POPULAR COMEDY MAJESTIC SHOW SEASON.1
The Dusty Walls
SONANTA(東京都)
2010/07/17 (土) ~ 2010/07/17 (土)公演終了
満足度★★★
劇団ではなくエンターテイメント集団!
オリジナルのコメディ・ミュージカルと、パフォーマンスのレビュー・ショーの2部構成。
個人的には前半のミュージカルは少々モノ足りなさを覚えましたが、後半のパフォーマンスの数々には大いに楽しませて頂きました!
あちこちのイベントとかに出たりして精力的に活動していって下さい!
「運命/未完成」・「真夜中の訪問者ほか」
ブラジル
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
絶対
●●がいた・・・と思わせるくらい、鳥肌がたった瞬間が何度か。(笑)
ホラーを堪能してしまいました。
遊園地3兄弟の大冒険
ギンギラ太陽's
西鉄ホール(福岡県)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/17 (土)公演終了
泣いて笑って
初演から見ていますが、時代の流れに応じてちょっとづつ変化しているように思います。特に今回は、東京公演が一度延期になったうえでの福岡公演ということで、大塚ムネトさんの心情がちょっぴり折り込まれているように感じました。おまけの「男ビルの一生」も然り。
毎回ちょっぴりブラックな視点に笑わされますが、同時に街やモノへの温かい視線には泣かされます。
ビッグ・シューズ・サーカス
クラウンファミリープレジャーB
東京都児童会館 ホール(東京都)
2010/07/17 (土) ~ 2010/07/17 (土)公演終了
満足度★★★★
ゆる楽しい!!!
どうでもいいような館長・加藤の挨拶から始る。「夏休み演劇フェスティバル」の一発目。要は助成金で成り立ってるわけだ。パンフレットには今後の演劇の予定が載っていて観たい公演もあった。
で、サーカス。まだ夏休みになってないという事もあって、大人達の連れも多い。ソレもそのはず、みんな童心に返って表情がキラキラしちゃってる。笑)
舞台は全員が特徴のあるピエロ達のパフォーマンスだったが、実に愉快だった。
会場も巻き込んで観客を楽しませようとする姿勢は流石!
何も考えず愉快で楽しいひと時だった。
あそび
山田ジャパン
サンモールスタジオ(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
最高でした。
舞台も
セリフも
役者さんも
ストーリーも
ネタバレBOX
それにしてもあの車・・・いくらかかったんだろう?それが気になって仕方無かった。
なんにしろなにからなにまで良かった。
前述の気になった車を存分に利用した舞台作りや、少々ホロリとさせられるストーリーや、それを演じきる実力の確かな、けれどそれだけじゃなく可愛らしかったり、キャラの濃い役者さん達や、センスの良い音楽や・・・
全部が好きな感じだった。
セリフで使われた『メガネ取って』ってセリフ、おっ、ってなった。妥協してないなぁ・・・と。
車のクラクションの音、つい長くしたくなる気がするが、あれくらいじゃないとうるさく感じてしまう。ちょうどいい感じだった。
そんなこんなで細かいところまで目が行っていて良くできてるなぁと感心、そして感謝。
いとうあさこと警官の場面がいちばんツボだった。
ラクダ
範宙遊泳
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
「運命/未完成」・「真夜中の訪問者ほか」
ブラジル
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★
世にも奇妙な
LE DECOにぴったりの作品。観客と舞台の距離、観客同士の距離が大事。
「運命/未完成」・「真夜中の訪問者ほか」
ブラジル
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★
運命/未完成
コンパクトな良作。妄想と現実の敷居は、低い。
「秘密をふやす」
セキララ
Gallery LE DECO 2(渋谷)(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★★
表情がいいな
素敵な役者、素敵な衣装
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
素敵だ
素敵な世界。あそこに住みたい。
『ダンパチ8』『大嫌いと叫んだらもっと嫌いになったあの女』
