最新の観てきた!クチコミ一覧

1421-1440件 / 189617件中
『天守物語 〜夢の浮橋〜』

『天守物語 〜夢の浮橋〜』

虹色ぱんだ

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
役者さん達の演技、衣裳や美術や演出等で、その世界を堪能しました。
ラスト、本当に美しかったです!
天守物語の話は知っていたので理解出来ましたが、知らない人は事前に把握しておいた方が楽しめると思います。
素敵な舞台でした。

よく喋るマダム達は、パクチーより食えない

よく喋るマダム達は、パクチーより食えない

東京ストーリーテラー

萬劇場(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#マダムパクチー2025 #東京ストーリーテラー Bチーム初日、お見事でした。同じ戯曲を、Aチームとはほぼ異なる役者さんたちでの配役。科白は一言一句同じに登場人物を体現しながらも、それぞれご自身の持ち味を発揮されていて素晴らしかったです。

よく喋るマダム達は、パクチーより食えない

よく喋るマダム達は、パクチーより食えない

東京ストーリーテラー

萬劇場(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/18 (木) 19:00

#マダムパクチー2025 #東京ストーリーテラー Aチーム初日、素晴らしかったです。2015年版初演鑑賞から10年を経ての2025年版再演の鑑賞。再び、登場人物の皆さんそれぞれの人生の物語に触れ、味わうことができました。

もうそうしよう

もうそうしよう

もあダむ

吉祥寺シアター(東京都)

2025/09/19 (金) ~ 2025/09/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/09/19 (金) 13:00

価格4,000円

衣装、とても素敵でした。出演者の皆さんも継夏さんをはじめ魅力的で、多様な声を聞けたことが楽しかったです。

ネタバレBOX

ただ、率直に申し上げると、作品世界にはやや入り込みづらさを感じました。虫の性質を取り入れた人物像である必然性が十分に伝わらず、思いつきのように見えてしまった点や、人間と虫がなぜ会話できるのかというルールが示されていなかった点が気になりました。たとえば「主人公がピンチのとき気持ちが通じて声が聞こえる」という設定であれば、納得感があったかもしれません。

開場中、虫が寝転がるシーンでは「寝転がる=死」を連想しました。虫の種類ごとの違いが描かれると、死生観や作品の奥行きにさらに踏み込めるのではないかと思います。子ども向けであっても、そうした深みは十分に伝わるのではないでしょうか。

出演者の方々の演技は素晴らしく、きっと話題になる公演だと感じます。私自身は俳優の姿勢よりも作品そのものに注目してしまうため、このような感想になりました。
ほしのひと

ほしのひと

演劇企画アクタージュ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/18 (木) 19:30

価格4,000円


1994年木星に彗星が衝突する。そのニュースは、職場で、テレビで知った。

短いニュースだったが、天文少年だった私から加筆すると、
衝突したのは、シューメイカー・レビー第9彗星。衝突の可能性を世界で最初に知ったのは、軌道計算を行なった日本人だった。

彼の軌道計算は、「衝突しない」と言う学者もいて、世界の天文学者たちではちょっとした論争になった。

論争と言えば、彗星が巨大な木星に衝突しても、「かすり傷にもならない」から「大きなインパクトが地球からもわかる」と諸説入り乱れた。

実際の衝突は、地球からは直接見ることはできない。木星の裏側で起きたからだ。

木星に接近する彗星は、木星の引力が原因か、多数の小さな彗星に分裂していく。

例えていうなら、銀河鉄道のような状態で、木星に接近していく。その様子は、地球からも観測できた。

木星は自転しているので、衝突から数時間が経って、地球にも衝突した場所が、大小の黒い衝突痕として姿を現し始め、世界に衝撃が走った。

木星は何も変化ないと予測していた天文学者たちは、その生々しい衝突痕に、大きな衝撃を受けた。

乳白色や茶色の横縞のイメージの木製の表面に、黒い彗星の衝突の痕は、地球サイズの大きさだったことで、アマチュアの天体望遠鏡でも何個も確認できた程だ。

何も起きないはずはないと、観測していた天文学者たちは、自分たちの仮説に間違いなかったと喜びを分かち合い、抱き合った。

かつての天文少年としては、1994年の出来事をつい昨日のように覚えている。

そんな、ニュースをヒントにこの劇は、素晴らしい発想、着想、演出によって、磨かれていったのだろう。タイトルやあらすじにまるで自分が木星に引きつけられる彗星のように、
池袋を目指した。

