最新の観てきた!クチコミ一覧

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猫のサロン ~奇譚集~

猫のサロン ~奇譚集~

猫の会

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了

満足度★★★★

満足!
猫にまつわる3話。たしかに1時間で充実した内容だったといえる仕上がり。特に3話目はウルッときてしまった。満足したけど、もっと観たかったといったら贅沢かなぁ?

魔道物語

魔道物語

ぴんかぁ~べる

テアトロ ド ソーニョ(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了

満足度★★★★

意外と楽しめた
小屋の場所が交通の便が悪く、たどり着くまでの暑さに参った。旗揚げ公演だけにいろいろと不手際っぽい部分もありましたが、入場からはけるまでの全体を通じて十分に合格点、かな。
主役演じた主宰の姫宮みちりさんは、舞台上でも張り切って一番輝いていた。特にマジックで客席をいじったり、エンターテインメントとして面白い舞台だった。他の役者さんも個性的で面白い人が多く、素の状態でも会場を楽しませてくれた(これは公演後にあったトークタイムの話)。
姫宮さんはちょっと天然っぽくて、かわいいキャラで好感が持てた。話し声屋体型などからテレビタレントでいうと浜田ブリトニーにそっくり(笑)。会話の内容も飛んでいて、楽しかった。劇中のSEが生ピアノで演奏していたのもビックリした。

口紅を初めてさした夏『ご来場ありがとうございました。』

口紅を初めてさした夏『ご来場ありがとうございました。』

TOKYOハンバーグ

千本桜ホール(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

晩夏
帰り道、いつのまにか増えた、秋を告げる虫達の調べ、消え行く入道雲・・・いつもと変わらない日々のはずだったのに、忘れられない夏に、なった物語でした。

ネタバレBOX

結婚間近の彼が、事故で亡くなり、必死で日常に戻ろうとする真知子<相原奈保子>が経営するスナックに、知らない子供、蓮(増田亜美)が訪れる。なんと、亡くなった彼は、バツ1子持ちで、蓮が彼の娘だと聞かされ、現実を受け入れられずに悩む真知子なのに、蓮をあずかるよう、客らに説得されてしまう。店の従業員であり、おそらく真知子より水商売を知っている神埼由美<長澤美紀子>が、店や客らも見守り、真知子と蓮の良き理解者として、助けてゆく。この由美さんが、温もりのある良い空気感を、醸し出します。

蓮ちゃんが、初めて、お化粧するシーン、今迄、母に求めていたけど、できなかった事・・・を、どこかで、ずっ~と憧れていた(父が大好きだった女性)けど、現実は、受けいれてもらえそうもない真知子と、やっと共有できた喜びを、トビッキリの笑顔で見せてくれます。言葉ではなく、2人の笑顔に、書いてあるって、心に、響きます。とても良かったです。

夏休みも、もうすぐ終わるころ、常連客らが、蓮ちゃんのために、海に行こうと提案しながら、大人の男達のほうが、大はしゃぎする姿も、素敵でした。夕闇が迫り、もう帰らなければならない時間になっても、真知子と蓮は、海を眺めている姿(まさに、フライヤーのあの姿・・・)に、釘付けになっている私(最後列にすわっていた)の目には、2人の絆を、見ようとする観客一同の体制を整える姿も、入った。

ラストは、切ないけれども、カランコローンと告げる扉の音色と一緒に、温もりも残る素敵な作品でした。

夜空に張り付く星とは、蓮ちゃんが過ごした長野のことだったのかなぁ~?


