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北守の騎士とカルボナードの踊る魔女

北守の騎士とカルボナードの踊る魔女

青果鹿

テアトルBONBON(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★

みんな楽しそう!
途中、女優さんがプッて噴いていましたが、あれ本当に可笑しかったんだろうと思います!

ネタバレBOX

電信柱、馬の着ぐるみ楽し。

賢治のキャラクターがたくさん出てきて、ごちゃごちゃして、最後ブドリが火口に入って行って何とかまとめましたってことで…。

上手から下手へ伝書鳩が通り過ぎましたが、「かまどの虫」の犬のおもちゃを思い出しました。動物の小道具ネタがお決まりなんですね!

それにしても最近の賢治ブームには少し食傷気味です。
『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演

『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

完成度◎
再演ということだけあって完成度も高く楽しかったです
ただ、ステージが狭いため、せっかくの殺陣の迫力が薄れて残念でした

ネタバレBOX

あと、現代と過去2時代がそれぞれに描かれているのですが
現代のシーンはもう少しあっさりと観せてもよかったのでは!?と、思いました
衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

三瓶大介が熱演
服部紘二、國重直也、三瓶大介、鈴木麻美、私の好きな役者がたくさん出ている。物語はラジオ局、テレビ局を舞台に、検閲という権力と戦う男達の物語、伏線としてチエ・トモミの姉妹の物語、アオシマの父と子の物語などが絡んでくる。

圧倒的な言葉の量と熱さに驚く。いつもはクールな役の多い三瓶大介がマイクを持つと別人になるという設定で暴れまくる。

劇スピードの速さのせいか、これだけの役者陣なのに滑舌が悪かったり、噛んだりするところが多かった。それだけが残念。

渡り鳥の信号待ち

渡り鳥の信号待ち

世田谷シルク

サンモールスタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★

表地に縫いつける創意の豊かさ
一つずつのシーンが、豊かな寓意に満ちていて・・・。
しかも、表現が鮮やかで、
目を奪われ、惹きつけられて
流れずに積もっていく。

終盤に、描かれたものたちの
内にあるものに気がついたとき
それまでの作品のイメージがドミノように返り、
重ねられたものに
透明感をもった生々しさが訪れて・・・。

作り手の創意に圧倒されました。

ネタバレBOX

開演を導く、
小粋にアレンジされた
スタンダードナンバーに気分がほぐされ
リラックス。

初日ということもあってか
冒頭はほんの少しだけ混濁していました。
でも、すぐに世田谷シルク本来の
豊かなテンションと寓意を織り込んだシーンが連なって・・・。

ボサノバにのせて歩いていく動作が
まるで、食前酒のように観る側の心を開いてくれる。
宮沢賢治の世界がそこはかとなく薫って、
やがて、列車に乗るころには
ひとつずつのシーンに自然に取り込まれていきます。

そのつながりは、「銀河鉄道の夜」に支えられているのですが
一方でその中に織り込まれたものたちの姿は
なかなか浮かんでこない。
でも言葉やしぐさ、背景のメッセージ。
映像やダンスがそのまま流れてしまうのではなく
印象を含めて「そのまま置いといて・・・」と
観る側に居場所を生み出す力を持っていて。

気がつけば、
表現されたままに
場ごとのいくつものキャラクターやアイテム達に
目を凝らしている・・・。
それぞれのシーンの作りこみが
観る側をしっかりと舞台につないでいてくれる。

そして、私的には、
二つの指輪から見える宇宙として刻まれた
DNAに気がついたとき・・・、
トリガーが引かれて
まるでドミノ倒しのように
様々な寓意がその衣を脱ぎ捨て
見事にリアリティを持って一気に広がりました。