地球も太古に彗星が衝突して、彗星の氷が溶けて海ができたという学説があるくらいだ。

地球と彗星の奇跡の衝突がなければ、生命誕生に必要な海がないのだから、私たちヒトも存在ができない。少なくとも、自分はいないことになるのだ。

今を生きる自分の存在そのものが奇跡だと感じる貴重な機会だし、哲学者ではないが、生きるとは?という普段はあまり意識していないこと。いろいろな不安や不満のある世の中だけど、存在するだけで、有り難いこと。
そして、生きていれば、生きていることを実感できる芝居にも出会えるのだ。

望遠鏡の向きが上下逆さまだったのはご愛嬌。芝居はもちろん、受付から出口まで、心地良く楽しませてもらったことに、心から感謝申し上げたい。

この芝居に関わってこられた方々の益々のご活躍を心から願い、応援しています。

だから、お返事いただければ幸甚です。

はにわのにわはわにのにわ

はにわのにわはわにのにわ

劇団さいおうば

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/09/19 (金) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2025/09/19 (金) 18:00

140分。休憩なし。

野良豚 Wild Boar

野良豚 Wild Boar

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2025/09/09 (火) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

中国国内では「人はいきなり行方不明になる」し(そして数年後何も具体的なことを言えない状態でひょいと帰って
くるまでセット)、メディアタワー内部からといわずSNSなども含めて各所監視されているし、そんな状況下で上演なんか
したら「あれ? これって現在の状況まんまじゃね?」って意識しちゃう人が続出しちゃうので絶対無理でしょう。

作品自体はいろいろ伏線が張られてて、本筋じゃない男女のいざこざ部分も含めて怖い劇だなあと。

ネタバレBOX

主要人物は実質5人。

ユン……元大手リベラル系新聞の編集長。モナムの失踪後、「モナムプレス」を設立し、モナムの調査資料(数十年前の
街再開発を巡る事故が今回のパーフェクトシティ3.0と酷似していることを示すもの)を公にしようとするが……。みんなが
想像する「ジャーナリスト」まんまな人。

トリシア……ユンを深く愛する妻。といえば聞こえはいいものの、ユンは彼女を一種の「ミューズ」「自信を
支えてくれる存在」としか思っておらず常に仕事に駆け回っているため、孤独感から多くの男性と関係を持っている。
ユンと同じ会社のカメラマンとして働き、その独立とともに「モナムプレス」へ移籍した。負けん気が強いさばさばした
性格は表面上に過ぎず裏の顔を持っている。

ジョニ―……ユンの下で後輩として働くも、地元で父親の仕事を手伝っていた元記者。ユンのジャーナリズム魂を
教え込まれた「精神上の弟子」ともいえる人物だが、その一方で私生活の方はちゃらんぽらんでトリシアや後述する
ケリーと恋愛関係にあった。なお、「モデムプレス」の名の発案者であり、耳目を集めるための俗っぽい仕掛け等にも
通じている。

ケリー……ジョニーと過去に恋愛関係にあった下層階級の庶民。元は不良たちの一員で職場も何度となく替わり、
乱脈な男性関係から生まれた父親不明の我が子は幼くして亡くなる。「パーフェクトシティ3.0」に心酔し、その
計画を阻む格好となったユンを憎悪し、計画が進めば街の貧困層向け周縁エリアや地下エリアに押し込められると
聞かされてもそれで生活が保障されるならいい、自由は恵まれた特権者の遊び道具だ、だから貧困層には必要ない、と
結構過激な主張で迫る新自由主義を内面化したような感じの娘。なぜかトリシアとジョニーの関係を掴みユンにバラす。