★大西さんのアフタートークが、ありました。(私の解釈に、誤りがあったら、すみません。劇団の方、フォローお願い致します)

大西さんが初めて亜美ちゃんに会ったのは、彼女が、まだ小学校2年生で、まだまだ小さな女の子の時。でもその時から、光るものがあったそうです。まず、台詞覚えの良さは、ピカイチ!そして、言葉尻のニュアンスを理解しており、語尾を正確に、伝えられる事は、脚本を書く大西さんにとっては、とても大切な事であり、嬉しいとの事。 

劇団公演のオーディションに訪れてくれた相原さんの、役者としての力量に魅了されて、劇団員に誘ったそうです。やはり、大西さんも自分の脚本の主役は、自分の劇団員の中から、出したいと言う思いがあったので、嬉しかったとのこと。

そんな2人が在りきで出来た作品と、いろんな役者さんや関係者の方の、力添えで、公演ができた等々、大西さんの想いを、伺えて、次の公演も行きたいと思いました。そして、又、アフタートークお願いします。


ダミーサークル

ダミーサークル

花まる学習会王子小劇場

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★

演劇というよりリーディング
口コミで広がってるのか空席が目立つ。物語の内容はシリアス。笑える箇所はただの一つもない。だから中屋敷のファンが考える賑やかさやハイテンションや突き抜けるコメディっぶりは全くない。中屋敷が「本来の中高生は笑うのが不得意だから、こういう笑わない無表情の芝居こそが中高生の姿だ。自分の中高生の頃も笑っていなかった。」と主張していたが、ワタクシの中高生は実に良く笑っていた。箸が落ちても笑っていたのだ。

更に練習時間22時間という最速短での本番だから、台本を読みながらのあまり動きのないキャストらのセリフは教科書を読んでるかのように単調で演技も褒められたものじゃあない。なかには滑舌は悪いは、聞き取れないはで、まあ、やっぱり22時間の舞台。

観客の中には「中高生だから仕方がない。」なんて寛大な客も居たが、料金を取る以上、そんな甘えは許されない。学校で上演する無料の学芸会とは違うのだ。先日観た「TOKYOハンバーグ」の舞台で小学5年生が長台詞を完璧にマスターしていたさまと比較すると完全に演劇を舐めてると感じたダミー演劇。

ネタバレBOX

物語は高天原高校演劇部で起こったことをベースにサークルとは名ばかりの集団ごっこ。

セットは11個の椅子のみ。円形に設置された椅子に座って一つずつずれながら、あるいはその円から飛び出しながら台本を読んで物語を進ませる完全なるリーディング。その台本を顔の前に立てて読むせいか、セリフが響かない。篭ってしまうのだ。

演劇部は文化祭とコンクールに向けての練習で忙しい。演じる演目は「フランダースの負け犬」。この演目で一人の生徒が「ネロのような軟弱な男はイライラする。」なんてのたまい、主役を演じる子に「調子に乗ってんじゃねーよ!ブス!」とも言う。しかし、その後の練習風景はただただ台本を読んでるだけで単調だが、終盤、黒田就平が熱演を見せる。

そのうち、高校教師の加賀沢先生(29歳)が女性徒・さきやまさき(17歳)を暴行し実刑の後、懲戒免職になる。これは同校演劇部員が赤羽署に相談したことから発覚したのだった。その後、さきは失踪し行方不明となるも、部員らは「それを通報した」生徒を集団で責める。この頃から部の纏まりがなくなる。いや、元々纏まりなんてなかったのかも知れない。

階段から落ちたと受傷する生徒。薬缶の熱湯をかぶったと受傷する生徒。たぶん、虐めだ。演劇サークルは一皮剥けば、妬み、嫉みの感情で屈折して間違った正義感を振りかざしてしまう。窒息してしまうほどうっとうしい。そのくせ自分の立ち位置だけは常に意識しているのだ。見えない何かに支配されてるように彼らは一定方向にだけ頭を向ける。