ショーGEKI
「劇」小劇場(東京都)
2010/07/15 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
永遠のライバル
今年の女子バージョンが実にいい。幼馴染だった二人が大人になるまでの描写を一つの物語として展開させるが、二人の過去にあった出来事を回想するシーンも狭間に入れて楽しくて面白い。だけれどお笑いだけじゃあない!物語はワタクシ達観客が「そういえば・・あるある!」なんて納得させられるところ、本も構成も今年はやヴぁいくらい上出来だった。
お勧めの舞台。
以下はねたばれBOXにて。。
ネタバレBOX
リカコとユカリは幼稚園からの同級生。現在は32歳になったが、同じように独身だった。彼女らは仲悪いどころかお互いがお互いを「大嫌い!」だった。理由は幼稚園の頃に遡る。二人は仲良しだったがとある事件をきっかけにお互いの家族をも巻き込んだ仲たがいをしてしまう。ここで登場する二人の母親の見栄の張り合いがイッチャッテル!笑。 しかも、二人の赤ちゃんの情景も緩くて楽しい。。
そんなリカコとユカリはなぜか、大人になっても腐れ縁のごとく似たような状況で隣に引っ越してくる。ここまでの物語は殆どアニメのような展開でとにかく笑う、笑う、笑う。。
やがて二人は自分達の幼い頃を振り返って、お互いを嫌いになった原因は相手ではなく自分にあるとやっと気づく。更に幼かったあの頃に自らの記憶を捻じ曲げるような誤解があったことも気づく。
こうして彼女らは幼かったあの頃の他愛もない遊びのなかで仲良く無邪気に過ごしていたことを思い出す。そして今やっとあの頃と同じように元の仲良しに戻れるのだった。
笑いあり、ホロリ・・・あり、郷愁あり~ので美味しい観劇だった。だからただの笑ではない。お笑い上等!の世界。
「霞葬(かすみそう)」公演終了しました。
劇団印象-indian elephant-
吉祥寺シアター(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
すがすがしい感動!
不老不死の神々と寿命のある人間の話。
ネタバレBOX
星を生みだす神と、死者を葬る神が存在するところがユニークでした。
神々の世界と人間界が別々に存在するところや生命感から、オペラ「ニーべルングの指環」シリーズを思い出しました。オペラでは神々は黄金のリンゴを食べて不老不死を維持しますが、本作では霞を食べています。人間に与える食事にリンゴが出てきたのが印象的でした。
赤ちゃんだった人間も自分たちよりも年老いてしまうことに戸惑う神々、まるで人間が犬を飼っているような状況です。実は我々の話でもあったということです。
娘から急激に年寄りに変化するときのしぐさ、死んだ後すっと背筋が伸びて退出していく姿は秀逸でした。
ところで、若い役者さんが年寄りを表現しようとすると、だみ声でなぜか高音で、そうなんじゃよ的なしゃべり方をします。今回のベク・ソヌさんは無理に高音にはせず、口をもぐもぐさせ、股関節が広がったような感じで腰が曲がり、ゆっくりとした動きで自然に年寄りを表現していました。非常に参考になると思います。
バンビ
FLAT
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★
もっとゾンビを愛したかった。
オープニングの掴みは自然とバカバカしく思える感じでとてもよい。終盤にでてくるテーマ(…テーマなのかな?)も魅かれるモノがあった。
しかし、いかんせん中盤のたるみが気になる。とてももったいない…。
ゾンビを使った面白いシーンが色々作れそうなのに、逆にゾンビに関する興味が中盤で薄れてしまった。演出にもう少し遊び心が加われば、とても見応えのある作品に化ける気もした。
劇団鋼鉄村松さんのムラマツベスさんや、客演常連の後藤和さんが出演されていたせいか「ここのやり取りを書いたのはボス村松氏では!?」と思う部分が多々。ボス村松さんと飛山さんって作風、似てるんですね。初めて気がつきました。
赤坂大歌舞伎
松竹
赤坂ACTシアター(東京都)
2010/07/12 (月) ~ 2010/07/29 (木)公演終了
満足度★★★
面白さの原点!
小難しい事を考えずに笑えばいい!仏頂面で観ていたとしたら、そんな自分がバカらしく思えてきそうな、とても‘いい笑い’が溢れていました。流石ですね。勉強になりました。
ただチケットS席13500円と言うのはどう考えても高い気が…。親しみやすい人情劇ですし、もうチョット敷居を下げてもいいのではないかなと…無理なんですかねぇ…。この値段では人にはススメづらい…。
昭和85年
TEAM JAPAN SPEC.
