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視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

素晴らしい企画
3人か4人の役者のための30~40分程度の作品のコンペで、それぞれ異なる質感を持った魅力的な作品で楽しめました。

ミナモザ
理由もなく肋骨を折ろうとする医者と患者のやりとりが古典的不条理劇みたいでした。サスペンス→コメディ→感動モノ(?)と緩やかに切り変わっていく脚本が見事でした。

鵺的
性的マイノリティの中のマイノリティという特殊な立ち場を描いていて、何が常識なのかを考えさせる内容でした。途中で女の立場が明らかになった後の展開が圧巻でした。殺駁とした演技が素晴らしかったです。

MU
臨死体験の記事のライターを軸に生と死を書いた作品。笑いとシリアスさのバランスが良く、分かりやすい作品でした。エピソードを膨らませて長編にしても良さそうです。アシスタント役の演技がいかにもいそうな感じで、しかしわざとらしくもなく印象に残りました。

良い企画だったので、今後も継続して行って欲しいです。

淑女冥利

淑女冥利

多少婦人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

独特の雰囲気で。
なんか不思議な劇団でした。特に最初。「えっつ?」って驚かされたけど、中盤以降はいい感じになって。違う作品も観て見たい。

ネタバレBOX

耳削いじゃだめでしょ。マスクの意味もそうなんだった。これ以上書けない。。。
視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

三様それぞれ
各劇団の表現力と思考が違えばこその個性溢れる舞台だった。とにかく面白い。テーマは「トランス」ということだけれど、どの劇団にも通じる「精神の屈折」の表現具合が絶妙だった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

患者の肋骨を折っていた看護士を描く『スプリー』(ミナモザ)では左手しか動かない患者の虫のような蠢きが面白かったし、患者の動作に対してただただ、「イラっとした」という理由で患者の肋骨を折ろうと企み、ついでに不倫相手にもこうして、あてつけを兼ねる行為をする看護士。一方で患者の担当医ことカサイは厄介な不倫相手と切れようと看護士の人格障害をネタに理由をコネル。笑)
序盤では骨を折られまいと看護士を宥めたりすかしたりしていた患者はバイク事故での相手を殺してしまった告白をすると、「全ての事は意味がある。これは罰だ。生きているものは全て塊で大いなる物の部分に過ぎない。全ての出来事は繋がっている。君の痛みは僕の痛みだ」などと講釈して、看護士に「それじゃあ、私は私の肋骨を折るわ。」と仕向けてしまう。とんだ展開!笑


セクシュアル・マイノリティを連想させるキーワードを含む『クィアK』(鵺的)の描写は相変わらずの屈折さ。この劇団の特徴は卑怯なほどの屈折さが売りだと思っている。笑
ゲイを自称して20年。身体も精神も女が駄目だと思って疑わなかった木谷は女を知ってしまった日から「この女が居ないと生きていけない。」という身体になってしまう。近藤の前では女を奴隷のように扱っていながら、実は木谷の身体は女の奴隷になってしまった。という女に目覚めたゲイのお話。卑屈なほどに女を奴隷扱いしておきながら、終盤の真逆の展開があまりにもお見事!いつも思うことだけれど、平山寛人って「カイジ」に似てる!笑


臨死体験で感じた光を確かめ合う『無い光』(MU)では「光」を信じて三途の川を渡ろうとしている右手が不能になってしまったイラストレーター・理英を死なせまいと足掻く同級生の男たちを描写する。ここでの最大の問題は同情と単なる組み合わせや配分の誤りによって生じているような気がする。後藤と修造は理英が好きで後藤を好きなのは朝子だ。修造と理英が付き合っていると勘違いした後藤は中学生の頃に自殺を試みた。好きな相手が自分を好きではない。というちょっとした組み合わせの違いでぐちゃぐちゃになってしまう。考えてみればこの世界の問題の多くは配分の誤りによって生まれていると言っても過言ではないような気がする。ただの不均衡で。笑
更につきつめると、人は断りもなく自分として生まれさせられ、断りもなくその自分を奪われてしまう。だとしたら自殺するなんて回収の手間が省けるだけ向こうの思う壺だ、と思う。