「8月24日に失踪して行方不明のさきやまさきを探しています。当時17歳、現在28歳です。」

「8月24日に失踪して行方不明のさきやまさきを探しています。当時17歳、現在46歳です。」


ダミー演劇でぶちかましたダミーサークル。

今度はプロの演技での演劇を観てみたい。



ダミーサークル

ダミーサークル

花まる学習会王子小劇場

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

読む
重苦しい雰囲気。とても2010年っぽい。

猫のサロン ~奇譚集~

猫のサロン ~奇譚集~

猫の会

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了

満足度★★★★

スタイル、内容とも変化をつけて◎
一人芝居、二人芝居、三人芝居というスタイルだけでなく、現代版民話、怪異譚、「優霊」譚と内容的にも変化をつけた3編。
2編目のすべてを明かさず想像の余地をたっぷり残した不気味さと、3編目のハートウォーミングかつ切ない感じが好対照。

劇、ということ

劇、ということ

壱組印

ザ・スズナリ(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろかった
かなり笑える作品。
オムニバスだけど、各話の構成や本もしっかりしてて、知識欲もかき立てられる。
ナツの清涼剤にオススメ。

カノン

カノン

アシカツ(明日カツ丼!企画)

萬劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

沙金が良かったです
劇団も作品も、初見だったのですが、楽しめました。盗賊の頭領、沙金(中村梨那)と天麩羅判官(添野 豪)をめぐる、敵と味方の助けと裏切りの物語。舞台のセットを活かした動きも、良かったです。

ネタバレBOX

沙金(中村 梨那さん)は、小柄な可愛い女の子なのに、声も通り、迫力も凄みも出せるので、他の役も見たいと思いました。猫(淺川薫理さん)も、いい味
出してました。他の女性陣も、良かったです。女3人組は、帯止めで着物を縛るだけの着こなしが、程よい、だらしなさと、空気感を、かもし出していて、よかったです。

男性陣は、 括舌がイマイチ・・・声の通りも迫力も、やや物足りなかったのですが、スピード感は、ありました。まぁ~手下共なので・・

木の柵(?)が動き、いろんな空間を、造り出すのが、良かったです。階段が動いて、カウンターの様になるのには、驚いたが、折角、動くのなら、もっと使って欲しかったです。棒1本で馬の躍動感や、ライトでバイクの爆走シーンは、とても雰囲気が出てました。
墨を塗りつつ

墨を塗りつつ

風雷紡

サンモールスタジオ(東京都)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★

ありがとうございました。
この時期、戦争に関連する舞台等を観ることが多いのですが、切り口がいままでにないものでした。舞台装置や小道具も興味深かったです。ただ私の席では見切ってしまって観えない部分があり残念でした。それと真犯人の動機が今ひとつ理解できませんでした…。

「臭う女~におうひと~」終了しました、抽選会も終了!ありがとうございました、また次で

「臭う女~におうひと~」終了しました、抽選会も終了!ありがとうございました、また次で

劇団野の上

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

深いなぁ
全編、弘前弁による公演。言葉に耳がなじむまでに時間がかかったが、内容はとてもよい芝居だった。

ネタバレBOX

最初は、農家のおばちゃんたちが仕事の合間にしょうもない話をしている、って感じだったけど。会話の内容はどんどん深く、重くなっていき・・・笑いの合間に現実の厳しさを垣間見るというか、現実の重さを笑いのオブラートで包んだというか、・・・とにかく、笑いながらも考えさせられる作品でした。
UFOcm

UFOcm

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

好きだなぁ
この劇団の公演、会話を聞いていると「それ、おかしいだろっ」とつっこみたくなります、何度も何度も。テンポが良くて、なんともいえない可笑しさのある舞台だと思います。あひるなんちゃら初参戦のザンヨウコさんが(初日だったからでしょう)ややぎこちない感じだったのも、また微笑ましく見えました。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