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★★
昭和史の一部を真摯にかつわかりやすく
満州事変から太平洋戦争に至る昭和史を地方財閥家を中心にして経済の視点から真摯にかつわかりやすく描いた大人の芝居、な印象。
ストーリーは若干起伏に欠ける感がないでもないが観応えあり。
また、年だけ変えて同じ日を定点観測的に描く手法に井上ひさしの作風も連想。
エネミイ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2010/07/01 (木) ~ 2010/07/18 (日)公演終了
満足度★★★
通過点
性別、年齢、家庭環境など観る人によって全く違った印象を与える
作品だと思う。 テーマがテーマなだけに、「誰が間違っている」とか
「誰が正しい」というのをひとまず置いておいて(あるいは観客に任せて)、
ストーリーだけ投げかけた作品ですが。 間口は大きく広がったと思う。
登場人物で、特に共感出来る人は残念ながらいなかったけど、
観るべき作品だと思うし、観終わった後は共感、あるいは出来ずとも
自分に近しいと思える人を舞台の上に発見出来る作品ではないかと。
ネタバレBOX
演出を蓬莱氏自身で無く、別の人、鈴木氏が手掛けたのは
正解だったと思う。
蓬莱氏は過剰というか、突き抜けてしまうのでテーマは心に
突き刺さってくるのだけど、その分ものすごく疲れるから。。。
鈴木氏の、基本大らかで〆るとこだけきちんと〆るという演出は
バランス的によいと感じます。 蓬莱演出だったら、多分重苦し過ぎて
二時間以上は耐えられなかったと思う。。
内容は…一言でいうと、「依存する人たち」の話かな。。
一家全員、来訪者の二人、山田、みんな何かに依存して、「それが
私の生きる(進む)道」って感じで生きている。
演出では相当抑えていたと思う部分だけど、結局そこが感じ取れたから
誰にも共感出来なかったのかも。
母親は明らかに父親と脱コミュニケーションなのに「お父さん仕事
頑張った!!」って言っちゃう辺り、日本人だなぁ、と。
姉。 あんま重要じゃない役回りだけど、言っていることは一番現実的で
よく理解出来る人だった。 何だろう、感覚が一番マトモだと思った。
男四人。 うん、みんな同じようなものだね。
それぞれが思うファンタジーの中、「敵」に向かって腕を振り上げて
いるけど、その拳は「敵」、ならぬ「的」には当たらない。
だっていないもん、敵なんて。
自分がいると思っているモノと闘い続けるのって何よりも辛い。
ファンタジーの中にいるから、互いが理解し合えない。 問題は
そこにあると感じました。
この中で一番礼二と歳が近いけど…
彼がシフト表の話をし出した時、凄く真面目で優しく他人想いであることは
痛いほど伝わってきたけど、正直「ふーん、それで?」と感じてしまった。
彼の自己犠牲的に匂う部分がどうしても受け入れがたかったのもあるけど
彼と、現実世界の深夜遅くまで頑張って仕事しちゃう入社したての社員とが
ものすごくオーバーラップし、そこに昔の自分を見るような気がして。
今だからいえるのだけど、↑のような感覚って結局「自分が」っていう
思いが強過ぎるんだよね。 自信過剰というか、自己本位というか、
最終的にはそこに行きつくし、やがては自分で気がついて脱却していく
べき「通過点」だと思うから。
なので、ヨーロッパ旅行に誘われた礼二が断る気持ちもよく分かる。
ヨーロッパ旅行より、今の自分にはやらなきゃいけない仕事があるから
よそに目を向けられないという想いですね。 すごく生々しかった。
でもそれは結局、自分を中心においている発想なんだよね。
余裕が無いし、「入れ込む人」というのは、まだ自分に自信が無い人の
裏返しということもよく分かっていると思うから。
でも、断言出来る。 彼は必ずヨーロッパ旅行に行くし、三里塚にも行く。
父親の、「年をとって一番辛いことは、昔のことを正確に伝えられない
ことだ」というのはすごく名台詞。 一番心に響きました。
くちづけ
東京セレソンデラックス
シアターサンモール(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
放送禁止用語の連発でしたね
とても映画やTVドラマでは表現できず、
まさに芝居出しか見れない作品でした。