個々の寓意が表すものが鮮やかに浮かび
「「そのまま置いておいた」ものに
見事に血が通う・・・。

男女の営み、生命の誕生・・・。
出会って結ばれる細胞や
結ばれないものたちの感覚・・・。

男性の私であっても
男性の感覚に下世話さはなく
体感することのない
女性が持つ肉体の周期のロジックが
しなやかに浮かび上がる。

そこには、立体感を持って広がる
体と命と想いの俯瞰図があるのです。

停車していても
走り出しても
急こう配に差し掛かっても
加速減速を繰り返しても
物語の綴り方や役者たちの演技が
「銀河鉄道」という表の生地から
寓意をほつれさせないから
観る側が裏地を眺めることができた時
そこには命が繋がれていくメカニズムのコラージュが
下世話に汚れることなく
崩れることなく、
しかも質感をしっかりと守って
広がっていく。

ダンスや演技のクオリティにも支えられて
透明感を失わなず、
ウィットを湛えて、どこか冷徹でシニカルで、
そして女性としての感覚に満たされた
作り手の描く世界にそのまま取り込まれる。

正直に言って、
終演に至っても
作品に織り込まれたすべての寓意が、
私にその姿を晒していたわけではないと思います。
きっと味わいきれていない部分もあったはず。
さらには、男性ではわかりえない感覚も
あるのかもしれないと思う。

でも、すべてはわからなくても
男女が出会う感覚はそこにあり、
卵巣や精嚢までも含む物理的な肉体から、
女性の周期や男性の感覚、
そして男女の営みや、
出会えなかったものたちの想い・・・。
さらにはそれらを統括する宇宙のメカニズムが
幾重にも醸し出す色というか質感に圧倒され
息を呑む。

指輪に加えて、牛乳や林檎、鍾乳洞や湖・・・。
鳥たち、鍾乳洞、時間、二人の社員旅行とその妹・・・。
列車がのぼる急勾配、減速・加速・・・。研究隊サークル。
それらに込められた創意は圧巻で、
しかも、それらを「銀河鉄道の夜」にのせて
流し込んでいく見せ方に心奪われて・・・。

さらに進化していく余地もある作品なのかもしれません。

でも、少なくとも私には、
この作品を味わうことができたことが
とても満ちたものに思えたことでした。

帰り道、開演時のナンバーが
ふっと耳に蘇る・・・。

fly me to the moon,and let me play among the star・・・♪

歌詞を口ずさんで、
戯曲に埋められた、
作り手の真摯な遊び心に思い当たって。

もう一度、この作品が内包するものの
味わいの深さと豊かさに
満たされたことでした

☆☆☆★★◎◎●●

Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

現代のメサイア?
一言で表現すれば「宗教的寓話」?
平穏な日常の裏で蟲く不幸せの話かと思いきや、やがて原罪とか7つの大罪などを想起させる展開になり、そういえば冒頭のエピソードは旧約聖書風だし結末は「アレ」だし、で「現代のメサイア」的な?
なお、低音を多用した音響も効果的。

オムニー2

オムニー2

劇団K助

野方区民ホール(東京都)

2010/08/31 (火) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

バラエティに富みつつかすかにリンク
屋上(と野球ボール)をテーマにした5編オムニバス。
それぞれ作・演出が異なりバラエティに富み、それでいてしりとりのようにかすかにリンクしているのが特色で、5編の並び順も含め、改めて総合演出の金沢主宰の手腕に舌を巻く。
なお、ベタに徹した3編目「OLたちの午後」とハートウォーミングに締めくくる5編目「球」が特に気に入る。

Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★

海と臨海。実体化するよりも・・・
決してつまらなかったわけではないのですが、
お芝居として観るよりも、
活字で読んだ方が、
面白いホンなのではないかなと、
観ていて思いました。

ネタバレBOX

説明的にだらっと続くシーンとか、
かと思えば突然叫びだしてみたり、
各キャラの設定もなんとなくブレぎみな感じがして、
(それぞれ、豹変させてるんだろうけれど、なんとなく不自然)
でも、冒頭の宇見の独白シーンとか、
菊池(だっけ?)が絞殺されるシーンとか見ごたえがある部分もあり、
物語の核(設定)は興味深いと思うだけに、勿体無い気がしました。

