「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】
劇団アニマル王子
ブディストホール(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★
面白くまとめた話になっていた
様ような人々の生き様が上手に表されていました。
納得の出来るキャラ設定に、よく動く役者さん達。
声も大きく良かったのですが、
主人公君がちとカンでたりしたのが惜しかった。
ネタバレBOX
鬼女役の方は、声といい存在感といい強く印象に残る方で。
いい感じに舞台〆ていました。
衣装も、なかなか暑いでしょうに。
皆様しっかり着こなして動かれていましたね。
観客席横通路まで使った動きは、ダイナミックでよかったです。
最後の「笑う角には、明日が来る。」というメッセージは。
唱和されて心に残りました。
人死にも多い話ながら、明るく明日へと繋げて。
生き抜こうとする、力強い人間賛歌な物語になっていてスッキリしました。
悲劇ベースでも作り方次第でしたね。
リリーの方程式
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2010/09/15 (水) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★
場所の固定された短編集
って感じでしたかね。
リリーを取る(取ろうとする)までの、
一連の話を3話+OP/EDで見せた芝居でした。
各話共に個性あふれるキャラクター出してきて楽しめました。
しっかり繋げて話進めて違和感無く、すっきり見れて面白かった。
ネタバレBOX
改装工事前の事前調査に来て、
リリーを取る事に話を持っていかれるリフォーム請負い業者さん。
バンド追っかけギャル達の願望話。
ピンクハウスのヒラヒラ感とボンテージ風のお姉さま方の、
対称がアンバランスで面白かった。
闇金の取立て話
テンションの高い中国人さんの演義が大変笑えた。
壊れたボーリングの球を、眼も光る「ハロ」に改造したオタクくん。
大爆笑してしまいました。
ただ、せっかくの発光ギミックだったんだから。
オタクくんに「照明OFF」とか言わせて欲しかったかな。
ロボコンの部活での話から、
人造人間の話に繋がる、シュールなSFもの。
顔が思い出せなくなったり、ハグされたりの理由が理詰めで納得でした。
ただ、煙草はリアルに吸って欲しくは無かった。
臭いや煙が嫌なんですよ。
も少し配慮欲しいな。
女の子になって好きな男子に告白したい・・。
という少女漫画的な話しながら、登場してるのはデカイ兄さんで。
舞台そでに引っ込む度に、違う女性で出て来る演出は上手でした。
冒頭の願いが、「リリー」とれたら本当に願い事が叶うようにと。
上手にオムニバスに、くっつけたのが納得でした。
ズーッと「リリー」のセットで出ずっぱりの「店長代理」くんも、
なかなか良い味出していました。
PRESENT あ・げ・る
ももいろぞうさん
劇場HOPE(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/21 (火)公演終了
満足度★★★
チラシのイメージと
舞台の手作り感のバランスが妙でした。
チョットHな感じの大人の童話でしたね確かに。
(「アメリ」+「ティム・バートン」)÷2って感じでしょうか?
ネタバレBOX
桃色のジョウロだけだと思ったら、
巨大な二人ががりの、桃色の象さん出してくるとは思わなんだ。
孤独な少女が子供の頃に見た悪夢の再現。
という形で、賑やかなショーが繰り広げられました。
「パコと魔法の絵本」の方が近いかな?
ダイナマイトなお母さん、
腹筋がスジ書き込みのお兄さん、
喋る肉食植物などなど、
キャラクターが個性豊かでした。
(小学生と言い張る主人公も含めて)
主人公の過去と現在を同時進行で見せて、
最後につなげた所は、判り易かった。
一言で言うならば、玩具箱を引っくり返したような芝居でしたかな。
俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない【公演終了】
劇団鋼鉄村松
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★
ナンセンスとデカダンスが同居。
十九世紀のフランスみたいな国の、
終末観的なデカダンさえ漂うひとびとの群像。
西洋の古典戯曲と現代劇を強引に同時上演しているようなミスマッチさに
目を見張りました。
どちらかといえば奇抜な雰囲気を醸し出す登場人物が多いのですが、
秩序の保たれた会話で展開していくので、安心して楽しめました。
ただ、上演時間が2時間10分(途中休憩なし)なのは、
少し長いような気がします・・・。
ネタバレBOX
ある日『決闘介添人』の職を思いついた30歳でニートのギュスターブは
一人目のクライアント、ランドルフの娘・ヒルダに恋心を抱く。
彼女への熱い想いがほとばしるなか、戦争の影が忍び寄ってきていた・・・。
ヒルダとの出会いから恋心を抱くまでに
ヒルダの父・ランドルフと向かうところ敵なしの貴族、ジラルダンとの決闘と
フランシスという貿易商とジラルダンの家来・ドルレアンの決闘の描写に
多くの時間が使われるので、ギュスターブの恋はどうなったの?