丁寧に作られていて、隙無く。
見事に最後まで、一気に観客もってゆくスゴイ劇でした。
ネタバレBOX
幕を用いたニュース速報とか、オープニングムービーなど。
なかなか楽しめました。
全体的に明るく楽しく見れるのに、最後までひっぱりつつ。
きちんと人の死を描ききっていて素晴らしかったです。
ラスト近くの、愛情いっぽんのバックが暗くなり。
灯りの十字架がみられる演出など。
音や光にも凝っていて、さらに登場人物のメインカラーなども
決めているようで。大変判り易かったです。
文句無しに今年の、自分の観た最高の芝居だと思えました。
追伸 主人公の手の癖は、我が家のブームになりました・・・。
わが友ヒットラー
Project Natter
ザ・スズナリ(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
4人の役者による、濃厚な時間
三島由紀夫の原作通りに上演されていたようだ。
やや時代がかった台詞ながら、この原作が面白い。
休憩10分を含め、2時間30分の上演時間だが、それは長くない。
4人の俳優が、聞かせるし見せるのだ。
舞台の中だけでも、登場人物の関係と立場はわかるのだが、ネタバレ(つまり話のあらすじ)を厭わず、このあたりの時代について、あまり事実関係を知らないのであれば、「エルンスト・レーム 」(人物名)や「長いナイフの夜」などのキーワードで検索して、関係を頭に入れておくのもいいかもしれない。
もちろん、まっさらで舞台に望みたい方は、当日パンフのキャスト表にあるそれぞれの簡単な説明を読めば十分だと思う。
ネタバレBOX
ヒットラーが政権を完全に掌握するきっかけ(条件)となった、突撃隊等の粛正、いわゆる「長いナイフの夜」をめぐる舞台。
まるで夢見る詩人のように、軍人と軍隊を熱く語るレームとヒットラーは、今までナチスを大きくするまで一緒に戦ってきた友人なのだが、さらにそれを大きくするには、友人であるレームの存在が邪魔になってきた。
同様に、党内左派のシュトラッサーも、現在は隠棲状態にあるのだが、ヒットラーにとって邪魔な存在になっていた。
自分のために、それまで一緒にいた仲間を粛正するということで、ヒットラーはより大きくなっていった。レームたちの役割は終わったということだ。
そして、クルップ(と軍)は、それを望んでいたのだ。
それは、ヒットラーの分別が感情を上回った瞬間なのかもしれない。つまり、ヒットラーが人間(性)を失っていく分岐点だったとも言えないだろうか。
友人レームを粛正するときの苦悩があり、翌日も酷い顔をしていたヒットラーには、迷いながらもその瞬間までは、人の心があったのだが、自らの銃声の音にそれを裁ち切り、さらにラストの台詞で、より正当化していく。
集団が大きくなるとき(例えば、企業などが)には、そうした苦悩の選択が必要だと言うこともある。昔の仲間を切り、集団をより大きくしていくという決断だ。
しかし、それは、実は、自らを孤立させる方向に向けることになってしまうのだ。
結局、粛正を恐れ、イエスマンだけに取り囲まれ、良くない情報は一切耳に入らず、集団の行く末を危うくしてしまう。レームのように語り合える友もいなくなってしまう。
まさに、ヒットラーがそうだったように。
つまり、このときのヒットラーの選択は、党を大きくし、政権を取るというスタートではなく、自らと自らの党の崩壊のスタートだったと言えるだろう。
人間としてのヒットラーではなく、機能としてのヒットラーにクルップも軍も期待し、この後、一蓮托生の道を歩むことになるのだ。
レーム、シュトラッサー、クルップという、ヒットラーの周囲にありながら、それぞれの立場が異なる人物たちが、ヒットラーや他の人との微妙なバランスや距離感を感じつつ、自分の立場を明らかにしていくという原作が良く、俳優たちは、その微妙なニュアンスをも的確に見せてくれたと思う。
うまい俳優が4人で、濃厚な時間を創り上げる。
膨大で、過剰な台詞を、熱くやり取りする様が心地よい。
2時間30分の上映時間も長く感じなかったのだ。
幕切れもいい、そのときのヒットラーの台詞も効いている。
レームを演じた浅野雅博さんが印象に残る。ヒットラーを信じ、友情を大切にし、古くさいロマンチストで、過去を語る。友誼や無骨さといった前時代の遺物のような軍人がよく出ていたと思う。