おイモ……軽いノリが目立つジョニーの刎頸の友。有能なハッカーでパーフェクトシティ3.0の情報やモナムの
資料解析に大きな貢献を果たすが、一方で自分の仕事は社会的使命というよりも生活のためだと割り切る冷めた
リアリストの顔を持っている。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
ユンが第1幕の序盤で銃撃された後、運び込まれた病院で医者や他の患者、見舞客から全員一致で「余計なことをする人」
「街の発展を無意味に阻害する悪人」扱いされて壊れちゃって、

「俺のやってることは正しいと思ってたけど、街のほとんどの人にはありがた迷惑だった、銃撃者も政府ではなく街の一般
市民なのかもしれない」→「だとしたら俺がやるべきなのは計画の邪悪さを告発することじゃなくて、計画がいい形に、
街の人が本当に望むように監視し、導くことじゃないか」→「政府との妥協も必要じゃないだろうか」と、

本人も認めるイエスマン気質全開で知らず知らずのうちに御用ジャーナリスト化していくの、街の人の生活と引き換えに
大事な自由や正義を捨て去るのか、と第三者が非難するのは簡単だけど、実際にその場にいたら抗いにくいと思うんだよね。

だって街の人の暮らしのため、自由のため、正義と民主主義のためにジャーナリズムやってるのに、当の街の人に「私たち
あなたの活動支持してません」って言われたらもうどうしていいか分かんないし、支持されてなくとも自分の思ったまま
やるって難しいよ。自分が正しいという保証はない。

だから、ケリーやユンを非難するのは、自分が実際のところは当事者じゃないって告白でもあるのよね……。

それ以上に怖いのは、物語の終盤でトリシアとジョニーの仲を邪推したユンが、激しいDVを妻に対して
振るい、トリシアは反抗するどころか「ユンがどんなに変わっても私はついていく」と断言。そして
自分が新しく雇い入れた秘書としてケリーを紹介する……。

これどういうことなんだろうね? 終盤も終盤なだけに登場人物の知られない「闇」あるいは「病み」を
突きつけられたような気持がしてぶるっときたよ。

思えば最初から伏線があって、ユンやジョニーは自分の政治的、社会的立場を公にしゃべっていたけど、
トリシアって自分のそういうジャーナリスト的な見解はほとんど明らかにしてこなかったのよね(終盤で
ジョニーに「あなたの声はどこにあるの?」と詰め寄ってたけど、それでも自分の具体的な考えは分からない)。

トリシアは、夫を「現場を駆け巡る正義のジャーナリスト」から「メディアタワーの椅子に腰かける“真心がある
政府”の代弁者」に堕とすことで自分がずっとそばにいることを望んでいたのではないか? ケリーに自分と
ジョニーの関係をリークしたのはもしかしたらトリシアなのではないか? その見返りにケリーは秘書の座へ就く
ことになったのではないか? トリシアの裏には政府の人間がもしかしたらいたのか? 

とかいろいろ想像ができるけど、なんだか垣間見えた夫婦の関係も含めてめちゃくちゃグロテスクだなと
感じた。「モナムプレス」は名前替わるか御用系メディアとして脱皮するんだろうか……?

最後の場面は、魯迅「吶喊」前書きの話だと思う。

あそこでは、小説なんか書き続けてどうするんだ、誰も意識改革できないだろうに、と問われた魯迅が、
「厚い鉄の壁に閉ざされた部屋の中であなたは目覚めた。他の人はまだ眠ったまま、自分一人では
どうしようもない。他の人を起こして助力を願った場合、もしどうにもできなければ「眠ったまま楽に
死ねたのに目覚めさせて苦しめた」と責められるかもしれない。でももしかしたら目覚めた人が多ければ
助かる希望がわずかでも出てくるかもしれない」と書いてるんだよね。

同じことで、檻に閉じ込められた野良豚(=ジャーナリスト)は自由を求めて大暴れしておとなしくしていれば
大丈夫なのにむざむざ傷ついて流血することになる。でも、こうして抵抗する姿をみせているうちに、誰かが
自分を逃がしたりしてくれるかもしれない。ジョニーがあの場で気付いたのはそういうことだと思う。
受付/六月の電話

