ハーフカメラ 公演情報 ネクストバッターズサークル「ハーフカメラ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    (笑えた度)3.3(今感)4.4(完成度)5.5(平均)4

    北のほうにある高校。
    とある日の30分、同じ時間のA面B面、
    高校生活の1ページを瑞々しく描く、
    令和のジャームッシュ、ミステリートレイン。

    あの銃声は、ここでは懐かしのジュディマリ。

    「夏のにおい 追いかけて」

    北国だからこそ一瞬に感じる、あまりにも短い夏の1日。

    ネタバレBOX


    ジャームッシュを筆頭とする80年代インディー映画に多大な影響を受けた、アメリカミニマリズム演劇の系譜。

    噛み終えたガムのような乾いたコメディと、登場人物たちの抱える、ほんの少しの孤独や哀愁が絶妙なバランスで、
    心地よい後味はメランコリック。
    北のほうの夏、という絶妙な舞台設定に負うところも大きいでしょう。

    ジュディマリのOver Drive(1995)
    は男子チームのクライマックス。

    流行歌を歌う、は大惨事になる可能性も秘めつつ、
    ここではしっかり曲の魅力を全て包み込む演技のパワーで、コクのある余韻を紡ぎだします。

    女子チームにおいては、彼女らの平穏な日常の外側で起きたイベントの残響として機能。
    一瞬立ち止まるものの、イベントの全貌を知ることはなく、
    あくまで自分たちの物語を淡々と続けて「プール」へと旅立ちます。

    意味は、ない。

    夏だから。

    その一瞬の邂逅と決別が、短い夏のアウトロを永遠に脳内再生させるのです。

    ああ、いいお話だったな。

    0

    2025/12/01 16:36

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大