いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校
ロロ
アトリエ劇研(京都府)
2010/11/02 (火) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★★
すばらしい
ピンクに染まった劇研の中でロロはとても輝いていた。
東京版よりクオリティが上がった。
よかった
蛇と天秤
パラドックス定数
ギャラリーSite(東京都)
2010/11/09 (火) ~ 2010/11/15 (月)公演終了
満足度★★★★★
醜く、恐ろしく、滑稽で、哀しく、憐れな人間たち
確かにタイトル通りの物語が進行していた。
ただし、それはあくまでも「道具立て」であり、そこで繰り広げられたのは、「ある状況下での人間の行動」。
それは、醜く、恐ろしく、滑稽で、哀しく、憐れな姿であった。
ネタバレBOX
会場も含めて見事に設定されていた。
入場すると、小さな机付きのイスが並ぶ。チラシの束は茶封筒に収められ、その上にはなにやらレジュメのようなものが。
舞台となる場所にはO.H.Pプロジェクターがある。
そう、ここは大学病院内で行われる公開講座の会場だったのだ。
私たち観劇は、その講座を受けることから始まるのだ。
手触りが硬質の物語が進行していく。
登場人物各々の歪み方がいい。
背中にはそれぞれが抱えているものがあり、そうした「気持ち」を内在しつつ、物語は進行していく。
しかし、内在した「気持ち」は常に発酵状態にあり、それが物語が進行する中で、ところどころで噴き出してくる。
こんな表現がうまいのだ。
爆発しそうなのに、爆発させることができない状況下にあって、声をあまり荒げることもできずに発するトゲトゲしい様が、真っ白く無味乾燥の壁に反響して、観客の気持ちも荒立てていく。
ストーリー自体が、一般の人からすれば神経を逆撫でするようなものであるだけに、それはとても効果的であった。
ストーリーとしては、現実にはあり得ないほどの飛躍があるものの、全体的な「うまさ」で見せてしまう。
それは、演出、役者のうまさだろう。
物語としては、生命の大切さとか、薬剤開発の裏側とか、大学病院でのヒエラルキーだのを、批判・批評するというものではなく、ましてや、大城助教授が唱える「生物はみな平等」という考え方を問うものでもなかった。つまり、何かの問題提起ということではない。あくまでも、用意された「ストーリー」は「道具立て」にすぎないのだ。
つまり、ある状況下に置かれた人間の行動を綴ったものであったのだろう。
保身のため、利益のため、感情のために、自分の腹の中と一致したり、不一致だったりする、人間の、醜さ、恐ろしさ、滑稽さ、哀しさ、そして、憐れな様子がそこに表現されていたと言ってもいいと思う。
ただ、少々残念なのは、「公開講座の会場で起こったハプニング」という当初の設定があるものの、事件の核心に触れそうになるシークエンスで、「一般の観客の前である」ということを、もっと盛り込むべきではなかったのだろうか。
人が何人も死んだという出来事が、事件性を帯びてくるところでは、当然「そこにいる部外者の目」は気になるはずであろう。
それと、気になったのは「助教授」という名称、そんな言葉はすでにないはず、「准教授」が正しいのでは?
登場人物は当て書きであろうと思うほど、しっくり役になっていた。
中でも、講師の才原を演じた西原誠吾さんの「気持ちの上での」頭を上げたり下げたりという、感情の発露と押さえ方が見事だった(台詞の感じが)。
また、研究者の諸川を演じた加藤敦さんの独特のねちっこさ、どの状況でも同じでクールな大城助教授を演じた生津徹さんの、実は一番歪んでいたという内面が垣間見られる目(何も見てない、何も感じてない)が印象に残った。
早い時期にチケットを購入した観客向けの「おまけ」は、薬袋に入ったタブレット状のタオルだった。
薬袋はちゃんと、舞台の設定通りの帝塚山大学付属病院のものだった。ナイス!
こうなると、制作スタッフ(受付や案内のスタッフ)も、大学で働くスタッフという雰囲気がほしかった(看護婦はコスプレすぎてNGだけど・笑)。
合格写真館
東京おいっす!
「劇」小劇場(東京都)
2010/11/09 (火) ~ 2010/11/16 (火)公演終了
満足度★★★★
やっぱ面白い!!
「それで叶うならみんな成功者じゃん」に大賛成。
それが分かった上で、本編の展開を十分楽しむことができました!
