『CHORIKO』 チョリ子
anarchy film
新宿アシベ会館B1(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★
もったいない
前作とは違って内容は素人でも理解できると思います
ただ、題材はアナーキーだとはわかるが、単純に台詞が聞き取れなくて、部分的にただ騒がしいだけのシーンがありました。
舞台だから仕方がないかもしれないが、単に熱い演技をすればいいってものでもないかな。
何を伝えたいのかが、情報が多いわりに演技が力業で分かりにくくて…
迫力は凄く、圧巻には変わりありません
ネタバレBOX
会場は相変わらず暑いです
また、痛がるなら痛がればいいのに、とか、声は聞き取れるけど、?と感じました
人間なら感情を素直に出せばいいのに、ジュナコの演技の癖らしきものに理解力が削がれました
見間違いじゃなければ、チョリ子の言動に対して常にさきよみしてる感がありました
神憑りな伏線があるんだとしたら、今回のテーマには必要ないんでは。後半と全然繋がらないし混乱
情報が多すぎと感じたのは主にそこです
主役級では、テルテルとコタロウが好演でしたね
チヒロも群を抜いていて目を奪われました。個人的には警察官も好きです
◎も観てみたいです。くどいけど会場の悪環境はどうにかならないのかな…
ホント色々もったいない
01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★
ソテツトンネル
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
地下の花火
二日酔いの夏。暑さに誘われ
非現実からの現実
終演後の覚醒
コンマ数ミリ単位の差
僕が僕であることの不自然さ
何かを分かったような状態が一番の無知
今後の中野さんの作品に期待です
express
PLAT-formance
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
先行きが益々楽しみ
15ミニッツメイドで、一目でファンになり、その時「観て来た」をコメントしたら、御招待頂けるということで、ありがたく、伺わせて頂きました。
ただの連作コントではなく、きちんと、ストーリー性があって、とてもお2人だけの舞台とは思えないような、クオリティの高い舞台運びに大満足!!
王子小劇場の機能性にもまたビックリしました。
まだ、課題はあるとは思いますが、とにかくお2人のバイタリティや、役作りの巧さ、爽やかさ、いろいろな魅力の虜になりました。
次回は、再演ものとのこと。より練られたより良い舞台が拝見できるに違いないと今から楽しみでなりません。
ネタバレBOX
2人のお笑いシーンから始まる舞台。ずっとこのまま行くのかと思いきや、きちんとストーリーが設定されていて、コント集と見せながら、最後のシュールな終わり方まで、とても秀逸な舞台運びに感心しました。
この舞台を観て、「ウインズ・オブ・ゴッド」を思い出しました。それは否定的想起ではなく、肯定的想起として…。筋運びは全く違いますが、シチュエーションが似ていました。でも、もし、何らかの先人の作品にヒントを得たとしても、こちらの作者のオカヨウヘイさんは、それをすっかりご自分の独自の作品に変容させる力があり、見事だと、感嘆の思いです。
安藤さんの酔っ払いの「お兄ちゃんさあ」の台詞ぶり、大好きでした。鉄道オタク少年も良かった!吉田さんは、お笑い芸人役と、駅長さんが、とても素敵な雰囲気で、年甲斐もなく、心が、少女化しそうでした。(モエってこういう感じかなと思います。)
鉄道少年が持っていた時刻表の表紙は、このフライヤーのモチーフでしょうか?そうだとしたら、小粋ですね。
15ミニッツメイドの時ほどの意外性や、スピード感、歌舞伎の早替わりのような手際良さは、ありませんでしたが、その分、人間描写がより秀逸だったように思います。
若いお2人が、瞬時に、様々な役の演じわけができるのには、本当に、頭が下がる思いです。
舞台運びを、何から何まで2人だけでやり、その上、吉田さんが音楽、お2人で、宣伝美術も担当されているようで、その手作り感も、心の琴線にビシッと触れてしまいました。
高校の同期生のお3人のユニットだからこその、お互いへの信頼が、客席にまで、伝わって、とにかく清々しくてなりません。
低俗な笑いや、ヒトを嘲笑する類のお笑いネタが大嫌いな私には、本当に理想的なお笑いユニットで、正に宝物を掘り当てた思いでした。
ただ、聖書ネタが、キリスト教に明るくない方には、わかりにくいのではと思う部分はありました。まあ、解るヒトにはより解り、解らないヒトでも、雰囲気で伝わる感じで、それほどのダメージとは思わないのですが…。
だから、13日の金曜日が、初日だったのでしょうか?