蛍をつぶすシーンは見ていて不快でした。
(あえて不快になるようにしていたのでしょうけれども…)
小泉がさげすまれている理由もよくわからなかった。
(だって彼女(廣瀬友美さん)、かわいいんですもん(笑))
宇見(佐藤みゆきさん)は、さすがの見ごたえ。
ていうかカワイイよねぇ~~肌キレイ!
マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘

マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘

劇団阿佐ヶ谷南南京小僧

明石スタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

ちょっとがちゃがちゃした感じ
でも、かなり好きなテイストではある。

いつもフライヤーとタイトルに惹かれていた。
そして、初めて観た。
確かにタイトル通りだった、とは言える。

キャラが独特。
歌が楽しい。

だけど、そこに「愛」(あるいは偏愛)はあったのだろうか?

ネタバレBOX

ウェスタンカーニバルとマカロニウェスタンとマカロニほうれん荘、そして、ウエスタンに西部デパートという言葉の遊びに、有楽町西武と日劇、ウエスタンカーニバルという組み合わせ。たぶんこの言葉を思いついたときに、作者は「やった!」と思ったに違いない。

そこから(たぶん)広げていった物語には、それらの要素が見事に散りばめられていた。ガンマンの3人の名前とか、マカロニウエスタンからのおなじみの場面とか。
ただし、それらは、単なる「なぞり」にすぎなかったのではないだろうか。「言葉の遊び」の枠からは出ることがない。それぞれへの深みも感じられない。どの要素にしても、もっとマニアしか知らないようなディープ感があってもいいと思うのだ。

いろんなキャラが出てきて、それはとても楽しいのだが、どうも均等すぎて焦点がぼけてしまっているのではないだろうか。

物語の焦点が絞り切れていれば、キャラクターの軸もはっきりして、物語が整理されたような気がする。

つまり、マカロニウエスタンでも、ウエスタンカーニバルでも、はたまた西部デパートでも、思い入れがほしいのだ。それは「愛」(あるいは偏愛)とも言う。
思い入れがあれば、とりあえず入れました、のような扱いにならず、こちらにも伝わってきたのではないかと思う。

アイデアから形にするまで、いろいろと下調べをしたと思うのだが、もっと深く知って、それを他人に知ってもらいたい、というような欲望があってほしかったということなのだ。

そして、歌も楽しいのだが、やっぱりそこは、ウエスタンカーニバルに焦点を絞り、ロカビリーやグループサウンズ風な衣装の工夫や振り付けがほしかった(それにしても、歌のときになぜ「カラオケ」にしなかったのだろうか)。
ガンマンたちが腰に下げているのは、拳銃でなくて、マイクだったりしてもよいはずなのだ。

そういう「絞り込み」がされていないので、「全部乗せ」的な味の印象になってしまったと思う。

フライヤーのイラストや当パンのイラスト、劇団のキャラクターなどの雰囲気はとても好きだ。
その雰囲気をもっとセットに活かしてほしいと思った。段ボールというのは楽しい感じはあるのだが、今のままだと、貧弱な印象がしてしまう。あのイラストのような感じをもっとゴリゴリに出していったほうが、段ボールであったとしても、もっと楽しいと思うのだ。段ボールだからできること、もあるはずだ。できれば、段ボールであることの「意義」までほしいところだ。

登場人物としては、誰もが面白要素を持っているように感じた。中でもアルバイトのヒメノ(メリルリン子さん)は印象に残った。そして、ルミを演じた伊藤昌子さんの怪演(意味なく回ったりする)は素晴らしいと思った。味もあるし。

次回は、『フランケンシュタインの婚活』というタイトルらしい。また、面白そうなタイトルを付けてくる(笑)。
ここは、面白要素をたくさん秘めているので、できれば、観たいと思うのだ。
「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」

「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」

劇団山の手事情社

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

まばたきを忘れるほど堪能。
やっと観る事ができた。
しかもシビウ演劇祭で絶賛された作品「オイディプス王」観劇。
初見がこの作品で良かった。何もかもが好みだったからだ。

