Sea on a Spoon 公演情報 こゆび侍「Sea on a Spoon」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    心底怖くなったストーリー
    先日来、いろいろ人間不信に陥っている自分にはやや刺激が強すぎて、ところどころ身の毛がよだつ思いがしました。

    成島さんの作品を拝見するのは、3回目ですが、いつも昆虫がキーワードになっていて、今回は蜘蛛が登場しました。

    解説で想像していたより、ずっと、身近な怖い話で、最初から引き込まれて観てしまいました。

    ただ、冒頭部分の人物紹介的部分がやや冗長に感じられたのと、役者さんの力量に差があったのがやや残念!

    音響は実に効果的で、ずっと、怖がりながら観てしまいました。

    ライター役の堀奈津美さん、いつもながら、傑出した存在感の佐藤みゆきさんの演技が印象的でした。

    書かれたストーリー的な視点では、☆は5なのですが、上記の理由から、3に近い4という気がしています。(ちょっと本気で怖くさせられたので、手放しで5にできないところもあります。)

    それと、アンケートを書く時も、暗いままでしたので、自分の書いた字が全く見えない状態でした。判読不能でしたら、ごめんなさい。

    ネタバレBOX

    舞台上空に置かれた円盤形のセットの使い方が、初めと終わりで、異なって見えて、大変効果的でした。

    一見いいヒトそうに見える役場の職員達が、結託して、自分本位の恐ろしい計画を事も無げに、立てて、組織ぐるみで、大量殺人を目論む展開に心底、ゾッとしました。

    村の住民が皆、海の塩に溶けて、肉体がなくなり、1人生き残った宇見が贖罪を果たせずにいる状態と、この恐ろしい職場一体のテロ計画をうまく融合させたストーリーは、大変独創的でしたが、惜しむらくは、冒頭部分の間延びした雰囲気をもう少し、サスペンスタッチで進めた方がよりテンポが良かったのではと思います。

    でも、後半は、音響効果も抜群で、本当にリアルタイムでテロ計画が遂行されて行くような緊迫感がありました。
    ライターの向井の、過去のストーカー被害の告白や、逃走経路の地図上で、蛍をテープで止めて、1人づつそれを潰して行く様子には、心から戦慄が走る思いでした。

    後半、全てを宇見のせいにしようと、小泉が叫び、それを、贖罪の証として笑って受け容れる宇見。廣瀬さんと佐藤さんの迫真の演技には、自然と涙が誘われました。

    有り得ない話のようでいて、そこいらにありふれた出来事を象徴しているようで、岐路も何だか、生きた心地がしなくなる、芝居でした。

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    2010/09/04 03:47

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