墨を塗りつつ
風雷紡
サンモールスタジオ(東京都)
2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
名探偵希望
明らかな横溝ミステリーへのオマージュ。
ここまでやるなら、いっそ名探偵が出てきてもいいんじゃないかと(笑)
細かな突っ込み所はあるのだろうが、
日本家屋のセットが充分いい雰囲気を作っていた。
それにしても蒻崎今日子のエロスは尋常じゃないね。
ネタバレBOX
真犯人が明かされるラストシーン、座席によっては見切れてないのかな?
青酸カリの包み紙までは見えないと思うのだけど。
express
PLAT-formance
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
ありがとうございました
楽しく時間を過ごさせていただきました。以下、私のブログに書いた「劇評」てです。
「Express」 PLAT-Formance 第八回公演
8月14日 14時30分の部 王子小劇場
劇ではなくコント。
むむ、これはと心配したものの、最後まで飽きずに楽しく見ることができました。なにより掛け合いが絶妙でした。二人のキャラクターもうまく生かした脚本だったのでしょう。
しゃべくりはかなり速いのですが、言葉遊び、表情や動作の工夫、間のタイミングなど、笑いの要素が凝縮されたコントでした。
この手のコント集団は、テレビのバラエティ番組を安易に真似て、楽屋落ち、下ネタ、弱者・欠点あげつらいのような、退廃とも思えるほどレベルの低いものが多いのですが、そんな風潮に迎合することなく、「正統派」(?)の笑いをふりまいていました。
好感の持てる劇団です。
同行したTさんもニコニコして満足した様子。
ぜひ、「売れないで」いてほしいと思います。
テレビに出るようになり、「安っぽい」タレントになってほしくないのです。
テレビよりも生の劇場公演で活躍してほしいと願います。
切に・・・
15 Minutes Made Volume9
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
良企画
15ミニッツ初体験!わはー!
いつもクオリティが高いと評判のオムニバス公演。
一回で6団体も見れるなんてとても贅沢。
だいたい複数団体参加のオムニバスって素舞台なことが多いと思うんだけど、ちゃーんとセットがあるんだよね。
運営側の力の入れようが素敵。
各団体が実験的で面白い。
団体の好みもあるけれど、6団体も楽しめるというこの企画自体に満足。
評価されてきたからこそ9回も続いているわけで今更私が言うまでもないだろうけど。
来年4月にはスペシャル15ミニッツをやるそうだ。
何団体でてくるんだろう!←そういうスペシャルなのか?