苦節十数年。仕事が忙しすぎだったり、日本にいなかったり、
公演がすでに終わってしまっていたり、、。
いつもすごく変わった美しく妖しい福島治氏の宣伝美術に心奪われて、
観たかったのに観る事が叶わなかった「山の手事情社」。

ずっと観たかった独特の美、力強い世界感を堪能。
これが、山の手事情社の「四畳半」といわれる形式なのか。
私の想像していた世界をはるかに超えていた。
暴力的な動きから生まれる爆音・肉体の苦痛、
さらに押し殺した苦しそうな静の動き。
そこに精神の苦痛がシンクロするかんじ。
完全にひきこまれた。まばたきを忘れるほどに。

前説に主宰・脚本・演出の安田雅弘さんが登場。
古典ギリシャ神話とは、『オイディプス王」のストーリーとは、
今回の作品をつくった背景、シビウ演劇祭の話をしてくださった。
この有意義な10分のおかげで、かなり作品が観やすくなった。

古典ギリシャ神話『オイディプス王」に、
現代女性(東京の人)の心の病巣シーンを挿みこんでいる。
しかし「オイディプス王」のストーリーは完全な流れで進んで行く。
ものすごくおもしろい脚本。

好き嫌いははっきり分かれると思うが、見て損はない。

男性陣演じる黒装束の「運命」たちが恐ろしく、かっこいい。
中でも盲目の予言者テイレシヤスの山本芳郎氏がなにしろ最高!必見!

ネタバレBOX

センターに四角い柱で組まれて白い紗が所々かかったの白い部屋。
白いモニターが一台だけ。
柔らかそうな布で覆われたベットマットのような床。
白い服の女(東京の人)がスリッパをペタペタいわせて左右から。
たくさん白い部屋にスリッパを脱いで上がって来る。
白い服の女(東京の人)現代は
ちょっとアンニュイでコミカルでもある。
皆、ほっぺたを化粧水をつけた後のようにペタペタとたたきながら。
その後、ゆったりすごして静かな寝息をたて始めると、、、

両サイドの真っ暗な中から重低音とともに白い女とは全く反対の
黒装束に身を包んだ男性陣「運命」が大人数現れる。
恐ろしく、かっこいい。
暴力的な動きと床に身体を叩き付ける爆音に度肝を抜かれる。
鍛え抜かれていなければたぶん大ケガだろう。

センターの白い部屋から白い女を連れ去り、
『オイディプス王」の配役をはじめる男性陣黒い「運命」。
そして再び白い部屋(宮殿)に何人か戻される。
モニターの上にたたされる女。
それが「オイディプス王」であったり宮殿の人物になる。

『オイディプス王」は迫力あるものすごく太い声で
白い女=東京の人=女優が演じる。押し殺した苦しそうな静の動き。

そして物語は語られて行く。

変わった所では、白い服の女(東京の人)の潔癖性問題の表現が
おもしろい。頭からビニールをかぶってキスをする。ビニール越しだ。
潔癖性だからだ(笑)皮肉たっぷりの表現。他にも幼児虐待問題を
グレープフルーツを子供に見立て表現したりおもしろかった。

それから、何度もべた褒めするが、ずば抜けて
盲目の予言者テイレシヤスの山本芳郎氏がなにしろステキで、
一度観てしまったらずっと目で追ってしまう。最高なのです。
声が良い。そして目の演技が何しろすごい。緊迫した恐ろしい目。

なんであんなにすごいのかと一日考えたのだが、、
瞬きを全くしていないのだ。彼だけじゃない。俳優陣みんな。
ほとんど瞬きなしだ。後半の異常なまでの目のかんじ、、間違いない。

「オイディプス王」の山本芳郎氏をもう一回観に行こうかな。

「山の手事情社」もう二度と見逃さない!
Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

心底怖くなったストーリー
先日来、いろいろ人間不信に陥っている自分にはやや刺激が強すぎて、ところどころ身の毛がよだつ思いがしました。

成島さんの作品を拝見するのは、3回目ですが、いつも昆虫がキーワードになっていて、今回は蜘蛛が登場しました。

解説で想像していたより、ずっと、身近な怖い話で、最初から引き込まれて観てしまいました。

ただ、冒頭部分の人物紹介的部分がやや冗長に感じられたのと、役者さんの力量に差があったのがやや残念!

