よわいもんいじめ
コマツ企画
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★
いやぁ・・・
なんでこの団体三鷹に呼ばれたんだろうか?本当に税金の無駄を感じました。
シダの群れ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2010/09/05 (日) ~ 2010/09/29 (水)公演終了
満足度★★
退屈
出演者は主役級の人がごろごろと豪華。しかし話は単調で途中で飽きてしまった。舞台への役者の出入りも階段が使われていたが、その必要性を感じられなかった。
KOKORO=(ココロイコール)
Oi-SCALE
Glad(東京都)
2010/09/13 (月) ~ 2010/09/13 (月)公演終了
満足度★★
試みと努力は評価しますが
ソロライブ→ヒップポップ→映像朗読劇(?)でした。
個々に物語を体感できた、という感じはしませんでした。
表現場所はユニークでした。
ネタバレBOX
すいません煙草苦手です(飲・煙草が自由でしたね)
ドリンクチケットも付いてきて。会場は、まんま「クラブ」って感じでした。
先の音楽2つが前説(?)で、「アスファルト」という映像朗読劇が、
メインと考えてよいのかな。
流す映像の加工現場が、舞台を正面に見て右側でやっていましたが。
演出?だったのだろうか?あまり良くは無いと思うが・・。
また舞台には、客席側に向いて座れるように、
左右3つづつの椅子置いて、
真ん中の後ろで、生演奏者が音楽付けていました。
椅子の前には、客席に向けた20インチ程のブラウン菅モニター2つ、
置いてありましたが、使っていませんでしたね。
個々にを云うなら、個別の映像でも流してみれば良かったのでは?
劇に関して言えば、よくあるゲームのサウンドノベルの方が、
出来が良いのではと思われました。(ライブ感が勿体無かったね)
始まりは映像にタイトル入るので理解出来たが、
終演は「本日は有難う御座いました」の言葉で、推し測るしかなかった。
キチンと、「全プログラム終了致しました」とか言いましょうよ!
ちょーっと、思い付いた脳内と。
表現出来た現実とのギャップが気になりました。
ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010
ZOKKY
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★
本能に響く。
失禁蝶々『日本にトイレが無くなる日』&耳だけで感じるささやき演劇、KIKKYをつづけて体験。
前者は人間にとって切実な生理現象を扱う話でその内容は私見ではタイトルがすべてと言っても過言でないようなものでしたので、あらすじを追うというよりも、吐息がかかるほどの至近距離から見つめる臨場感だったり、美し過ぎる岡田あがささんにクラクラしたり、濃密な空間を丁寧に描く構図(カット割り)にニヤニヤしたりしながら楽しく拝見しました。
ちなみにKIKKYの方は、なんだかもう、新感覚のアトラクションって感じで、衝撃度&体感温度に関してはZOKKY超えました笑。
ただこちらはかなりアダルティですので、女性の方はちょっとした勇気と覚悟が必要かもしれません。(もちろんエスプリの利いたギャグは健在ですが。)
ネタバレBOX
失禁蝶々『日本にトイレが無くなる日』
空きのトイレを求めてさ迷う成人男性(鈴木浩司・時間堂)のもとへひゅるりあらわる華麗な女(岡田あがさ)。
漆黒のドレスに身を包む高貴な女はしかしどこか魔女めいていて、片手にはシンデレラを殺した時に用いたような真っ赤なリンゴが握られている。
女は、男の気を惹くために召使に天津甘栗を買いにいかせた話などを聞かせるが、男はそれどころではないらしく、ちっとも話を聞いてくれない。
もうすぐ世界が終わるとしたら、命を乞うことよりも尿意から解放されることを願うような男と、不思議の国での暮らしが長いのか、人間の男の誘い方がよくわかっていないような女の相容れないふたりの欲望は、やがて時計の針のようにぴったり重なり、ふたりにしか理解しえない愛に溺れる・・・。
誘われる男と誘う女以外の4人キャストたち――斉藤マッチュ(劇団銀石)、さいとう篤史、石黒淳士、浅見臣樹が覗き穴から前方後方部の階段を上がりきった右手にあるという設定のトイレの前で、いまにも『失禁』しそうなサラリーマン風男性といった様相で、ポーズを決めこんでいて、5分間ほぼそこから動かない(というか動けない)というのがとってもシュールで笑いを堪えるのに大変でした。