受付/六月の電話

演劇ユニット茶話会

Paperback Studio(東京都)

2025/09/19 (金) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。
別役実の2作品、発表された年が違うにも関わらず 関連しているような印象を受ける。作品の選択とそう思わせる演出(宮田清香サン)が妙。「受付」(1980年)と「六月の電話」(1995年)では15年の間隔があるが、それぞれの時代背景を感じさせる。別役作品は、日常生活の中に人間の寂寥や空虚といった表現し難い思いを さり気なく描くといった印象だ。しかし 本公演、前者は不条理喜劇で、後者は不条理ミステリーといった違う作風が面白い。それでもリアリズムといった共通点は見い出せる。

別役作品の象徴的ともいえる小道具ー電信柱、本作ではこれをポールハンガーに置き換えて印象的/効果的に使っている。また電話だけで姿を現さない人物、それによって今いる空間だけではなく外の世界ー世相と繋がっていることを表す。そして2作品が繋がっているような錯覚、そこに演出の巧さを感じる。もちろん役者陣の演技は確かで見応えがあった。
(上演時間1時間50分 途中ブレイクタイム2分ほど) 

ネタバレBOX

舞台美術は、上手に衝立、その横にテーブルや置台。テーブルの上には黒電話。下手にベンチ、その後ろにポールハンガー。「受付」の時は山高帽、「六月の電話」の時はウエディングドレスが掛かっている。両作品とも 始まり方や終わり方は暗転ではなく、客電にしており、さぁ舞台が始まるぞ といった合図(気負い)はなく、さり気なく日常が描かれていく。

●「受付」男:森岡正次郎サン、女:田口朋佳サン
精神科の受付にきた男は、先生に相談があると…。受付の女から取次の前に 様々な質問を受ける。男は本来の用件を後回しにされ、女の話に引きずり込まれてしまう。女は男に対して、募金、アイバンク登録、献体への同意など 次々と要求してくる。その都度 女はこれら団体の受付へ電話をかける。男はこれらの要求を理不尽だと思いながら、抗うことが出来ず 受け入れてしまう。人間の意思(決定)の曖昧さ、理屈では説明が難しい人の心理を可笑しみを交えつつ鋭く描く。

「受付」では、何故ここに来たのか、そのうえで住所/氏名を訊かれたりする。「受付」は、その人の概略を知るため質問し、訪問者は「受付」の求めるモノを自ら曝け出す。そうして初めて「受け付けられる」。もちろん強制ではない。(劇中の女もそう言う)。しかしルールは守り、話は最後まで聞き、尋ねられたことには正直に答える──そうした当たり前が、自らを縛り不自由にしている。そこに男の「相談」そのものが浮かび上がる。会計事務所に勤め、仕事も人間関係にも気をつかう といった逃げ場のない精神状態。女の不条理な勧誘と男の優柔不断さがしっかり立ち上がる面白さ。

●「六月の電話」女:大橋繭子サン、男:大森崚矢サン
或る雨の昼時、雑居(寿)ビルの4階7号室。女は近くのコンビニで昼食を買い 戻ってきたところ。誰もいない部屋、習慣で「ただいま」と独り言。女は そこで電話の取次業をしている。毎日決まった時間に食事をして寝る といった変哲もない生活をしている。その日常を壊すかのようにアリバイ屋を名乗る男が現れる。或る人の依頼で13時から17時迄ここに居て、ここにいたすべての人のアリバイを証明する という。その間、何度も電話が鳴り、女が「今日は多いわね」と呟く。これが「受付」のシーンと繋がっているような。また頻繁に喫煙シーンがあるが、煙はたちどころに消えてしまう。まさに人生は泡沫で無常。

