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暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

初見でした
人気なのもわかる気がする。むかでの子が可愛くて仕方ない。

Goodwill~王子支店~

Goodwill~王子支店~

spacenoid

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/20 (火) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

良質な人間ドラマ♪
"グッドウィル”というタイトルから、派遣スタッフや末端の社員たちの悲哀を描いた、どちらかというとディープな内容を想像してたんだけど‥ぜんぜん違ってまるで人情喜劇のような内容でとっても面白かった♪登場人物たちもそれぞれ個性的でいかにもいそうな感じだし(多少ディフォルメしてるとは思うけど‥)、派遣業界の描き方も非常にリアル。
正直ちょっと綺麗事だよなぁと感じてしまう部分もあるけど、良質な人間ドラマとして十分楽しめる作品だった。

ネタバレBOX

ただグッドウィルに限らず、"人材派遣業”という存在自体を肯定するつもりはないけど‥。
あそび

あそび

山田ジャパン

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★★

良かったなあ
「ソリティア~」に続き観劇山田ジャパン2回目。
ソリティアはなんとなくネットを見てたら気になって
当日予約で一人ふらっと観にいった。そしたら
面白い!ストーリー、キャスト、音楽、しびれましたよ。
笑いメインで考えさせる深いけど身近なテーマ。
キャストのみなさん、いい顔してました。

「あそび」は友人2人を誘い観にいきました。
どんな内容か期待と不安。私、男ですが「車」それほど
興味ないので。 でもステージのセットはかっちょいい。
照明もいい。CUTTの音楽も普段聴かないジャンルだが
とてもグーです。今回も笑えて、沁みて良かったなー。

でもソリティアのほうが正直好きかも。でもでも「あそび」良かった。
演劇関係者でもなんでもない整備工員のようなショボイ?私ですが
次回公演もおおいに期待しつつ、日々の労働に勤しみまーす。

椿版『天保十二年のシェイクスピア』

椿版『天保十二年のシェイクスピア』

椿組

花園神社(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

3時間近いとは思えず
沙翁のあれやこれやを実に巧く組み合わせ、そこに落語風味(あるパートはまんま人情噺では?)も漂わせて見事。
終盤での借景は恒例だが、まさかあんな手法やそんな手法もここで使うとは、なサプライズ的な演出もあって存分に楽しむ。3時間近いなんてとても思えん。

ネタバレBOX

それにしてもここで宙乗りや屋台崩しまでやってのけるとは。
また、四大悲劇、ロミジュリ、リチャード三世、それに「夏夜」(惚れ薬とか)はワカったが、双子ネタはいくつか(「間違いの喜劇」ほか)で使っているので特定できず。
また、浮船太夫のくだりは沙翁よりも古典の人情噺のような気がするが果たして…?
Goodwill~王子支店~

Goodwill~王子支店~

spacenoid

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/20 (火) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

ベタで解りやすく楽しい!!
実際、労働派遣業の現場の経験者という作家が描いた本だけあってリアル感むきだしの物語。登場人物のキャラクターが実に可笑しい。どうしたってあんな輩、採用しないでしょ!って人物もすんなり採用されちゃう、云わばボランティア満天マウンテンのグッドウィル王子支店長。笑

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

王子支店内勤の社員・支店長こと福居、同じく内勤のバイト・早稲田出身の堀野、同じく内勤の赤一点・奥村が仕事する王子支店では派遣員として登録している現場外勤の5人が居た。彼らはガテン系、元引きこもり、家出組など雑多な人間の集合体のようなものだ。笑

単純だけれど、いかにも使いにくそうな彼らを福居がことごとく上手く捌いていくさまがお見事。言い方次第というけれど、確かにそうだ!笑

彼らの中には夢や希望を抱き、その実現の為に空いてる時間を有効に使おうと派遣に登録する者、はたまた、何になりたいかが解らずとりあえず登録している者。様々だ。だけれど彼らは時としてふと振り返り、自分の人生をどう思うか?なんて不安にもなる。将来の希望が見えないからだ。そんな不安定な感情と能天気な感情を入り混ぜながら派遣に携わった彼等が働き、会社が無くなるまでを再現したような物語だった。