暗いけど
笑ったシーンはたぶん一箇所しかない。

全編通して重い、暗い。
でもグググッと引き込まれる感じ。

ログログ

ログログ

キリンバズウカ

シアタートラム(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

つながりあう人間関係
あの人とこの人がこうなって…
と、こんがらがりそうになりますが
話の展開が見事なので気になりません。

バラまいた伏線もきっちり回収して
そう来たかってハッとしました。

UFOcm

UFOcm

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

UFOを待ちながら。笑
6月のあまうめではじめて関村氏の世界の断片に触れてから気になっていたあひるなんちゃらさん。本公演初見です。
オープニングのオリジナルソングからクスクス笑い、そのまま終わりまでその状態がつづきました。
何がいいって、登場人物がみんなそれぞれ屈・強・な『マイルール』なるものを持っていて、基本的にはそのマイルールをライトに否定するとこから誰かと誰かの会話がはじまったりするさりげない理不尽さや、動きがなんか不自然だったり、その動きは擬音語がピッタリだったりするという点がかなりツボでした。
笑いのツボが刺激されないと( ゚Д゚)ハァ?ってなる世界観かもしれませんが、どんなに斜めから観ていても『失笑』してしまう瞬間はあるとおもいます!笑

猫のサロン ~奇譚集~

猫のサロン ~奇譚集~

猫の会

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了

満足度★★★★

短いが満足!
1時間で3話。3本目は泣かされました。

ネタバレBOX

最後、この人は亡くなっていたのって気付かされたときに、『夕』を思い出していました。

なかなか帰省せず、会えなかった三女のために夢に出てきた長女。姉妹3人が思い出に耽っていて、馬鹿やっていて、いきなりの展開にはうるうるしてしまいました。

こういうことがあるので、私は帰省しています。

1本目は、毎朝すれ違う猫に思い入れ過ぎた男の悲劇。

2本目は、自殺したと思われている女性を殺した男を追いつめる老猫の話。

短い時間でしたが、とても満足できました!
カノン

カノン

アシカツ(明日カツ丼!企画)

萬劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

野田作品らしい作品
観ていない野田作品だけに楽しく拝見させて頂きました。

あ、この人は初演では野田さんが演じていただろうなとすぐ分かるほど、言葉遊び満載でした。

ネタバレBOX

痛くないは、居たくない。何かしそうな人は、思想犯。丸く座るで、マルクス。自由に必要な銃。

盗賊一味と判官の話。男女関係から一味を裏切った女首領は颯爽としてカッコいい。

襲撃シーンなど、アンサンブルの動きもいい。

でも初演を観ていないのに、どうしても初演もこんな感じだったんだろうなと思ってしまうところ、比較してしまうところがあって、申し訳ないやら仕方ないやらでした。
UFOcm

UFOcm

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★

あひるまじっく
ゆるい場面にも、こそっと見せる力が、
実はちょっと半端じゃなくて・・・。

しかも、個々のシーンをバサバサと演じている体で引き込んでおきながら、
終盤には、まごうことなきその町の空気に浸してしまう。

あひるなんちゃらの手練に、心地よく巻き込まれてしまいました。

ネタバレBOX

そりゃ、最後にやってくる
未来の夏祭り(?)というか盆踊りのインパクトは
強烈なのですが、
それが、アリになってしまうほどに
そこに至るまでの道程が
町の空気を作り出している。

ひとつずつのエピソードも
どこか掴みどころのないものなのですが、
そこには結構強烈な個性が内包されていて・・・。
理不尽といえば理不尽だし、。
脱力系にも見えるし、
コメディにも思えるし、
薔薇泥棒なんて、ペーソスまで醸し出している。

べたなものはべたに、
寓意的なものは寓意的に、
くっきりとしたものはくっきりと、
それぞれのテイストが
混じり合い染まりあいながらやってきても、
それが観る側で混濁しない。
なんだろ、独特の緩急や
ルーズな感覚を作りだすのに
編み込まれている糸の数が
贅沢に多い感じがして。
で、その中に撚り込むものに
細かく豊かな肌触りが生まれているのではとか
おもったり。

脱力感を凛として醸し出していく、
役者の腕はがっつり確かだし、
最初は、頑張ってみても、
結局、観る側が、舞台側にゆだねてしまう
この雰囲気、
ああ、「あひるなんちゃら」だなぁ・・・って
思う。

