マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘 公演情報 劇団阿佐ヶ谷南南京小僧「マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ちょっとがちゃがちゃした感じ
    でも、かなり好きなテイストではある。

    いつもフライヤーとタイトルに惹かれていた。
    そして、初めて観た。
    確かにタイトル通りだった、とは言える。

    キャラが独特。
    歌が楽しい。

    だけど、そこに「愛」(あるいは偏愛)はあったのだろうか?

    ネタバレBOX

    ウェスタンカーニバルとマカロニウェスタンとマカロニほうれん荘、そして、ウエスタンに西部デパートという言葉の遊びに、有楽町西武と日劇、ウエスタンカーニバルという組み合わせ。たぶんこの言葉を思いついたときに、作者は「やった!」と思ったに違いない。

    そこから(たぶん)広げていった物語には、それらの要素が見事に散りばめられていた。ガンマンの3人の名前とか、マカロニウエスタンからのおなじみの場面とか。
    ただし、それらは、単なる「なぞり」にすぎなかったのではないだろうか。「言葉の遊び」の枠からは出ることがない。それぞれへの深みも感じられない。どの要素にしても、もっとマニアしか知らないようなディープ感があってもいいと思うのだ。

    いろんなキャラが出てきて、それはとても楽しいのだが、どうも均等すぎて焦点がぼけてしまっているのではないだろうか。

    物語の焦点が絞り切れていれば、キャラクターの軸もはっきりして、物語が整理されたような気がする。

    つまり、マカロニウエスタンでも、ウエスタンカーニバルでも、はたまた西部デパートでも、思い入れがほしいのだ。それは「愛」(あるいは偏愛)とも言う。
    思い入れがあれば、とりあえず入れました、のような扱いにならず、こちらにも伝わってきたのではないかと思う。

    アイデアから形にするまで、いろいろと下調べをしたと思うのだが、もっと深く知って、それを他人に知ってもらいたい、というような欲望があってほしかったということなのだ。

    そして、歌も楽しいのだが、やっぱりそこは、ウエスタンカーニバルに焦点を絞り、ロカビリーやグループサウンズ風な衣装の工夫や振り付けがほしかった(それにしても、歌のときになぜ「カラオケ」にしなかったのだろうか)。
    ガンマンたちが腰に下げているのは、拳銃でなくて、マイクだったりしてもよいはずなのだ。

    そういう「絞り込み」がされていないので、「全部乗せ」的な味の印象になってしまったと思う。

    フライヤーのイラストや当パンのイラスト、劇団のキャラクターなどの雰囲気はとても好きだ。
    その雰囲気をもっとセットに活かしてほしいと思った。段ボールというのは楽しい感じはあるのだが、今のままだと、貧弱な印象がしてしまう。あのイラストのような感じをもっとゴリゴリに出していったほうが、段ボールであったとしても、もっと楽しいと思うのだ。段ボールだからできること、もあるはずだ。できれば、段ボールであることの「意義」までほしいところだ。

    登場人物としては、誰もが面白要素を持っているように感じた。中でもアルバイトのヒメノ(メリルリン子さん)は印象に残った。そして、ルミを演じた伊藤昌子さんの怪演(意味なく回ったりする)は素晴らしいと思った。味もあるし。

    次回は、『フランケンシュタインの婚活』というタイトルらしい。また、面白そうなタイトルを付けてくる(笑)。
    ここは、面白要素をたくさん秘めているので、できれば、観たいと思うのだ。

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    2010/09/04 07:32

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