以上、3つの物語だったが爆発的な屈折さが面白い。短編なので長編ほどの重みはないがそれぞれの嗜好を楽しめると思う。



ミストレイン

ミストレイン

発条ロールシアター

タイニイアリス(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

「あけてくれ」
いわば集団「あけてくれ」(←今時通じるか?)状態?(笑)
不条理にも勝手に動いたり止まったりする電車に閉じ込められた人々が、事態を通じてそれまでのトラブルや悩みから一歩前進して朝を迎えるラストシーンが、照明効果と相俟って印象的。

にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫

にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫

クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)

Heiz Ginza(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

淡々と進むリアリティー
淡々と進むのですがまったく退屈することなく、話にのめり込んでいきました。また、舞台設定も見事でまさにその場所いるかのような感覚に囚われました。

特筆すべきは、役者さんが皆さん本当に実在していそうな人を自然な演技で、普通に演じていることです。演じることが一番難しいと思われる普通の人を普通に演じることをやってのけているのは凄いです。

本公演も是非観てみたいと思いました。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

電動夏子安置システム

Geki地下Liberty(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

ジェノルマ最高!
笑いはもちろん、ラストに向けて考えさせられる、人間とは人間の言動とは何か…
すばらしかった。

ネタバレBOX

久しぶりに見たジェノルマシリーズ。

なしおさん澤村さんも客演先から劇団に戻られて、劇団員揃ってのフル芝居。

役者さんそれぞれの魅力が存分に発揮されたお芝居になっていました。

KチームとMチームに分かれて行われるこのゲーム。
ジェノルマにはルールがあり、あらすじではちょっと分かりにくく感じてしまうのですが、観ていると自然に理解し、役者さんに移入してしまいます。

ルールを守るもの裏切るもの。
ルールの中から正解を導きだそうとするもの。
人は何かにしばられて生きているのか?
それは社会なのか他人なのか、もしくは自分自身?

さまざまな人間の欲望。自分にもあるその欲望ははたして自分が本当に望んだものなのか?
それも全てひっくるめて運命なのか…

そんな事を終演後に興奮した頭で思いめぐらせています。

Mチームの作品を拝見しました。
一言で表すと、クール!
今からKチームも拝見します。

さてさてまた違うお芝居が見られるのか!?
楽しみです。
リリーの方程式

リリーの方程式

9-States

OFF OFFシアター(東京都)

2010/09/15 (水) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

楽しめたけど
なんか、勿体ないような・・・もう、ちょっと、観たい感がありました。何人かの役者さんが、何役もやって、いろんな顔が見れたのが、良かったです。願いなんて、キリがないなぁ~って、思いました。

ネタバレBOX

個人的には、社長役の月野木歩美さん、女社長ならではの、憂いが良かった。

渋谷八公前さん、マネジャーを思う気持ちも、伝わったし、女社長の後ろで控える、緊張感も良かったです。

浜田龍司さん、アキバ加減?が、とても、出てたけど、上野も良かったです。

他の役者さん方も良いけど、この3人が、特にもっと、観たいと、思いました。

伝説との距離

伝説との距離

シャチキス(少年社中×ホチキス)

シアタートラム(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★

壮大なホラ話
宇宙規模で「メシを喰わせろ」な壮大なホラ話。
登録された声しか受け付けないマザーコンピュータと会話するどころかあんなこと(ネタバレ自粛)まで可能ならしめるアイデアが楽しく、終盤に出てくるレシピの数々にはおナカが鳴りっ放し。

心の余白にわずかな涙を

心の余白にわずかな涙を

elePHANTMoon

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

濃密な空気漂う
出演者の大半が客演なのに紛れも無く elePHANTMoon そのもので、舞台が教会ということもあってか静謐な空気も感じさせる。
「静かな演劇」の範疇に入るのだろうが SPIRAL MOON や先日の『忘却曲線』とはまた異なる感覚。

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

KIKKY体験っっ!!!
昔懐かしき「バイノーラル録音」の効果をナマで体験、的な感覚だが、囁く息使いまで肌に伝わるのがナマナマしい。
それにしてもあの椅子、わざわざ作るとは恐れ入る。その後の再利用のアテはあるんだろうか?(笑)

ミス・ダンデライオン

ミス・ダンデライオン

K-BOX company

遊空間がざびぃ(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

思っていたよりも
思っていたよりも楽しめました!