ネタバレBOX
写真館の主人が亡くなって、ラブホテルにしたい長男と写真館を続けたくても技術を持っていない次男の許に突然飛び込んできた謎の男、我が家のように出入りする人たちやお客さんを巻き込んでのドタバタコメディ。
もう一人のきょうだいについて言及した主人の遺言もあって、もやもやーっとしていましたが、最後に謎が解けてスッキリ!そしてビックリ!!
ムード歌謡歌手浜たかし良かったなあ。「たそがれてレインボーブリッジ」、「もしかしてベイブリッジ」、「飛び込んで道頓堀橋」って。
ただラスト近く、(黒い交際問題に発展しないようにと)浜たかしのことを知らんぷりしたやくざさんについて、意外にいい人だったんですねと言ったのは一言余計だなと思いました。
りんご 木村秋則物語
シーエイティプロデュース
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★★
テンポ良く感動的!
半生を描くと冗長になりがちですが、期間を絞っていてテンポ良く、話も感動的でした。
ネタバレBOX
一目惚れしたのかなーというくらいのシーンから暗転後にはすっかり婿養子姿がなじんでいて、普通ならプロポーズシーンなどを入れがちですが、そんな時間を掛けそうなところを省き、それでいてきちんと伝わってくるところが秀逸でした。
ラストも完全に栽培法が確立したところで終わるのではなく、直径5cmくらいのりんごが2個収穫できた時点で終わらせたのも伝記物的にならずにすんだ要因だと思いました。
村八分の一歩手前くらいまでいったはずなのに、常に支持し続けた義父が偉かったと思います。もしかしたら学校でいじめられていたかもしれない娘さんもお父さんが好きで良かったですね。
それにしても、佐藤江梨子さんが農家の奥さんなんて路線変更でしょうか。何か細くて、むちむち感は全くありませんでした。
この日はご本人木村秋則さんの誕生日ということでカーテンコールのときに出て来られました。奥さんもこのお芝居を楽しみにされていたそうですが、ご病気で来られなかったとのことです。苦労を掛けたからだとおっしゃっていましたが、子供の風邪薬を買うお金も無かった時期もあったのですから、ホントにそうだったのかもしれませんね。
葬送の教室
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了
無題
不覚にも号泣した。この作品は実際の事故を題材にしているけれどフィクションだという。しかし下手なドキュメンタリーよりずっと伝わってくるものがあったと思う。
私も理系でかつて研究職にあった人間だから、この作品の主人公に感情移入するのは容易だ。いつまでもクヨクヨしていても仕方ないし、死んだ者は帰ってこないのだから、事故の原因究明や生存率向上を図るための努力をしていくべきだと考える。そして、ヒステリックに泣きわめき続けるような人を愚かだと見下してしまう。この作品を観るまでは、そんな自分は冷静で正しいと思っていた。
しかしこの作品を観て初めて、泣き続ける人の気持が理解できた気がする。合理的に割り切ることができない心情が“見えた”気がする。共感できるかどうかはわからないが、合理的に割り切ることだけが正しい姿勢ではないということはわかった。
嗚咽が漏れるほど泣いた芝居は初めてだ。なぜそんなに涙が溢れたのかわからないが、多分、凄まじい悲劇が語られているのに悪者が一人も登場しないからだと思う。
4-doors
サマカト
シアターシャイン(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
無題
「ひとつ屋根の下」「箱」「変換な本音」「不親切なダイジェスト」の4話オムニバス。4話合わせても90分程度に収まる小品集。いずれも、どこかズレた人たちによる奇妙な会話劇。そのズレ具合が絶妙で笑いを誘います。
projectサマカトポロジーから改名してサマカト。略したような感じですが、そもそも元の名前も何かわかりません。過去2回観劇して2回とも気に入りましたが、今回はそれらほどのインパクトはありませんでした。まあオムニバスだと個々の話は軽くなりますので、ちょうどよい濃さだったかもしれません。
九月の遠い海
菅間馬鈴薯堂
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了
無題
1959年から1960年にかけて小学生と教師だった登場人物たちのエピソードと、大人になった1980年にその頃を回顧するエピソードから構成される。当日パンフレットの挨拶文に「極太の筆で書きなぐったような荒筋と稚拙でちぐはぐな劇構成」とあるように、かなりダイナミックな作品だった。
明らかに大人の役者が小学生を演じると、大劇場ならともかく小劇場ではどうしても滑稽な印象を避けられない。それを補うには子供らしい動作、つまりちょこまかした素早い動きと感情に任せた大きな声が必要だろう。だからきっと出演者は体力の限り動いていたと思われる。
残念ながら、ノスタルジックな背景を懐かしいと感じるほど自分自身がまだ年をとっていないせいか、あまり世界に没入して鑑賞することはできなかった。
【ご来場ありがとうございました】も字たち
FUKAIPRODUCE羽衣
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2010/11/09 (火) ~ 2010/11/25 (木)公演終了
