最新の観てきた!クチコミ一覧

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また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

海組みを見てきました
大内さんと畑中さんの海組みを見に行きました。
とても面白かったです!
しかし殺陣に少し疑問が残りました。
今週は空組みを見に行ってきます^^

百年時計【公演終了!】

百年時計【公演終了!】

声を出すと気持ちいいの会

演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)

2010/07/24 (土) ~ 2010/07/28 (水)公演終了

満足度★★★

荒削りでしたが、パワーをもらいました!
全体的に荒削りな感じを受けましたが、その分、大きなパワーに触れた感じでした。感想を絵と文で描いていますので、よろしかったら覗いてみてください。→http://blue.ap.teacup.com/chigusa/

少女仮面

少女仮面

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2010/07/24 (土) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

カッコよかった伊東由美子
劇団離風霊船の伊東由美子が「念願の唐十郎作『少女仮面』で、主役・春日野八千代を演じながら、この作品の一つのテーマである「老いていく肉体」を、今だからこそ身を以て表現する」とのことだが、皮肉にも50歳の伊東さんはじゅうぶん若くて魅力的(笑)。昨今の宝塚の男役にはすっかりなくなっている正統派タイプで懐かしくさえある。「老いへの執念と哀惜」には程遠い感じがしたが、その演技にすっかり魅せられてあっというまの1時間30分。「少女仮面」は何度観ても見飽きない面白い作品だということを実感。唐作品の中では比較的わかりやすい作品だと思う。

ネタバレBOX

「少女仮面」は昨年春のF/Tトーキョーの近畿大学版の際に詳しくストーリー解説をしながら書いたので、今回はあらすじは省略させていただきます。
冒頭の老婆(朱源実)と少女貝(浅田より子)の会話は高所で風に吹かれながらの場面で、なんとなく「離風霊船」というイメージ。これから「大人の門」をくぐるといった趣は薄らいだ。腹話術師(柴田明良)と人形(京本千恵美)は、柴田が二枚目のせいか近畿大版より哀切さがあり、人形の京本は宙吊りになってとても不気味(この人形、往年の宝塚トップスター、真帆しぶきに似ている)。水道飲みの男の荒谷清水は南河内万歳一座でもお得意の身体能力を生かす。春日野はあくまで本人だと思い込んでいる狂人だから、かつて白石加代子や渡辺えりが演じたように、本物の男役スターに見えなくてもかまわないのだが、伊東は60年代の男役スター古城都を髣髴とさせる美形で、登場したとき「嵐が丘」の「ヒースクリフ」そのものに見え、声もハスキーで魅力的だ。今回は「若さ」の象徴である少女貝が稽古の途中から高圧的になって立場が逆転し、春日野が打ちのめされる演出ではなかったので、腹話術師と人形との対比は生きてこない。満州の幻影場面でも軍隊の行進は出さず、防空頭巾にシャンシャンを持った乙女たちの可憐さが印象に残り、原作のもつ「虚構性」や「苦悩」は感じられなかった。原作のおどろおどろしさを体感したい人には不満が残ると思う。
演出は唐組の久保井研。意外にアングラのコッテリ感がなく、おしゃれな感じでまとめてある。それにしても、老婆が言う「なれるよ、お前なら。ステージに立てる。バリッとした宝塚スターに!なれないとしたら、女々しい組織のせいさ」という台詞、まさにそのとおり宝塚の実態を表していて(笑)、唐さんはよくご存知だなぁと別の意味でも感心した。
くちづけ

くちづけ

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2010/07/07 (水) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

泣ける芝居であることに間違いはない
結末は反則も反則、大反則ながら、そんなところや「飛び道具」的な人物(笑)も含めてここの持ち味なんだから致し方あるまい(爆)。
そういう手口をよく知っていてもホロリとさせられるのだから、「日本で一番」かどうかはともかく、泣ける芝居であることは間違いないか?
で、やはり中心となる金田明夫と加藤貴子が特にイイ。

反重力エンピツ(再演)

反重力エンピツ(再演)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

増す質量
初演を見ていないのもあって、大変楽しめました。
終盤にかけての、手札がパタパタと表に返っていく心地良さは流石。
表面的なやりとりから打って変わって、徐々に人物たちの質量がましていく様子は必見。