ネタバレBOX
ひょっとこ乱舞『わるぐち』
他人に対して怒ることが苦手な弟、はっきりとものを言う性格の兄。
お兄ちゃん指導のもと、悪口を言う練習を開始。
次第にその矛先は兄にむけられ…。
でも結局仲良し兄弟。
ひょっとこ乱舞は二回目です。
広田さんの描く人間関係が好きだわ。
なんかこう、苦みを残しつつもほのかにハッピーエンドなんだよね。好き好き。
セットを一番上手に使ってたかも。
犬と串『OCEAN ~失われし七つの秘宝~』
練習量が明らかに足りてないまま本番を迎えてしまった犬と串…という設定(笑)。
やけに演技演技した力いっぱいな役者、滑舌が最悪な役者、あがりまくって出とちる役者。
動線確保できてなくてあちこちでぶつかりまくる。
たまに不躾な客に野次をとばされながらも(もちろんこれも役者さん)なんとか芝居を続けていく。
幕裏で腕を切断するという即公演中止なハプニングにも関わらず「役者だから…」と舞台に立ち続けたり(笑)。
無駄にカーテンコール二回やって堂々の終幕でした。
犬と串、名前だけはよく聞いてたので楽しみでした。
でもこれ下手糞な芝居って言う設定だからどうもなぁ(笑)。
本公演はどんな感じなんだろう。行ってみたいけどいつも大隈講堂でやってるよね。
なんか行きづらいんだよな早稲田の敷地内。
ナカゴー『ジョゼたち』
缶けりをして遊ぶ小学生の話。それだけ。別に起承転結があるわけではない。
町の守り神が出てきたけど特に関係ない(笑)。
その小学生のうちの一人のあだ名がジョゼだったんだけど、特に主人公っぽいことはしてなかったな。どっちかっつーと脇役?
不思議な雰囲気の話だった。
小学生ってなんかちょっと気持ち悪い癖があったりするよね。
すぐ嘘ついたり、変にテンションあがったり、常に服の裾いじってたり。
その辺をすごくリアルにやってた。
衣装のだささ具合がめっちゃ小学生だった。こういうのいるいる。
シンクロ少女『性的人間』
妻と部下が不倫していたと判明した先生の心理描写を3人で演じる。
怒ってる人格と、泣いてる人格と、笑ってる人格がいる。
試みは面白いけど、先生3人対妻と部下、3:2の図がいろいろ不自然で大変そうだった印象が。
性描写が実にねっとりしてるんだけど、口調はあっさりで好み。
クライマックスには3人の先生がなんか脱ぎだして、なんか歌いだして、あれなんだったっけこの話って感じになった(笑)。
Defrosters『漫才』
お笑いライブに出る新人漫才コンビ、デフロスターズ。
自分たちの出番は終わったのだが、次のコンビの現場入りが遅れてる。
そこで再度出ていって繋ぐことになったのだが、1本しかネタをもってないため繋ぐに繋げない。
そこに遅れてるコンビのKYな彼女が乱入。
マネージャーが慌てて止めに入るも収拾がつかず。
演技が自然で、若干現実と倒錯してる自分がいた。
特にKYな彼女の痛さが尋常じゃない。やばい。痛すぎる。
最後全員で「いい加減にしろ!ありがとうございましたー」でうまく捌けていったのに、もう一回戻ってきて礼をしたのはなんか違う…。
いや、本編+カーテンコールの順番はわかるんだけど、本編の礼がすごくきっちり決まったからカーテンコールはなくてよかったよ。
Mrs.fictions『僕を寝かさない』
ドキ☆男だらけのお泊まり会(笑)。
眠れないので怪談話をしようということになる。
「知らないうちに人数が増えているが誰が増えたのか誰もわからない…」という話をしているまさにその場で人数が変わっていく。
が、登場人物たちはあくまで普通。
2人が3人、3人が4人に増えていくが最初からそこにいたかのように認識している。
そしてまた順繰りに人数が減っていく…。
気付いたら増えたり減ったりする、友達ってそういうもんじゃない?という結論。
ちょいちょい出てくる飲み物がいい感じのスパイスになってた。
さよならアンコール
劇団Smile BaKation
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/14 (土) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
とても素敵なファンタジー
