山猫」の朗読音楽劇の二本立て。
プロジェクション・マッピングが見事。美しい。

ネタバレBOX

もう二つの演目の出来が全然違うの。
要因は二本目に主演した池田さん。
他の俳優たちとは別次元、別領域と思える素晴らしさ。

劇伴もとても良かったです。
でもギターの演奏は下手だったなあ。
おかしな二人~女性版~

おかしな二人~女性版~

兵庫県立ピッコロ劇団

ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)

2026/04/10 (金) ~ 2026/04/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

内容は良かったが、隣が変なやつでした…
独り言は多いし、落ち着き無いし、何度も肩や手ぶつけてきたりで集中できず…
遅かったのに良い席💺空いていて、座ったのが…常連は知っていたのか… ババ引いた

The Closet Revue

The Closet Revue

EPOCH MAN〈エポックマン〉

ザ・スズナリ(東京都)

2026/04/04 (土) ~ 2026/05/04 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/04/10 (金) 19:00

110分。休憩なし。

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