反重力エンピツ(再演)

反重力エンピツ(再演)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

別腹!?
キャストと演出の違いで、これだけ印象が異なるのは、友寄戯曲の強さの証明だなあ、やっぱりいい本だなあ。

ネタバレBOX

初演と比べると、個々の役者の演技の自由度が増したことで、いまを生きる、よりカジュアルな現代的な革命家たちによる権力闘争的な戯画感が強調された気がする。

そして当然ながら初演組の解像度は高く(例外は堀奈津美、かな)、
なかでもハマカワフミエは存在感が倍増。
そのため、
初演時に感じた「消えることでしか存在を認められない爆弾に共鳴してしまうような儚い存在」から一転、
ラストはさながらゲームの勝者のような雰囲気すら。

個人的には、舞台で福原冠も観たかった…。
百年時計【公演終了!】

百年時計【公演終了!】

声を出すと気持ちいいの会

演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)

2010/07/24 (土) ~ 2010/07/28 (水)公演終了

満足度★★

もったいない
「百年時計」というタイトルがいいのに内容といまいちリンクしていない。
物語の内容がいいのに構成がまとまりきれてなく、わかりづらい。
舞台セットや役者の演技がいいのに音楽でその良さを壊している。
全体的にもったいないな・・・と思わせる内容でした。
もっともっと良くなりそうな感じでした。

ただ、劇団のみなさんの演技が一生懸命で心に響いてきました。
次回に期待します。

『女探偵 vs 怪奇探偵』~Case File:鬼~

『女探偵 vs 怪奇探偵』~Case File:鬼~

しゅうくりー夢

ザ・ポケット(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/26 (月)公演終了

満足度★★★★

千穐楽スペシャルっっ!!!
東映戦隊モノのバーサスシリーズよりもずっと自然に2大シリーズの主人公の世界を融合させた上に、お約束のジュリーのみならず弘田三枝子の歌や76年当時の流行りものもたっぷり盛り込み、それらがほぼ(すべて?)ワカった身として面白さも二倍三倍、千穐楽スペシャルで拡張バージョンとなった150分を存分に楽しむ。

『「「「愛」を使う」と言う」とつぶやく』

『「「「愛」を使う」と言う」とつぶやく』

コマツ企画

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

観劇
観劇いたしました。

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

観劇
観劇いたしました。

反重力エンピツ(再演)

反重力エンピツ(再演)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

肌合いが変わって
戯曲を演出が自らの感覚で読み解いて。初演とは異なるテイストで作品が新たな力を得ていました。

再演が単なる繰り返しにならずに、戯曲の別の奥行きをしっかりと観る側に伝えていて、初演を観た方にも、戯曲のことなった肌合いを感じることができる、お勧めの公演でありました。

ネタバレBOX

初演時には、観る側の感性にいどむような部分があって、
密度を持った強いテンションが舞台を支配していた記憶があります。

今回の公演は、演出が
いたずらに初演を踏襲することをせずに
自らの感性にしたがって舞台のトーンを作り上げることで
戯曲のもつ別の奥行きを観客に表した印象。

初演時の時間を磨き上げるようなデフォルメがほどけて、
ひりひり感をもった舞台の空気にかわって
馴染むような肌合いがやってきます。
作品のテーマとなる感覚が
初演時のように戦闘服を着て観る側に挑んでくるのではなく
普段着で語りかけてくる・・・。

まだ初演から1年もたっていない、
それもがっつりインパクトを持った作品だったので
前回の記憶もしっかり残っていて。
でも、そこには初演・再演の優劣ということではなく、
戯曲の持つ懐の深さこそが感じられて。

もちろん、作品としても秀逸なのですが
それに加えて作品の再演の意義というものを
考えさせてさせてくれる公演となりました

役者の方たちも
稽古中に演目が変更になるなど、
大変だったと思うのですが
そんな風情はおくびにも出さず
キャラクターのニュアンスを
舞台のトーンに合わせて
したたかに作り上げていました。
ナチュラルなのですが
キャラクターの芯がぶれない・・・。
繊細な陰影を観客に伝えるだけの
安定が個々の役者にあって、
派手さはないのですが、
ボディブローのように
シーンごとのお芝居が観る側を閉じ込める
質感にかわっていく。