今回は数日前に見た『ワイルドオタッキー』よりもいくぶん、慣れたせいもあって、アングルやフォーカスを自分のなかで微調整しつつ観ていましたのですが、観ればみるほど、精密なつくりで非常に幻惑させられました。
特に、誘われる男の顔右半分が覗き穴を塞ぐ静止画から、女に声をかけられ目玉をギョロリと動かしスッと斜め後ろから女が立ち現れる時のタイミングと遠近感、男が女の方に振り向く速度と角度、ひとりごとのように自分のことを話まくる女の声をバックミュージックのようにして誘われる男の唇から鼻、目へとなめらかにパンをしていくあのエッジの利いたフェティシズムには、崇高なる美を感じました。
また、ラストの方で誘う女が覗き人にウィンクをする瞬間などは、自分が男だったら即キュン死してました。笑
それだけに、ストーリーにももう少しゾクゾクするような何かがあってほしいなぁ、という欲も生まれました。といいますのも、トイレに並ばなければならないという必然性のようなものが見えにくかったのです。
ヘンな話、よっぽどの緊急事態であるならば、ひとはその辺で用を済ませることを視野に入れるのではないかしら、と。そうおもうと、その辺で用を足そうとすると魔女狩りされるとか、むしろ魔女に承諾を得ないと放尿できないというストレス社会だったり、そんな世の中すら謎の機械生命体によってもうすぐ終わってしまったりする方が空恐ろしいような。なんておもったりだったのでした。
KIKKY――耳だけで感じるささやき演劇。
ZOKKYの右隣の真っ暗な部屋。扉がひらくと白い椅子が一脚。
そこに座り、肘掛に両腕を乗せ両手首を固定、更にアイマスクで視界を遮断される。ラジカセからチープな戦の音が流れた後、扉が開く。
最初は遠くから聞こえてくる声が、だんだん近くなってきて。その声は耳からどんどん派生していき、全身に広がっていく。吐息のシャワーを浴びるといったらいいだろうか。
複雑なことは何もないのですが、観客・キャスト双方が隠れている、もしくは騙しているのではないか、という予感も相まってエキサイティングでした。
本能寺の変をモチーフにしていると思わしきプロットもエスプリが利いていてすてきです。ひょっとして観客の本能に響くことへの願いもこめられてたのでしょうか。
一応念のため18禁推奨します。特に純情ボーイ君たちは。想像力の翼を広げすぎぬよう・・。笑
篤姫だったりマリー・アントワネットを体験できる女性向きヴァージョンがあってもいいかもしれません。
闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ
グワィニャオン
俳優座劇場(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★★
元気が出てくる活力ある芝居
コリッチに掲載されてから待つ事3カ月弱、やっとグワィニャオンの芝居が見れた。ラグビーをどうやって芝居化するのか、大変関心を持っていたが、50人以上が演じる試合のシーンは迫力満点、舞台の限られたスペースを上手く使って臨場感のある試合展開を見せることに成功しており、パワーエンタテイメントを十分楽しむことが出来た。この芝居は、企画の藤原氏がラグビーを知り尽くしていたからこそ出来た作品で、また同氏の企画に賛同した関係者・出演者の苦労の跡がうかがえる。ストーリーはシンプルな昨今見る事のなくなった青春ものだが、その時代に思い入れのある小員にとっては、バックミュージックともども心を打たれ、笑いの他に涙腺が緩むことしばしばの2時間40分。 ストーリーは単純明快だけれど、芝居の迫力、あと休憩時間の7分間企画は大変グッド。追伸:ケロンパは久しぶりに舞台で見た様な気がしたが、なぜかいつもホッとさせてくれるキャラクターですね。
ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤
電動夏子安置システム
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/09/07 (火) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
Kバージョン
電夏さん2回目の観覧でした。
それにしても、インパクトのある団体名ですね!!
ネタバレBOX
≪賭博黙示録ナツコ ~シャハマーチ編~≫
体育館で巨大シャハマーチ!!