ネタバレBOX

が、不満を少々。

まず、客席が狭く熱かったです。
盛況だったようだったので仕方なかったかなとも思いますが。
そして舞台が横に広く(私は右端で見ていたのですが)たまに左端、ベットの方で何が起こっているのかわからないときがありました、それに伴い役者の方が何を言っているのかもわからないことが・・・。

そしてコレは僕の好みの問題なのかもしれませんがなぜ踊るのかが分からない。
確かに本家のキャラメルボックスさんでもオープニングは踊りで始まることが多いですがコレは舞台に入り込むことが出来ます。
しかしこちらの劇団さんも含め小さな劇場で踊りを取り入れているところはどうしてか舞台から遠ざけられるような気がします。
コレは舞台が近いからか、なぜなのかまだ僕も悩んでいるのですが・・・。

でも全体は纏まっていて後味のいい舞台でした、ありがとうございました。
闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ

闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ

グワィニャオン

俳優座劇場(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

毎回サプライズ
グワイニャオンさんは毎回趣向が違って、いつもサプライズです。
今回はまさにエンターテイメントな舞台でした。ストーリーもわりとシンプルで役者さんの動きをメインにしたような舞台だった。こうも毎回色合いを変えた舞台だと次が気になってしまう。懐の深さにはまります。ちなみに女性出演者だけでやったアングラちっくなものがとても面白かったので、あんな感じのがまた見たい!

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

電動夏子安置システム

Geki地下Liberty(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

新鮮、
社会制度としての奥深いゲームです。このゲームの外側の人たちにも興味が湧きました。

ネタバレBOX

大雑把に言うと、社会の支配者が人を拉致的に集めてきてゲームをさせて、負けチームの人を都合良く命令に従う『ノルマ』にさせていく二極分化増殖プログラムとも言うべき制度の話で、このお芝居はそのゲームの部分を扱っているということでしょうか。

引き分けではだめで、ゲームに勝たないことには命令を管理する『ジェナー』になれないようです。『ジェナー』になれるのは勝ったチームの『ノルマ』くらいのもので、ゲームをやる度に『ノルマ』の人たちが増えていきます。そして、『ジェナー』といったところで中間管理職程度のものです。

ゲーム自体は厳格なルールがあってメンバーにはそれぞれ出来ること出来ないことがあるのですが、簡単に言うと指示された命令をジェスチャー、連想ゲームを使って『ノルマ』にやらせるようなことです。

例えば、「さす」という命令をクリアするには、『ノルマ』が指を指しても、ナイフで刺しても、醤油を注しても良いわけです。

『ジェナー』の的確な指示が重要で、自分のチームの『ノルマ』に行動させるだけでなく、相手チームの行動を邪魔することも必要となり、その能力によって勝敗が決まります。しかし、ゲームの進行や結果については関心があるのですが、慣れてくると一つ一つの「動詞による命令」の実行を見続けるのに少し飽きてきます。台本通りの連想ゲームなんてという気もしてしまいます。

それぞれのチームには相手チームのスパイがいて、気付かれないように行動するのですが、それを探すのが楽しみでした。

途中にあったサラリーマンの日常シーンは最高でした。天からの命令に従って行動しているサラリーマンは、時に意味不明な命令が出てもそれに従う従順な生き物でした。

百面相のような渡辺美弥子さん、体型を活かしたなしお成さん、良かったです。前園あかりさんはこれが素顔なんですねという気がしました。
視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

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ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

リリカルなアンサンブル。
何かを表現したいひとがいて、それを見たいとおもうひとがいて、そういうひとたちがひとつの場所に集まれば、成立するよね?
そんな風に演劇の原点に立ち返り、シンプルなことをスタンダードなスタイルとして広めていこう!というすてきなプロジェクト。
複数の団体がひとつのテーマ性に沿って創作するというコンセプトを持っているため、多角的にひとつのニュアンスを味わえるおもしろさがありました。
今回の作品群は、フラットな日常を操縦するアンバランスな自意識が感情のメーターごとふりきれてしまった時に溢れだす思いが出口のない闇をさ迷う誰かとシンクロした(かもしれない)一瞬に感じる痛みや余韻を丁寧に描いていたようにおもいました。
作品ごとに印象に残った点を投票できますので、参加してる感がありますし、上演後の結果を知る楽しみも生まれます。
人気のあるイヴェントなので会場は混みますが、座席の窮屈さを差し引いても行く価値はあるとおもいますよ。