音響は実に効果的で、ずっと、怖がりながら観てしまいました。

ライター役の堀奈津美さん、いつもながら、傑出した存在感の佐藤みゆきさんの演技が印象的でした。

書かれたストーリー的な視点では、☆は5なのですが、上記の理由から、3に近い4という気がしています。(ちょっと本気で怖くさせられたので、手放しで5にできないところもあります。)

それと、アンケートを書く時も、暗いままでしたので、自分の書いた字が全く見えない状態でした。判読不能でしたら、ごめんなさい。

ネタバレBOX

舞台上空に置かれた円盤形のセットの使い方が、初めと終わりで、異なって見えて、大変効果的でした。

一見いいヒトそうに見える役場の職員達が、結託して、自分本位の恐ろしい計画を事も無げに、立てて、組織ぐるみで、大量殺人を目論む展開に心底、ゾッとしました。

村の住民が皆、海の塩に溶けて、肉体がなくなり、1人生き残った宇見が贖罪を果たせずにいる状態と、この恐ろしい職場一体のテロ計画をうまく融合させたストーリーは、大変独創的でしたが、惜しむらくは、冒頭部分の間延びした雰囲気をもう少し、サスペンスタッチで進めた方がよりテンポが良かったのではと思います。

でも、後半は、音響効果も抜群で、本当にリアルタイムでテロ計画が遂行されて行くような緊迫感がありました。
ライターの向井の、過去のストーカー被害の告白や、逃走経路の地図上で、蛍をテープで止めて、1人づつそれを潰して行く様子には、心から戦慄が走る思いでした。

後半、全てを宇見のせいにしようと、小泉が叫び、それを、贖罪の証として笑って受け容れる宇見。廣瀬さんと佐藤さんの迫真の演技には、自然と涙が誘われました。

有り得ない話のようでいて、そこいらにありふれた出来事を象徴しているようで、岐路も何だか、生きた心地がしなくなる、芝居でした。
Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

しお おんな すぷーん
こゆび侍「 Sea on a Spoon 」観劇。
しお おんな すぷーんと読むらしい。

生と死と贖罪の物語。

照明と重低音の音響が悲しみと恐怖にリンクしてすごく効果的だった。
ドアの上の楕円のオブジェが象徴的。

ラストは意外だった。
後味の悪さのインパクトはあったけれど。
ちょっとだけラスト、私にはいまいちかな。

ずっと観てみたかった佐藤みゆきサン、ステキな女優さんでした。

今回「 Sea on a Spoon 」チラシのオカヤイズミさんのイラストがすごくイイ。あらためて見ると舞台のイメージをうまく表しているイラストだなぁと思う。スプーンにひとすくいですくわれるだけでなく、運命に飲み込まれスプーンの端から流れこぼれ落ちていくかんじにも見えて。

ネタバレBOX

ある海でおきた大量行方不明事件で村がひとつ消えた。
塩にふれたナメクジのように…
服だけ残してみんなが溶けるように消えた
ナメクジのように…が何とも言えず気になる表現。

しお=なめくじのように?かな。
おんな=生き残った少女?それとも原発?
すぷーん=救い手…たぶん

ドアの上の楕円のオブジェ「スプーン」の中で
すくわれた人が証言する姿が印象的だった。
ヴィジョン

ヴィジョン

ミームの心臓

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★★

気持ちのいい世界観
気持ちよく、楽しめました。
ありがとうございます。

チラシなどをみた感じ、重い感じになるのかなぁと思ってましたが、
そんなこともなく、エンターテインメントとして楽しめました。

主張が強すぎることもなく、脚本・世界観が透き通っている感じで
私は好きです。

役者さん達はまだお若い方も多く、荒削りだなぁーという感じは
否めませんでしたが(特に前半は動きが硬いというか、演じているなぁ
という感じがでてました)、それでも十分お金を払って鑑賞する価値は
あるなと思えました。