お客さんも参加し、お気に入りの俳優についていく。
体育館の周りには、もちろん黒服サングラス達。
「・・・ざわざわ・・ざわざわ・・・ざわざわ・・」
PRESENT あ・げ・る
ももいろぞうさん
劇場HOPE(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/21 (火)公演終了
満足度★★★★
SEXY TEAM観ました
最初は単純なファンタジーかと心配しましたが、適度に大人の味付けがしてあり、そのうえでダンスシーンが理屈を中和してくれて、感性で楽しめました。二役の演じ分けがよかったです。人形が人形のようにかわいい。上演時間約80分でちょうど良い。
忘却曲線
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
観劇できた、幸せ!
私事ですが、観たいけど、スケジュールが・・・でも観たく、なんとかギリギリ最終公演の予約とれたけど、電車が遅れて、小竹向原駅到着は、開演10分前・・・ていねいな、道案内メールを頂いてたのに、忘れてしまった私は、慌てて劇場にTELをする事、3回・・・慌て過ぎて、劇場前を行ったり来たりのマヌケな私の為に、劇団の方が、迎えに来て下さって、無事、開演に間に合いました。お忙しいのに、ご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした。お陰様で、こんなに素晴らしい舞台を、拝見でき、本当に、ありがとうございました。
ネタバレBOX
サラサラと流れ落ちる、砂時計のように、僅かでも、確実に積み重なる速さに、流されながらも・・・
すべてに、おいて、柔らかく包みこんでくれるような、心地良さもあり・・・
感覚に、呼び起こされる思い・・・
思いがあるからこそ、おこしてしまう出来事・・・
同じ事は、何一つおきないのに・・・立ち止まってしまう・・・
忘れる為に、書きなさい。
の一言に、とても、癒されました。
やけにリアルでありながら、はるか彼方の蜃気楼にさえ見える、空間と全役者さんの力量が、素敵な作品を、ますます輝かせていました。次回作も、必ず観たいです。
KOKORO=(ココロイコール)
Oi-SCALE
Glad(東京都)
2010/09/13 (月) ~ 2010/09/13 (月)公演終了
満足度★★
し、しまった!
ちょっと想像すれば解る事なのに想像力の欠如なのか、ライブとは煙草の煙をモロ吸うことだって気がつかなかった。気がついたのは入り口に入ってすぐのテーブルで茶髪のギャルがプカプカしていたから。
ぐはっ!(吐血!)
ここでまず早くも来た事を後悔。
以下はネタばれBOXにて
ネタバレBOX
更に一発目の歌は馬場陽太郎のボイスがノイズに消されて聞き取りにくい。でもって、その音楽はなんと~なく陰気で屈折した悪魔が地の底から這い上がってきたような暗さ。いあいあこれで盛り上がれ!っつーても無理な話ですわ。
そうして次はRICOのヒップホップ。しぇーン!!カムバッ~ク!!と叫びたくなるほどワタクシの好みから遠ざかる嗜好。
ついで、「アスファルト」というお題のリーディングを映像を駆使したらしい画像でもってリンクさせるのだけれど、この駆使した映像とやらが、ペットボトルや煙草や人間の指やボールペンや蝋燭やライターに光を当てて、その反射によって画像を作ってる裏方の様子は正直言ってちょっと興ざめしてしまった。何しろ、そこまでネタばれされると空想の世界が壊れてしまうと言う怖い現実でした。
アスファルトに横たわった、人間とバイクはまんま小さな写真を貼り付けて上からカメラで撮ってたし。。
ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤
電動夏子安置システム