ネタバレBOX

■ミナモザ「スプリー」
夜な夜な入院患者の骨を折っている精神科女医(木村キリコ)は、動機はあれど理由なき反抗を繰り返す。そんな彼女のターゲットになったのは、17才の女の子をバイク事故で轢いてしまい、自らも重傷を負った青年(宮川珈琲)。そして精神科女医と不倫関係にある青年の担当医(実近 順次)が織りなすドラマ。

骨を折ることを正当化しようとするために、あれこれと御託を並べてめちゃくちゃな論理を振りかざす女医の暴走の切実さ。
それを頭ごなしに否定できないまま、時々何気に共感しつつ正確にツッコミを入れていく青年がいい味を出していて。
女医は、猟奇的なひとに見えにくい普通っぽさが人格ベースになっていたので、ひとつアクションを起こしたり、ほんの些細なひとことで精神があっけなく崩壊してしまう心の揺れが繊細に伝わってきました。

中盤、女医との別れを切りだした青年の担当外科医が窓から投げ捨てた得体の知れないぐねぐねとうごく物体は、気色悪い女医の姿を投影化させているようで恐ろしく、その彼との関係性の後退がかえって女医と青年との関係性を進化させて、『あなたの痛みは理解できる。』という予感によって立場が逆転するばかりか、誰かを傷つけた罰を受けることで『赦し』を享受し、ひとつの世界にのみ込まれていく終盤が興味深かったです。


■鵺的 「クィアK」
男婦の近藤史信(平山寛人)、彼を週一で買ってる木谷鑑(今里真)、木谷を過剰に愛する菅野紗代(宮嶋美子)それぞれのピュアに屈折した愛憎渦巻く作品。

平面的で絵画的な構図から、徐々に誰かの背景が浮かびあがり、混沌とした時間の流れにのみ込まれていくような異世界が物語として立ちあがり、緊迫した空気が空間を満たします。

序盤は女卑を中心とした場面が多く、息苦しさが伴いますが、真のセクシャリティを反発している感情をポーズ(代弁)をとるための、パフォーマンスという意味のある行為であって。これに相対する文脈としてアイデンティティの齟齬を克服するためにクィア理論の観点に基づいた便宜的/疑似的パフォーマンスをも踏襲したふたりが『痛み』と『赦し』によってひとつに溶けあっていくという点は、ミナモザのスプリーと繋がるテーマでふたつの作品がわたしのなかでひとつに重なりました。


■MU 「無い光」
臨死体験ルポを雑誌で連載している後藤が連載の最終回のゲストに選んだのは同級生で人気イラストレーターの理英(秋澤弥里)。理恵に片想い中の同級生の修造(武田 諭)と、後藤のアシスタントの朝子(金沢涼恵)も加わって、理恵が不倫相手の家に向かう途中に自動車事故を起こした時に彼女が見た『光』について話を聞いていくうちに、後藤と修造のなかでも『死の記憶』が蘇って・・・。

自分の気持ちを誰かに話すと気が楽になるものだよ。とはよく言うけれど、誰かに話せばはなすほど、自分の手から離れていって『物語』になる、という発想がすてきでした。
ひとは結構その『物語』に救われたりするものだから。そこには夢も希望もあるのではないのかなぁ、と。
そして、『希望の光』とは、みえるものかもしれしれないけれど、また見えなくなる可能性も残されているのならば、光なんて無いモノなんだ。っておもうことにして生きて行くほうがずっと気楽なんじゃないの?っていうメッセージもとても心強かったです。
小ネタでは、ドナーカードのように遺書を携帯するのがトレンディにな・・・らないあのギャグセンスは突き抜けていて最高でした。あと、理英が10年前に借りたCDとか本を後藤に返す時マイブラのラブレスが入ってたのは個人的には胸キュンポイントでした。笑

傷ついている誰かと誰かの闇が呼応する・・・というのは3作品とも共通する認識だったようにおもうのですが、この作品ではお互いが傷つけあっているわけではないので、最後は『赦し』をこえた『願い』がきれいな弧を描いているように感じました。
ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

電動夏子安置システム

Geki地下Liberty(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

痛快
いやー、吃驚した。説明にもあるが、これは一種ののゲームであリ、そのとおりに行動しなければならないとある。

解説では小難しそうであるが、観ているとなんとなくそのルールがわかってくる。役者さんがもう熱演ですごい。始めて観るタイプの芝居であったが痛快であった。。
ただ、上演時間が2時間であり、後半は少しだれてしまったような気がする。