天国レイン
Bobjack Theater
アトリエフォンテーヌ(東京都)
2010/11/10 (水) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★★
愛の奇跡の物語
素敵なファンタジーロマン、王道を行くようなストーリー展開だ。若干SFの要素を絡めながら、睦月とカンナの素敵な恋の物語。
美男と美女が揃っているところも感動。
モグラ町1丁目7番地
龍昇企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★★
おもしろくて
2回見た。
おじさまたち、いとしくなりました。
ほんと、居間みたい~。
楽団さんもとても素敵で。
トイピアノが欲しくなりました。
タンゴ-TANGO-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/24 (水)公演終了
満足度★★★
挑発的
普段コクーンで上演される作品に比べるとかなり尖った雰囲気の戯曲・演出の作品でした。
とある家族の生活に政治的な比喩が多少のユーモアを伴って被せられていて、いかにもヨーロッパの戯曲らしい感じでした。
舞台美術が印象に残りました。西沢立衛さんや石上純也さんの建築作品を思わせる、部屋サイズの箱が舞台に数個設置されていて、一幕ではそれらの位置が絶えず変化してダイナミックな効果をあげていました。椅子や机などの家具は透明アクリルのもので(おそらくカルテル社製)、不思議な存在感を出していました。
役者たちも個性的な人ばかりで、特に森山未來さんの早口の長台詞と身体表現が素晴らしかったです。片桐はいりさんのちょっとエキセントリックな動きのおばあちゃんも楽しかったです。
シリアスな場面にふいに笑いが差し込まれてあったりして、物語も演技も飽きることはなかったのですが、この作品を上演するにはコクーンは空間が大きすぎるように感じました。もっと間近で台詞の応酬を観てみたく思いました。
乱歩の恋文
てがみ座
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/10 (水)公演終了
銀河系ホームレス
宇宙食堂
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/11/10 (水) ~ 2010/11/14 (日)公演終了
満足度★★★
SFと愛と友情
いいお芝居でした。でも2時間はお尻が痛いです。
途中のダンスはそんなにいらないかなぁ。
伊丹さんはさすがの演技です。川野さんは貴重ですね。
モグラ町1丁目7番地
龍昇企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★
おもしろかった
不思議な芝居でしたが 世界がはっきりしていて、楽しめました。話に大きな展開があるようで無いし、前回観なくても、いつ終わってもいい感じが面白かったです。最後があまり好みではないですが 中年兄弟って魅力的
僕はまた今日も 未完成の音楽で唄う
東京ELECTROCK STAIRS
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/10/14 (木) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★
素敵
ダンスというか身体表現で、とても楽しかったです。 ご本人の魅力的なキャラクターが素敵でした。自分の中に音楽を感じている感じで これは、無音でも魅せれる人なのでは と思ったのですが実際後にそういう場面を見てみると、ちょっと違和感。 チラシにあまり惹かれない
飴屋法水『わたしのすがた』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎(受付)、巣鴨・西巣鴨周辺の4会場(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了
満足度★★★★
演劇なのかアートなのか…
飴屋法水氏の作品は
東京グランギニョルの頃から見続けている。
演劇なのかアートなのか…今回も驚かされる。
そこには普通であって普通ではない空間が待っていた。
説明にもあるように「 戯曲も舞台も俳優もない「脱・演劇的装置」」。
そこに息づく何かを感じながら4つの会場を鑑賞。
そこに息づく、息づいていた何か「人」「時間」「物」「言葉」を体験し
約1.5時間かけてゆっくり隅から隅まで堪能した。
暗い時間に見たが、明るい時間に見た方が光を感じられていいかも。
私も昼間にもう一度見直す予定。
たぶん全く違う「わたしのすがた」が見えてくるはずだから。
言葉では言い表すのは難しい…。気になったら是非とも体験を。
ネタバレBOX
巣鴨近辺の4つの会場「不動産」家や建物をめぐった。
住むということ、住んでいたということ。
そこに息づく、息づいていた何か「人」「時間」「物」「言葉」。
「言葉」メッセージがところどころに書かれている。
“主よ わたしにも あなたの苦しみをあわれむことなら…”
聖書の一節を思わせるような言葉、メッセージも。
飴屋法水氏は無宗教とのことだが。
読み解くことは難しいが、
「わたしのすがた」を見いだそうとしながら、