後で主演を演じた方が16歳だと知ってびっくりしました。

欲を言えば、経験を積んだ役者さん達が演じれば、もっとよかった
かなというところです。


今回は招待鑑賞でしたが次回は、ちゃんとチケット買って鑑賞したい
です。これからが非常に楽しみです。

スマートモテリーマン講座

スマートモテリーマン講座

avex live creative

草月ホール(東京都)

2010/08/24 (火) ~ 2010/08/31 (火)公演終了

満足度★★★★

クスっではなく大爆笑!!
『スマートモテリーマン講座』はR25でときどき読んでいる。
武田篤典さんの文とShu-Thang Grafixのイラストが好きで、
舞台化を観た。

クスっと笑わせるのが『スマートモテリーマン講座』の特徴だが、
この舞台は大爆笑の連続!!

モテリーマンを演じるTEAM NACSの安田 顕さんが
ウィッグとヒゲと眼鏡とピタピタスリムスーツで
イラストの生き写し3D状態、出てくるだけで大爆笑なのです。
ホントすごい。もちろん演技は文句なくうまい!!
ちょっと変だけれど(笑)ほれぼれ、、、。

モテリーマンから”いかにして女性からもてるか”を伝授される、
イケメンなのにまったくもてないダメリーマンに溝端 淳平くん。
コメディセンス抜群!うまい!侮れない、、ジュノンボーイ。

会場の半分はたぶん溝端ファンで、
モテリーマンが「会場にお越しのスーツの皆さん」と言っても
95%が女性で、、苦笑。

モテメンの川久保 拓司さんも、同僚のザ・ギースも、
劇団「ブラボーカンパニー」の面々も、
唯一のヒロインOL役の安藤 聖さんも良かった。

でもなんてったて良かったのは、脚本・演出!
福田 雄一さん、、、すごい。文句なくおもしろい。

コメディ好きで見逃した方、是非再演か、続編があったら必見!!

ネタバレBOX

残念な事に、栃木県大田原市公演は6人しか希望者がなく公演が中止に。
それも舞台でネタにしていた。笑いにどこまでも、どん欲だ。
東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

STスポット(神奈川県)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★★

今年一番
もしかしたら今年観た中で一番の芝居だったかもしれない。いびつ&フリーダムな笑いに満ちた台詞・演出・演技、大胆な空間演出、そしてシンプルながら的確かつ無駄のないメタ構造を、頭でっかちに構築するのではなくさらっとやってるところが凄い。妖怪百鬼夜行のような出演者陣の個性と、それを的確にさばいた演出家の判断力とセンスは至高のもの。超面白かった。

笑いのセンスが合わない人には楽しめないかもしれないが、小劇場にありがちなダサいギャグが一切なく、観ていてちっとも恥ずかしくない。「演劇」という古めかしい用語でカテゴライズしてしまうことが惜しいほどだ。かなり高度に「演劇」をパロディにしていながら、演劇への愛が滴る作品。必見です。

東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

STスポット(神奈川県)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★

“山梨”に続いて
郷土編第2弾観させて頂きました。やぱ浅川サンが面白かったす。

ネタバレBOX

どこかのありそうな劇団のお話。
演出家サンがいて、役者サンが居て一つの芝居を創っていく。

その芝居ってのが“ちびまる子ちゃん”のパクリってのでチョイ萎え。

僕は範宙の郷土編以外を観たことがないのだけれど、前回の“山梨”にも思った事。

“東京・アメリカ”と題する意味が無い。

実際問題、題名と内容とをちゃんとリンクさせるって事をしている劇団ってのがいくつあるかはわからないけど。

むしろその考えが古いのかもしれないけど、僕は大事な事だと思うのです。

ザックリ言ってしまうと、僕の肌にはまったく合わない。
演じている役者サン達にも違和感を覚えたし、作品としともダラダラと稽古風景を見せられた、作・演出家サンの内面を“観ろッッ”ってストレートに投げられた感覚でした。