若松武史さんも、独特の雰囲気を漂わせ、老獪というより、まだ脂ぎっているクルップを演じていた。
ただし、いくつか気になったことがある。
まず、ヒットラー役の笠木誠さんの独特の台詞回しだ。まんとなくまどろっこしいその台詞回しは、確かに印象には残るのだが、慣れるのに少々時間がかかった。また、一部イントネーションが危ういところがあったのも気になったところだ。
また、2幕の冒頭にクルップが軽快でコミカルに登場するのだが、あれはやり過ぎではなかろうか。私の目には、演出としては、悪ふざけと映った。場内には笑い声が起こっていたが、そんなことで笑いをとってどうするんだ、と思う。ほんのちょっとだけ軽快でよかったのではないだろうか。
さらに、1幕でヒットラーが演説しているときに(後ろ姿)、舞台の前で、別の登場人物たちのやり取りがあるのだが、そのときにヒットラーは演説をしているのだから、声は聞こえなくても、身振りぐらいは必要だっただのではないだろうか。それによって、例えば、歓声が上がり、前の2人のやり取りが妨げられるぐらいの感じがあってもよかったように思える(歓声云々について戯曲にはそういう指示はないが)。
イカロスのかけら
NICK-PRODUCE
シアター711(東京都)
2010/07/13 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★
趣向倒れの感も
初見の劇団。前回の公演のときに面白そうな劇団だなと注目し、今回クロカミショウネン18のワダ・タワーが客演するというので、この機会にと思って観にいった。1時間10分という比較的短い時間の芝居で、2つのドアを使い、シアター711をまるでギャラリー公演のような空間使いにした。映像を挿入したり、ピアノとチェロの生演奏も入り、趣向としては大変面白いのだが、芝居の内容そのものがあまり面白くないと思った。もっと緊迫感のある脚本だったらこの趣向も生きたのにと思うと残念。
ネタバレBOX
HPの以前の公演写真を見て、ダンスパフォーマンスも取り入れたもっと抽象的な内容を想像していたが、意外に普通の芝居だった。田所という見知らぬ人間からの葉書を手に、「曽我久仁子の追悼式」に参列すべく、ゆかりの人々が会場のシアター711に集まってくる。チケットがその葉書になっているところが洒落ている(細かいことを言うと、文中「ご来臨」という最上敬語を使う場合は「賜りますよう」と続けるのが普通かと)。
まず「追悼式」を執り行う意味が「列席者たち」同様よくわからなかった。横溝正史の小説のようで期待感をもたせ、家族や友人の複雑な事情が明らかになっていくが、意外にあっさり決着がついてしまう。曽我久仁子という人物の意図もいまひとつ不明。話の展開が面白くないためか、こんなに短い芝居なのに途中で眠気を覚えた。特に田所が持っているクマのぬいぐるみ型通信機を使っての久仁子とのやりとりの場面が子供騙しのように馬鹿馬鹿しい。
なかなか個性的な俳優をそろえただけに惜しい。田所の松本寛子をはじめ、異父兄弟・涼の柏原直人、涼の恋人・美鈴の木母千尋、変装バーの主人で久仁子の友人・ロザンヌの佐藤大樹が印象に残った。久仁子の長男誠役のワダ・タワーはクロカミショウネン18での役どころを思わせ、笑わせてくれた。生演奏は大変耳に心地よかったが、芝居そのものにうまく溶け込んでいたかと言うと疑問が残る。
なかなかユニークな試みだとは思うので、回を重ねて洗練されていくのではと期待している。
河童の水際
Jungle Bell Theater
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了
満足度★★★★
切なく、心温まる!
客席からはおばちゃんのアッとかいう声や、鼻をすする音が聞こえてきました。
ネタバレBOX
この世にやり残したことのある人が河童になり、思いをとげると水になって消えてしまうというこの村の伝説。
そんな設定があるから、目の前の河童がみんな自分にとって大切な人の化身と思ってキャッチボールをしたりします。
実際は犬のシロ、河童がお座りをしてワンと鳴いて切ない。また会いたいから、いったん受け取った模型のボートを河童に返すわがままさ、分かります。
脱獄囚が改心するように偶然の出会いが仕組まれていて、登場人物はそれぞれに役割はあったのですが、なんとかグループのように書かれたパンフレットを見た瞬間に少々げんなりしました。