という関心ともどかしさに付き纏われました。
小汚い恰好をしている一市民のギュスターブの父が
実は貴族であったが自殺をしてしまった、とカミングアウトをしてからは
物語が一気に加速して、うねりが出ていました。
敵対する国の娘を好きになり、戦争によって引き裂かれてしまう・・・
というとロミオとジュリエットを思い出してしまうのですが、
あれほどまでに熱烈な情感もロマンティシズムもなく、
ギュスターブの切ない片想い・・・、
から進展しないラブレスには胸がヒリヒリしました。
双方のどちらかが死ぬまで続けるのが『決闘』である、と主張する
ジラルダンとそんな彼を仕えつつも矛盾を抱えるドルレアンの苦悩は
よく伝わってきました。
ジラルダンとランドルフの戦いをスクープした新聞記者のセドリックが
十九世紀っぽい時代背景であるにも関わらず、
その辺にいるサラリーマン風の出で立ちで語り口も普通、
貴族のジラルダンは豪華絢爛な衣装に身をつつみ
優雅な振る舞いをするその落差、とても愉快でした。
できれば、ひとびとの、なにげない会話のなかから
貴族と市民の生活様式の違いや、
『名誉』のために戦う意味について、もうすこし詳しく知りたかったです。
闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ
グワィニャオン
俳優座劇場(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★
迫力は確かにすごかったけれど、なんだか勿体無いような。
なんというか、本当にすごい迫力で、
まるで本当に競技場で試合を見てるような、
ものすごい迫力と臨場感。
それは確かにすごかったけれど。。。
【追記】休憩中には席を立って身体を動かすことをお勧めします。
動かなかった私…翌日(今日)、エコノミークラス症候群のような症状が出てしまい、今つらいです。歩行することすらきつい。。。
ネタバレBOX
お芝居、としては、どうなのか。
話の筋が、ありがち(予想通りの展開)で。
つぶれそうな商店街の活性化、二代目の苦悩、病気の克服、夫婦愛、親子愛。
どれもありがち(どこかで観たこと(聞いたこと)がある感じ)。
最後の試合も、1点差で負けるんだろうなと思ったらやはり負けちゃうし。
街のベスト10を発表する感じも某キンキンの番組っぽくて(わざとでしょうけど)、
なんだかちょっとがっかり。
今までみてきた、グワィニャオンの良さが、あまり出ていなかったような。
ていうか55人も出演者がいたら、なんだか役者の個性て関係なくない?
みたいに思えてきてしまいました。
(関田豊枝さんは降板されたのですねぇ。彼女が私の最大の目的だったのに。)
7分間の『休憩』がいちばん面白かった(笑)あれはズルい(笑)
「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】
劇団アニマル王子
ブディストホール(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★
ハイテンションな和風マクベス
『マクベス』をベースにした中に『黒塚』の要素が織り込まれた物語で、連鎖する恨み・怒りが上手く表現されている脚本でした。
大勢の役者の身体表現でシーンを次々に展開して行く演出は安心して観れるものでしたが、大声&早口でまくしたてる様な話し方は聞き取り辛かったです。せっかくのシェイクスピアの名台詞も間がなく畳み掛ける様な調子だったのがもったいなく思いました。
能の作品を用いたのなら、能の静謐さを感じさせる演出があっても良かったと思います(歌舞伎的要素はありましたが)。
眞久部(マクベス)の道化的な悲哀感を漂わせる演技と、その夫人役を演じていた方の存在感のある演技が印象に残りました。
あと些細なことですが、江戸時代のに設定で台詞も古めかしい言い回しなのに「コントラスト」や「ペン」などのカタカナ語が出てくるのは違和感がありました。
自慢の息子
サンプル
アトリエヘリコプター(東京都)
2010/09/15 (水) ~ 2010/09/21 (火)公演終了
満足度★★★★
王のいない「王国」
ストレートに分り易くなったなー、というのが第一印象。
一癖も二癖もある人物達を今回も配しながら、相変わらず巧みに
舞台装置を用いながら、台詞もメッセージ性も「ハコブネ」の時以上に
一直線に観客に伝わってくるのが今作。
逆に、何が起こるのか分らない、その予測出来無さを楽しみに
サンプル、松井作品を観に来ている人は、今作は結構想定出来る
感じなので物足りないかもしれません。
ただ…ラストシーンのある台詞には背筋が凍った。
アレって…暗示してるの一つだけだよね。。。
ネタバレBOX
世界を正しく導くために、父親に「正」と名付けられた男。
彼がアパートの一室を「王国」と名付けることから、この話は始まる。。
といっても、部屋の一室が便宜的に「王国」となっても何も変わらない。
通貨も無ければ、言葉もロクに考えられてない、そもそも王しかいない
王国は果たして王国といえるのか??