アリバイ屋とは何なのか、男は誰のアリバイを証明しようとしているのか。二人のかみ合わない会話から女の過去が次第に明らかになっていく。男と女の会話や行動から、女は潔癖であり癇癖といった性癖のよう。その融通の利かなさが、別れた男をひたすら待っている。結婚式当日、彼は来なかった。彼は過激派の内ゲバ騒動で…。それから20年経っている。アリバイ屋がいた僅かな時間、それが女の長い空白の時を埋めるかのよう。女(自分)の不在証明(この間の無為な日々)ならぬ、今を生きている存在証明(認識)になったようだ。少し気になったのは、女 役が大橋さんでは若すぎるのではないか ということ。
次回公演も楽しみにしております。
縁側で呼んでいる。

縁側で呼んでいる。

劇団PIS★TOL

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/06 (土) 13:00

母の葬儀で千葉県の実家に交際相手と共に帰った次男が姉・兄・従兄と振り返るその家で起きたこと=家族の歴史を回想する。
そんな内容だけに(?)暗転や転換なしに現在から過去の場面に転移する(しかも今の人物はそのまま子供時代も演じる)がちゃんと「あ、ここは回想場面ね」と察することができるのはσ(^-^) が観劇慣れしているからだけではあるまい。
また、各人物の関係を説明台詞なしに観客に伝える会話も巧みだし、二人の出演者が演ずる二役やプロローグとエピローグの「留守電」関連の場面など「演劇的小技(?)」も利かせて見事。
ただ、開演が6分遅れたことについて開演前・終演後とも何も触れなかったのは珠に瑕。

はにわのにわはわにのにわ

はにわのにわはわにのにわ

劇団さいおうば

インディペンデントシアターOji(東京都)

2025/09/19 (金) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

輪廻転生した各時代背景に深い事情があり、決して笑うような場面ではないのに気がつくと爆笑していました。役者陣の演技も光っていますが、何より声に艶がありハーモニーが素晴らしく綺麗でした。

赤い鳥の居る風景

赤い鳥の居る風景

劇団迷々

シアターシャイン(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/19 (金) 14:00

125分。休憩なし。

「タクボク~雲は旅のミチヅレ~」

「タクボク~雲は旅のミチヅレ~」

江戸糸あやつり人形 結城座

ザムザ阿佐谷(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

石川啄木の未完の小説、『雲は天才である』をモチーフにおきあんご氏作、加藤直氏演出の『笑うタクボク〜雲は天才である〜』を2012年に上演。2020年、加藤直氏が書き下ろして『明日またタクボク〜雲と劇場〜』を。そして更に今回、加藤直氏が書き足し新作として上演。

結城座の面々が町から町へと劇場に向かって旅をしている。都会の雑踏、袋小路に嵌り、踵を返そうとしたがよく見ると行き止まりには大きな穴が空いていた。思わずその穴を降りてみる。そこは古い廃校の教室のよう。落ちている一冊のノート。石川一(石川啄木の本名)の日記のようだ。母校岩手の尋常高等小学校(現在の小中一貫校)の代用教員を20歳から一年間務めた頃。何故か青空が地下に落ちている。

可動式のスクリーンに投映される映像を見事に活用。下手花道で生演奏は紫竹芳之氏。尺八、能管、篠笛···。茸の傘のような楽器、ハンドパンの音色が強烈。

ハジメ先生(結城孫三郎氏)が生徒達(安藤光さん)に自作の歌を歌わせたことで揉めている。擁護するマドンナ先生(湯本アキさん)。叱責する校長(小貫泰明氏)、その妻(大浦恵実さん)、教頭(結城育子さん)。

結城座の人形遣いの面々は声優のような声色が武器。人形のスムーズな動きと声とで観客を作品内にいざなっていく。人形遣いの世界と人形の世界が多重構造に連なり、この謎めいた劇空間を観客は解き明かしていかないといけない。

大浦恵実さんが戦後日本女優の佇まいで印象的。
超満員に詰め掛けた観客、ギチギチの客席。熱気が凄い。作品はとても面白い。
風に吹かれた雲のように次々に形を変えては飄々と時代を越えてゆく旗揚げ390周年を迎えた劇団。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

浄瑠璃『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)』の「櫓のお七」の前半を両川船遊氏が操る場面に大拍手が巻き起こる。