にも、関わらず、
公演を見続けても、
マンネリ感がないのが
じつはとてもすごいことだと思うのです。
公演ごとに、なんとなく、同じ肌触りの空気の中で
はまりこむものや残るものが
あひるの芝居だとおもいながら
いつも、ちゃんと新しい。
今回も、作り手の手腕に改めて目を見張る・・・。

これはもう、
「あひるまじっく」なのだとおもいます。

それにしても、根津さんの「●●●●●♪」は
ずるい(褒め言葉)なぁと・・・。
なにか頭に残ります。

☆☆★★★○
吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★

少し悲しい…
ある女性の半生を、7人の女優たちが色々な役を演じて回想する物語…。皆さん素敵でした!!

ネタバレBOX

検察官の取り調べを受けている女性の、幼少期から事件までの半生記を回想した話。

上手には椅子に座った本人が検察官に向かって話していて、残りの女優6人が本人や関係者を演じてその時々のエピソードを表現していました。誰が誰を演じるというのが決まっていないのが特徴でした。

子供のころ兄との関係が濃密で、それ故、引きこもりになった兄への反発が強く、傷つけて自殺未遂までさせてしまったことがトラウマになった女性。兄は留学して立ち直るものの、会うことはなくなってしまいます。

高校生のときにバンドを組んだ友人とも、大学に入ってもしつこいくらいの友人関係を続けます。

ただ、彼氏が遠方の大学へ進学したときは遠距離恋愛を嫌いあっさり別れるなど、女性には身近な人とは濃密な関係を結ぶ半面、去る者は追わずの淡白さが同居しているようでした。

本人の結婚式に帰国した兄が、実家に忘れたパスポートをホテルまで届けてくれる途中に運転事故で死亡したことを自殺だと悔やみます。そして結婚は破局。

最終的には、高校時代の友人が妊娠して検診を受けた病院の屋上で、たまたま自殺願望者のような言動をした人に対して、止めようとして体にしがみつき、驚いて振り払おうとした人が転落してしまうという事件を起こしたのでした。

舞台には多数の衣装が掛けられており、展開に応じてとっかえひっかえして、済んだ衣装は舞台上に捨てられます。全部使い切るのかなと思いましたがそうではありませんでした。

友人の男性遍歴の表現はユニークでした。幾重にも重ねた衣装を脱ぎ棄てながら遍歴を表し、かと思うと、よりが戻ったときは前の衣装をもう一度着たり、捨てられた衣装をお腹に入れて妊娠を表現したりしていました。

殺人ではなく過失致死だとは思うのですが、取り調べはまだそこまで行かず、思いつめた女性は留置場で自殺を図ろうとするところで終了。

悲しい結末でした。

こんなに詳しく書こうとは思っていませんでしたが、結末に至る女性の心情を考えるとこうなりました。
猫のサロン ~奇譚集~

猫のサロン ~奇譚集~

猫の会

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了

満足度★★★

夏向きの話だったかな
まさに説明通りで過不足なし。
なんとなく普通に始まって、だんだんと怖くなっていく感じとか。
雰囲気よく出ていた小品集でした。
後もう一話くらいは付いてても良かったかなって思いました。

ネタバレBOX

一話目が一人で二話目が二人芝居など、芸が細かくて良いセンスでした。
でも前説の方と、最初のひとり芝居が同じ人で。
せめて暗転は入れてみたほうが、区切りがついて気構え出来たと思う。
あとは普通に入れてたしね。
床に散乱した、ちぎった新聞紙の下に。
上手に小道具隠してたり、片付けないで次の話に使ったり。
なんか、細やかな演出が上手でした。

一話目の「猫の通り道」は、嫉妬がキーワードで。
オチの解釈の自由度が大きかったので、も少し狭めるヒント欲しかったかな。

二話目の「猫のいる部屋」は、
なんか推理サスペンスみたいで怖かったですね。
女の人が、猫なのか人間なのか。
答えを観客に投げたのは上手でした。
ただ疑問は、猫缶のキャットフードは本物だったのでしょうか?
知りたかった(^^)
(塩気とか無くて食べにくいんだよねー実際)