公演期間の前半での観劇でしたが
今が悪いということでなく、
膨らんで変容していく余白を感じる部分もいくつかあって、
後半に
このお芝居がさらにどう育っていくのか
見届けることができなそうなのが
残念でなりません。
暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度

暑かった
ちょっと考えて欲しい。演出的効果もそれほどないしね。内容だけなら面白かったはず。

X day

X day

地球ゴージャス

天王洲 銀河劇場(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

出演者それぞれの挑戦。森さんシリアス・ストレートな芝居観たい!藤林さん中国人,中川さんカリスマ美容師,good!
前作の大掛かりな総合エンターテインメント劇から
一変して、俳優6人の手作り感のある凝縮された作品に。

出演者6人がそれぞれ、演技だけでなく、歌、踊り、
パフォーマンス、楽器演奏など、新しい役、新しいことに
挑戦する舞台は、「私自分自身ももっと挑戦しなくては」
と思うほどにまっすぐな熱意が伝わった!

一番印象的だったのが、藤林美沙さんの中国人です。
喋りまくる中国語なまりの日本語のイントネーションがほんとに見事!
そしてそのバイタリティ!
観ていて自然で、すんなり入ってきました。

同じくらい森クミさんの精神科医もシリアスで良かった!
プロフェッショナルで孤独で、ひんやりとした感触が。
特に最初のACTのとき。
終盤はギャグに引っ張られすぎてしまって、ちょっと残念。
今後、もっとシリアス・ストレートな芝居が観たい!

中川晃教さんのカリスマ美容師のはじけっぷりもさすがです。
歌とダンスはもちろんすごいですが、
それより役柄の、楽しい中にも(けど実は複雑)
男気で変わり者のスタッフを集めて美容院をしている
という背景が、ちょっといいです。

最終ACTのカウンターバーでみんなの人生が
交錯するという構成も、面白いけれども、
無理やりで都合良すぎてありがちな感じもしましたが、
その日をX-dayとして、それぞれの人生を歩き出すシーンは、
やっぱり、グッと来ました。

反重力エンピツ(再演)

反重力エンピツ(再演)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

二回目
岡安さんに背中を押されリピート決行。
対面は見えるものが全然違うしね。
2度目の方が楽しめた。なぜだ。謎解きに脳みそ使ってないからか。
そして重大な事に気付いた。
ハマカワフミエ、痩せた……よね。
こう言っちゃなんだが、この人は必要以上に顔が可愛いのが玉に瑕だね。
いや、違う違う。表現間違ってる。
例えるなら「トキワ莊の青春」のモックンみたい…かな。
蛇足だが、藤尾姦太郎もいい顔してるなと。70年代の東映大部屋俳優の顔だな。
蛇足って…。

君といつまでも

君といつまでも

バジリコFバジオ

駅前劇場(東京都)

2010/06/17 (木) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

エンタメと芸術の見事なまでの融合。
一言で言うと、「面白かった!!」。小劇場から大劇場まで通用する、エンターテイメントと芸術を見事なまでに融合させた舞台。オリジナリティ溢れるデザインの人形劇を交えての演出は、独自のジャンルを確立していて凄いな、と。 何より、人間は沢山の人の思いでその生を受けている、という前向きなテーマがはっきりと前面に押し出されていて、子供から大人まで沢山の人に観てもらいたい楽しい楽しい舞台でした。
クライマックスのアクションシーン(特に女の子だけの殺陣)、ガンガンに盛り上げて行ってラストに全員で合唱という構成はすんごい私好み。ロックとクラシックを多用した選曲もいいし、音響も絶妙でした。大音響でも耳障りじゃなくて、いいスピード感で音楽が突っ走る。その結果、心臓がどんどん高鳴っていって、カーテンコールで思わず泣いてしまいました。素敵なお芝居をありがとうございました。また観たいです、バジリコ。

(感想遅くなってすみませんでした、、)

よせあつめフェスタ

よせあつめフェスタ

プロジェクトあまうめ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2010/06/13 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