日本人のへそ

日本人のへそ

劇団テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/10/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

ミ、ミ、ミ、ミ、ミュー、ミュー、ミュー、ジカル!
若い頃の井上ひさしさんは、ちょっと攻撃的で、やや下品で、少々荒っぽく、とても過激で尖っていた。これは、初演時(1969年)には、かなり刺激的だったと思う。
時代の空気感のようなものがそこにあった。
ピアノの生演奏付きの音楽劇。
2幕2時間40分(休憩15分)。
楽しくて飽きなかったなぁ。

ネタバレBOX

五十音を物語にした(あいうえ王が…らりるれ牢に、というような)、面白い吃音矯正の練習らしき発声で幕は開く。

吃音矯正を研究している教授によると、吃音のある者、つまりドモリの人は、歌を歌ったりするときには吃音は出ず、また外国語を話すときにも出ないという。
つまり、自分と関係のない言葉を話すときには吃音が出ないということなのだ。

そこで、吃音者たちを集め、自分と関係ない言葉である台詞を言わせ、お芝居をさせることで、吃音を治療しようということになる。

12人の吃音者たちが集められ、教授の脚本により、浅草で一世を風靡したストリッパー、ヘレンの半生を、ヘレン本人を主人公にして上演することになるのだ。
それが、劇中劇、吃音症患者による吃音治療ミュージカル「浅草のストリッパー、ヘレン天津の半生記」だ。

岩手から集団就職で上京し、最初のクリーニング店では店主に言い寄られ、それを袖にしたことから、ヘレンの物語が始まる。
水商売や風俗などを、男に失敗しながら転々とし、浅草のストリップにたどり着くヘレン。そして、ストリップ小屋での踊り子や従業員のストライキのときに、スト破りに現れたヤクザとつながり、さらにヤクザの親分の囲われ者となり、ついで右翼の大物のモノになり、そして与党の代議士の東京妻となっていく。
そんな中、代議士が短刀で刺されてしまう。

そして2幕へ。
この1幕と2幕のつながりが面白いし、あれれっという展開も楽しい。

「吃音」という着眼点自体からもわかるように、「コトバ」へのこだわりを、全編に感じる。言葉遊びも多く出てくるのだが、後年のようななめらかな感じではなく、ちょっとごつごつ、ぼそぼそした印象で、少々野暮ったいかもしれない。

そして、その内容が、かなり刺激的なのだ。
例えば、「ぱちんこの玉とは別のタマを…」とか「男に惚れて、惚れて、掘ったらオカマ」とか「物干し竿を立てて」とか、意外とお下品なのだ(笑)。
トルコ風呂で働くヘレンとか、女と女、男と男の関係なども出てきたりして、ちょっと戸惑ったりする(笑)。

また、スラム出身の幼なじみが、かたやヤクザの組長で、かたや組合の専従という皮肉や、日本の軍隊は明治時代は強かったが、大正、昭和と進むにつれて弱くなったのは、天皇陛下の…なんて右翼が聞いたら激怒しそうな台詞まであり(舞台の上でも右翼の大物が激怒していたが)、過激さもある。

また、農家の出稼ぎや、集団就職で住み込みで働いている女性の扱い、学生運動などの当時の状況や、日本人的な、「顔」にこだわる右翼の大物や「腹」にこだわる代議士なんていう言葉の遊びも楽しい。

男が男を愛するならば、機動隊と学生のぶつかり合いは、集団デートになる、なんていう発想も愉快。

全般的には、初演が上演された1960年代の世相でもあるので、たぶん若い世代にはピンとこないものもあったかもしれない。
また、過激さも今の尺度から見るとたいしたことはないのかもしれない。
ただし、これは、井上ひさしさんが初めて手がけた芝居の脚本で、このテアトル・エコーのために書き下ろしたものを、同じテアトル・エコーで再々演した舞台という意味は大きいと思う。

今も現役の熊倉一雄さんを軸に(演出も兼ねて)、十年以上の中堅、そして、入団したばかりの若手などをバランス良く配し、若さと老齢のしたたかさがミックスされていたと思う。

劇場の入り口に、今回の再々演にあたって、井上さんから熊倉さんに宛てたはがきのコピーが飾ってあった。そこには「2幕は薄いので、(熊倉さんが演出をするので)加筆しても構いません」ということが書いてあった。
お二人の関係が見えてくるし、加筆したエコー版の『日本人のへそ』も観てみたいと思った。