一人一人の役者が個性的で、その個性を見事に作品に生かしていた。明るく元気で楽しい作品、見るだけで元気が出てくる。ラスト近く、みんなで車に乗って飛行場に向かうシーンがとても楽しかった。
墨を塗りつつ
風雷紡
サンモールスタジオ(東京都)
2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
比類なき切り口の意欲作
市井の人々(やや上流も含む)に戦争が残した疵というシリアスなテーマとリアルタイプの「犬神家の一族」的ミステリーを両立させた比類ない切り口で描いた意欲作。
二方が縁側で続き間もある十畳の日本間をスーパーリアリズムで再現した装置も見モノ。
墨を塗りつつ
風雷紡
サンモールスタジオ(東京都)
2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
ずっと観ていたかった。
なんだかやけに雰囲気がよくて、ずっと観ていたかったです。そしてずっとあの場所にいたかったです。
ネタバレBOX
それくらいに舞台がよくできていて、物語の進み方もちょうど好きな感じの速度で、まったとしてしまいました。
ただ、あの奥の部屋、たぶん正面の人達からは観えないですよね?自分は観れる横の席にいたのでよかったですが、そうじゃない人達はやきもきしたんじゃないでしょうか。
オグチさん役の人、上手いですねぇ、あの語りで完全にその時代に引きずりこまれました。他の役者さん達も皆さんほんとに実力があって、良くできた映画でも観ているような気持ちになりました。
OCEAN ~失われし七つの秘宝~
INUTOKUSHI
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
最高に最低な芝居
しかしまぁ、15分に詰め込んだもんだね。
採算度外視な感じがいいね。
そして最近、鈴木アメリが可愛くて仕方がない。
と言うのは営業妨害のような気もするが…。
15 Minutes Made Volume9
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★
やや低調
平たくいえば華がなかったかな。
期待していた犬と串と、ナカゴーには満足。
お月さまの笑顔
経済とH
ザ・ポケット(東京都)
2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★
悪いほうの予感が的中
この劇団のこれまでの公演、CoRichでは同業者以外の一般客には決して高評価とは言えず、自分の知人が公演に関わった際も躊躇して観ていなかったのですが、今回は新克利、新橋耐子というベテラン俳優を招聘したということに惹かれ、初めて観ました。特に、新さんは私の世代にはTVの売れっ子俳優だった時代が懐かしく、「最近テレビではお見かけしなくなったけれど」と消息を気にしていた矢先だったから、その肉声を聞けたのは嬉しかった。この人の声質が好きだったので。今回、最大の収穫はそれ。
しかし、内心では失礼ながら「あれだけの俳優さんたちを使いこなせるのかしら」という一抹の不安が観劇前にあったことも事実。実際に観て、申し訳ないけれど、自分としては悪いほうの予感が的中してしまった感じです。
☆はユニットに参加した俳優さんたちに敬意を表して。
ネタバレBOX
芝居の内容に触れる前に、自分の観劇習慣にも関係してくるのであえて書きますが、エコのためにチラシを最初から配布しないとのこと。これがエコの理屈としてはよくわからなかった。本当に不要な人は手付かずのまま、席に置いて帰る人も多い。エコをうたうなら、回収箱を置くなどして、劇団が資源ゴミに出せばよいのでは?エコのため、他劇団の折込を受け付けていないというのならわかるけれど(そういう劇団もある)、最初に配布しないのが必ずしも「エコ」になるのだろうか?チラシと一緒にパンフも最初に配布されないため、今回のように登場人物の多い芝居の場合、私などはパンフの配役表に目を通して、簡単な説明や人間関係を頭に入れてから観るのが常なので、不自由に感じた。
先日、MOMOでの「父の暮らせば」のように、チラシは事前配布でパンフのみ終演後手渡しという開演前説明のあった劇団もあるが、あれは2人芝居だし、パンフの終演後配布にはちゃんとした理由があったことが、パンフを読むと理解できたのだが、ここは事後配布の意味がわからなかった。