コメディと捕らえていいと思う。そのくらい可笑しくて楽しい人間模様。キャストらの演技力はどなたもしっかりしていて、きっかり魅せる。お勧め。

Goodwill~王子支店~

Goodwill~王子支店~

spacenoid

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/20 (火) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

201007221400
201007221400@王子小劇場

幸福な職場

幸福な職場

劇団 東京フェスティバル

小劇場 楽園(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

温かい気持ちになりました!!
養護学校の生徒が出てきたころからジーンときてしまいました!!

ネタバレBOX

素晴らしい演技でした。

仕事に人間が合わせるのではなく、人間に仕事を合わせることで解決できることがある。優しい考え方に賛成!

少子化や電子黒板の影響でチョークの需要はじり貧だと思っていましたが、ガラスに書ける新商品があったなんて驚きでした。

昭和34年、私もあれで南海ファン、杉浦ファンになりました。ところで、あれから50年、生まれたばかりの息子も50歳、それがあんなにもさーっとした動きをするなんて!!??

若い俳優さんで、中年のことが分からないかもしれませんが、周りの50歳を見てください。あんな人いませんよー!!

もうひとつ気になったのが、黒衣・白足袋のときに履く草履です。私のイメージでは白い(鼻)緒だったので黒い(鼻)緒に違和感を覚えました。今、一休さんのコマーシャルが流れていますが、やはり白い(鼻)緒です。
トラブル万歳!

トラブル万歳!

劇団クロックガールズ

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

傍聴人もうかうかできない!
若手弁護士、中堅弁護士、裁判官も常に成長過程の人間ということを実感させます。

ネタバレBOX

いくつかの具体的な訴訟事件を取り上げ、裁判の様子やその背景を示しながら、最後はお客さんのアンケートによって判決を下す、裁判員制度のような観客参加型お芝居でした。途中、客いじり的意見聴取もありました。

裁判所の待合室での会話が面白い!!

訴訟マニアって、クレーマーの進化系と考えると、あーめんどくさい。今後増えるかも。しかし、判決が出て、きちっと排除できればその方がいいかもしれませんね。

本音が言えない人の気持ちが考えられるのがベテランの証ですか。
JUDY

JUDY

グーフィー&メリーゴーランド

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

カッコ良さに、焦点あててます。
戦争ものって、悲し過ぎたり、重過ぎたり、しがちですが、美濃部隊長の生き様に、焦点をあてて、カッコイイと思いました。女子学童隊長?ちょっと年配役の方や、サンシ弾きの方も、良い味出してました。坊主頭も潔いし、衣装だけでなく、靴下や、日本手ぬぐいの、ほつれ具合まで、ほぼ完璧でしたが、気になる点は・・・

ネタバレBOX

景色造り?背景が、物足りなかったです。基地は、雰囲気でてました。変えようの無い劇場事情の中、時代も空間も違いすぎるので、大変だと思いますが、もう一工夫欲しかったです。黒幕シーンが、多すぎました。ラストが、素敵なのに、黒幕だけでは・・・せめて、遠くに、少しだけでも青空とか?お日様の光とか・・

戦争の重さ・暗さに対して、女子学童の無邪気さを出してるのは、わかるが、そのシーンが度々で、濁り始めてた。男子も、個性の出し方が、遠慮し過ぎ・・・で、物語的には、好きなタイプなんだけど・・・若手の演技力に、物足りなさを、感じてしまい・・・でも、これからの可能性は信じられる劇団!厳しいけど☆☆☆
幸福な職場

幸福な職場

劇団 東京フェスティバル

小劇場 楽園(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

この50年で日本人が失ったもの
考えさせられました。やさしさとか謙虚な心とか、いろいろありますが、この芝居を見て思ったのは、発明とまでは言えない日々の生活の中のちょっとした創意工夫、誰に教わるでもなく持っていた生きていくための知恵みたいなものが失われたなと感じました。あまりに豊かになりすぎて考えなくなったのか。。。そのささやかな知恵と工夫の積み重ねが日本を作っていたのでは。。。たくさんの人に見てほしい芝居ですが、あまり大きな劇場で上演してほしくもないのでぜひ「楽園」に行ってください。