地下にあったのは石川一の日記ではなく、台本にするべき。どんな作品か演ってみよう、と学校のシーンに繋げた方がスムーズ。

結城孫三郎氏演ずるボクは人形を遣っていないと自己同一性が保てない。猿の人形に自分を託し、八百屋お七の人形をかどわかす。その上で敢えて探偵独眼竜(両川船遊氏)にお七捜索の依頼。

深い森に迷い込むハジメ先生達一行とお七人形を捜す結城座の面々。甘い匂いに誘われて夢見心地になってしまうが惑わされてはいけない。深い森の迷宮で独眼竜は犯人を突き止める。この森の描写は人間の無意識のようだ。意識に引っ張られ過ぎても無意識に引っ張られ過ぎてもいけない。

「人生は長い暗いトンネルだ、処々に都会という骸骨の林があるっきり。それにまぎれ込んで出路を忘れちゃいけないぞ。そして、脚の下にはヒタヒタと、永劫の悲痛が流れている、恐らく人生の始めよりも以前から流れているんだな。それに行く先を阻まれたからといって、そのまま帰って来ては駄目だ、暗い穴が一層暗くなるばかりだ。死か然らずんば前進、唯この二つのほかに路が無い。」
(『雲は天才である』より)。
十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

ハツビロコウ

小劇場B1(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台版としては、この作品の設定を模した別作品を何度か観たことがあるが、オリジナルは初めて観た。ヘンリーフォンダ主演の映画も良いが、観客が視点を自由に選んで見たいキャラクターを見ることができる点で映画より演劇のほうが向いている作品と思う。B1独特の客席配置は、座席位置による見る角度の違いによる異なる印象を観客にもたらすだろうと思われ、この点も演劇の面白さと言える。原作についての知識がなく映画しか見たことがないが、本公演は奇を衒わないオーソドックスな台本と演出と思われる。幕切れのしかたは映画版よりこのハツビロコウ版のほうが明らかに良い。客演の桟敷童子の俳優さんは所属劇団でも性格俳優的というかあのような特徴的な役を演じられることが多い気がするが、本作でも重要な役に見事に塡まっている。

ほしのひと

ほしのひと

演劇企画アクタージュ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/09/18 (木) 19:30

価格4,000円

2年ぶりにアクタージュの舞台を観劇しました。
当時から比べるとキャストの数も増えていて、前説では新メンバーの紹介もありました!
近年は長く続けられる劇団が減っている印象なので頑張って欲しいです♪
本作は「池袋演劇祭2025」参加作品となっております。
前作「ホシノヒト」は観てませんので、比較はできませんが本公演を忌憚なく書かせて頂きます。

ネタバレBOX

ブレスレットを付けた状態で、主人公の星野那咲が部屋のクローゼットに入ると
「過去や未来へタイムスリップする」というのがメインになっているSF系作品。
彼女の持っているブレスレットや日記帳から、過去に起きた父を巻き込んだ事件について物語は進みます。
伊東さんが舞台上で歌う宮沢賢治の「星めぐりの歌」ですが…とてもチャーミングで素敵でした。
2年前の公演ではカオス感が強くて、全体的に似たような印象の役者が多かったのですが
今回は主役が太陽のように舞台をNASAワールドに引き込み、客演の松井さんやベテラン勢が良い味を出して
まとまった感じの舞台に仕上がっていたように思います。

芝居に関しては、テンポ感は良いものの何回も過去・未来へ行くので、人物相関図が分かりにくい;
観る方にとっては、頭の中で整理しきれない様に感じます。配役が台詞として説明するシーンも見受けられましたが
物語も中盤からスピード感が出てくると、まわりくどいな~と感じてしまいました。
今回は伏線回収が大変でしたが、ウイルスとかDNA、宇宙人などのワードが好きな方はハマる台本だと思います。
『天守物語 〜夢の浮橋〜』

『天守物語 〜夢の浮橋〜』

虹色ぱんだ

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2025/09/18 (木) ~ 2025/09/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイゼツ、ベシミル! 華5つ☆ 初日を拝見。