単なるお祭り騒ぎではない。
twitter発とか、準備期間2週間とか。それらを全部凌駕するほど真摯な「舞台芸術」を見せていただきました。関わった役者さん・スタッフさん達の、今までの演劇人生の積み重ねがあるからこそのクオリティ。素晴らしい公演を見せていただきました!「twitter演劇」との一言で済ませたくないくらいです。
ちなみに、初見である堀越涼さんの芸術的な演技が心に残っています。久しぶりに「演技をみていたい」役者さんに出会った気がします。

(感想遅くなってすみません、、)

風雲!戦国ボルテックス学園

風雲!戦国ボルテックス学園

ピースピット

HEP HALL(大阪府)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度

はじめてのピースピットですが…
今まで見る機会がなかったので初めてのPP観劇。
非常に言葉に詰まる舞台でした。正直ぼくはこの舞台を評価できないです。
公演自体が関西小劇場の役者を集めた「オールスター感謝祭」的雰囲気が漂う舞台だったと了解したとしても…。

特殊な舞台設定を大きく活かすことができず、物語が展開しなくなり、挙句の果てには「作者の都合」だと公言して物語をムリヤリ進行させるという力技の連続の3時間。(休憩10分含)

ネタバレBOX

ある財閥(的な存在)が、歴史好きだということで、歴史上の人物を人造人間として再生させ、「ボルテックス(=渦)学園」に通わせる(飼っている?)というSF的な舞台設定。
SFは我々が所属している現実世界との対比で何かが語られたり表現されたりするものだと考えていましたが、今作にはそれが見受けられず、

「特殊な舞台設定でどれだけ大騒ぎできるか」

に焦点が当てられた芝居であったと思います。

物語としては、織田信長が強力な力で制圧しつつあるボルテックス学園に、宮本武蔵が転校してきます。武蔵は学園で一番強い者と戦って学園内No.1を狙いますが、人造人間として未熟だった武蔵は以前のような剣術の才能を発揮することができず、惨敗。武蔵は落胆しますが、そこから仲間たちとの助力(=友情)や自分自身の努力によって、かつての力を取り戻します。その間、学園を(理事長も含め)完全に制圧した信長。二人の最終決戦はいかに…。
といった流れだったように記憶しています。



人間ドラマとして見たとき、非常に弱い作品でした。ラストは信長と武蔵の一騎打ちの最中で幕を閉じます。どんな決着がついたかは観客に語られることはありません。では、この(あくまでオーソドックスなドラマとして)物語の最終的な目的(つまりオチ)はなんだったのか。
恐らく、

・男ふたりが真剣に戦う「様(風景)」
・そこ至るまでの「過程(成長)」

であったのでしょう。前者後者を含めて考えたとき、主人公である武蔵の「最強の者へ挑戦する」という感情は了解できます。以前のような力を持ちあわせていない悔しさから、努力・勇気・友情で力を取り戻していきますし、ご丁寧に一回挫折を挟んでの武蔵のセオリー通りの復活劇。感情移入もしやすい。

一方の信長は「(自分と対等の力を持つ相手がいなくて)つまらん」という立場でしかなく、自分に突っかかってきた男の相手をしているに過ぎません。動機としてどうしても弱い。

「強い動機」と「弱い動機」との対決では真剣勝負など想像できません。相対的な動機でお互いが戦うのが「真剣勝負」の醍醐味のはず。なので、ラストシーンのスローモーションでの戦いは、作中色んな場面で引用されていた週刊少年ジャンプ的に言えば

「こいつらの戦いはまだまだつづく…!!! ピースピット先生の次回作にご期待ください…!!!」

に見え、あぁ、この芝居は打ち切られちゃったんだ…と感じずにはいられませんでした。

恐らく信長に対して大きく感情を動かされないのは、信長の最大のライバル(という設定)だった前田慶次が原因かと思われます。
信長に匹敵するほどの力を持つ前田慶次。もし物語の中で前田慶次と織田信長の真剣勝負…!その結果、織田信長が学園統一!!!…となれば、「信長も熱い戦いを経て、学園No1になったのだな…」と、信長にもまだ感情移入できたかもしれません。しかし、最大のライバルは戦いません。その理由が「めんどくさいから」だそうです。コメディとしてのセリフだと了解したとしても、この作品の目的を信長と武蔵の真剣勝負とするなら、ここはふざけてはいけなかったのではないでしょうか。ドラマが弱くなってしまいます。
そういった中で、たとえ俳優が汗水流しながら大きな声で叫んだって、BGMとして劇的な音楽が流れていたって感動はできません。目の前で大きな声でギリギリなところでセリフを吐いている俳優を観るのは尊い瞬間ですが、だからといって感動できません。