ヤマト版 夏の夜の夢〔公演終了!今後は「天幕旅団」としてリニューアル致します。〕

ヤマト版 夏の夜の夢〔公演終了!今後は「天幕旅団」としてリニューアル致します。〕

笑劇ヤマト魂

劇場MOMO(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

喜劇バージョンを観た。
「夏の夜の夢」原作戯曲をそのまま上演した「喜劇版」。この戯曲は知らない方はいないと思うので筋は割愛。そして今回で活動休止するというヤマト。主宰の渡辺は「天幕旅団」というユニットを新たに旗揚げし、12月に公演予定とのこと。
ですから、今回が見納めかもしれない。。


以下はネタばれBOXにて。。


ネタバレBOX

コミカルでテンポの良いセリフが続く中、ワタクシの観た回はキャストの噛みが目立った。そりゃあそうだよなー、セリフは早口、しかも長い。普段、ゆっくり静かに話すワタクシなどはそのテンポに耳が慣れるまで数分はかかる。笑

今回はバルーンタイプのスモッグにワイヤーを入れた可愛いらしい衣装で妖精らしさを演出し、全体的にファンタジーさを醸し出していた。早口セリフの中にコミカルなジョークをかんなり沢山、挿入してあったが、何故か観客は笑っていない。たぶん、聞き逃したか笑いのテンポがずれてしまって笑えないのかも知れない。その繰り返し。

つまり、よくよく耳をかっぽじって前日にはふわふわの耳かきでもって手入れをし、たまには夜のネオンがキラメク「耳かきサロン」なんかへ通ってくっきりきっちり垢を落とすのもヨシ。更に欲をいうならヤマト見納めのため身も心も清らかなる聖水でもって洗い流し、霊験あらたかな気持ちで粛々と拝見するもヨシ。
婦人口論

婦人口論

財団、江本純子

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/07/15 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

初見
以前、なにかで「劇団、本谷有希子」を真似て付けた劇団名だと読んだことがあったが、上演開始前のナレーションも本谷有希子女史同様、ご自身でしていて、笑いを誘った。
内容としては、クスリと笑えるお下劣さが前面に出ていて、それはそれで嫌いではないのだが、シーンひとつひとつが無駄に長くて、ちょいちょい飽きが来た部分も。そもそも、演者が面白い人ばっかだっただけに、そんな話じゃなくても・・・。

ツイッター・ア・ゴーゴー!

ツイッター・ア・ゴーゴー!

マグズサムズ

アイピット目白(東京都)

2010/07/15 (木) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★

ツイッターの特性を盛り込んだ意欲作。
日常のなにげない行動や本音をツイッターにつぶやくひとびとにスポットライトをあてたコメディドラマ。
ツイッターに依存するあまりリアルでの行動パターンや周囲との関わり方にも変化があらわれて、やがて『つぶやき』の全容が明らかになっていく様は痛快。
『なう』で繋がることへの危機感と安心感を得ているひとの両側面からニュートラルな視点で描いていたためか物語に若干うねりが欠け、やや一本調子だったように見えないこともないが、誰にでも楽しめる作品であることは確か。

ネタバレBOX

舞台の後方部は高台になっており、3つの開閉式の扉がある。扉の向こう側がツイッターの世界で、扉の前に立つキャストはツイッターのユーザーという設定。語尾は『〰なう』が基本形。

物語は面識はないが、互いにフォローしあっている会社員で残業中の野村、合コン中の会社員のよしえ、明日ハネムーンを控えている亀井清の3人が同じ時間、異なる場所で行動する様を描き、ツイッター上でフォローしているひとの最新つぶやきが、タイムラインの一番上に表示されるのと同じように、新しいつぶやきを認めると、これまでのドラマは中断され、最新のつぶやきに該当するひとへ物語がスライドするアイデアが画期的。ただ、終始そのスタイルだったので、後半は少々飽きてしまったけれど・・・。