作品には作・演出家サンの人間性が表現されるモノだと思うのですが、あんなみせられ方されても。。。

あと実名っていうのも、変にリアル感があって違和感がありました。

最後の方に佐賀サンと熊川サンの生きてる??って所が唯一“おっ”と思える所でした

浅川サンと郷土編以外の次回公演に期待で星2つ付けさせては頂きました。
衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

もう少し短いほうが
年代セリフの部分が微妙に合ってなかったりとか、ラスト近くの姉妹のやり取りはもう少し短くやテンポよくしてもよかったとか感じましたが、
なかなか面白かった。もう少し要らない部分を削って短くしたほうがよかったかな。

ネタバレBOX

使ってない衛星放送をハックし、それを使って海賊放送を流す設定は悪くないと思うが、実際、放送を流している衛星があるわけであって、単純にハックしたから海賊放送が流せれるというのは、少し理論的説明を省きすぎかな。
葬式クラス【満員御礼で終了!ありがとうございました!】

葬式クラス【満員御礼で終了!ありがとうございました!】

エビス駅前バープロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★★

面白以上に面白
中学生の同級生が短い期間に亡くなり続るある時期(2002年)からの8年を描いた物語。
何故死んだか等の原因を探るサスペンス物ではなく、ただ単に亡くなる毎にエビス駅前バーに集まって昔話に華をさかせたり、悩みを聞いてあげたりする物語です。(ラストまで出演者全員がそろう事はないですが)

面白以上に面白かったです。

ネタバレBOX

同級生をいっぺんに出さずに、エピソード単位に出していく手法が今回のバー公演ではマッチして、本当にエビス駅前バーで起こっている日常を見ているような感覚になりました。また、各役者人の演技も上手く、島田雅之のダメ男っぷりや、鈴木麻美の妻子ある男性を好きになってしまうダメ女っぷりもよかったですが、尾崎麗奈の完璧いい奥さんオーラ出しながら、いつしか姑との問題を吐き出し、離婚後市ヶ谷(島田雅之)と再婚するが、直らないダメ男っぷりに泣く表情は抜群でした。
【ご来場ありがとうございました!】蜻蛉玉遊戯

【ご来場ありがとうございました!】蜻蛉玉遊戯

趣向

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

みてきた
ベンチの話がよかった。宮沢りえ似の女優さんがよかった。ベアトリス・ダル風で。
イントレ席はおしりが死んだ。
でもルデコは中学高校のときの教室公演を思い出すから賛否両論あるとは思うけれどわたしはだいすき。

ツイッター・ア・ゴーゴー!

ツイッター・ア・ゴーゴー!

マグズサムズ

アイピット目白(東京都)

2010/07/15 (木) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★

ツイッターを知らなくとも
なかなか面白かったです。ツイッターを知らない人にも楽しめる内容になっていたと思います。
ただ、知らない人にも楽しめる内容にしたからか、別にツイッターでなくてもいいとは感じる部分もありましたが。

ネタバレBOX

セリフの語尾につける「なう」は、ツイッターしてる人で無いと面白いとは感じないだろうな。
(知ってても、「なう」を付け過ぎと感じましたがww)
また、話の流れから致し方ない部分はあるとは思いますが、同じセリフ(というよりつぶやき)を何回も言っていましたが、そこはもっと上手く考えて欲しかったかな。

ツイッターブームが去ると、再演できない作品だな(笑)
(まあ、オープニングシーンを上手いこと考えれば出来ないこともないが)
クララ症候群

クララ症候群

ブルーノプロデュース

タイニイアリス(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★

原石
磨く余地が大きい。セリフを言う一生懸命さがみえてしまうことがときどきあった。もっと自然体になれば、存在だけでも面白ろそうな人が多かったので、将来に期待。この劇場の座席は長時間の着席がつらいので、お笑いライブ的なリーディング公演は興味がない限りはお勧めできない。

ネタバレBOX

エンディングが持ち味かもしれませんが、せっかくの芝居の最後に現実に引き戻されてしまった感じがして、しっくりきませんでした。

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