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コメディユニット磯川家

こった創作空間(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

メンバーのキャラクターがわかった
初見です。
島岡亮丞、岡洋志、信原久美子、斉藤コータ、菊池祐太、物延結、木畑バタ子、二宮瑠美、川面千晶が繰り広げるコント集。メンバーそれぞれの持ち味がわかって、今度、磯川家の芝居を観る上で、よき入門編になったと思う。
コントとコメディの差について、「答えはない。楽しかったら、なんでもいいじゃない」と言い切る作・演出家、保木本の潔さに好感が持てる。
カーテンコールのときの出演者の、演技ではない明るい笑顔が印象的。

ネタバレBOX

自分が面白かった順に内容を紹介すると、

「おにごっこ」
順番ではラストのコント。
子どもたち(岡、斉藤、菊池、木畑、物延、信原)が集まって鬼ごっこしようとすると、本物の赤鬼(川面)が現れる。
あまりの怪力で子どもたちが死んでしまう。悲しんだ赤鬼は、夢を叶える象の女神(二宮)の力で、子どもたちを生き返らせることができたのだが・・・。
童話の「泣いた赤鬼」がモチーフで、川面の赤鬼が力演。犬のハゲマル(島岡)も面白い。

「王様ゲーム」
4人の男女(島岡、菊池、川面、二宮)が王様ゲームを始めようとすると、そこには王冠をかぶった本物の王様(斉藤)がいて・・・。
この王様がとにかく可笑しい。ゆっくりした話し方と目の動きに注目。

「名探偵ドコナン」
名探偵コナンのパロディだが、無表情のドコナン(信原)が発する関西弁の疑問形「・・・・なん?」、語呂合わせの言葉遊びで笑わせる。このコントには、「名探偵ドコナン予告」の短編2つが付く。

「舎弟と兄貴」
やくざの姐さんが漫才コンクール予選に落ちて失踪。その敵をとろうと、兄貴(島岡)と舎弟(岡)が「ペロン・プリン」というコンビを組み、予選に出場するが、漫才がどういうものかまったく理解していない兄貴のおかげでボケとツッコミがうまくいかず、話が前に進まない。本物のハジキや麻薬をポケットから取り出したり、一人になると俄然心細くなり、ハケることもできずに、舎弟を呼ぶ兄貴。舎弟の岡の、やけに甲高い作り声が印象的。


「イスのない教室」
イスのない教室で、中腰の姿勢のまま、2人の女生徒(物延、木畑)と男子生徒(菊池)が女教師(川面)の生物の「受精」の授業を受けている。
4パターンあり、状況が変化していくが、ムリな姿勢の生徒役の俳優たちの体力勝負コント。「立たされる」という体罰が「解放」であるという逆説(笑)。

「打順発表」
野球部の監督(岡)が、選手(島岡)と女子マネ(信原)を前に、ボードとマグネットを使い、打順(=守備ポジション)を説明していくが、選手名が大リーガーや、野球に無関係な名詞で、ポジションもサッカーのだったりしてメチャクチャ。2パターンある。

「擬音エロ小噺」
男女(斉藤、二宮)が、状況とはまったく関係ないHな擬音で会話する思わせぶりコント。
終演後、「擬音が生々しすぎて笑うに笑えない。あそこで笑ったら女子に品性疑われる気がして笑えなかった」という男性客の声。
関西では気にせず笑う客が多いのでしょうか?
「せめて、またあの花が香るまで」

「せめて、またあの花が香るまで」

PocketSheepS

TACCS1179(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

香る舞台
少しセリフを噛んだりするのが多いように感じましたが、面白かったです。

ネタバレBOX

亡くなった彦馬が物語に絡んできてからは、面白かったです。
(彦馬自身を演じる役者はいませんが、他の役者がいるように見せる演出)
で、その彦馬が憑依する紅葉役を演じた鈴木寿枝さん、紅葉である部分と、彦馬である部分の演じ分けはお見事でした。

また殺陣も、別の場面で起こっている戦いを、同じ舞台上で見せる演出は迫力がありました。
それと、殺陣をしそうにないキャラがお見事な殺陣を披露してたのはビックリでした。