ハワイで挙式だの、高級スパだのとツイッターではつぶやいている亀井清が来ていた場所は実は映画フラガールの舞台にもなった福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」で、婚約者の静香からは明日の式を取りやめる、とまで言われているトホホな状態。にも関わらず大ホラ吹いてまで世間の目を気にするってあるよなぁ・・・とか、
ツイッター仲間のよしえと亀井のつぶやきに好意的なRTをする一見無害でありそうな野村も、リアルでは契約社員の西川に仕事を押し付け、自分は恋人の橋本とのデートのことばかり思案する狡猾な輩だったり、しかし同僚の西川はその更に上をいっていて、そもそも仕事に手をつけていなかったり、
彼氏ができないだの、死にたいだの鬱なことばかりをツイッターでつぶやくよしえ(と思わしき)IDを見つけたトモダチの喜美が、同じくトモダチの健二と一緒によしえに、合コンで同席した薬剤師の南とくっつけようと表向きは奮闘するも、裏ではよしえのつぶやきを笑っていたり、よしえはそれを悟ったからこそふたりを咎めたり・・・。結局、なぁなぁで丸く収まったけれど、個人的にはここはもう少し本音で話し合って欲しかったかな。

劇中、時々3人の会話のやりとりが壁面に投射されることがあったが、私の座った位置からは画像が粗く、ピンボケしているように見えたことからあまり効果を生み出しているとは思えなかった。

あと、全体的に役者の声のトーンが上ずっているような気がしたのだけど、これは団体の特徴なんだろうか。コミカルでマンガ的なこの作品には合っていたけど、少し過剰なようにもおもえた。
銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

東京演劇アンサンブル

東大和市民会館 ハミングホール 大ホール(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/21 (水)公演終了

満足度★★★★

詩的な世界観を見事に表現
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」
の書き出しで始まる、かの「銀河鉄道の夜」を比較的忠実に、かつ、巧妙に舞台化。

ネタバレBOX

当然、舞台という時間的制約のため、全編くまなく、舞台化されているわけではないが、主だったシーンは比較的忠実に再現されており、見事に宮沢賢治の詩的な世界観を表現していた。
今年で20数年目の上演であるという。練りに練られた舞台は一見の価値がある。
原作「銀河鉄道の夜」は、造語の多さ、宮沢賢治の死によって草稿段階での発表となったことなどを理由に、多くの解釈が成り立つことは十分に理解できるが、原作で描かれる前半の黒を基調とした「死」のイメージと、軽便鉄道を降りた後の白を基調とする「生」のイメージの対比が本作からはあまり読み取ることができなかった。

市民ホールという制約にも関わらず、せり出しを使い、舞台の奥行きを出しているなどの工夫があった。
鳥採りが鷺を捕まえるシーンなどはおもしろい。

また、本公演は夏休み期間中であったこと、市民ホールとの共催であることなどが原因なのであろうが、小学生未満の幼児を含む子供を連れた親子連れが多数来場しており、舞台中に、声を上げる子供、それを制止しようとする親の声が入り混じり、静かなシーンでは、俳優の声が聞こえないといった場面が多数あった。
途中に休憩があったが、特にこうしたことをいさめるような場内アナウンスもなかったことから、劇団も許容していたのであろう。
そのようなことを知らずに、観劇した観客も少なくないのではないか。こうした事情は事前に想定されるのであれば、ホームページ等で事前に告知することが、劇団には求められるのではなかろうか。


ファウストの悲劇

ファウストの悲劇

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/07/04 (日) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

見ごたえあり
和のテイストを取り入れた作品。拍子木、三味線、笛などが随所に使われ、能や、歌舞伎をイメージさせられる。照明の使い方も巧みで、特に赤の色彩が強く印象に残った。
野村さんはやはりいい。勝村さんとの掛け合いも楽しく観たれた。全体的に華美な印象を受けた、これも蜷川演出のなせる技か。満足であった。