いろいろなことをゆっくり考える時間をもらった。
どの会場もこれが舞台のセットや映画のセットだったら
相当イイ。
PM17:30受付の回に行ったのだが、かなり暗い。
夜ならではの迫力と静寂があるので体験して良かったが、
最後の会場は特に暗く小さなライトを持って体験…
3Fの最後のメッセージを見つけた後はちょっぴり早足で会場を出た。
夜は…相当怖かった。
追記:
お化け屋敷、ホラー系恐怖映画が苦手な方は
2と4の夜の鑑賞は難しいと思われる。
タンゴ-TANGO-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/24 (水)公演終了
満足度★★★★★
「タンゴ」感想
以下にネタバレの感想を書かせて頂きました。
役者さんたちが全員恐ろしく達者で、とてもおもしろかったです。
ネタバレBOX
「家族」を国家に見立てて、一見喜劇風に見せつつも、非常に社会的かつ批判的な闘争劇のように見えました。ラストは、疲弊しきった自由社会や、その後のアナーキズムは、理想主義や形式主義を押しのけファシズムに傾倒していく…という冷たくも激しい批判的精神に満ちた終わり方でした。
前半は、反抗期の独りよがりで夢見がちな息子を中心にした、滑稽で切ない家族の物語として入り込めました。少し退屈になりそうな論理合戦や、棺桶台に寝かされる祖母のシュールなシーンなども、登場人物達のエネルギッシュな喜劇性により、楽しく見ることが出来ました。
「老いている」。…この家族(社会)は全体的に「老いている」「古くなっている」「静かに腐っている」…そう思わせる描写が秀逸で、しかし、それが不快には見えません。高度成長期を終え、さまざまなことが停滞している現代日本に少し通じるところもあるかもしれません。
アルトゥルの家庭は、確かに旧時代の残骸かもしれませんが、何故かとても魅力的でした。魅力的すぎたといっていい。後半に、もっと畳みかけるようにこの演劇の批判的精神を盛り込むには、堕落しきった家庭をもっと陰鬱に見せた方がよかったかもしれません。でもそうすると1時間40分は退屈すぎるかも。
この悲しい演劇を喜劇に見せたいという長塚演出の心意気はよいと思いました。喜劇とシリアスのバランスは、結構うまく取れていたのではないでしょうか。
特に吉田鋼太郎氏の身体を張った演技は素晴らしく、滑稽で愛おしい感じがします。タンゴという踊りが発生当時は「いかがわしく官能的なもの」と見られがちだったこと、それ故に自由の象徴として大流行したとの話をパンフで読みますと、ストーミルが為した過去の栄光を象徴・体現するようでよかったと思います。
また森山氏演じるアルトゥルの膨大なセリフも、青年特有の甘酸っぱい主張として強く胸に響きました。
後半はガラリと色を変えます。途端に「家族」の色がそげ落ち、前半にあった生き生きとした個々の魅力がなくなり、家族の一人ひとりが何かの比喩としての人形(ひとがた)のように感じられます。
祖母は殺される前に窮屈な世の中から自ら去り、父は自分だけの世界に引きこもり、母は男たちに翻弄されつつも自分は自分の意志で行動していると信じている。美しき女は社会よりも愛されることのみを考え、祖母の弟は、いつしか主であったアルトゥルを超えて実質的な権力を加速させ、アルトゥルを絶望の淵へ落とす。
観客は、従兄アラの無邪気さと率直さと美しさに大変癒されながらも、いつのまにか理想は武力によって倒され、人々はそれを止めようともしない…むしろ、率先してタンゴを踊り始める…という過程を見せつけられます。
笑いながら見ていたら、いつのまにか一人ほの暗い場所に立っていた…そのような、少しホラーのような匂いも感じる素晴らしい演劇でした。
ただ、今の日本ではファシズムの恐怖というものが戦争を体験したにもかかわらずいまいちなじみ薄く、大きな共感を寄せるというよりも、「外国らしい翻訳劇だな」という気持ちを拭いされなかった気がします。
長塚さん、もっともっと日本風にアレンジして尖ってもよかったのではないでしょうか。
それから、評価の高い前衛的な舞台美術ですが、歌舞伎すぎて私はあまり斬新に感じられなかったことが残念でした。動きのある舞台美術は斬新かもしれませんが、閉そく感を出すためにもっとかっちりしたものの方がよかったのではないかと思いました。
長塚さんが演出家を超えた舞台装置の一つとなって名演されていましたが、観客は彼の存在は何かと過剰に考えしまう。するとかえって主題がぼやけてしまったような気がします。
しかしながら、とても面白く幾通りの解釈もでき、社会劇にも風刺劇にも見えるし、ホームコメディとして軽く見ることだってできる。素晴らしい可能性を秘めた新しい演劇の試みだと感嘆致しました。
見てよかったです。
タンゴ-TANGO-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/24 (水)公演終了
満足度★★★
不思議な魅力のある芝居
考えてみると、相当、粒揃いのキャストで、贅沢な舞台でした。
森山未来さん、初舞台から拝見していますが、いつの間にか凄い俳優さんになったなあと感慨深いものがありました。
今の若者のしたり顔の幼児性も仄見え、大変興味深い作品でした。
一幕は圧倒的に面白く、ニ幕は、一般的不条理劇風になり、途中眠くなったりしました。
一幕は、☆4、ニ幕は、☆2で、トータル3ぐらいでしょうか?