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/09/07 (火) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★
活かしきれなかった個性
ルールに縛られたゲームの中で
人間の様々な面を描き出そうとした舞台でした。
最初の命令絡みのノルマのコントは面白かったけど
ゲームに入ると人が多すぎてちょっと分かりづらい。
また、それぞれに職業があるのだけど、その設定は活かされず。
そのせいかどうか分からないが、登場人物に妙なキャラ付けがされている。
これを面白いと取るのは観客次第だろうけど、
これは脚本としてはどうなんだろう?いいのこれで?と思う。
役者をもっと信頼してあげれば、キャラじゃなくて
状況に対する態度によって個性を示すことができたんじゃないかな。
2人のノルマ以外には何だか役割じゃなくてキャラで押し切った感じがした。
ただゲームのお互いのやりたいことのぶつかり合いから
人物たちの本音の場面に移る、緊張感の場面は素晴らしかったと思う。
最後は初日だったせいか、未完成のように見えたけど
色々と伝わって来るものがあった。
下北沢に続くようなので次も期待しています。
ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010
ZOKKY
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
観劇「15 Minutes Maid」
まず裏から入り,エレベーターで地下1階へ。なんか怪しげな受け付けがあって,待合ブースに案内される。なんか怪しげな風俗店みたいな感じ。ヘッドフォンを渡され,CDで案内を聞く。前にいた客が案内され,次が自分の番となる。もうこの時点で心臓はドキドキ。去年も観劇しているけど,慣れないなぁ。お目当ての原田優理子さんを間近で観れると思うと暴発寸前(爆)。で,観劇するが,あ!という間の5分間。ただ5分間とはいえ中身が濃い。終わったときには凄い脱力感に襲われた。ふー,ZOKKYは心臓に悪い^^;また,初心者には絶対オススメできない。それが異性の友人ならばなおさらである。
富士見町アパートメント
自転車キンクリーツカンパニー
座・高円寺1(東京都)
2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★
ずいぶん経ちますが。
ABプログラム、連チャンで観劇。なが~。
でもとても良かった。あえての順番つけると、
「ポン助」)))「リバウンド」=「魔女の夜」))「海へ」
また別演目で同じ形態で観たいな。良かった。
「ポン助~」また観たい。山路さん、いいな~。
劇場内のカフェもいいな。
*劇場外でのだめイケメン俳優と握手!
その後すっかりFANですよ。
おにもつ
東京マハロ
笹塚ファクトリー(東京都)
2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★
古き良き人情劇
キャストの面々良かった。
が、フツーの古い人情話。
ネタバレBOX
「AKB」「ととのいました!」のワードだけじゃなく
2010年の今を感じたかった。
人と人とのつながりの大切さ温かさを伝えるのは分かるが、
若い劇団なので「今」の時代も含め伝えてほしい。
鏡池物語
野外劇団楽市楽座
筥崎宮(福岡県)
2010/09/12 (日) ~ 2010/09/18 (土)公演終了
野外劇おそるべし!
なんとなくこわごわと覗いてみたくなるのは、ここ箱崎の
放生会の見せ物小屋やお化け屋敷と同じ感じなんだろう。
実にタイムリーに公演がうてたのは偶然か必然か。
一家三人だけのユニットは技術も情熱も高く、観るものの
感動を誘う。投げ銭制なので放生会に行く方は覗いてみても
悪くないと思う。
ミッドサマーナイツドリーム・イン・インターネット
エビビモpro.