ネタバレBOX

 虹色ぱんだは灰衣堂愛彩さんが、自分の好きな作品を自分の息の合った俳優たちと創り上げ上演する為に作ったチームである。今回は泉 鏡花が1917年9月号『新小説』に発表した傑作戯曲「天守物語」を上演。原作の現代の読書人には若干難しく感じられたり、とっつき難いと感じられるであろう箇所を原作の華麗・流麗は保ちつつ現代のどんな世代にも極めて分かり易く而も作品の本質を極めて的確に掴み取り優れた解釈と虹色パンダさんの舞台演出で一瞬観ただけで引き込む舞台に仕上げているのは、ずっと時代劇をAshで作品化してきた主宰の灰衣堂さんの積み重ねてきた歴史認識やその認識の深さ、確かさを物語るものであろう。余りにも有名な作品であるし、玉三郎絶頂期に彼が富姫を演じ国際的にも大喝采を浴びたことは多くの演劇ファンの知る処である。
 役者の演技も凄い。殊に感心したのは姫路城天守閣五層のあやかしたちに力を与えている獅子頭が鷹匠・図書之介を追って城主の命で五層の住人たちが攻撃を仕掛けられた際、目を攻撃され、皆の目が見えなくなる中、工人桃六の鑿によって視力を回復するが、この桃六を始め富姫の師匠をも演じた役者さんが棒杭が倒れ込むような一見無造作な倒れ込みシーンを演ずる場面が序盤から中盤に掛かる辺りにある。可成り御歳を召した俳優さんだが、これは歌舞伎等で荒事とされる程危険な演技である。それを難なくやってのけるこの役者さんの凄さにほとほと感心した。
 無論、このように見事な演技にこれほど感心できるのも、原作の解釈の深さ、的確、そして今作上演台本の分かり易さがあり、同時に鏡花存命中は上演されることのなかったこの傑作を原作の本質である純愛の受ける途轍もなく理不尽で厳しい「現実」と、女性が男性優位社会に担わされてきた苦労・苦悩を現代ジェンダー論を踏まえた上で、演じられる時代とその価値観とも通底する現代の形に創り上げた演出の巧み、そして今作上演台本・演出に架ける念が見事に役者陣の演技と共に結実していることがある。
ラルスコット・ギグの動物園

ラルスコット・ギグの動物園

おぼんろ

Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)

2025/09/11 (木) ~ 2025/09/20 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いつにもまして ファンタジー色が濃い寓話劇。
前作は、舞台と客席の境がない おぼんろ らしい公演だったが、本作は客席から観る一般的なものへ それが少し残念。

物語は時代設定を曖昧にし、時代に囚われず大切にしなければならないコトを訴える。それを動物の視点から描くことによって、生きているのは人間だけではないことを強調する。そこに おぼんろ らしい人間社会への皮肉や批判が浮き上がる。今回は生命や平和といった 言葉では明確だが それを表現することは難しい。その本質的なところを突いている。

また 照明や音響/音楽といった舞台技術が、いつにもまして効果的。そう思わせるのは、情景に応じて中央の舞台装置が回転し、同じ造作にも関わらず多方面からの照明によって違う印象をもたらすため。
(上演時間2時間 休憩なし) 

ネタバレBOX

中央に回転する櫓状の建物、上手・下手に形や大きさが違う別空間。奥の壁際は紅色の幕。側壁に飾り電球があり、中央の櫓の上には幾つかのランプ。全体は遥遠で幻想的な雰囲気が漂っている。

物語は、紛争・戦争が起こり、ラルスコット・ギグの動物園が戦禍に巻き込まれようとした時、一匹の獣が 開園された時の経緯を語るところから始まる。この地は 猛獣を恐れ、管理と秩序に支配された都市 チノイ。その周りは果てしない荒れ地 ラガキナ。動物たちを引き連れ旅をする青年ギグ、彼は唯一人の親友ラルスコットと共に「人間」として認められる日を夢見ている。或る日、金色の蛇が現れ「命(獣)を連れ、街で見世物にするのだ」と囁く。ギグは動物たちを説得し都市へと旅立つ。動物たちは、現実主義のバク、気弱なクマ、レッサーパンダを装う承認欲求の強いタヌキ、黙ってついてくるボロ犬。ギグは仲間を騙し残虐なショーで人気を博していく。移動動物園ではなく、この地の動物園として定住。そして「名誉市民の称号」を手に入れるが…。一方、魂を喰らうという〈大鴉〉の影もちらほら…。