後、クライマックスである匂いが香ってくる演出はなかなかニクイ演出でした。
ぼくの好きな先生

ぼくの好きな先生

enji

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

鮮やかによみがえるいじめの記憶
タイトル、フライヤーからは想像のつかない、いじめをテーマにした本作。
コメディタッチであるがゆえに、浮かび上がるいじめの悲惨さ。
見事な作品であった。

ネタバレBOX

主人公は34歳の教師。
教師には中学校時代の同級生のフィアンセがおり、彼女に懐妊を契機に同居、結婚を控える。
そんな彼には、忘れえぬ記憶がある。
それは、中学校時代、一時期親しくしていた同級生をいじめが原因の自殺で亡くしてしまったというもの。主人公はいじめには加わることなかったものの不作為によって彼を追い込んでしまった。
亡くなった同級生は頻繁に彼のもとに、亡くなった中学生当時の姿で現れる。彼は時に主人公をなじり、時に今ってほしいかのようにじゃれてくる。
実はそのような体験は主人公だけではなく、主人公の妻も共有していた。彼女の元にも、彼はときどき姿を現していた。

また、主人公には、空想癖があり、あるとき、彼の部屋で、「世界教育者会議」と題する教育者の集まりが催され、主人公の敬愛する「先生」たちが、次から次えと搭乗する。コルチャック先生、宮沢賢治、「いまを生きる」のジョン・キーティング、坊ちゃん、など。
その会議の題材はいじめ。

そこから、いじめを巡る旅は始まる。
主人公夫妻、亡くなった少年、そして、主人公同級生それぞれの、いじめ、いじめられ体験が再現される。

衝撃的だったのは、それらの再現を見ている最中に、自分自身のいじめ、いじめられ体験が鮮やかによみがえったことである。
演劇を見ていてこれほどの追体験をしたことは始めてある。
見事の一言である。

今後も、このような良質な作品を作り続けていただきたい。

R 学 級 の 中 心

R 学 級 の 中 心

荒川チョモランマ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

あら、よかったじゃない。
まずは美麗な舞台美術。自分は客席の何処に座るとか普段そんなに気にしないんですが、今回はつい前のほうに座ってしまいました。そこで繰り広げられる、集団心理から汚らしく濁って行く人間模様。
早稲田学内で長田さんの作品を観た時には猥雑さを説明よりも勢いでぶっ飛ばしていく印象がありました。それに対して今回はかなり丁寧に作りこまれていました。その分、今回の肝となるあの場面がいい意味で際立つ。まるで歯車が欠けた様な不安感を煽ってくれた。
役者陣も上手くそれぞれの仕事をこなしていました。ネタバレしちゃうから控えるけど、出番が多くて台詞も多くて「でも多分この役は嫌われるな」という役があった。存在感がちゃんとしてたから。うーん、この言葉で伝わるかな。共感とは違うけど人として同属嫌悪しちゃう。生々しかったって事ですね。役者としては良い仕事してるんです。
ひとまず。学生芸術祭が気になる方の為にも、お薦めマークを付けておきます。

ネタバレBOX

踊りやその一歩手前くらいの見栄えする動きが随所に入った事で見易さも生まれている。もし物語に少し飽きを感じたとしても視覚で楽しませてそれを緩和出来る様になっていたと思います。正直、「なんで今いじめを取り上げるのか」という疑問は開演してしばらくは客席側でもちょっとは沸いているはず。見る目を奪えればそういう考えも薄れていくし、良いほうに働いたんじゃないかな。それだけに、身体的な緊張感はもうちょっと欲しいかも。ストップモーションの時に瞬きをしたり息を掃いて脱力すると気が抜けた様に見えちゃう。
集団を上手く描いていて相関図もしっかりしていました。ただ、個人ごとの動機や背景はもうちょっと欲しかったかも。登場人物が多いから全部書いたらボリュームがありすぎるんだけど、今の状態だと見終わってから思い出せない人物が数人いて勿体無い。
コーラス・ガール