あそび

あそび

山田ジャパン

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★

やるせない男のロマンティシズムが全開。
アメリカン・ニューシネマの主人公に憧れたことがあったり、車の運転が好きだったり、何となく自分は惰性で生きているかもしれない、なんて予感を抱いたことのある男性にはたまらない作品だったのではないかな、とおもう。
あまり上手く言えないけれど、やるせない男のロマンティシズムが夕陽を背にゆらゆらとはためいているような、そんな気がしたのでした。

ネタバレBOX

女にモテたい、あそびたい、そんな月並みの欲望を抱えて何となく九州から上京したものの東京にビビり、神奈川県の中古車整備工場に住みこみで働く毎日を送っている春名耕平は、夢も希望もお金も女もいない、ないないづくしのさえない男。周りから愛されている様子も特になく、透明人間に近い存在。

舞台には彼が働く中古車整備工場が忠実に再現されており、車体の前方部分をぶったぎった本物の車が登場。しかも車輪の下に台車が取り付けられていて、ちゃんと駆動するようになっていてかなり迫力がある。

登場人物も、整備工場の社長、同僚、事務員、毎日やってくるお得意さん、暇をもてあましている派出所のおっさんに加え、中古車整備工場のお隣で稽古に励む劇団員等非常に個性的なキャラクターばかりで観ていて退屈しなかった。

特にお気に入りだったのは、劇団員&演出家&演出助手。劇団の名前が『パーフェクト・ワールド』であるのにどんな脚本なのかわからないけれど、台詞が「滅びろー!!」の一点張り。
ある時、彼らを煩がっていた工場の同僚の福田が昔芝居をやっていた頃の自分と共通点を見出した途端にこれまでの態度を一変し、アドヴァイスを送る関係性に発展していく様は面白かった。
個人的には「滅びろー!」の前後は何がどうなっていたのか、
とても気になったのでもう少し長めの劇中劇を希望したいところだったけれど。

劇中の会話はとりとめのないことばが指の間からこぼれ落ちる砂のように蓄積されていくような、砂の重みは感じられても会話の重さというか深さはあまり感じられないような感じだった。周囲が好き勝手に盛り上がるなか、イマイチついていけない春名の葛藤、というか空しさのようなモノを表現していたのかもしれない。

物語が大きく動くのは後半で春名の父と母が工場にやってくるところから。
様々な理由をつけて両親からお金をせびり借金を繰り返してきた春名に愛想をつかした両親は有り金全部持ってきて、金の切れ目が縁の切れ目とばかりに絶縁しようとする。最後に借りたお金は資格を取るために使った、と言う息子の言葉の言葉は耳に入らないようだ。

両親を引きとめることができず、立ち去る春名。
そして工場長からの社長から息子が2級整備士の資格を取っていたことを知らされた両親は息子の後を追い、車を走らせ、その頃耕平は見知らぬ町で『あそび』を探し求めていた・・・。

これまでと同じことを親子は繰り返していくのだろうな。ということを予感させるラストは車は走り出しても、人生は走り出せない窮屈さのような閉塞感が滲み出ていた。

作品タイトルの『あそび』とは、あと一歩が踏み出せないから、今を『あそび』=カミサマから与えられた人生の休暇のようにしておこう、とでもいうような男の孤独な一面を表していたのかな。

ところで耕平が上手に車庫入れを出来る日は来るんだろうか。
行きずりの女の子とあそぶには、まずはそこからはじめるのが肝かもしれない。なんて。笑
Re:カクカクシカジカの話

Re:カクカクシカジカの話

非戦を選ぶ演劇人の会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2010/07/20 (火) ~ 2010/07/21 (水)公演終了

満足度★★★★

行って良かった!
実行委員からの嘆願メールに、重い腰を上げて、行きましたが、正直、大変驚きました。
どうも、メッセージ色の強い、プロパガンダ的舞台を想像していましたが、きっちり、演劇として、面白い作品に仕上がっていました。
今までは、永井愛さんや、渡辺えりさんだの、ベテラン劇作家が書いていたこのメッセージ演劇を、今回は、戯曲セミナ卒業生でもある、若手にバトンを渡したことが、好結果に繋がったようにも思います。