亡命者の兄弟は所謂「危険な関係」にあり、それを隠すために
この新国家に亡命してきている。
しかも、兄の方はいつも懐にナイフを忍ばせているような
強迫観念に駆られている男で、物語では明示はされないが
本当に二、三人は思わず殺ってしまっちゃってるんじゃないだろうか?
隣室に住んでいる女は、いもしない「陽」という自分の息子の幻影を見、
必要のない洗濯を日がな何度も繰り返す。。
そしてこの国の王たる正は…部屋に引きこもってはぬいぐるみのミニ
人形と専ら戯れているだけの、女性経験全く無し、職歴も全く無しの
もう絵にかいたような典型的な生活不能者…ですな。
そのような現実から「亡命」してきた人間達が便宜的につつけばすぐに
破れるようなベッドやらカーテンやらのシーツの塊でこねくりだしたのが
この王国の正体。 つまり、すぐにでも破綻することは必定。
「国民」や「王」も必要があるから共犯よろしく、この抜け殻の王国を
持ち上げているだけで、意味がなくなればすぐにベッドからシーツが
はぎとられるように消えてなくしてしまおうと、新しく創っちゃえばいいじゃん?
位に考えている。
この作品,観ていてNODA MAP「ザ・キャラクター」を思い出しました。
現実の中に架空の、偽りのコミュニティを造り出して、そこで醒めない
夢を見続けるんだろうな、という点で…。
最後、二代目「陽」になった兄が妹に向かって放った言葉、
「陽は土の中で眠っているーーー!!!!」
「やがて脱皮して新しく生まれ変わるまでーーーー!!!!」
「土の下でお前を支える支えになるからなーーー!!!!」
に、心底背筋が凍った。 コレ、陽って子は既に母親に虐待を受けて…
で、土の下で「眠っている」ってことでしょ? 瞬時に想像してすんごく怖かった。
最後、みんなしてシーツを掲げたあの光景、アフタートークで松井さんは
ドームって表現していたけど、私には今まで、そして未来永劫漂流し続ける
ヨットの帆にしか見えなかった。 そして、ナイフを自動人形よろしく
掲げ続ける妹の姿に本気でびびった。
変態度も、意味わからなさも若干後退気味で、その分上記に書いたような
テーマ的な部分は大きくクローズアップされているので、この劇団に
興味がある人にはリトマス試験紙的な意味で良いかも。
R 学 級 の 中 心
荒川チョモランマ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★
技術は高い、作品は幼稚
旗揚げ公演「R学級の中心」
演出、役者などの個々の技術は高いがその方向がバラバラ。どこにでもあるできの悪い青春ドラマ、昼ドラの寄せ集めのようにしか見えなかった。
ぱっと見が華やかなので中高生なら喜ぶのかもしれませんが…
本題とはあまり関係のない犯人探しを勝手に盛り上げて犯人の名前を書いたポストカードを終演後に売るというのはどうなんですか?