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/08 (水) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
仮想世界の恐ろしさ
ミュージカルとは書いてあったけれど、想像していた以上にミュージカル仕立てになっていたので驚いた。コーラスもそろっていて美しい。
実生活でひどく傷ついた男女がインターネットの世界で出会い、再び傷つきながらも真実の愛をつかむまでの物語。育児ネグレクトや中絶・子殺しの問題も扱う。インターネット社会は互いの顔も見えず、相手のこともよく知らずに交信するのだから、思いがけないことにも遭遇する。他人事とは思えない身につまされる内容だった。
ネタバレBOX
人気ゲームの開発者として一世を風靡した男(古山憲太郎)は、自分のゲームに熱中して健康を害した少年が死んでしまったことにショックを受け、仕事を辞め、インターネットの仮想世界で「神様」として生きている。彼は妖精の世界と、生かされなかった子どもたちの世界を作っている。生かされなかった子どもの世界では、親の都合で生まれなかった子どもや殺された子ども、病気や事故で死んだ子どものキャラクターを再合成して成長させようとしている。
妖精の世界では、実社会でさまざまな問題を抱える大人たちが、妖精となって楽園で生きている。
そこにマミ(角島美穂)という若い女性が現れ、ティンカーベルの案内でインターネットの世界へ案内される。マミの願いは真実の愛を探すこと。mixiや2ちゃんねるを経て、妖精の世界にやってきて、そこで愛をみつけようとする。
2ちゃんねるの場面は仮面だけでなく、用語を取り入れるとかで、もう少し面白く説明できたのではないかと思う。
マミは優れた音楽の才能を持ち、留学から帰ってから誰の子とも知れぬ子どもを産んだ。ピアノのレッスンに熱中したさなか、エアコンのスイッチが切れていることに気づかず、赤ん坊を熱中症で死なせてしまった。深く後悔したマミは、自ら耳の鼓膜を破ってしまった。音のないインターネットの世界で真実の愛を探そうと、最後の望みを託していたのだ。やがて神様はマミを愛するようになり、実生活でマミを幸せにしてやりたいと思い始める。神様を愛するラナンシー(色城絶)はさまざまな罠を仕掛けて、2人の愛を妨害する。信用して心情を打ち明けている途中で別のキャラクターがなりすまして入れ替わり手ひどく傷つけたり、ウィルスを感染させる霍乱目的の妖精がいたり、役目を終えた妖精のキャラクターが抹殺される場面が、現実社会でも起こりえる場面だけに、恐ろしく感じた。
マミは妖精の世界で実の兄のグレムリン(橋本考世)と出会うが、互いの正体はわからない。兄はやはり音楽の才能を持っていたが、両親はマミの才能のほうに注目し、集中して才能を伸ばしてやろうとしたので、兄は音楽の道をあきらめていた。
「真実」の精(矢ヶ部哲)が神様の前に現れ、エアコンのスイッチを意図的に切ったのは兄であると神様に打ち明ける。神様はマミの子どもは兄との間の子であったと言い、自分は傷を背負ったマミを現実の世界で愛し抜くと誓う。
古山は、傷を背負った男だからこそ持てる包容力を感じさせ、芝居を引き締めた。
フィナーレで、妖精たちが現実の姿で現れ、並ぶところが印象的。妖精を演じていたときは、一種みんな化け物のように胡散臭いが、妖精の仮面を脱げば、みな、普通の人間なのだ。
マミを助けるティンカーベル(でく田ともみ)と神様を助けるランプの精ジーニー(宮本翔太)だけは本物の妖精のようだが、するとネットでの存在の意味がわからなかった。
死んだ子どもたちの世界の仕組みがいまひとつよく理解できず、「ロード・オブ・ザ・リング」のパロディのようだが、このキャラクター、フロド(しゃなちひろ)とサム(熊坂四歩))の存在が何なのかわからなかった。
ムーミン(永田歩)が音痴の設定で大声でがなりたてて歌う場面が聞き苦しく、永田を見ていて気の毒になり、不要だと思った。
最後に、ピアノを弾き続けていた死の妖精・バンシー(海ノ幸子)こそ、マミの傍に常に寄り添っていた「音楽」であったことが明かされる。
出会ったのが仮想世界であっても、人は生身でなければ真実の愛や友情を育むことはできない、ということをこのお芝居は教えてくれている。
「マミ」は「真実」の意味も含んでいるのかもしれない。
『春、夜中の暗号』『よかっちゃん』
NPO法人FPAP
ぽんプラザホール(福岡県)
2010/09/07 (火) ~ 2010/09/08 (水)公演終了
短編を2本
それも全く違う演出という企画が良かった。
どちらも死の影が見える作品なんだけど、それが思い切り前面に出る
演出と 笑いのかげにかくしている演出。と受け取った。わたなべさんの
演出にはほんとにびっくりしたのだけど、しばらく時間のたったあとで