事実、冒頭に新さんの父親の声で、家族関係や喫茶店の常連客の説明をナレーションで入れるが、俳優らの演技力は十分あるから、パンフが配布されていれば、役名もわかり、このナレーションも省けるのでは?チラシの事前配布がない説明はあったが、パンフについては説明がなかったので、もしやパンフは作ってないのかと不安に思い、役名や人物関係を必死で記憶しようと余計な神経を遣ってしまった。観客にはあまり優しくないのでは?劇団が配役表を重視していないようなので、私も今回、あえて詳しい配役説明は書きません。
喫茶店の舞台美術はよい雰囲気だと思ったが、ドアチャイムをつけないなら、もう少しドアを軽くない作りにしてほしかった。内装と不釣合いに開閉音が安っぽく、トイレのドアと同じ程度に感じる。
お月様もいくら芝居のシンボルとはいえ、巨大過ぎて文字通り「浮いていた」(笑)ように思えた。
この芝居で一番不満だったのは、新橋耐子の芸歴だけに頼ったような失礼な遣い方。文学座の人気演目の台詞を言わせたり、夢の設定でお寒い寸劇(?)をやらせているが、取ってつけたようにしか見えなかった。特に無意味な三文芝居的寸劇は、観ていて屈辱的にさえ思え、背筋が寒くなって正視できなかった。稽古場ではどんなふうな演出風景だったのだろう。新橋には「お任せするので、大女優としてのひきだしを見せてくださればいいです」と演出家が言ってるように感じられた(実際はそうでないとしても)。寸劇の箇所に限らず、この芝居全体としても、新橋の役は、昭和のころのテレビの正月コメディーによくあったような、大スターが芸名そのままのゲスト役で出てくるみたいな印象だった。
小劇場に大物俳優が特別出演するなら、新しい一面を引き出すような、大劇場芝居にはない新鮮な体験を観客、俳優ともにさせてほしい。それには作・演出家にかなりの手腕がいるだろうけれど。
あの「ウッホホ、ウッホホ」はどうにも観ていて気恥ずかしく、冗談抜きで一種の自虐ネタなのか?と深読みしてしまいました(苦笑)。
若い編集者が、最初は担当編集者に定着したいという下心からかもしれないが、新橋のライターに近づき、2階で何かあったような設定で、その後、心底惚れたようなそぶりをみせ、直後に簡単に編集部をやめ、妻子もちであったことがわかるのも意味不明。この編集者は女性の40代半ばなんて問題外みたいなリアクションを会話でしていただけに、新橋に言い寄るのがわざとらしく不愉快に思えた。
新橋は孫娘との女同士の会話に、良い意味でのこの人らしさがわずかにかいまみえた。
夫(新)の若い頃の道楽は、妻(新橋)の多情で自由な性格を慮ってのことだったという設定も、「大人のいい話」にしたつもりなのかもしれないが、男性の視点で考えた脚本上の都合の良さを感じ、私にはすんなり受け入れられなかった。せっかく名優2人を招いて、2人一緒の場面が少ないのも残念。
また、長女の夫が長女にじゃれつく場面もやたらいやらしく、私には必要以上に品のない演出に見えて不快だった。Hなシーンの一方で、長男の経営状況や、商店街の景気の話も出てくるので、「経済とH」という劇団名の由来もそのへんにあるのだろうか(マジメにそう解釈した)。
目が悪い私は、後方席しか残っていないというので満月席で観劇。遅くチケットを予約しても、前の席にすわれるのは観客にはありがたいが、俳優さんにとっては前2列や前方センター(つまり満月席)に空席が目立つのは気になるかもしれませんね。昔、芝居では「ヤカン置いてもいいから前の席は埋まってないと気が散る」と言われてましたから(笑)。この座席設定も「経済」の観点からは理にかなってるのかもしれませんが、購入者が少ないというのもまた象徴的ですね。作品の質からいえば満月席の観劇料金は高く感じるが、有名俳優のギャラの点からやむえないのかも。
パンフを見ると、次回公演も新克利氏は出演予定とか。かつてのファンとしては気になるが、次のお芝居もこのクオリティーなのかと思うと躊躇するところです。
また逢おうと竜馬は言った
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★
主演2人がWキャスト!微妙な違いも面白い。【海組】はコミカル+クール!