三話目の「猫童子」はまさに”異人たちの夏”みたいで、
お盆や夏に相応しい話になっていました。
”やっぱり猫が好き”みたいな、3人姉妹の面白話からスタートして。
しんみりさせる手腕が上手でした。

ホントに、もうあと1話ぐらい付けてくれてもバチ当たんないよー、
って思える様な丁寧な、小品集でした。
ログログ

ログログ

キリンバズウカ

シアタートラム(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

丁寧に積み上げられた台詞劇
場面展開や時系列の進め方の演出が巧み。
どの登場人物も役者がうまく魅力的。
会話がいいし、面白い。
思わず引き込まれた105分。

ネタバレBOX

長く生きていると、誰もがどこかに空白を持ってしまっている。
それを埋めないと生きていけない。

記憶は曖昧だ。
自分の都合の良いように置き換えたり、すり替えたりすることはよくある。
と、いうか、他人の記憶と違っているところがあったりすることも、ままある。
共通であるはずの出来事なのに、視点が違ったり、ポイントが違うことによって、記憶が異なるぐらいよくあるし、誰かと誰かを取り違えてしまうこともあったりする。

それが極大化してしまったニイムラという存在が現れる。彼は、同じクラスメートにとっては、重い黒い点となって、彼らの歴史に爪痕を残している。
それだけに、「ニイムラ」という存在に対する記憶は、なんとか一致させたいと思うのだ。それは、クラスメートたちにとっては、「真相」というモノが抜けてしまった、ぽっかり空いた「隙間」でもあるからだ。

そうした、「特殊な」、そのニイムラの存在は、この舞台で象徴的に位置づけられる。
何かを何かで補完する、埋める、という意味において、

それは例えば、亡くなった子どもの代わりに、夫の弟だったり、引きこもっていて、空いたままの記憶だったり、ココロの隙間を埋めるための、愛情だったり、ギャンブルだったり、お金だったり、未来に伸びる空白を埋める飛行機の折り紙であったり、ニイムラの事件に対する真相だったり…。
そんな、代替物でも心の平和につながったりする。

空いてしまった隙間(空白)は、埋めなくてはならない。とにかく、とりあえず手元にあるもので補完(補充)して、世界は危うい姿勢で、ようやく立っている。

なくなった何かを、それと同等の質量で埋めるには、そんな間に合わせで埋めるには、まだまだ不十分だけれども、「幸せ」と呼ぶには十分な質量ではあろう。
みんな、実はそんな感じでやって(乗り切って)いる。

そんな、なんとかギリギリに立っていて、「幸せ」な人々の姿があった。
あり合わせの何かで隙間を埋めて、それでもって、過去を、今を、そして明日を生きていくのだ。


役者では、ニイムラを演じた三浦俊輔さんが出色。シマウチ(中川智明さん)の体内から(暴)力が溢れそうなのに哀しい感じもよかったし、イサミ(岡田あがきさん)の女子力が高そうなところや、ワダ(堀越涼さん)のしなやかさも印象に残る。また、ナカヤマ(こいけけいこさん)の「あ、いるいる」感というか、男前なところが、中学の女友だちを思い出させてくれた。好感度高い。

ただ、カウンセリングをするのならば、ニイムラとはそれらしい会話が必要ではないのだろうか。基本的な手法ぐらいは一応ある上での、会話(カウンセリング)であったほうがよいのではないかと思った。また、睡眠薬の多量摂取で入院した元看護師に対して(本人は「そういうのじゃないから」と言ったとしても)、医師の「頑張って」の一言は不用意すぎるのではないだろうか。医師だから、それは逆効果だということぐらいは知っていて当然だろう。

あ、そうそう前作『スメル』からの引用とかがさらりと入った遊びが楽しかった。

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