一部の「Re:カクカクシカジカの話」は、若いに似ず、相当筆力あると定評の相馬杜宇さんの作、チャリT企画の主宰楢原拓さんの演出で、この2人が、実に驚くべき、力を発揮されていました。
リーディングだということを忘れるぐらい、とても演劇チックな展開で、芝居の出来としても、決して他に、引けを取らない舞台になっていたのは、本当に驚きでした。

この作品で、錚々たる大ベテラン俳優に囲まれ、驚くべき役者根性で、主役を好演された小山貴司さん!!一目惚れしましたが、丸尾さんの劇団の所属俳優さんでした。彼を知っただけでも、行った甲斐あり、でしたが、2部でも、知らなかった現実をずいぶん聞かされたり、3部では、つくづく演劇界の損失だと痛感させられた、井上作品にダイジェストながら、触れたりできて、本当に思わぬ感動舞台となりました。

今日は満席でしたが、昨日はかなり入りが悪かったようで、こんなに良い舞台なら、もっと人に薦めておけば良かったと後悔しました。

ネタバレBOX

1部は、教授にレポートのダメだしを受けた大学生のマサトが、期限付きで、核の問題を調べて行き、当初はネットで調べていたのが、最終的には、自分の目で、たくさんの資料を読み進めて行く内に、自分自身の見解にたどり着くまでのお話。主役の小山さんや、チャリT企画の役者さん以外は、ほとんど見知ったベテラン役者さんの揃い踏み。これだけのオールスターキャストは、かつて観たことないかもしれません。
中でも驚いたのは、演出家青井陽治さん扮する教授の美声。そう言えば、青井さんて昔は四季で役者さんもなさっていたのですね。

核抑止論派は、黒の衣装、非核論者は、白の衣装で、動きもついて、朗読劇に感じる面映さは全くなく、これは演出の楢原さんの手腕かと、改めて、彼の演出力に感服しました。
皆、役を演じる中にあって、実際の被爆体験のある、鈴木瑞穂さんだけが、御本人の役で、語られるのが印象的で、やはり圧倒的に、説得力を増しました。
核を持つべきではないという、最初からのこの芝居の上演目的がありながら、この作品を、1人の大学生の成長物語として、しっかり骨組みを建てた、相馬さんの脚本力にも脱帽しました。

実際被爆経験者にじかに話を聞きに行こうと、大学生のマサトが、朝鮮国籍の恋人と、広島の原爆ドームに行くと、それまで、白と黒の衣装に分かれていた登場人物が、皆色とりどりの衣装に着替えて再登場するラストシーンが、とても秀逸で、目頭が熱くなりました。

2部は、えりさんと永井さんの司会で、ドキュメンタリー映像作家の鎌仲ひとみさんの映像作品の予告編を観てのトーク。この鎌仲さんが、語る、日本の知られざる現状に、背筋が凍る思いがしましたが、時間的には、この程度が無難だった気がします。これ以上、語られると、あまりにも、観客の意識を故意に誘導してしまう危うさを感じもしましたので。
映像の字幕が、1部のセットの椅子で見難いところがあったのが、残念。準備不足だったと思います。

3部は、戯曲セミナー卒業生で、井上ひさしさんに師事した石原美か子さんと、長田育恵さんの構成による、井上戯曲の追悼朗読。これが、また、井上作品常連役者さんの勢揃いで、珠玉の井上さんの名科白が、ダイジェストで、読み継がれて行く、贅沢な構成。
どれも、心に響く科白ばかりで、改めて、偉大な作家を失ってしまったという喪失感に、胸がいっぱいになりました。
ただ、教え子の、個人的気持ちが入り過ぎた感があり、もう少し、短く構成した方が、より、井上さんの思いを伝えたように思いました。後10分短くまとめた方が、より感動が濃くなったように思います。
「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」の文章が、重く静謐に胸に響き、自分で、読んでみようという気にさせられました。