コーラス・ガール

劇団ING進行形

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い!その一言に尽きる。
古典と現代と未来が入り混じったような香りのある舞台。その世界観は陽気で楽しく賑やかなディズニーランドのような雰囲気ではなく、民家の裏路地に迷い込むと鬱蒼とした神社があって、その先には得体の知れないブラックネバーランドが手招きして舞ってるような感覚。一度そこに迷い込むと尻尾を掴まれ逃げられないような・・、不思議な異次元の世界。

以下はネタばれBOXにて。

ネタバレBOX

カマ風味の男と妻のいる男の絡みがあったかと思うと、いきなりカルメンの黒いドレスを纏った女が登場し、オカマをナジル。笑)  この黒いドレスがコーラスガールかと勘違いするほど妖艶で奔放な感じがする。しかし、彼女は男の妻で、夫が会社の金を使い込んだのがバレて困っている。ニコライ・パトラビッチを出せ。と言い張る。

しかしオカマ、こちらが実はコーラスガールなのだが(笑)、彼はここに居ないとオカマは逃れるも、今度は妻に「夫が貴女に与えた物を返せ。」といわれる。浮気した張本人が不在のもと、立場上優位な妻と、いわゆる泥棒猫のオカマの会話はコミカルにしかし尖りながら続く。この情景が可笑しい。

しかも妻の言動に重なり合うように闇のショっカーのような輩3人が奇怪な動きをするのだから、コメディなんだか、シリアスなんだか・・・、あ、ナンセンスだ!笑

そして妻の激情が頂点に達すると、黒いおパンツが見えてもなんのその、横回転なんかしちゃって、更に白い太股も民衆に惜しげもなくさらしたかと思いきや、今度はデジタルダンスを繰り広げちゃうのだから、楽しいったらありゃしない。

ワタクシは一点も見逃すまいと目を皿のように充血させながら右往左往、キョロキョロしながら見ていると、今度は妻は騎馬戦のてっぺんに乗っかって、女王陛下のように見下ろすのだった。これが勇士のごとくな有様で、フラッグを掲げたなら、更に完璧!笑
express

express

PLAT-formance

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

ジャズバンドとの合同ライブもあるんですって?
毎回、新たな工夫とチャレンジがあって、成長が楽しみ。プラフォワールドなるものの輪郭ができつつあるのか?公演オリジナル音楽のライブもあるとか…。幅広い活動を通して大きくなって欲しいユニットです。次回公演も楽しみ。

音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~

音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/27 (金)公演終了

満足度★★★★

劇中劇で号泣(笑)
劇中劇「奇跡の人」で、思わず泣いてしまいました。前作よりミュージカル度が高くなってるように感じます。

つばき、時跳び

つばき、時跳び

明治座

明治座(東京都)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

まごうことなきキャラメルボックス
本寸法のキャラメルボックスものでした。時空を超えた爽快なハッピーエンドに満足。

悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★

初日観劇
アングラ劇団ってみられがちですが、本作品でそのイメージを払拭できたんじゃないでしょうか。客演の皆さんが濃くて存在感あり。

ネタバレBOX

おじいちゃんとおばあちゃん、馴れ初めの一席なんですね。居残り佐平次と紺屋高尾を混ぜたよーな感じもあり。いままでダークな世界を描いてきたカナリア派さんとは思えぬハッピーエンドにびっくりでした。おとぎ話っぽくもあるです。
WOWOW WORLD BEAU×2 BEAUTIFUL

WOWOW WORLD BEAU×2 BEAUTIFUL

コーヒーカップオーケストラ

シアター711(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/23 (月)公演終了

満足度★★★

ハチャメチャ
確かに独自のビートでした。

メリッサのゆりかご ジルの監獄

メリッサのゆりかご ジルの監獄

メガバックスコレクション

あうるすぽっと(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/23 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめる
劇場の構造的なものによるのか、声量がないためなのか、子役のセリフが聞き取りにくいのが残念。しかし、ダンスのステップは基本的なものだがよく練習した成果がでていたようで見ていて感心した。ストーリーも愛情、友情を訴えていて子供にもわかりやすかったと思う。十分楽しめたし、開演前と休憩時間に役者が登場してお客(子供向け)が飽きないように工夫されていたのはおもしろい。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