夜の部は、【海組】の東京千秋楽。
今回は主人公の2人をダブルキャストでやるというので、両方を観ることにしました。
1日で!!
海・空2バージョンでは、2人以外にも周りの演技も変わっています。
細かいセリフの違いも結構ありました。
いちいち演じ分けてるのですね。
【海組】畑中智行、大内厚雄 の印象は、コミカル畑中+クール大内の組み合わせの妙でした。
また逢おうと竜馬は言った
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★
キャラメルらしいファンタジー。【空組】の印象は、二人とも必死で熱い!!
主人公は、愛読書司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の竜馬を敬愛しているから「龍馬」ではなく「竜馬」。
大河ドラマが龍馬になる前から決まっていたという今回の再演は、劇団の節目の度に再演されたキャラメルボックスらしい1作。
現代劇に、主人公がリスペクトする竜馬と、悪役がリスペクトしていた土方歳三が出てきて、2つの世界で対決するというファンタジー。
しかも、今回は主人公の2人をダブルキャストでやるというので、両方を観ることにしました。
1日で!!
いつもながらヒューマンな部分と、2バージョンの違いも楽しみました。
【空組】左東広之、岡田達也 の印象は、二人とも必死で熱い!!
『CHORIKO』 チョリ子
anarchy film
新宿アシベ会館B1(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★★
アナーキーでした。
それはそれはもうアナーキー感抜群でした。
ネタバレBOX
前回作について、誰かが上級者向けの芝居だと書いていましたが、まさに今回の作品もそうで、いやむしろそれ以上で、まだまだ初級の域を出られない自分にはなんとも難解でした。
とはいえ所々語られる、なんともいえないメッセージ性のある熱い言葉達にはついつい涙しそうになりました。
いい役者さん達がそろってますね。
通りゃんせ
ユニークポイント
座・高円寺1(東京都)
2010/08/05 (木) ~ 2010/08/10 (火)公演終了
満足度★★★
肩の凝らない「異文化交流劇」
とりあえず、雰囲気が良かった。
「異文化交流」というと、結構「衝突」「相互理解」というところに
スポットが当たりがちで、重くなり易いきらいがあるように思うけど
凄くバランスの取り方が上手く、良い空気を保ちながらも
伝えたいところはしっかり押さえられている。
この種のテーマのものでは良作品だと思います。
ネタバレBOX
最初、時間軸と場面、登場人物が交錯して誰が誰で
どの場面なのか結構つかみづらかったです。
慣れてきて話に入り込んでくると、あー、この
キャラにはこういう背景があったのね、と腑に落ちる点もあったけど…。
個人的には、話の本筋的にも星野さん他数人の人物は削った方が
分り易さの点では良かったんじゃないかなー、と。
印象に残ったのは。
結婚相手の姉にバツイチに関わる事情を徹底追及され、苛立った
長女がふと漏らした一言、「結婚、面倒くさい!」に、
韓国人の旦那が、
「あいつ面倒くさい」「仕事面倒くさい」「生きるの、面倒くさい」
「面倒くさい、ってそういう言葉でしょ?」
「五秒以内に謝って」
「今なら忘れてあげるから。忘れるのが僕の特技だし」
って向かって、謝らせたシーンかな。
あそこに秘めた怒りを感じて、言葉がボディブローのように響いてきて。
思うに「面倒くさい」って相手をやんわりと拒絶する冷たい言葉なんですよね。
それでいて、自分は傷つかない、便利で「空気も読める」、けど厭らしい
言葉だなぁ、って恥ずかしながら、あの場面で初めてハッと気付かされました。
あと、気付かされたけど韓国語というのか、韓国人というのか。
とにかく向こうの文化は、物事をあいまいにはさせておかない、と
いうのもこの作品では巧みに描いていますね。
唯一長女のお披露目式に参加しなかった長男と、その恋人なのか
友達なのか良く分からないあいまいな立ち位置の娘との関係がまさにそう。
娘の方は韓国語で直接的に愛の告白を投げかけるけど、当の
言われている長男は曖昧な「えっと、何言ってんの」的な返ししか
出来ない。 というか、しようとしない。
この二組のカップルの、些細なやり取りに日本と韓国、双方の
違いがさりげなく描かれていて、巧いな、とうならされました。
ラストも含めて全体的には淡白でしたが、雰囲気は終始柔らかくて
クスリとさせる場面もところどころで用意されてたりするのでお勧めです。
余談。全面的に出張ってくる二人組の妖精的(?)存在の女二人のしぐさや
表情がいちいちキュート過ぎる。 この劇のMVP。
「ロビンソン&クルーソー」 Robinson & Crusoe
TACT/FEST
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台への登場の仕方がオツ!