「生命」と「平和」といった大きなテーマを描いているが、それを動物(獣)の淡々とした生き方の中に落とし込んでいる。そして動物たちの性格等を人間に準えることで、人間そのものを客観的に捉える。ラルスコットは 既に疫病で亡くなっており、ギグは心の中に幻影を抱いている。彼のことを忘れなければ心の中で生き続ける。しかし そこからは動けない。一方 忘れることは、想いとの決別で苦しいが 新たな歩みが出来る。そのジレンマが狂おしいほどに伝わる。そして動物たちを巻き込んでの戦争、いつの間にか人間ではなく獣が兵力として戦場に送り込まれる不条理。

今回は生歌が多く、ミュージカルのような印象もある。それがファンタジー色を濃くしている一因だ。物語性は勿論、観(魅)せる演出も回転舞台を用いることで効果的にしている。メイクや衣裳は寓話性を引き立て共感と感動を呼ぶ。やはり おぼんろ 公演はエンターテインメントに優れている。
次回公演も楽しみにしております。
柿喰う客新作本公演2025『超音波』

柿喰う客新作本公演2025『超音波』

柿喰う客

かなっくホール(神奈川県)

2025/09/12 (金) ~ 2025/09/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ホール公演だし、ポスターからもなんとなく王道的なテイスト期待しちゃったのですが。
まあ、そういう団体じゃないんだろうな。
音楽に向ける情熱よりも、いびつな人間模様が見どころかしら。
基本は6人による濃厚な演劇なんですが、その意味じゃスズナリのほうがハマりそうな印象。
ただ、より広い空間にある余白をダンスアンサンブルって形で埋めていていて、それはそれで豪華で見ごたえありました。
コンパクトな空間で良いもの作れるのに、空間が広がるとあれ?持て余してるなって思う団体も多いんですが、流石だと思いました。

アフターイベント回を観たのですが、とても温かい発表会でした。

たとへば君

たとへば君

アーティストジャパン

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2025/09/17 (水) ~ 2025/09/20 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ベテランお二人による朗読劇、実に見事でした。乳癌のエピソードが出たあたりから、自分の体験と相まって、感情が揺さぶられましたね。

nitehi:kedo

nitehi:kedo

こわっぱちゃん家

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/13 (土) 13:30

別離とAIの話。
めっちゃ泣きました。自分自身が経験した別離からまだ時間が経っていないこともあって、最初の方から最後の方までほぼずっと、色々な方向に感情を揺さぶられて泣いていました。
昨今よくも悪くも話題になっているAIですが、作中での扱いが珍しいほどに現実的で、けれど優しく夢があってとても好ましかったです。
物語自体ももちろん素敵でしたが、何より感心したのは、別離に向き合う上で参考になりそうな情報がたくさん詰まっていたこと。初めて知る概念もありましたし、考え方や関わり方などで気付きもあり、個人的にとても勉強になりました。
別離は辛く悲しいことですが、いつかは、誰もが必ず直面することになります。だからこそ、多くの人に観て欲しいと思った、素敵な作品でした。

nitehi:kedo

nitehi:kedo

こわっぱちゃん家

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/09/14 (日) 17:30

好きな俳優さんが出演してらっしゃるから観に行こうと思い、行ってみたら、途中からそんなこと頭から吹っ飛ぶほど物語に引き込まれました。
総合的なレベルが高く、久しぶりの舞台鑑賞がニテヒケドで良かったと心の底から思うくらいで
ただいま絶賛ロス中です。
公演後アンケートも、退場を促されるまでずっと書いてしまいました。
是非たくさんの方に観てもらいたい
本当に素敵な作品です。
きっといつまでも心の中に残り続けます。

このページのQRコードです。

拡大