反芻するととても味わい深くなってきて各シーンがすごく
甦ってきた。観客参加型の演出にはいろんな意見があるようだけど、
私はとても好きだった。大声を出せてすっきりした。(^_^)楽しかった。
宮園さんのこれからの作品にも期待します。
朗読劇 私の頭の中の消しゴム
ドリームプラス株式会社
天王洲 銀河劇場(東京都)
2010/09/08 (水) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
絶妙なタッグ
レミゼのマリウス役、ミス・サイゴンのクリス役での実力派で知られる藤岡正明の演技は流石。リーディングといえど、お話だけで観客を号泣の渦に巻き込む力量はやはり、プロでした。そうして、あまり期待していなかった岡本玲。彼女の演技も実に素晴らしかったです。
二人で血の滲むような練習したのだろうと思わせるほど、息がぴったりで岡本の絶叫や儚く消え入りそうな声が藤岡の声にマッチして二人の世界を作り出してた。
会場は号泣に重なる嗚咽に包まれ心地のいい涙を流しました。
この二人の回はお勧めです。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
建築会社を営む社長の娘・かおるとその会社に勤める高原こうすけの純愛物語。
お互いの日記を読むという形で描写するリーディングだったが二人の感情の起伏の表現があまりにも見事で直ぐに物語の世界に誘われた。
二人は建築現場で出会い恋に落ちたが、かおるのひたむきで一途な愛を中々受け入れられなかったこうすけは、幼少の頃の暗い影を背負っていた。それは七夕祭りで母親に捨てられた過去が小さなこうすけの心を屈折させ愛に対して臆病にさせていたのだった。
人生は絶望の連続だったと言い切るこうすけの心を説得し正面から向かい合って幸せを掴むことを恐れないようにと、こうすけ自身を氷解させたのは他でもないかおるだった。
やがて二人は結婚し希望に満ち溢れていたが、そんな幸せも束の間、かおるは変頭痛に悩まされるようになる。同時にかおるは物忘れも酷くなる一方で、病院からは「若年性アルツハイマー」との診断が下される。しかし、こうすけを思い遣ってこの病名を打ち明けずに離婚を申し出るかおるに対してこうすけは深刻に悩んでしまう。こうすけと出会う前に付き合っていた不倫相手の和哉の影にも怯え疑心暗鬼になりながら鬱々と暮らしていたが、半年も経ってようやくかおるの病気を理解したのだった。
そうこうするうち、かおるの病気は進行するばかりだったが、かおるの傍でかおるの介護に明け暮れるこうすけは、決して不幸ではなかったものの、こうすけが帰宅すると「お帰りー、和哉さん。」というかおるの嬉しそうな言葉に深く傷ついてしまう。本当は和哉のことが好きなのではないか?と悩むこうすけ。
そんな生活の中、いよいよ記憶は遠のくばかりとなったかおるは、こうすけへの変わらぬ愛をしたためた一通の手紙を残して出て行ってしまう。こうすけは絶望し泣き叫ぶもかおるは戻らなかった。
さらに数ヵ月後、かおるからの手紙が届き、その住所から施設を探り当てたこうすけはかおるに会いに行くも、かおるは既にこうすけを覚えていなかった。落胆するこうすけの表情。しかし、かおるが描いている小学生のような図画にはこうすけの似顔絵が何枚も描かれていたのだった。
涙が枯れてしまうのではないか、と思うほど号泣して嗚咽した舞台だった。改めて二人のキャストの素晴らしさを実感したものの、客席は半分以上空席の状態。思うにチケット代が高すぎると思う。リーディング舞台なら集客できる金額は3500円までだと思うのだが・・。
ビリーバー
シーエイティプロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
意外な
チラシの感じでは、よくあるアメリカンハートウォーミングな感じかなと勝手に想像していましたので、作者が、9.11テロをきっかけに書いたと知って、少し驚きました。ひたすらサンタクロースを信じる主人公を前に困惑する妻と子供。草刈さんと風間さんが兎に角好演です。もちろん、川平さんも魅力全開。
心の止り
劇団俳優座
シアターX(東京都)
2010/09/09 (木) ~ 2010/09/15 (水)公演終了
満足度★★★
揃う
暗転の多さに少し辟易ですが、俳優座お得意のちょっぴり重めのホームドラマ。役者が揃っていることが何より強みです。
島
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2010/09/04 (土) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
認識する
被ばくした主人公の愛称がぴかさん。作者の思い入れを感じる。原爆の被害は広島市内や長崎市内だけでなく、周辺の村や島をも巻き込んでいた。忘れてはいけない事実を再認識する。