二人とも違った国の軍服を着て登場する。だからどちらも軍人らしい。屋根の上の二人を浮き上がらせる照明と音楽が素敵。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
序盤、英語圏の男がジェラルミンの箱に乗って屋根の上に辿り着く。この登場の仕方が中々いい。セットは長屋を思わせるような古びた屋根のみ。男は屋根からつたって部屋に忍び込み、ランタンやらブランケットやらを物色していると・・・
そこへ、もう一人のロシア人のような男が屋根に辿り着く。異国の二人は戦い、ロシア人のような男が囚われの身となって煙突に縛られてしまうのだが、夜になると、ウガッ!ガウー、ガガッ!!みたいな野獣の叫び声があったかと思うと、次の朝には反対に英語圏の男が煙突に繋がれていた。笑
また、その夜・・、前日と同じように獣が戦う声が聞こえ、今度は朝まで戦い続けた二人はお互いに疲れて休戦する。やがて彼らは身振り手振りでお互いの母国語で話しながら、どーにかこーにか会話らしい情景を醸し出すのだった。ここでのロシア人風男が吐くのはチャイニーズのような言葉だ。その意外性に笑う。
そうして彼らは屋根の上で一緒に暮らしているうちに友情のようなものが芽生え始める。無人島に男女一人ずつしか居なかったなら、必ずくっついてしまうように・・。笑
二人は部屋から木材を運んで来ては船をコツコツと作り始める。やがて、船出の時。二人の帰る方向は真逆だ。二人は別れのときを惜しみつつ抱き合いながら、進むべき方向に向かって船出するのだ。
物語はコミカルに流れ、演出とキャストが放つ雰囲気で、まるで観客まるごと、デンマークのどこかに漂流したような感覚に囚われる。異国情緒溢れる芝居だった。素晴らしいと思う。
さらば八月のうた
劇団M.O.P.
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/16 (月)公演終了
満足度★★★★★
感謝
久々に当日券で観劇。
語彙の少ない自分には表す言葉が見つからない。
ただただ、良かった。
脚本も役者も全て。
M.O.Pが活動している時に間に合ったことに感謝します。
ネタバレBOX
マキノさん、お見事。
いくつもの時代を行きつ戻りつ、ラストには綺麗に収まって。
M.O.Pは役者の声が良いですよね、ホント。
ちゃんとコチラに届く声を持っている。
大好きな神農さんの声、今回もご馳走様でした♪
ナース林さんとのシーンにも『ときめき』ました。
小市さんも三上さんも酒井さんも勝平さんも・・・・全員ステキだった。
第二次世界大戦時に実在したミスワカナを彷彿とさせる「そら」さん。
奔放でチャーミングなドリさんを目に焼き付けました。
こんなお芝居が観たかった。
もっとずーっと観ていたかった。
ありがとうございました。
おかえりんご
カナデコトビート
小劇場 楽園(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
出だしの斬新なかんじから
ストレートに響くかんじに。ぁあ考えるなぁ、自分も、なんて
自称女優
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
ドストレートなドタバタ劇
路線を戻してくれたのが、個人的には嬉しい。