ネタバレBOX
とにかく、1幕の運びは刺激的に痛快でした。
森山さんは、ほとんど、早口で、常に喧嘩腰の台詞の量が生半可じゃないのに、しっかり、感情も台詞も伝える技術が身についていて、お見事です。
吉田剛太郎さんと、未来君の壮絶で愉快な掛け合いシーンは、かなり必見ものでした。
おじさん役の辻さんを、1幕の間、串田さんかと思って観ていました。皆さん、普段はあまり演じないタイプの役で、新鮮でした。
最初と最後に登場する、演出の長塚さんの存在感が圧倒的でした。
鐘下さん的な、カーテンコールのない舞台に意表をつかれたお客さんが多く、これはあっても良かったように思うのですが…。
熱演の役者さんに、たくさん拍手を送りたかった気がします。
海と日傘
天戸日和
イワト劇場(東京都)
2010/11/05 (金) ~ 2010/11/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
静かで確かな演技力
「素晴らしい!」のひとこと。夫婦の心の機微を綴った物語だったが全てのキャストの演技力がオニ素晴らしい!まったく欠点の無い舞台でした。観られて幸せ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
佐伯夫婦の夫は教師をしていたが退職が決まり小説家一本で今を凌いでいるが家賃は滞り経済的に厳しい。妻は余命3ヶ月と診断され、妻には内緒にしているものの、妻は自分の命の期限を既に知ってるようだった。夫は元編集担当者の女性・多田と関係があったが、これも黙ってはいるが妻は知っている。
現在の夫の編集担当者・吉岡は二人の過去の関係も熟知し、時折、佐伯に多田の現況を報告しながら、何かと佐伯の相談にのってきた。
妻は夫の秘め事を知りながら静かに我慢をし素知らぬ風を決め込むが心は穏やかではない。妻は燃えるような感情を自ら押し隠した分、転勤となった多田が佐伯家に挨拶に来ると、一気に妻の感情は噴出し湯のみを落として震えてしまう。夫の腕を掴み、その腕を放さない激情は「ねぇ、(うちが死んでも)うちんこと忘れたらいけんでよ・・。」と吐くが、そのセリフは夫の心にズシリ!と、まるで大きな杭を打ち込んだようなせき止め方だ。
こうして何事もなかった様に妻は亡くなったが縁側の外でははらはらと細雪が舞い落ちる。サラサラ・・サラサラ・・・
一人で食事をしながら夫は「おい、雪が降ってきたぞ。」とひとりごちる。不貞をはたらきながらも妻という大きな存在は夫の中で今も生きているのだ。人は死んだからといっても、そこで終わるわけではない。夫の中でいき続けている妻は今頃、虹の上を歩いているのだ。
物語はけっして大げさな描写や爆弾はない。人が生きとし生ける心理を描写した物語だ。しかしズン!と心に響く繊細で美しい物語だ。
佐伯夫婦の近隣に住む大家の瀬戸山夫婦の関係性も素敵だ。下町の人情味溢れる情景をまんま引き受けたかのような夫婦だ。瀬戸山剛史を演じた佐藤誓の表情のみの演技が絶妙だった。とても素晴らしい。
演出、導入音楽、構成、どれも素敵だ。次回も観たいと心から思う。全員に拍手!
ハコモノ
劇団お座敷コブラ
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2010/11/03 (水) ~ 2010/11/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
見れた!
劇団員さんが、とぉっても恰好よかったです!