視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました! 公演情報 視点「視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    カジュアルに対バン形式で
    3劇団の短編が観れる対バン形式の公演。こう言うのって演劇じゃあんまりないから、もっとやった方がいい。目当ての劇団以外の作品に触れられて、新規の観客獲得出来て公演費用も折半出来るし、演劇界隈が活性化するんじゃないかな。

    僕は普段は音楽や映画やゲームやアニメに興味がある人間で、今年に入ってから10年ぶりくらいに色々演劇を見るようになったんだけど、未だに演劇は「出会い」の機会が少ないと思う。ちゃんとしたレコメンドをする媒体がほとんどないため、人気の火の付け方が未だ口コミだけだし。その口コミすら凄いニッチな部分だけでぐるぐる回ってるスノッブな印象。

    だからこう言う対バン形式は見る側としては、色々な出会いがあるから嬉しいよね。対バンになるとある程度作風も似てるから、口コミの効果ももっと広範囲になるし。これだけカジュアルに上演できる作品ならば、その演目だけで3ヶ月くらい別の劇団と対バンしたりも出来る気がする。コントもお笑いも似たような形でやっているのに、同じ様式でも演劇になった途端、少しかしこまりすぎてないかな。

    ネタバレBOX

    さて、肝心の舞台の内容ですが、少人数でどこでも上演できるをコンセプトにしただけあって、その縛りがいい方に働いて、どの作品も短いながらも非常に濃密でした。人数と時間がしぼられる分、登場人物の立ち居も主張もはっきりしてくるので、会話も物語もテンポよく、言ってしまえば極端に展開するので、その分濃度が上がります。

    前半は会話劇としての面白さを見せ、後半スピリチュアルな共有観へと消化していくミナモザの「スプリー」。人間のエゴのドロドロしたプレイを見せつけたかとは思いきや、その奥にある純粋な欲望と愛の真理へと到達していく鵺的の「クィアK」。

    個人的に特によかったのはやはりMUの「無い光」。まあ簡単に意訳すればシャブ中がシャブ中に「そんなラリっても救われないよ」と教えてあげる話ですけど、重いテーマを絡ませたかと思えば、重さを感じさせないようシチュエーションコメディ的な笑いも入れて展開し、油断したところでラストに強烈なパンチを打ってくる。主人公の職業だからこそ、知らず知らずのうち生まれてしまった罪。それに対する戦い方と落とし前の付け方もやはり主人公の信念の元に帰結していて、脚本の妙を感じます。このバランス感覚はやはり突出しているなという印象。
    小道具にマイブラのCDやキンソンに「sunday morning」のBECKのカバーを使用していたりで細かいところでにやりとさせるのもいいですね。

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    2010/09/24 00:06

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