AKB48の楽曲「会いたかった」を歌いながら女優陣が登場してくる、ブルース・リーの格好になって悪役をやっつける、武蔵が自信をなくしてムサコになる…などなど、これは学生演劇でもやらないあまりにも幼稚な演出でした。で、私が決定的に劇場内に孤独になってしまったのが、「お客さんが笑ってくれたら(戯曲賞などとれなくても)それでいい」と作・演出の末満さんが劇中で客席に向かって告白するシーンです。ここで客席の一部がドッと笑うのですが、このセリフまで今作で笑うことのできなかった私はどうしてくれるのでしょうか?

俳優陣は男性は良かったように思います。男の子芝居なので、男性は演技しやすかったのでしょう。その反面、女性陣は苦戦していたように思います。結局、飾りとして扱われた感が否めません。前半は男性として演じ、後半の頭にある海水浴のシーンでは水着(ビキニ)になる、男性じゃなかったっけ?作者の都合だ!と言われてしまいます。女性陣には圧倒的に不利な作品設定と演出でした。

「特殊な舞台設定でどれだけ大騒ぎできるか」という舞台であったのなら、ある程度成功していたかと思われます。ただし、常識から大きく逸脱した舞台設定の割にはオーソドックスなものから逸れない作りなので、作品的に大騒ぎしているわけではなく、「オールスター感謝祭」のように演者がたくさん集まって、その人達が大好きなお客さんが集まって楽しい時間を過ごして大騒ぎしていたと言えると思います。
私は、そういった作品であったことを知らずに観に行ってしまったのかもしれません。よく知らない芸能人のファンクラブの集いにに行ってしまったような気にさせられました。
台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき

台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき

維新派

犬島アートプロジェクト内・野外特設劇場(岡山県)

2010/07/20 (火) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

犬島!!
今回の公演に関して言えば
あれだけの野外劇場を丸太で1から作り上げ、
その劇場前に屋台村を出現させ
犬島という島、自然、天候なども、1つの舞台として取り込み
あの空間を創り上げた
維新派の方々は本当に凄い!
(こんなこと、他の劇団では絶対にできない!)

あの野外劇場に音楽(内橋和久さん)が流れるだけで鳥肌もの!


だが、
肝心の作品はやや難解で
維新派を初めて観た びわ湖湖畔の「呼吸機械」ほどのインパクトはなかったかな。

ネタバレBOX

ストーリーだが
通して一つの物語という訳ではなく
20世紀 アジア各地に散らばった日本人移民のエピソード・物語が
断片的&重層的に出てくる。

後半でそれらが
1つの流れとして集まり、現代へとつながるという
構成になっていた。(たぶん)

いろいろな所や人に話が飛び、
(それも狙いなのだと思うが)
どうも焦点が絞りにくく分かりづらい。特に前半。

単純に派手にやればいいとは思わないが
「呼吸機械」で感じたような
息をのむこの世のものとは思えないような演出も少なかった気がする。
ディナーショー

ディナーショー

もざいく人間

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/07/26 (月) ~ 2010/07/27 (火)公演終了

満足度★★★

いちおうミュージカルでした
野仲真司、横島裕、2人の俳優への興味だけで、どんな内容のものかまったく知らないまま出かけた。「ディナーショー」というから、小劇場俳優たちが次々出てきて面白おかしく歌うのかしら、と勝手に想像していたが、いちおうミュージカルになっていた。何年もユニットとしての活動を休んでいた人たちの小規模な公演だから、会場は99%くらいの確率で友人、身内である。私のように、出演俳優の顔は知っているが、個人的な知り合いでも何でもないのに観に来る物好きな人間はたぶんいなかっただろう。
でも、観た収穫はそれなりにあった。