ヤマト版 夏の夜の夢〔公演終了!今後は「天幕旅団」としてリニューアル致します。〕

ヤマト版 夏の夜の夢〔公演終了!今後は「天幕旅団」としてリニューアル致します。〕

笑劇ヤマト魂

劇場MOMO(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

ぼくのすきなもの、
悲劇版を観劇。
結構スピーディに物語は進む。
原作知らないと結構きついかもしれない。
時々早口で、聞き取れないセリフもありました。

ネタバレBOX

公爵さまと、ヒッポリタ。
妖精の女王と王。
それを同じ役者さんが演じることで、対応させているのが面白い。

ただ、途中入るダンスとか、ポップな音楽とか、私はあまり好きではない。
なんか、集中力が途切れるというか。

パック役の女優さん、ヘレナ役の女優さんが素敵でした。
後半のヘレナにはせつなくなりっぱなし。
胸がちくちく痛い。
ヘレナとディミトーリアスの幸せを予感させるような終わり方は好きです。


でも、終わった後に、
「あれ?これ悲劇だったんだよね?」
とは思ったけども。
そんなに悲しい気持にもならずに、劇場を後にしました。

ただ、今回で活動休止とは。
悲しい。
じゃじゃ馬ならし

じゃじゃ馬ならし

Studio Life(劇団スタジオライフ)

博品館劇場(東京都)

2010/07/08 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

解りやすく親しみやすい
独特の観客層とのことで多少覚悟しつつ観劇に赴くものの、平日マチネの博品館劇場ということもあってか、普段とは違った客層のようであった。というより、役者さんが確実にやりにくそうなほど冷め切っている。後半にはアドリブで「ずいぶん静かな観客席だな」と言われてしまうほど。こういう公演は楽屋で「今日のお客さん怖いよ」と話題になっていそうだ。ラストでようやく手拍子が入り、僕までホッとした。

作品について。何より良かったのは、古典劇とはかけ離れたシェイクスピアになっていたということ。最初と最後に脚色が入っただけで、松岡和子さん訳の台詞もしっかりシェイクスピア調なのだけれど、そこには持って回った古臭さがない。作品自体はさすがにプロットの組まれ方が上手いので、物語に自然と入り込める。脚色も機能していたが、終盤はもっとスマートに終えて欲しかった気はする。あと、やはり『じゃじゃ馬ならし』の脚色は『Kiss Me, Kate』に敵うものはないかな、と。

劇中のナンバーはともかく、音響はどうしても馴染めず。親しみやすさやポップな感じを出そうとしているのかもしれないが、安っぽさというか「ハチャメチャ劇」みたいな感じが苦手。個人的な好みの問題ではある。

何より気になったのは、通じないギャグ?をあまりにもしつこく繰り返していたこと。「ファラウェイ」とか「ジョイナス」とか。全然わかんなくて、そのくせ後半になるにつれ使用頻度が多くなって、困った。客席でも理解している人がいなさそうだったから、途中で捨てた方がいいネタだったんじゃないかなあ。。

役者さんは岩﨑大さんのダンスと林勇輔さんの歌が周囲を圧倒していた。上手い人が一人でもいるとその人に自然に目がいくので楽しめる。

この劇団のアットホーム的な雰囲気はファンにとって嬉しいはず。終演後、主演がロビーに物販しに出てくるあたり、規模がなかなか大きい割には凄いこと。余計なお世話かもしれないが、今後どういった客層にアピールし、マーケティングを進めていくかが大切だと思う。

『「「「愛」を使う」と言う」とつぶやく』

『「「「愛」を使う」と言う」とつぶやく』

コマツ企画

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

奥が深い!
息をつかせないという言葉があるが、川島潤哉の役者としてのエネルギーと淀みない言葉にあっという間に時間が過ぎた。

物語はコメディではない。川島潤哉の人間的魅力と、独特の台詞術で、前半は笑いの渦だが、物語の構造が見えてくると次第に笑いが減り、観客はたったひとりの川島潤哉に圧倒されてしまう。

今回、役者として卓越しているだけでなく、作家としてもなかなかのものを感じさせてくれた。作品の構造が実に深い。構成が卓越している。作家としても今後が楽しみだ。

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