劇団としての品格を疑いました。
中高生が文化祭で上演したなら笑って済まされるが大学生がこのような作品を作ることで何がしたいのか皆目わからなかった。脚本家の問題意識が的外れではないでしょうか。
上演が終わっても「それがどうかした?」と悪い意味でもやもやしただけだった。
今後に期待します。
テノヒラサイズの人生大車輪
テノヒラサイズ
HEP HALL(大阪府)
2010/09/14 (火) ~ 2010/09/15 (水)公演終了
満足度★★★★
思い出し笑い
初日で少々トチリがありましたがそれもご愛嬌。あ~楽しかった!もっと大笑いしたかったのだけど、周りを気遣いちょっと控え目な笑いになってしまいました。思い出し笑で我慢します。プククッ
テノヒラサイズの人生大車輪
テノヒラサイズ
HEP HALL(大阪府)
2010/09/14 (火) ~ 2010/09/15 (水)公演終了
満足度★★★★
おもしろかったです☆
大阪公演の千秋楽を観てきました。
初テノヒラサイズさんでした。
素直におもしろかったです!
舞台の上にはセットがひとつもなく。
あらゆるものを、パイプ椅子を使って表現してました。
使い方がうまくて、本当にそのように見える☆
衣装は、出演者お揃いの真っ赤なつなぎで没個性。
そんなわけで舞台美術にも衣装にも頼らない、役者個人個人の演技力勝負な舞台だったのですが。
それが物足りないと感じないような豊かな表現力で、とても楽しめました。
ぜひ、あのパイプ椅子パフォーマンス、表情を堪能するべく少しでも良い座席でご覧いただきたいです。
ひとつひとつのエピソードがとんでもなくて、おもしろかった。
そして全部見終わったあとの気分は、とてもすっきり爽やかでした。
あえて内容には触れませんが、東京公演もぜひ!沸かせて帰ってきていただきたいです。
テノヒラサイズの人生大車輪
テノヒラサイズ
HEP HALL(大阪府)
2010/09/14 (火) ~ 2010/09/15 (水)公演終了
満足度★★★★★
パイプ椅子が、こんなに!!
7人の話が最後にかみ合って、無理やり感も、また良い感じ
1つの芝居に3つ分くらいの物語が詰まっていた。
全員つなぎの服とパイプ椅子のお芝居
面白いお芝居をありがとうございました。
休んで観にいった価値がありました。
【ご来場ありがとうございました】みんなのへや/無縁バター【全ステージPPT実施】
アガリスクエンターテイメント
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/09/14 (火) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★
確かに笑った
おもしろい、確かに。でも既成品な感じがするのだな、感覚的なことなんだけど。
ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010
ZOKKY
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
「舞台芸術アワード!2010」に、
すでに投票確定したので、「観てきた!」に書かざるをえない。2作品しか観ていないんだけど♪
SURROUNDED ALWAYS
年年有魚
新宿眼科画廊(東京都)
2009/05/27 (水) ~ 2009/06/09 (火)公演終了
満足度★★★★
初観です!
この劇団の不思議な魅力が、ジワジワと伝わってくる。
松下さんも素敵なキャラクター。
リリーの方程式
9-States
OFF OFFシアター(東京都)
2010/09/15 (水) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★
空調が寒すぎて集中できず
開演して20分も経たないうちに場内が寒すぎることに気づく。しかし、奥に座ってしまったため出るに出られず言うに言えず。我慢しながら観ているとそのうち、足が冷えて頭が痛くなってくるという最悪の環境で観た芝居。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
リリーを倒す事が出来たら、一つだけ願いが叶うらしい。などという都市伝説が囁かれていたボーリング場での出来事。物語は5本のオムニバスで構成されるも、それぞれ5本は少しずつ繋がっている。
序盤、ボーリング場で見るクラスターがセットされた舞台はなんだかワクワクして、更にそこに球が出てくるシーンは思わず笑ってしまった。
今回の芝居はこのリリーにちなんだ劇だったが、一番面白かったのが「社長と呼ばれてみたものの」だった。登場するキャラクターの立ち上がりが実に愉快で、特に社長こと月野木歩美が被り物を装着して登場するシーンは怖いというか宇宙人の襲撃かと想像したほど。また危ない輩から借金をした3人のキャラクターが実にお見事でマジで面白い。むしろこの「社長と呼ばれてみたものの」だけで全編を観たかったほど。
これ以後の短編はあまり面白いとは感じなかった。寒すぎてそれどころではなかったのだ。観客の観劇環境を整えるというのは基本中の基本なのだが・・。
ああ、今でも頭が痛い。風邪をひくのだろうか・・?