そして、テアトル・エコーのために書き下ろした、残りの5本も是非観てみたいと思うのだ。井上さんの新作はもう観られないのだから。
「美しきラビットパンチ」

「美しきラビットパンチ」

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒。。。
後半が圧巻でした。
初めはどう見ればいいのか戸惑い、笑っていいのかわかりませんでしたが、最後で全てが吹っ飛びました。
皆さんとは違いますが、私は理屈じゃなくなる終盤こそが面白かったです。
ありがとうございました。

「美しきラビットパンチ」

「美しきラビットパンチ」

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

集大成のような
犯人は父 以降なので全部の公演を観たわけではありませんが

これまで目の当たりにしたゴジゲンの魅力の集大成のようで
かつ 新たな試みも含む良作だったと感じました。

下ネタが苦手な人を除いて、ふだんゴジゲンを観ない・お芝居を観ない人にも進めたい作品です。
ほぼ初観劇の人を連れていったため不安でしたが、楽しんでいたようでホントに良かったです。

ネタバレBOX

ボクシング部に新たなメンバーが加わり すったもんだの場面やら
無駄にアツい二名+やる気無しの他のメンバーの絡みが 笑いどころ満載で、 前半はみんな何度か笑ってしまう・・・ついつい、客席があったまってしまう内容だったと思います。

ラストは試合で努力が実ったり、みんながボクシングの良さに目覚めたりするのかな・・・? という安直な予想を後の展開で見事に裏切るあたりが、やはりゴジゲン、と思いました。

コミカルな前半に対して後半は対照的にシニカルで。スポーツにしろ恋愛にしろ、できるやつ・できないやつの比較が印象的で、特にもっすーが「無視すんなよ!」と爆発するシーンはインパクトがありました。 普通の物語は「できるやつ」にフォーカスするからハッピーエンドになるけれど、これはそういう話じゃないのね、と。

めちゃくちゃ騒ぎに騒いだ末のシュールなオチも個人的にツボでした。

マス受けするテンポの良さ・笑えるネタを含みつつ そういう劣等感やらねちねちした部分も描きつつ、相変わらずモテ無い男子ネタも含みつつで ゴジゲンの魅力、斯く有きな作品だったと思います。 
一方で、スポーツものだったり歌いだしちゃったり これまでなかった新鮮な要素も含みつつ・・・次はどうなるんだろう?とちょっと期待させられたり。

唯一の難点は、このハッピーエンドにならない・かつ破壊的な終わり方で どう納得したものか?という所。
ぐっちゃぐちゃにして終わりというラストが多用されますが、今後もずっとこれなのかな・・・あんまり一般的じゃない方向に行くのかな・・・  とめちゃくちゃ余計なお世話の不安を感じます。
 
ともあれ楽しい休日になりました!まんぞくです。。



「美しきラビットパンチ」

「美しきラビットパンチ」

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

爆笑したが
初見だが、気になっていた劇団。ものすごく爆笑した。松居大悟は確かにとても才能があると思う。役者たちの演技も皆いい感じに弾けていて、とてもよかった。

ネタバレBOX

ラストはとても挑戦的だ。あのままコメディとしていい感じに終わらせることは簡単なのに、そうしなかったのは、それだけ、何か思いを伝えたかったということなのだろう。最初のミュージカルは好きだったが、それからどんどん話が訳が分からなくなっていった。やろうとしていたことはそんなに間違っていなかったと思う。あのラストの前までの感じで終わっていたら、それはとても面白い演劇だったと思うけれど、どこか普通なのだ。だから、あのラストの挑戦は応援してあげたいのだが、ただ、伝え方や見せ方のようなものがそれまでと比べて、下手くそすぎた気がする。観ていてどうしてもノレなかった。感情が醒めてしまった。その部分さえ改良できれば、この作品はもっと凄い傑作になったと思う。
視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

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ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

現代を切り取る三劇団の競演!
ルデコで観客を巻き込んだ3劇団のフェスティバル。なかなか見応えがあった。

それぞれ作風は違うものの、現代を切り取って見せるというところでは共通部分もある。

鴻上尚史の名作にトランスという3人芝居があるが、新たに、3人(あるいは4人)芝居のスタンダードを生み出そうとう試み。その心意気やよしである。

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