ネタバレBOX

幕開き、ロミヲ(岩田裕耳)とジュリエ(酒井杏菜)が森の中で愛の言葉を囁きながら「アハハハ・・・」とノーテンキに笑っている。岩田は芝居心のある人だけに独特な雰囲気を作っており、こちらが本編でも楽しめそうだった。
しかし、主役は農村青年たちである。彼女もできず、毎日畑で作物を黙々と作っているポプキンス(横島)、ロブソン(野仲)、アリス(中村圭吾)が夜の都会に出てくる。歌姫バーバラ(柴原麻里子)のマネージャー、デミグラス(中込恭史)の目をかすめて、3名までご招待の「ディナーショー」の招待券を手に入れた3人は会場に潜入。
アリスはバーバラと出会って恋に落ちる。バーバラは憧れの人気歌手タカオ・ホリウチに瓜二つのアリスに夢中になるが、バーバラを愛するデミグラスは2人の仲を引き裂こうと画策する。ポプキンスとロブソンはアリスの恋を応援する。
落雷事故の後、不思議な感電パワーを身に着けたデミグラスは、博士(アリスインワンダーランドのジョニー・デップそっくりの扮装をした野仲の2役)によって改造鉄人となり、バーバラを襲って感電死させてしまう。自分の意思で動かなくなったバーバラをディナーショーに誘ったアリスは、空想の中でバーバラとダンスを踊る。
アロハシャツ姿のアリスと白いドレスのバーバラを見て、「ハテ」と思い当たったのはレオナルド・ディカプリオとクレア・デーンズが演じた現代風「ロミオとジュリエット」の映画だ。
アリスとバーバラはシェイクスピアの台詞で愛を語らう。劇中の歌もしっかりミュージカル仕立てになっていて、大真面目で歌う出演者を見ながら客は爆笑していた。
野仲と横島のボケとツッコミのようなコンビの掛け合いも面白いが、劇中、TVの音楽番組の場面で踊る横島のダンスにキレがあってなかなか魅せてくれる。横島はミュージカルの勉強をした経験があるそうで、今回、振付も担当しているが、やはり俳優というのは自分に投資した分、成果が現れるものだなぁと感心した。横島の演技というのは、以前からアメリカのホームコメディーの登場人物のようだと思って見ていたが、中込の演じるデミグラスにもそういう雰囲気があった。
劇中劇で、マグロ(ウーザチャン)とハマチ(横島)が水槽を抜け出そうとして失敗し、料理人(中込)に捕まる場面は、デミグラスに捕まるバーバラを暗示しているようで切ない。
「もざいく人間」の次の公演は、来年の冬だそうで、まだずっと先の話。ミュージカルの要素を取り入れたものをやりたいとは考えているらしいが、その間、両人は客演で腕を磨くことになるようだ。
今回の公演、昭和30年代初めのTVの音楽バラエティーみたいな雰囲気もあり、なかなか面白かった。「もざいく人間」、長い目で見ましょう。
公演CDを1枚500円で「買ってください」と売り込んでいたが、活動再開のご祝儀公演の要素が濃いのだから、チケット代込みでお土産に付けてもよいのではと思った(笑)。
サンプリングデイ

サンプリングデイ

sunday

精華小劇場(大阪府)

2010/07/18 (日) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

大変巧みな舞台でした
とても練りこまれた構成、セリフ群で思わず唸らせる作品でした。音楽での「サンプリング」を上手いことライブの演劇に取り込み、消化できた作品です。スゴイと思う。

ネタバレBOX

あまりにも多くの人間が登場する作品なので、分かりやすいドラマが展開するわけではないし、いろんな人達が絡み合ってるなーと風景を眺めているような感覚になります。(動的に変化するスクリーンセーバーを見ているような…。)ゆえ、一時間あたりで一回作品性に飽きが来てしまいます。そこから何度かサンプリングのシーンが来るのですが、あのシーンが展開されるたびに芝居が一度終わったような感覚になってしまいました。
あと、上演時間を20分〜30分ほど短ければ大傑作だったなーと思っていますが、現状でも十分傑作です。良い舞台をありがとうございました。

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