「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】
劇団アニマル王子
ブディストホール(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★★
バッチリです!
非常にまとまっていて、観せ方が上手です。
眞久部さんと神無さんの演技が際立って良かったです。
カツゼツ悪い○○さんも一生懸命で、微笑ましい。
楽しめました。ありがとうございました。
ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010
ZOKKY
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
コアの感覚をわしづかみ
Zokky初見。
間違いなく演劇だったし、きちんと作りこまれた表現でありました。
ありましたが、そういう範疇での考察をあっさりと停止させる、
観る側のコアをわしづかみにするような世界に呆然としてしまいました。
ネタバレBOX
壁一枚の近距離でのお芝居だからといって、
役者たちが表現力の牙を納めているわけではなく、
むしろ獲物を捕らえたかのように
がっつりと観客に向かってくるわけで・・・。
そもそも、この上演スタイルの話を伺ったとき、
壁って、コンテンツに高揚した観客から役者を守る為のものかなと
勝手に想像していたのですが、
実際は逆で、
役者の表現に圧倒されずに作品を見続けるための
観客を守る盾であることに気が付く。
劇団スクール水着に至っては
その盾や観客としての匿名性も剥ぎ取られ
ほとんど演劇の空間に沈められるようにして
作品に浸されるわけで・・・。
KIKKYに至っては
その盾すらなく
観客が視覚に闇を纏うだけ。
想像力が感覚を生むだけでなく
感覚に想像力が追い越されて
置き去りにされてしまうような感じすらあって・・・。
個々の作品に霧散せず
烙印のような印象が残る。
なにか絶対に夢に出てくるような、
でも、間違いなく、きわめて演劇的な体験に
しばらく自らをリセットができず
ぼぉーっとしてしまいました。
まだ、C分の予約演目が残っています。
こんどはどんな残像が心に刻まれるのか
今からどきどきしております。
ヘルプマン!
株式会社オフィスインベーダー
吉祥寺シアター(東京都)
2010/09/15 (水) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★
介護の世界を知る一助になりました
介護の理想と現実の違い、悩む現場の人々の姿が生々しく描かれていました。
ネタバレBOX
ヘルパーさんとケアマネージャーの仕事にお互い手出しのできない垣根が存在することが分かりました。それなりの意味があるのでしょうが、複雑な気持ちになります。
老人を元気づけるために恩田百太郎がしたこと、意外なことでしたが、なるほど元気になるんだ!と、納得。
そして、望みを断たれた時の落胆で一気に生きがいが無くなることにも納得。
【ご来場ありがとうございました】みんなのへや/無縁バター【全ステージPPT実施】
アガリスクエンターテイメント
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/09/14 (火) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★★
どちらも楽しい!
コメディとシリアス物の二本立てかと思っていたら、ああこうなりましたか!
ネタバレBOX
『みんなのへや』は、ベッドと小さなテーブル、便器が本物で、押入れと棚と湯船としてスケルトンの金属枠が置かれ、壁やドアは省略されているため、登場人物がベランダ、押入れ、トイレ、風呂場に隠れても、その表情が見えるようになっていて楽しめました。ベッドの下だけは見えませんでしたが…。
ダブル不倫にホモ友だち、ここが新鮮でした!泥棒、ストーカーや大家も加わって、誤解が誤解を呼び、脱出しようとすると人に出くわす、そのような展開は良くあるパターンですが面白かったです。
ストーカー役の女優さんが顔の表情などいい味出していました。
『無縁バター』は、先のシーンからテーブル敷きをどかすと人型の滲みが現れスタート。
孤独死した男の娘が登場して、親族がいても無縁な社会の実態を明らかにしていくのかと思いきや、男の嗜好から幼女を監禁していたのではないかという疑念が湧き、それが子猫を連れてきたに変わり、最後は難破した宇宙船から助け出した宇宙人を連れ帰っていたことが分かるなど、どんどん話が別方向に進み、最後はピカッと記憶を消して終了。
どちらも甲乙つけがたい出来でした。
PRESENT あ・げ・る
ももいろぞうさん
劇場HOPE(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/21 (火)公演終了
満足度★★★
ちょっと
ポップなメルヘン・ファンタジーで、少しだけアダルト。でも正直ちょっと物足りなかったです。