ステージスタイルも素敵な
なつかしいイメージ、演者や照明、セリフのはしばしに昔の記憶を思い起こさせる(かのよう)。そんな気のしたラストもそれはそれで受け入れられる。
女子だけの芝居に切れ味があるのかな。舘そらみの作品をこのところ立て続けにいているが、引き出しの多さを感じる。

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★

雰囲気の集合
なんか面白い、たのしい、役者が皆すてき、そこからさきはよくわかりません。でもまたみてみようと思わせる何かではある。

あなたに似た人

あなたに似た人

mitsudomoe

SIMスタジオ(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/16 (月)公演終了

満足度★★★★

脳内に場面が浮かぶように雄弁
ほぼ動きを封じた朗読劇だが、円周上に120°の角度で配置された3つの椅子を移動しながら進行することがアクセントにもなり、各場面が脳内に浮かぶように雄弁。
冒頭とラストが同じ台詞で始まりながら状況が違い時制も逆(実は全体の進行が時間軸を遡っていることは後で言われて膝ポン)という構造も好み。

ネタバレBOX

ちなみに勝手に思い浮かべた蘭は津留崎夏子さん。
ぼくの好きな先生

ぼくの好きな先生

enji

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★★

説明文通りでしたが予想外
いじめをテーマとした作品でした。チラシの印象から軽い感じを予想していたら、意外に重い内容で、良い意味で裏切られました。

過去の、あるいは小説や映画の中の著名な先生たちが出てくる前半はコメディータッチで、少々滑り気味にも感じたのですが、中盤からグッとシリアスな話になって引き込まれました。
いじめられた少年を演じた磯貝さんがとても良かったのですが、調べてみたら本当の中学生だったんですね。素晴らしい演技でした。

個人的な話になりますが、主要な登場人物の年齢設定が自分と同い年で、小・中学生時代に流行っていたアイテムが色々と出てきたのが懐かしかったです。

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

怪作にして快作
「異性を想う気持ちがあれば何でもできる・何にでもなれる」なテーマを核に、時に思い切りシュールやナンセンスな方向に振れ(踏み外し?)て楽しい。
また舞台ならではの変幻自在な表現や恋愛コンピレーションアルバムの如き選曲も◎。

ネタバレBOX

それにしても王子小劇場で吊りをやるとは恐るべし。
吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★

記憶と罪と贖罪
とにかくうまい、役者も演出も構成も。
役者のパフォーマンスの引き出し方や、舞台での配置&構成、そして、それらすべてを含めた演出が巧み。
それに、きちんと応えている役者もいい。
装置(セット)もとてもうまい配置で効果を上げている。

ネタバレBOX

ある女性のモノローグから始まる。
どう見ても普通の状況ではない状態で、自身のこれまでについて語る女性。

女性の記憶の中で、彼女と家族、主に「兄」について語られていく。
しかし、「兄」について語っているようで、実は、その先には確実に「母」がいた。
表層的には、兄との暗い記憶の中で、母とのねじ曲がってしまった関係が、語られていくのだ。
それがいつも彼女の根底にあり、「家」から離れられない。つまり、「家」=「母」なのだ。

その関係によって、彼女の友人との距離感がうまくいかない。
ただし、友人には恵まれていた。
記憶はいつも美しい。その時代は輝いてしかいないのだ。

彼女の輝ける時代は、「家」を意識しなくてすんだ、つまり、家から通える範囲に生活があった高校生のときまでで、それは彼氏の遠距離によって少し歪んでくる。

これは、あくまでも「女」の物語であり、「男」には「顔」がない。父親の存在も希薄だ。

舞台の上で、女性たちは衣装を頻繁に着替える。
そして、着終わった衣装は、記憶のように舞台の上に脱ぎ散らかされる。それは記憶の中に澱のように堆積していく。
友人が過去の男について、語るときに、1枚1枚衣装を脱ぐたびに男が変わっていくのだ。
「服」というのは、とても大切なメタファーであり、具体的なモノでもあるということ。
男性には理解しがたい感覚だと思う。
このあたりの表現方法は、さすが女性ならではだと唸る。

役者もとてもいい。
同じキャラクターを瞬時に別の役者が演じてみせる。
しかし、違和感は一切ない。体型も年齢も、もちろん顔もまったく違う女優が演じているのにだ。
女優さんの名前はわからないが、主人公の友人を演じて、付き合った男を語ったり、結婚式のスピーチをした方が、特に印象に残った。その明るさと優しさが主人公を支えていたのだと実感できる演技だったと思う。

ただし、あのラストは好きではない。というより嫌いだ。
冒頭から、普通の状態ではない場所と状況にある主人公が、とる、最悪の選択ではなかっただろうか。
あの重苦しい雰囲気からは、そのラストが直線で結ばれているようにしか見えなかったからだ。安直だ、とまでは言わないが、もっと考えてほしかったと思う。それは、演劇のストーリー展開という意味においても、主人公の記憶を見せられた観客の気持ちにおいても、だ。
主人公は、兄対する罪の意識と、後に判明する母に対する罪の意識が重なり合ってくる。それによってさらに追い詰められたとしても、赦しはどこかにあるのではないだろうか。「眠る」は「赦し」ではないのか。
甘い、と言われるかもしれないが、ラストは、彼女が本当に愛していた家族に救われるべきではなかったのか。
それは幻であったとしても。
ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★

ふーん
これがロロの作風なんだろうね。理解できるところもあったけど,個々のシーンでは何をやりたいんだろうと思ったり,結局のところよくわからなかった。芝居への好みの違いなんだろうと思うけど,1時間半程度に凝縮してくれたら,エッセンスを感じられたかも。あと,演技はともかくも女性はみんな素敵でした。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

新・舘そらみワールド
「さあ、次はどんな作品を作るんだろうか」
終演後さっそく様々な期待を次回作に持たせられてしまいました。まさにターニングポイントになる作品ではないでしょうか。
前作『止まらずの国』から2度目の観劇となる方は、前作との違いに戸惑うのではとも思います。第4回公演にして早くも新境地を開拓したかのような今作、でもそこには確実に「舘そらみの世界」が広がってます。
…舘そらみサンの世界って、スゴく魂を感じます。物語を観て楽しむというよりも、個人的にはその「作り手の魂」に触れられるのがもう楽しくてなりません。
さて。終演後、すぐに席を立ちづらかった自分がいまして。『わが星』を観た多くの人から「すぐには立てなかった」というような感想を聞いていたので「え?これがその感覚!?」とかチョット思ったりもしたのですが…終わり方が予想と、好みと違った為に消化するのに時間かかっていうのが、今思えば、のトコロです。
どうなんだろ…終わり方、個人的にはもうちょっとなんか欲しかった気がするのですか。なにかもう一歩ブッ込んで頂けてたら、それこそ「すぐに立ちづらい」衝撃を頂けた気もします。

『ムサシ』 ロンドン・NYバージョン

『ムサシ』 ロンドン・NYバージョン

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2010/05/15 (土) ~ 2010/06/10 (木)公演終了

満足度★★

蜷川味の井上ひさし脚本ということで
面白かった。

井上ひさし脚本はいつもこまつ座で見ているので、ホリプロの興行+蜷川の演出で観るのは初めて。そういう点で"個人的に""新しさ"が感じられて面白かった。しかし二度は通用しないだろう。

意外だったのは蜷川演出ベタベタじゃなく、結構井上ひさしにお株を譲ってたこと。譲れないとこだけ蜷川になるって感じでマダラだった。ちょっと変かも。
井上ひさしの脚本にしては珍しく完璧度が足りないと感じた。井上ひさしの芝居じみた芝居を芝居にしちゃぁだめじゃないかしら。
能をネタにしすぎ。多分ニューヨークを意識しすぎたんだと思う。
結局、脱稿当時はNY公演は実現しなかったということなので、脚本もそういう出来なのかもしれない。

個々の役者の演技については言いたいことがある。後日キチンと感想をまとめたい。ほとんどダメしか出ない予定。

他の方の感想を観て敢えて書くが、本当にチケット代が高い。内容に対する評価として。

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